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24話 サイラスの回想1(サイラス視点)
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私はサイラス・アルデバイン。
アルデバイン公爵家の人間だ。
アルデバイン公爵家は代々王室に忠誠を捧げている。別名・王家の番犬と恐れられている。
これは国家機密事項だが、アルデバイン公爵家は暗部を取りまとめている家だ。暗殺・諜報・情報操作など。王家に仇なす輩を秘密裏に排除している。
大きな声では言えないが、私もそれなりに仕事の経験は積んでいる。
マチルダ様がオルトハット王国に留学することが決まったときは、本当に最悪だった。
一人のバカ貴族が、自分の娘にレオンがなびかない事にしびれを切らし、レオンを蹴落としてマチルダ様を擁立しようとする動きを見せたのだ。
内乱が起こっては困る。
国を安定させるために、マチルダ様を留学という体で他国に避難させることになった。
程よく離れ、マチルダ様を歓迎してくれる国として、オルトハット王国が名乗り出たのだ。
ヘンリー王からの熱いお誘いだった。
案の定、マチルダ様は反発したが、ヘンリー王からのアプローチを上手く回避できないようなら、婚約を逃げ回っても捕まると王妃様に言われ、しぶしぶオルトハット王国に渡った。
マチルダ様の護衛として、最も信頼が厚いアルデバイン公爵家に話が来た。年齢的にも、実力的にも、昔から付き合いがある私が適任とされた。
最悪な事に『マチルダの側で護衛してほしい』と陛下の願いのせいで、魔道具で女性に変身する事になってしまった。
女性しか行けない場所が多いのはわかるんだが……。
悪足掻きで、女性しか入れない場所は女性の影を護衛につけるのはどうかと提案したが、マチルダ様の安全第一と提案は却下された。
ただ、紳士として断言するが、マチルダ様の洋服の着替えや入浴の手伝いなど、彼女の不名誉になることはしていない。
そう言ったことは、女性の影にお願いしていた。
当初は『貧乏くじを引かされた』と恨みもしたが、結果、エスメローラに会えたから、むしろ感謝している。
マチルダ様はヘンリー王との接触を回避するために、よく図書室を利用していた。
そこで、エスメローラを見かけていた。
物静かで目立つような女性ではなかった。むしろ地味で存在感を抑えている印象だった。だが、本を読んでいるときは表情豊かで、見ていて飽きなかった。
難解な専門書を読んでる日もあれば、恋愛小説に没頭している日もあった。
図書室で彼女を観察するのは、一時の癒しだった。
そんなある日、彼女が不用意に近づいてきた。
今までこちらに一切関心を寄せなかったのに……。
何かしらの意図があるのは明白だ。
図書室に通う生徒は、粗方調べあげている。
エスメローラ・マルマーダ伯爵令嬢も例外ではない。家族構成、親の仕事、どこの派閥に属していて、誰と親しくしているか、大体の調べは済んでいた。
それを踏まえて、彼女の行動は謎だった。
マチルダ様から『彼女は婚約者から逃げたいのだろう』と助言された。
盲点だった。
彼女は公式に婚約者を発表していないから、婚約者の線を失念していた。
だが、数日の調査や見張りで彼女を散々調べあげたが、婚約者の影も見えない。むしろ、男性との接触もほぼ無い。本当に婚約者が居るのかと疑いたくなる……。
そこで、学院に入る前の交友関係を調べていくと、ブラント・エヴァンス公子が浮かび上がった。
彼らの婚約は実に巧妙に隠されていた。
私はエスメローラの方から調べたから婚約の事実にたどり着いたが、エヴァンス公子の方から調べたらわからなかっただろう。
それくらい、念入りに隠されていた。
