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1巻
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しおりを挟むプロローグ
今夜の月は満月だ。
窓辺に腰掛け、一人ワイングラスを揺らした。
特別な日に開けようと約束したワインだ。
「フフッ……」
もう四年も前の約束だ。
どうせ彼は覚えていないだろう。
私達が結婚した年の、それなりの値段がつく代物だ。
芳醇な香りが鼻をくすぐる。
一口含むと、独特の酸味や苦味が舌を転がり、鼻に抜けていく。
とても美味しいはずなのに、惨めな味がした。
一気にグラスを傾け、中身を水のように流しこむ。食道を焼くようにアルコールが通りすぎるのを感じた。
「ゴホッ、ゴホッ」
突然の刺激に体が驚いたのだろう、思わずむせてしまった。
咳が落ち着いた頃、手の平を見ると真っ赤な血が付いていた。
その血を冷静に見つめ、窓近くに移動させておいたテーブルに手を伸ばしてタオルを取る。血を拭き取り、またそこに戻す。
ゆっくりと月を見上げる。
「今日で十日ね……」
彼が屋敷に帰ってこなくなって。
私はアニータ・ダグラス。二十五歳になる。
七つ年上の第三騎士団長ルイス・ダグラスの妻だ。
十五歳の時、実家のヤーマン伯爵家が没落した。両親が亡くなったので、私は一人市井に下った。
そして、私の従者兼護衛をしていたルイスと結婚した。
『ずっとお慕いしておりました。世界中が貴女の敵になろうと、俺が貴女を守ります。どうかこの先の未来を俺と共に歩んでください』
ヤーマン伯爵領にある、幼い頃よく遊んだシロツメクサが生い茂る丘で、彼は騎士のように跪き、私の手を取って少し顔を赤らめて告げた。
赤毛で少しゴワゴワした髪が風になびいて、優しく灯る炎のように思えた。
髪と同じ色の瞳は、すべてを包んでくれそうな優しい色をしていた。
『わたくしもずっとルイスが好きでした。残りの人生を貴方と共に歩みたいです』
身分違いで一緒になれないとわかっていても、私は幼い頃からルイスが大好きだった。
彼も同じ気持ちだったと知り、とても嬉しく、二つ返事で結婚を了承したのだ。
あの頃は幸せだったな……
着の身着のままで放り出された私達は、身に付けていた宝石や服を質屋で換金し、王都の外れにあるボロボロの安アパートに身を寄せた。
ルイスに家事全般を教わりながら、必死で平民の生活に慣れようと奮闘したわね。
彼はお金を稼ぐために王国の見習い騎士になって、毎日クタクタになるまで訓練や雑務に追われていたわ。
でも、帰ってくると笑顔で抱きしめてくれた。
『ただいま』
『お帰りなさい』
何気ない会話がどれだけ幸せだったろう。
「お帰りなさい……って、あと何回言えるのかしらね」
答えてはくれない月に、私はポツリと呟いた。
第一章 私の旦那様と私の秘密
――カキンッ! カキンッ!
剣を切り結ぶ音が、そこら中で響いている。
ここはナイヴィーレル王国の王都にある騎士団の宿舎だ。騎士団の練習場を脇目に、私は外廊下を歩く。
今は第二騎士団の練習時間のようだ。模擬戦をする青い制服の騎士が見える。
第一騎士団は白を基調とした制服を着ている。家柄と実力を認められた者が配属される。王族の護衛である近衛騎士隊も第一騎士団に所属している。
第二騎士団は青を基調とした制服を着ている。業務は治安維持で、王都の警護が基本業務らしい。
第三騎士団は黒を基調とした制服を着ている。魔物討伐などの実働部隊とも言う。
廊下の向こうから黒い制服を着た騎士が歩いてきた。
「こんにちは奥様。団長に御用ですか?」
「えぇ。今、執務室にいるかしら?」
「え⁉ いらっしゃいますが……今は取りこみ中だと思います。急ぎでないなら三十分後くらいに向かわれたほうがよろしいかと……」
歯切れの悪い返答だ。
大体予想はつくが、心のどこかで『そうではない』と思いたい気持ちがあった。
「あら、忙しいときに来てしまったのね。それなら、休憩所に向かうわ」
「御案内します!」
「大丈夫よ、場所ならわかるわ。貴方も仕事があるでしょう? 気遣ってくれてありがとう」
騎士の方と笑顔で別れ、休憩所には行かずにそのままの足で執務室まで向かった。
自然と足元を見てしまいそうになる。
執務室に近づくにつれて、足取りが重くなる。
第三騎士団専用の建物の二階に足を踏み入れると、不自然なほど誰ともすれ違わなくなった。
