15 / 206
荒らされた日常
7
しおりを挟む
ガラ。
「失礼しゃーす」
金原と紅乃木が保健室に着いた。
「おや、どうしたの?」
それを笑顔で迎える類沢。
「……瑞希、来てないすか」
キイ。
類沢が椅子を回してベッドを示した。
その途端、二人は強張る。
「類沢センセ……」
「あ、アカに金原。わざわざ来たの?」
金原の低い声が言葉を綴る前に、宮内が現れる。
「瑞希っ」
「みぃずき、平気?」
二人に駆け寄られて当惑する宮内。
「大丈夫だって……」
その目にうっすら涙が浮かんでいた。
「……なにされた?」
無言で廊下に出るや否や、金原が俺に耳打ちする。
「いや、別に」
ガシッ。
アカが首に手を回す。
その鮮やかな髪に見とれつつ、鋭い視線を受け止める。
「金原も俺も一限サボってみぃずき探してた訳。そんな俺らに嘘つく気?」
俺は震える脚を何とか支える。
まだ二限が終わってないので、廊下には三人だけだ。
「だから……何を疑って」
「篠田になにされたわけ?」
核心を突かれて言葉が詰まる。
力を抜けば、座り込んで泣き叫んでしまいそうだ。
アカがじっと濡れた目を見つめるものだから、恥ずかしくなる。
「みぃずき、泣いてるよ」
「……」
「とりあえず、ここじゃあれだろ。部室行こうぜ」
金原の提案で、三人は引退したバスケ部の部室に向かった。
「失礼しゃーす」
金原と紅乃木が保健室に着いた。
「おや、どうしたの?」
それを笑顔で迎える類沢。
「……瑞希、来てないすか」
キイ。
類沢が椅子を回してベッドを示した。
その途端、二人は強張る。
「類沢センセ……」
「あ、アカに金原。わざわざ来たの?」
金原の低い声が言葉を綴る前に、宮内が現れる。
「瑞希っ」
「みぃずき、平気?」
二人に駆け寄られて当惑する宮内。
「大丈夫だって……」
その目にうっすら涙が浮かんでいた。
「……なにされた?」
無言で廊下に出るや否や、金原が俺に耳打ちする。
「いや、別に」
ガシッ。
アカが首に手を回す。
その鮮やかな髪に見とれつつ、鋭い視線を受け止める。
「金原も俺も一限サボってみぃずき探してた訳。そんな俺らに嘘つく気?」
俺は震える脚を何とか支える。
まだ二限が終わってないので、廊下には三人だけだ。
「だから……何を疑って」
「篠田になにされたわけ?」
核心を突かれて言葉が詰まる。
力を抜けば、座り込んで泣き叫んでしまいそうだ。
アカがじっと濡れた目を見つめるものだから、恥ずかしくなる。
「みぃずき、泣いてるよ」
「……」
「とりあえず、ここじゃあれだろ。部室行こうぜ」
金原の提案で、三人は引退したバスケ部の部室に向かった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説



男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
天国地獄闇鍋番外編集
田原摩耶
BL
自創作BL小説『天国か地獄』の番外編短編集になります。
ネタバレ、if、地雷、ジャンルごちゃ混ぜになってるので本編読んだ方向けです。
本編よりも平和でわちゃわちゃしてちゃんとラブしてたりしてなかったりします。

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる