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三十五話 マリアンヌの自供 前編
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「美味しい」
少し遅めの朝食をテラスで食べている。
いつも愛飲している紅茶だが、今日は格別に美味しいと思ってしまう。
今日で目障りなリリーシア・ブロリーンを、エドの前から消し去ることができると思うと、たとえ苦い薬汁でも美味しいと思ってしまうだろう。
エドとは従弟であるから、幼少期から交流があった。幼い頃から美しい顔立ちで、持っていたビクスドールなど比べ物にならないほど神々しいとさえ思っていた。
彼が『マリー姉様』と呼ぶ声も、はにかむ笑顔も、全部可愛らしくて、私が守ってあげたいと母性本能を刺激されたわ。
周りの友人は筋肉質の男性を好んでいたが、私は中性的なエドが堪らなく好きだった。従弟なら結婚も出来るし、虚弱体質なんか気にしないわ。むしろ一生私が守ってあげる。
私はずっとエドと結婚することを夢見ていた。
ただ、私は公爵令嬢だ。政治的な思惑で王子の婚約者候補にあげられてしまった。家柄と美しい容姿、高い教養、溢れる気品が私とエドを切り裂いてしまうなんて……。
婚約者候補の話が来たときは、絶望して枕を濡らしたわ。筋肉質の王子は私の好みじゃない。人形のように美しいエドが欲しい。
だから、婚約者候補から外れるために、他の候補者と王子を接近させ二人の仲を取り持った。そして、エドが貴族学院を卒業する日に二人を寝室に誘導し、媚薬を飲ませて既成事実を作ってあげた。ようやく婚約の話を潰したのに、エドはリリーシア・ブロリーンと婚約を発表したのだ。
裏切られたと、腸が煮えくり返るような思いだった。そして、エドを誑かした女が憎くてならなかった。
リリーシア・ブロリーンを排除するには、情報が必要だ。そこで、定年を迎える恩師に会うということで貴族学院に行った。根回しして、私が恩師を訪ねているときに、リリーシア・ブロリーンが雑用で来るように仕向けたのだ。
リリーシア・ブロリーンを見たときは、拍子抜けしてしまった。どこにでもいる普通の女だったのだ。金髪は流行りのストレートではなく、少しウェーブがかかっているし、目鼻立ちは整っているが幼さが抜けてない。ボディーラインも凹凸が少ない。女としての魅力にかける女だった。
こんな女より、私の方が何十倍も素敵だ。
エドとは卒業後、同じ職場に配属されるように根回ししている。四六時中一緒にいれば、冴えない女より、私の魅力に気がついて、私を好きになってくれると思った。
簡単なことだと思った。
しかし……純情なエドは目を覚まさなかった。
二人の結婚式を見て、私は激しい憎しみを覚えた。私の物を奪った女が憎くてたまらない。
エドの隣で笑っているのは私だった。
エドに微笑まれるのは私だった。
エドに愛されるのは私だった。
殺してやる……。
だけど、普通に殺してはダメだ。
エドの心の片隅に、あの女の存在を残したくない。エドがあの女に夢中なときに死ねば、優しいエドの心に、あの女への情が残ってしまう。人は死者を美化しやすいものよ。
そんなの許せない!
ならば二人を仲違いさせるのよ。
それも、エドが一番傷つくやり方で!