嫌な予感がするが、私は確かめないといけないと、自分を奮い立たせて一歩ずつ足を進めた。
そしてどこからか――
「あぁ――‼」
艶っぽい男性の声が響いた。
心臓が握りつぶされるように痛い。
声や物音がするのは、第三騎士団長の執務室からだった。
中にいるのは彼じゃない可能性もあると、往生際の悪いことを考える。
ノックしようか。
それとも覗いてしまえば、もう……踏ん切りがつくかしら。
ぐるぐる考え込んでいると、突然ドアが開いた。
「っ!」
「っ!」
中から出てきたのはルイスだった。彼は私に気づくと、すごい勢いで後ろ手でドアを閉めた。
視界の端で、ソファーに寝転ぶ全裸の男性を確認した。一瞬だけだったが、その男性の体に誰かに噛みつかれた痕が複数箇所あるのが、ハッキリと見えた。
「あっ、アニータ。いつからここに?」
慌てる姿に気持ちが冷めていく。
彼の体から独特な匂いがする。
さっきまで何をしていたのか、簡単に想像できる嫌な匂いだ。
「今来たところよ。着替えを持ってきたの」
私、笑えているかしら……
「君が届けに来るなんて珍しいな」
「えぇ、図書館に行く用事があったからついでにね。ごめんなさい、突然来て迷惑だったわよね」
「迷惑なんて! アニータなら大歓迎だよ」
否定する姿が、とても嘘臭く見えてしまうのはなぜなのかしら。
「今夜は帰れそう?」
「……すまない。今夜はヴィッセル公爵家の夜会の警護があるんだ。社交シーズンだから、どこも人手が足りないようだ」
『今夜は』ではなく、『今夜も』でしょ。
心の中で悪態をつきながら、笑顔を貼りつける。
社交は春先から初夏にかけて行われる。
春先に行われる王城でのお茶会からはじまり、初夏に開かれる王城での夜会で終わりを告げる。
約一週間前にお茶会があったと、ある男性から聞いた。
ご親切に、ルイスがどこかの夫人を休憩室に案内し、お茶会が終わるまで姿を現さなかったと教えてくれたわ。
「そう。あまり無理をしないでね」
「あぁ、ありがとう」
優しく微笑まれるが、胸がムカムカするし、ズキズキもする。
「それじゃあ、私も仕事が残っているから行くわね」
手に持っていた、替えの服が入った鞄を手渡す。
「職場まで送るよ」
「忙しいのだから、その必要はないわ」
「夜会の警護は夜だから問題ないよ」
「じゃあ、宿舎の出入り口までね」
ここで押し問答してもらちが明かないので、仕方なく折衷案を出した。
「わかった」
嬉しそうに笑い、彼は手を差し出した。とても嫌だったが、私はその手に手を添えた。
普段ならゆっくりと歩きはじめるのに、焦っているからか心なしか乱暴な歩き出しで、歩幅が大きかった。
第三騎士団専用の建物を出た時、不意に視線を感じた。
振り仰ぐと、執務室の窓にこちらを見る人影があった。
ふわふわした金髪と、サファイアブルーの瞳の小柄な美しい男性だ。どこか庇護欲を掻きたてる雰囲気を持っている。
彼は半裸で、体に合わないブカブカのシャツを羽織っている。そして、こちらを嘲笑っていた。
本当、嫌になるわ。
ルイスとは当たり障りない会話をし、和やかな雰囲気で、騎士の宿舎の出入り口で別れた。
ガラガラと馬車の揺れや音を感じる。
職場には、三十分もかからず到着するだろう。
だから……泣いちゃダメよ。
泣いて目が腫れてしまっては、仕事に支障をきたすわ。
私は腹の奥に力を入れて、込み上げてきた涙を押しこめる。
わかっていたことだ。
ただ……少し期待しただけ。
彼に血を吐いたことを話すか話さないか悩んだ私は、その答えを求めて彼に会いに行ったのだ。
こんな話、彼には迷惑だろうし、同情されるのは虚しく惨めだと改めて思った。
「ふぅ~……」
込み上げてきそうな思いを、ため息と共に追い出す。
もう、迷ってはいけない。
◇◇◇
「先生、ありがとうございました」
「先生、バイバイ」
「お大事にね」
松葉杖を突きながら、少年は母親と診療室を退出していった。
私はここ、王都第二診療所に治療魔法師として勤めている。
治療魔法師とは、自分の魔力を患者の体に流して治癒を促進したり、薬を迅速に浸透させたりする治癒魔法の使い手のことだ。
治癒魔法は繊細な魔力操作と豊富な医療知識を必要とするので、担い手は少ない。この診療所には、軽傷者から重傷者までひっきりなしにやってくる。
先程の患者さんは、友人と木登り中に、足を踏み外して転落したらしい。幸いにも左足にヒビが入る程度で済み、後は軽い擦り傷や打撲があっただけだ。