エヴァンス公子はヘンリー王の右腕だ。彼の周りはうるさいハエが何匹も飛び回っている。それも、毒が強くてたちの悪い毒虫だ。もしもエスメローラが婚約者だと情報が漏れれば、間違いなく潰されていたに違いない。
ブラント・エヴァンス公子……。
眉目秀麗、文武両道と称賛されるが、女癖はよろしくない。ヘンリー王の命令を受けて女遊びをしていると報告を受けている。かなり大胆にだ。
巷に流れる噂も利用して、女を使って情報捜査や証拠集めなど、クズ男を演じながら成果を上げているようだ。
ヘンリー王の右腕としては優秀なのかもしれないが、男としては最低だ。エスメローラへのフォローは一切無い。彼女が自分にベタ惚れだから、多少の噂程度では信頼は揺るがないなど、ヘンリー王達が集まる執務室で豪語していた。
大バカ者だ。
あんな男にエスメローラの心はズタズタに切り裂かれていると思うと、殺意を覚えた。
事の顛末は全てマチルダ様に話し、その上でエスメローラがどうしていきたいのかを見極める事となった。
事はトントン拍子に運び、エスメローラはマチルダ様の侍女になることを決意し、私の指導のもと、立派な侍女に変身をした。
運動神経は平凡より下だったが、根性と頭の回転の良さはマチルダ様に匹敵するかも知れない。
マチルダ様の求める資料は、指示される前に粗方準備しているし、今回の自然エネルギーの開発のきっかけになったのも彼女だった。
彼女はイエルゴート王国に有益な人材だ。
そして、私にとって……。
いざオルトハット王国から彼女を連れて旅立ったとき、イエルゴート王国に連れて帰りたい気持ちと、任務とは言え『女性のサラ』として彼女を騙してきた後ろめたさを感じた。
本来の『サイラス』に戻る事で彼女に嫌われるのではないかと恐れ、イエルゴート王国に帰るのが怖かった……。
自分でも小物過ぎて笑ってしまうが、サラからサイラスに戻るときは、陛下や王妃様、レオン、マチルダ様、そしてエスメローラが居る場で変身を解いて、事情を話す場をもうけてもらえるように手配しておいた。
少しでも『故意に騙していた訳じゃない』『命令で打ち明けられなかった』と、彼女に言い訳を聞いてもらえるように……。
『騙すかたちになって、すまない。改めて自己紹介させてほしい。サイラス・アルデバインだ。君の……義兄だ』
『えっ……あっ……エスメローラ・マルマ、いえ、アルデバインです。……お……義兄様』
予想通り彼女は混乱した。
私との距離をどうすればよいか、戸惑いも感じた。だが、『嫌悪』や『失望』といった感情は見受けられなかった。
これは思わぬ収穫だろう。
女性だと騙していた事については、理解してくれたと思われる。
これからサイラスとして、彼女の信頼を得ていけば、彼女を手に入れられるかもしれない。
そんなほの暗い気持ちが、胸を熱くさせた。
彼女の好み、思考、性格はサラの時に熟知している。それに、素直で腹芸が苦手だから、彼女の機微も把握している。
騙していたことで彼女に嫌われたらと心配していたが、幸先のよいスタートを切れて、あの時は胸を撫で下ろした。
だが、事態はそんなに甘くなかった。
彼女との距離は一向に縮められなかった。
サラの時に見ていた、屈託無い笑顔を見ることも出来なくなり、気遣いも空回るようになってしまった。心の距離でいえば妹のロクサーヌの方が親しげに話せてる。マチルダ様とは、以前よりも砕けた表情、口調で話しているのを見かけると、焦る気持ちが膨らんできた。
エスメローラに嫌われてはいない。
だが、ただ、それだけだった。
女性と騙していたことが悪かったのか、それともエヴァンス公子にまだ心が残っているのか……。
時折送られてくる花束を受け取っているとも聞いた。
何であの男なんだ!
あんな最低な男が良いのか?!