エドは虚弱体質にコンプレックスがある。体格の良い騎士に憧れと劣等感を持っている。そして、父親のように強いと評判の男には特に。
ならばあの女が、自分が一番憧れるような男に寝とられたら、エドはさぞかしショックを受けるだろう。愛は憎しみに変わり、エドの手でリリーシア・ブロリーンを断罪させるのよ。
そのとき、私が一番の味方に、理解者になってあげれば、エドの気持ちが私に傾くはず。いいえ、傾けて見せるわ。
二人を破局させるのに使えそうな情報がないか、私はイモージェンに連絡を取った。あの子とは、ローゼンタール伯爵家に奉公に来たときから交流がある。
下級貴族で没落寸前の家の娘。私が少し優しくすれば犬みたいに尻尾を振ってきた。
エドに邪な気持ちを持っていることは、すぐにわかったが、エドもイモージェンのことを使用人としてしか見てないし、何かあれば簡単に消せる存在だ。排除するより、エドのことを見張らせて、情報を流させるのにちょうど良いと野放しにしていた。
そして、イモージェンからいい情報があった。
エドとあの女は初夜以降、男女の関係にはなっていないというのだ。
しかも、イモージェンが初夜用の薬を水に変え、エドに興奮剤を飲ませて初夜に挑ませたらしい。部屋の外に聞こえるほどの悲鳴だったそうだ。きっとトラウマになっただろう。
いいきみよ。
夜の生活が上手くいかないと破局する夫婦も多いと聞く。これなら、何もしなくても二人は破局するだろう。エドの気持ちがあの女から離れたら、イモージェンを使って浮気現場を作ってやろう。それをエドに目撃させ、その場で断罪、離婚。いえ、婚姻記録を残すのも癪だわ。婚姻無効申請を出させれば、結婚したこともなかったことに出来る。
そう、リリーシア・ブロリーンとは、何もなかったことに出来るのだ。
が、ことは、上手くいかなかった。
リリーシア・ブロリーンが妊娠したのだ。
その知らせを聞いたのは、王太子の地方巡回に同行して3ヶ月たった頃だった。エドも視察団に入っていて、3ヶ月一緒に居られて天国のような時間に、エドが嬉しそうに話してきたのだ。
『シアが妊娠したんだ!』
まさに、青天の霹靂、寝耳に水だ。
そのとき、笑えていたかわからない。
頭の中は『堕胎薬』のことでいっぱいだった。
我が国で『堕胎薬』は王宮で厳重に管理される薬だ。昔、王妃に堕胎薬を飲ませて子供を殺した事件が発生したため、堕胎薬の製造はもちろん、その生成方法も秘匿されている。
手にいれるには、それなりの地位の医者を買収しなければならない。それに、今から飲ませても効果はないかもしれない。
確か、堕胎薬の効果は妊娠九週までだったはず……。
初夜以降、夜の行為はしていないと確認済みだから、すでに九週は過ぎている。
手遅れだ。
イモージェンから『階段から突き落としましょうか?』とか『毒を用意してくれたら、指示に従う』と連絡がきたが、死なれたらもともこもない。あの女を美化させるわけにはいかない。
イモージェンには何もするなと指示したが、まずい状況だ。
子供が産まれたら、エドの中からあの女の存在を消すのが難しくなってしまう。それよりも、二人の絆が深くなってしまう。エドがどんどんあの女に毒されていく。
だめ!堪えられない!
どうにかしないと……。
しかし、良い方法は思い付かなかった。
王都の屋敷に帰ると、お忍びでイザベラ叔母様とイモージェンが訪ねてきた。
そこで、誰でも髪色を指定した色に変えられる魔法スクロールを持ってきたのだ。イザベラ叔母様は、その魔法スクロールを使って産まれた赤子の髪色を変えて、リリーシア・ブロリーンが浮気相手の子を産んだとエドに思わせようと、計画を持ちかけてきたのだ。
興奮ぎみに話すが、浅慮な計画に呆れてしまった。
髪色を変えるなんて、中途半端な魔法スクロールではなく、リリーシア・ブロリーンを嫌いになる精神系の魔法スクロールがあれば、子供が出来ようが関係なく、あの女を排除できるのに。
くだらない魔法スクロールを持ってきて、さも素晴らしい計画のように話されてイライラしてしまった。だが、イモージェンの話では、精神系の魔法は国際的に禁止されているらしく、現代では精神系魔法はないそうだ。
まぁ、そんな魔法があったら王族に使って、国を乗っ取ることも簡単だろうから、少し考えれば存在しなくて当たり前だったわね。
焦りと疲れで、思考が乱雑になってしまったわ。
私は『髪色を変えても、血縁は変えられない。親子鑑定をされたら、すぐにバレてしまう』とイザベラ叔母様に指摘したら、彼女は不敵に笑って、私のお父様が昔、親子鑑定書を偽造したことがあると告げてきたのだ。
ダヴィット・ベルジュ(45)
トレトン伯爵家の次男だったが、女公爵であるお母様に熱烈なアプローチをして、婿養子として公爵家にやって来た。
結婚前は女癖が悪かったそうだが、『私が浮気したら離婚しようが、殺そうが君の好きにしてくれ』と結婚式で宣言したのは有名だ。
お父様はお母様を、一途に愛していると思っていた。
イザベラ叔母様の話を聞くまでは……。
少し遅めの朝食をテラスで食べている。
いつも愛飲している紅茶だが、今日は格別に美味しいと思ってしまう。
今日で目障りなリリーシア・ブロリーンを、エドの前から消し去ることができると思うと、たとえ苦い薬汁でも美味しいと思ってしまうだろう。
エドとは従弟であるから、幼少期から交流があった。幼い頃から美しい顔立ちで、持っていたビクスドールなど比べ物にならないほど神々しいとさえ思っていた。
彼が『マリー姉様』と呼ぶ声も、はにかむ笑顔も、全部可愛らしくて、私が守ってあげたいと母性本能を刺激されたわ。
周りの友人は筋肉質の男性を好んでいたが、私は中性的なエドが堪らなく好きだった。従弟なら結婚も出来るし、虚弱体質なんか気にしないわ。むしろ一生私が守ってあげる。
私はずっとエドと結婚することを夢見ていた。
ただ、私は公爵令嬢だ。政治的な思惑で王子の婚約者候補にあげられてしまった。家柄と美しい容姿、高い教養、溢れる気品が私とエドを切り裂いてしまうなんて……。
婚約者候補の話が来たときは、絶望して枕を濡らしたわ。筋肉質の王子は私の好みじゃない。人形のように美しいエドが欲しい。
だから、婚約者候補から外れるために、他の候補者と王子を接近させ二人の仲を取り持った。そして、エドが貴族学院を卒業する日に二人を寝室に誘導し、媚薬を飲ませて既成事実を作ってあげた。ようやく婚約の話を潰したのに、エドはリリーシア・ブロリーンと婚約を発表したのだ。
裏切られたと、腸が煮えくり返るような思いだった。そして、エドを誑かした女が憎くてならなかった。
リリーシア・ブロリーンを排除するには、情報が必要だ。そこで、定年を迎える恩師に会うということで貴族学院に行った。根回しして、私が恩師を訪ねているときに、リリーシア・ブロリーンが雑用で来るように仕向けたのだ。
リリーシア・ブロリーンを見たときは、拍子抜けしてしまった。どこにでもいる普通の女だったのだ。金髪は流行りのストレートではなく、少しウェーブがかかっているし、目鼻立ちは整っているが幼さが抜けてない。ボディーラインも凹凸が少ない。女としての魅力にかける女だった。
こんな女より、私の方が何十倍も素敵だ。
エドとは卒業後、同じ職場に配属されるように根回ししている。四六時中一緒にいれば、冴えない女より、私の魅力に気がついて、私を好きになってくれると思った。
簡単なことだと思った。
しかし……純情なエドは目を覚まさなかった。
二人の結婚式を見て、私は激しい憎しみを覚えた。私の物を奪った女が憎くてたまらない。
エドの隣で笑っているのは私だった。
エドに微笑まれるのは私だった。
エドに愛されるのは私だった。
殺してやる……。
だけど、普通に殺してはダメだ。
エドの心の片隅に、あの女の存在を残したくない。エドがあの女に夢中なときに死ねば、優しいエドの心に、あの女への情が残ってしまう。人は死者を美化しやすいものよ。
そんなの許せない!
ならば二人を仲違いさせるのよ。
それも、エドが一番傷つくやり方で!