彼は毎日母親と来院し、治療魔法を受けている。治療魔法を施すと骨の癒合が早まり、後遺症もなく治るとあって熱心に通ってくれる。
「次の方~」
声をかけると――
「先生、お疲れ様です。先程の方で最後です」
診療所の受付をしているココが顔を出した。
「ふぅ~……、お疲れ様。遅くまでごめんなさいね」
「まったくですよ! 診療時間を二時間も過ぎているんですからね」
ココは少し小柄な女の子で、茶髪を後ろで一つに結んでいる。
確か十八歳と言っていたかしら。
小動物みたいで可愛いのよね。不貞腐れて頬を膨らませる顔なんて、子リスそっくりだ。
「フフ」
「もう、笑いごとじゃないんですよ。午前中突然休診にするから、患者さんが溢れかえったんですよ! 他の治療魔法師じゃヤダって我儘言う人も多かったんですからね!」
矢継ぎ早に文句を言ってくる様子が、子犬がキャンキャン吠えているみたいで可愛いと思ってしまう。
そっと、彼女の手に触れる。
「ごめんね、迷惑かけて」
見上げて謝ると、彼女は勢いを削がれたのか、目をそらした。
「迷惑だなんて思っていません。私は先生の専属受付嬢ですから、先生を支えるのが私の仕事です」
この診療所では治療魔法師に専属の受付嬢がつく。通常は複数人の交代制なのだが、私には現在ココしかついていない。
特殊な経歴のためか、残業が多いからか、はたまた人望がないからか、定着してくれないのよね。
「ありがとう、ココ」
お礼を言うと顔を赤くするから、本当に可愛い子だ。
コンコン。
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「はい、どうぞ」
「先輩、終わりました?」
顔を出したのは、診療所の後輩治療魔法師のエイダンだった。
サラサラの黒髪を目元が隠れないくらいに伸ばし、深い海を思わせるダークブルーの瞳を持つ彼は、面倒臭そうにこちらを見ている。
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淡々としゃべる無愛想な男性ではあるが、治療魔法の腕は確かだ。私もウカウカしていられない若手のホープだ。
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「フフ、嫌ですよ。私はアニータ先生が大好きなので、浮気はしません」
「っ!」
ダメね、『浮気』って単語に反応してしまう。
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屈託ないココの笑顔が、とても眩しく見えた。
「そうね。ありがとう、ココ。また明日ね」
「はい! じゃ、お先に失礼します!」
ニコニコしながら、ココは部屋を出ていった。
「先輩、この前の透過図見せてください」
エイダンは診察台に座ると、いきなりそう言ってきた。面倒臭そうにしているのに、瞳にはどこか真剣さがあった。
「何よ、藪から棒に」
「先輩の透過図を撮影するのを手伝ったでしょ。あの後、先輩の様子が変だったんで」
「変って……。特に問題なかったわよ」
透過図とは、体内を可視化する体内透過魔道具で撮影した内容を、紙に投影したものだ。全身を撮影するには、別室にあるボタンを押してくれる人が必要で、彼に協力をお願いしたのだ。
「問題がないなら、見せてもいいでしょ」
「……嫌よ。貴方には関係ない」
無愛想なのに、こちらを見る目がまっすぐだ。たまらず視線をそらし、机のほうに体を向けた。
「患者さんの診療録を書くから、部屋から出てってちょうだい。お疲れ様」
「職業柄、見過ごせないんですよ。気になって夜も寝られないくらい」
彼の両手が机に置かれた。声が真後ろから聞こえる。彼の腕の中に捕らわれているようだ。
若い女子が見目麗しい彼にこんなことされたら、きっと勘違いしてしまうわね。
確か十九歳だったかしら。
こういうキザなことをしたいなら、もっと同年代の子にしてあげればいいのに……
「睡眠薬なら自分で処方できるでしょ。さっ、話はおしまい。出てっ――」
突然腹部に痛みが走った。
こんな時に……タイミング最悪。
痛みが我慢できず、両手で腹部を押さえ、額を机に押しつけた。
「先輩⁉」
驚いたようなエイダンの声がする。
本当は誰にも言うつもりも、見せるつもりもなかった。
この薬を見たら、優秀な彼なら気がついてしまう……
しかし、襲い来る痛みには抗えず、私は机の引き出しから薬を取り出した。そして震える手で薬と、机に置いてある水を飲む。
