どこまでも玩具

片桐瑠衣

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晒された命

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 冬休み一日目。
 俺は類沢のベッドの上で、それを迎えた。
 まだ、朝早い。
 携帯を開くと七時半だった。
 眠気を引き摺る脳で夢を思い返す。
 夢。
 考えたことを整理してくれる。
 ただ、あんな結論はいらなかった。
 俺は夢に現れたタンスの位置を眺めてみる。
 そこには壁が広がっているだけだ。
 あんなにハッキリあったのに。
 欠伸をする。
 顎が少し痛い。
 首を回して、布団から出る。
 類沢はいなかった。
 メモが置いてある。
―裁判の件で出掛けてくる。誰か来ても無視して―
 朝食もそばにある。
 何時に出て行ったんだ。
 弁護士に会いにいったんだろうか。
 まさか、県外?
 窓からガレージを見ると、案の定車はない。
 いきなり一人になってしまった。
 結局昨日は俺が先に寝ちゃったし。
「……ええ! なんだそれ!」
 頭を抱えて今の考えに愕然とする。
 俺はやっぱり、おかしい。
 アカの言葉を思い出す。
 そうなのか。
 ありえないことが起きているのか。
 朝食をレンジに入れる。
 ボタンに指を押し付け、頭を振る。
 瞼が重い。
 夢が長すぎたか。
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