エドは虚弱体質にコンプレックスがある。体格の良い騎士に憧れと劣等感を持っている。そして、父親のように強いと評判の男には特に。
ならばあの女が、自分が一番憧れるような男に寝とられたら、エドはさぞかしショックを受けるだろう。愛は憎しみに変わり、エドの手でリリーシア・ブロリーンを断罪させるのよ。
そのとき、私が一番の味方に、理解者になってあげれば、エドの気持ちが私に傾くはず。いいえ、傾けて見せるわ。
二人を破局させるのに使えそうな情報がないか、私はイモージェンに連絡を取った。あの子とは、ローゼンタール伯爵家に奉公に来たときから交流がある。
下級貴族で没落寸前の家の娘。私が少し優しくすれば犬みたいに尻尾を振ってきた。
エドに邪な気持ちを持っていることは、すぐにわかったが、エドもイモージェンのことを使用人としてしか見てないし、何かあれば簡単に消せる存在だ。排除するより、エドのことを見張らせて、情報を流させるのにちょうど良いと野放しにしていた。
そして、イモージェンからいい情報があった。
エドとあの女は初夜以降、男女の関係にはなっていないというのだ。
しかも、イモージェンが初夜用の薬を水に変え、エドに興奮剤を飲ませて初夜に挑ませたらしい。部屋の外に聞こえるほどの悲鳴だったそうだ。きっとトラウマになっただろう。
いいきみよ。
夜の生活が上手くいかないと破局する夫婦も多いと聞く。これなら、何もしなくても二人は破局するだろう。エドの気持ちがあの女から離れたら、イモージェンを使って浮気現場を作ってやろう。それをエドに目撃させ、その場で断罪、離婚。いえ、婚姻記録を残すのも癪だわ。婚姻無効申請を出させれば、結婚したこともなかったことに出来る。
そう、リリーシア・ブロリーンとは、何もなかったことに出来るのだ。
が、ことは、上手くいかなかった。
リリーシア・ブロリーンが妊娠したのだ。
その知らせを聞いたのは、王太子の地方巡回に同行して3ヶ月たった頃だった。エドも視察団に入っていて、3ヶ月一緒に居られて天国のような時間に、エドが嬉しそうに話してきたのだ。
『シアが妊娠したんだ!』
まさに、青天の霹靂、寝耳に水だ。
そのとき、笑えていたかわからない。
頭の中は『堕胎薬』のことでいっぱいだった。
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手にいれるには、それなりの地位の医者を買収しなければならない。それに、今から飲ませても効果はないかもしれない。
確か、堕胎薬の効果は妊娠九週までだったはず……。
初夜以降、夜の行為はしていないと確認済みだから、すでに九週は過ぎている。
手遅れだ。
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イモージェンには何もするなと指示したが、まずい状況だ。
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だめ!堪えられない!
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しかし、良い方法は思い付かなかった。
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そこで、誰でも髪色を指定した色に変えられる魔法スクロールを持ってきたのだ。イザベラ叔母様は、その魔法スクロールを使って産まれた赤子の髪色を変えて、リリーシア・ブロリーンが浮気相手の子を産んだとエドに思わせようと、計画を持ちかけてきたのだ。
興奮ぎみに話すが、浅慮な計画に呆れてしまった。
髪色を変えるなんて、中途半端な魔法スクロールではなく、リリーシア・ブロリーンを嫌いになる精神系の魔法スクロールがあれば、子供が出来ようが関係なく、あの女を排除できるのに。
くだらない魔法スクロールを持ってきて、さも素晴らしい計画のように話されてイライラしてしまった。だが、イモージェンの話では、精神系の魔法は国際的に禁止されているらしく、現代では精神系魔法はないそうだ。
まぁ、そんな魔法があったら王族に使って、国を乗っ取ることも簡単だろうから、少し考えれば存在しなくて当たり前だったわね。
焦りと疲れで、思考が乱雑になってしまったわ。
私は『髪色を変えても、血縁は変えられない。親子鑑定をされたら、すぐにバレてしまう』とイザベラ叔母様に指摘したら、彼女は不敵に笑って、私のお父様が昔、親子鑑定書を偽造したことがあると告げてきたのだ。
ダヴィット・ベルジュ(45)
トレトン伯爵家の次男だったが、女公爵であるお母様に熱烈なアプローチをして、婿養子として公爵家にやって来た。
結婚前は女癖が悪かったそうだが、『私が浮気したら離婚しようが、殺そうが君の好きにしてくれ』と結婚式で宣言したのは有名だ。
お父様はお母様を、一途に愛していると思っていた。
イザベラ叔母様の話を聞くまでは……。
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