どこまでも玩具

片桐瑠衣

文字の大きさ
上 下
28 / 206
枯らされた友情

10

しおりを挟む
 口の中のティッシュが唾液と汗で濡れてぐちゃぐちゃになっている。
 吐き気を堪えるのも辛い。
 マスクからは水滴が滴り落ちる。
 「外したい? ソレ」
 俺はプライドを押し殺して頷いた。
 今更恥など考えてられない。
 外されれば、紅乃木が来たとき合図が出せる。
 そのためだ。
 類沢は手を止めてオレを見つめた。
 それだけで体が震える。
 怖い。
 オレは、類沢雅が怖い。
 気づきたくなかった。
 どうにもならないから。
「五月蝿いのは嫌いだからね」
 冷たい指がマスクにかかる。
「静かにしなよ」
 そして、外された。
 銀の糸を引いてティッシュが出される。
「ガッ……ぅえ……ごほ」
 激しく咽せながら空気を求めた。
 肺がヒューヒュー鳴ってる気がする。
「ゴミ箱……」
 ティッシュを手にした類沢は独り言のように呟くと、カーテンの向こうに消えた。
 安心して力を抜く。
 全身が早く解放しろと悲鳴を上げていた。
 仕方がないのに。
 次に姿を現した類沢を見て、体が強張った。
「何だよ……それは」
 類沢は注射器に似たものを持っていた。何故、こんな言い方をするかというと、そのサイズがおかしいからだ。
 腕の長さ程ある管には、ドロリとした液体が満たされている。
「あはは、体罰」
 ニコニコしながら類沢はその針の側をオレの脚の間に射し込む。
「おい、冗談じゃ……」
 グリッ。
 背中が痙攣する。
 あまりの圧迫感に、脚が痺れた。
 類沢は楽しむようにその中身を押し出し始めた。
「はッ……ちょ……んん」
 徐々に腸内に液体が侵入する。
 腹が金切り声を上げてる。
 痛い。
 気持ち悪い。
 グプ。
 全て入ると、それが抜かれた。
 だが後孔はすぐに収縮し、中身を零すまいと力む。
「キツい?」
 キツいに決まってる。
 体をよじって痛みから逃げる術を探す。
 でも、もうわかっていた。
 この液体の正体を。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

営業活動

むちむちボディ
BL
取引先の社長と秘密の関係になる話です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...