焦れているとき、建国記念祭にエヴァンス公子がやって来ると情報が入った。
私は居ても立ってもいられず、エスメローラの元に走っていた。
「えぇ、大丈夫です。私にはこんなに優しいお義兄様がいますから、何も心配していません」
笑顔で私を『お義兄様』と呼んだ事に、もう耐えられなかった。
「私と結婚しないか?」
彼女との距離が縮まったら告げるつもりの言葉を私は声に出してしまった。
アルデバイン公爵家の人間だ。
アルデバイン公爵家は代々王室に忠誠を捧げている。別名・王家の番犬と恐れられている。
これは国家機密事項だが、アルデバイン公爵家は暗部を取りまとめている家だ。暗殺・諜報・情報操作など。王家に仇なす輩を秘密裏に排除している。
大きな声では言えないが、私もそれなりに仕事の経験は積んでいる。
マチルダ様がオルトハット王国に留学することが決まったときは、本当に最悪だった。
一人のバカ貴族が、自分の娘にレオンがなびかない事にしびれを切らし、レオンを蹴落としてマチルダ様を擁立しようとする動きを見せたのだ。
内乱が起こっては困る。
国を安定させるために、マチルダ様を留学という体で他国に避難させることになった。
程よく離れ、マチルダ様を歓迎してくれる国として、オルトハット王国が名乗り出たのだ。
ヘンリー王からの熱いお誘いだった。
案の定、マチルダ様は反発したが、ヘンリー王からのアプローチを上手く回避できないようなら、婚約を逃げ回っても捕まると王妃様に言われ、しぶしぶオルトハット王国に渡った。
マチルダ様の護衛として、最も信頼が厚いアルデバイン公爵家に話が来た。年齢的にも、実力的にも、昔から付き合いがある私が適任とされた。
最悪な事に『マチルダの側で護衛してほしい』と陛下の願いのせいで、魔道具で女性に変身する事になってしまった。
女性しか行けない場所が多いのはわかるんだが……。
悪足掻きで、女性しか入れない場所は女性の影を護衛につけるのはどうかと提案したが、マチルダ様の安全第一と提案は却下された。
ただ、紳士として断言するが、マチルダ様の洋服の着替えや入浴の手伝いなど、彼女の不名誉になることはしていない。
そう言ったことは、女性の影にお願いしていた。
当初は『貧乏くじを引かされた』と恨みもしたが、結果、エスメローラに会えたから、むしろ感謝している。
マチルダ様はヘンリー王との接触を回避するために、よく図書室を利用していた。
そこで、エスメローラを見かけていた。
物静かで目立つような女性ではなかった。むしろ地味で存在感を抑えている印象だった。だが、本を読んでいるときは表情豊かで、見ていて飽きなかった。
難解な専門書を読んでる日もあれば、恋愛小説に没頭している日もあった。
図書室で彼女を観察するのは、一時の癒しだった。
そんなある日、彼女が不用意に近づいてきた。
今までこちらに一切関心を寄せなかったのに……。
何かしらの意図があるのは明白だ。
図書室に通う生徒は、粗方調べあげている。
エスメローラ・マルマーダ伯爵令嬢も例外ではない。家族構成、親の仕事、どこの派閥に属していて、誰と親しくしているか、大体の調べは済んでいた。
それを踏まえて、彼女の行動は謎だった。
マチルダ様から『彼女は婚約者から逃げたいのだろう』と助言された。
盲点だった。
彼女は公式に婚約者を発表していないから、婚約者の線を失念していた。
だが、数日の調査や見張りで彼女を散々調べあげたが、婚約者の影も見えない。むしろ、男性との接触もほぼ無い。本当に婚約者が居るのかと疑いたくなる……。
そこで、学院に入る前の交友関係を調べていくと、ブラント・エヴァンス公子が浮かび上がった。
彼らの婚約は実に巧妙に隠されていた。
私はエスメローラの方から調べたから婚約の事実にたどり着いたが、エヴァンス公子の方から調べたらわからなかっただろう。
それくらい、念入りに隠されていた。
エヴァンス公子はヘンリー王の右腕だ。彼の周りはうるさいハエが何匹も飛び回っている。それも、毒が強くてたちの悪い毒虫だ。もしもエスメローラが婚約者だと情報が漏れれば、間違いなく潰されていたに違いない。
ブラント・エヴァンス公子……。
眉目秀麗、文武両道と称賛されるが、女癖はよろしくない。ヘンリー王の命令を受けて女遊びをしていると報告を受けている。かなり大胆にだ。
巷に流れる噂も利用して、女を使って情報捜査や証拠集めなど、クズ男を演じながら成果を上げているようだ。
ヘンリー王の右腕としては優秀なのかもしれないが、男としては最低だ。エスメローラへのフォローは一切無い。彼女が自分にベタ惚れだから、多少の噂程度では信頼は揺るがないなど、ヘンリー王達が集まる執務室で豪語していた。
大バカ者だ。
あんな男にエスメローラの心はズタズタに切り裂かれていると思うと、殺意を覚えた。
事の顛末は全てマチルダ様に話し、その上でエスメローラがどうしていきたいのかを見極める事となった。
事はトントン拍子に運び、エスメローラはマチルダ様の侍女になることを決意し、私の指導のもと、立派な侍女に変身をした。
運動神経は平凡より下だったが、根性と頭の回転の良さはマチルダ様に匹敵するかも知れない。
マチルダ様の求める資料は、指示される前に粗方準備しているし、今回の自然エネルギーの開発のきっかけになったのも彼女だった。
彼女はイエルゴート王国に有益な人材だ。
そして、私にとって……。
いざオルトハット王国から彼女を連れて旅立ったとき、イエルゴート王国に連れて帰りたい気持ちと、任務とは言え『女性のサラ』として彼女を騙してきた後ろめたさを感じた。
本来の『サイラス』に戻る事で彼女に嫌われるのではないかと恐れ、イエルゴート王国に帰るのが怖かった……。
自分でも小物過ぎて笑ってしまうが、サラからサイラスに戻るときは、陛下や王妃様、レオン、マチルダ様、そしてエスメローラが居る場で変身を解いて、事情を話す場をもうけてもらえるように手配しておいた。
少しでも『故意に騙していた訳じゃない』『命令で打ち明けられなかった』と、彼女に言い訳を聞いてもらえるように……。
『騙すかたちになって、すまない。改めて自己紹介させてほしい。サイラス・アルデバインだ。君の……義兄だ』
『えっ……あっ……エスメローラ・マルマ、いえ、アルデバインです。……お……義兄様』
予想通り彼女は混乱した。
私との距離をどうすればよいか、戸惑いも感じた。だが、『嫌悪』や『失望』といった感情は見受けられなかった。
これは思わぬ収穫だろう。
女性だと騙していた事については、理解してくれたと思われる。
これからサイラスとして、彼女の信頼を得ていけば、彼女を手に入れられるかもしれない。
そんなほの暗い気持ちが、胸を熱くさせた。
彼女の好み、思考、性格はサラの時に熟知している。それに、素直で腹芸が苦手だから、彼女の機微も把握している。
騙していたことで彼女に嫌われたらと心配していたが、幸先のよいスタートを切れて、あの時は胸を撫で下ろした。
だが、事態はそんなに甘くなかった。
彼女との距離は一向に縮められなかった。
サラの時に見ていた、屈託無い笑顔を見ることも出来なくなり、気遣いも空回るようになってしまった。心の距離でいえば妹のロクサーヌの方が親しげに話せてる。マチルダ様とは、以前よりも砕けた表情、口調で話しているのを見かけると、焦る気持ちが膨らんできた。
エスメローラに嫌われてはいない。
だが、ただ、それだけだった。
女性と騙していたことが悪かったのか、それともエヴァンス公子にまだ心が残っているのか……。
時折送られてくる花束を受け取っているとも聞いた。
何であの男なんだ!
あんな最低な男が良いのか?!
焦れているとき、建国記念祭にエヴァンス公子がやって来ると情報が入った。
私は居ても立ってもいられず、エスメローラの元に走っていた。
「えぇ、大丈夫です。私にはこんなに優しいお義兄様がいますから、何も心配していません」
笑顔で私を『お義兄様』と呼んだ事に、もう耐えられなかった。
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