薬が効くのに時間がかかるため、意識を集中して自身の腹部に治療魔法を施した。
「この薬はっ!」
慌てる声がした。
「透過図はどこだ! どこにある!」
怒鳴られるが、痛みで声も出ない。
何も答えないことに痺れを切らしたのだろう。
エイダンは私の机の引き出しを無遠慮に開け、中を乱暴に探った。
やがて鍵のかかった引き出しを見つけ、私の白衣のポケットに手を突っこんでくる。
「やめ……」
ポケットから鍵を取り出すと、彼は引き出しを開けた。
そこには見られたくなかった透過図と検査表があった。
「何だよ……これ……」
胃を中心に他の臓器が癒着している透過図を見て、彼は絶句した。
私が服用していた薬は病の進行止めと、強力な痛み止めだ。
私の胃は病に侵されていたのだ。
この病は臓器にコブを作ったり、臓器そのものを機能不全にしたりする。
しかも、私の場合は進行が進んでいるため、コブによって臓器が癒着し、内臓がめちゃめちゃになっている。
「問題ないでしょ……」
「何、言って」
あまりのことに驚愕しているのだろう、言葉が続かないようだ。
「手遅れだから」
この病気は、コブが小さいうちに発見できれば助かる確率が高いのだが、発症した臓器によっては自覚症状が出にくく、気がついた時には手の施しようがない場合が多い。
そう、もう遅いのだ……
「こんなのって……こんな……」
エイダンは透過図を睨みつける。
私だって、はじめて見た時は衝撃を隠せなかったわ。ここまでひどいと誰が思うだろうか。
軽い胃炎だと思っていたもの。
「誰にも言わないで」
痛む体から、なんとか言葉を絞り出す。
彼の苦しげな顔が見えた。
「心の、整理を……」
そう……まず心の整理がしたいのだ。
現実を受け止め、どうしたいのか、何ができるのか……。向きあう時間が欲しい。
「……この透過図を貸してください」
小さな声だ。
「王国最高の医師に見せたいんです。決して先輩の名前は出さないし、その他の人には見せないので」
宮廷医師局長様のことを言っているのだろう。
一介の治療魔法師がお会いできるような方ではない。
「無理しないで……。私、大丈夫だから」
「無理じゃない! ツテがある……お願いだ」
今にも泣き出しそうに懇願されて、こちらも切なくなる。ただ一緒の職場で働く同僚という間柄なのに、こんな顔をされると戸惑ってしまう。
薬が効いてきたのか、痛みが薄れてきた。
呼吸を整えて、彼の顔をまっすぐ見た。
「わかったわ。ただ、その場に私も同席させて」
◇◇◇
あの後、宮廷医師局長様に面会を申し込むと言って、エイダンは部屋を出ていった。
なんとも長い一日だった。
屋敷に戻ってきた時には夜の十一時を過ぎていた。
さすがに帰りが遅いので、執事のバレットや私専属の侍女レベッカを心配させてしまった。
この屋敷に移り住んで五年。
ルイスのせいで使用人が何人か変わったが、二人が屋敷を管理してくれているので、とても快適に過ごせている。
第三騎士団長ルイス・ダグラスは、王都を救った英雄だ。
五年前、王都近くでダンジョンから魔物が溢れ出る現象『スタンピード』が発生し、大混乱に陥った。
あの時は私も後方支援の救護テントで、負傷した一般民や騎士の手当てをしていた。
ゴブリンの最上位種、ゴブリンキング。
羽のないドラゴンとも称されるサラマンダー。
特にこの高位魔物二匹に騎士達は苦戦を強いられ、たくさんの人達が儚く散っていった。
そんな中、ルイスは二匹を討伐することに成功した。その功績でこの屋敷を賜り、ルイスは第三騎士団長に就任した。
あの時は、無事に帰ってきてくれたことに安堵したものだ。
しかし……ルイスは変わってしまった。
顔繋ぎでたくさんのパーティーに参加したり、仕事が忙しいと帰らなくなったのだ。
はじめは彼の言葉を鵜呑みにし、体を壊さないか心配していたが……いらぬ心配だったと後から知った。
彼と過ごしたという若い騎士が診療所まで来て、教えてくれたのだ。
「英雄ルイス様と夜を共にした」
「男も女も関係なく抱いてくれる」
「ルイス様は興奮すると、体に歯形を刻みつける。彼の所有物になったようだ」
はじめは信じられなかった。
でも、屋敷の使用人を馬に乗せて遠乗りに連れて行く姿を目撃したことがある。
帰ってきた使用人の腕には噛み痕があった。その使用人は、「旦那様に愛されているのは私です。早くお飾りの妻など捨ててしまえばいいのに。同情で彼を縛りつけることに罪悪感はないのですか? 貴女など、幼い頃からの『情』で側に置いてもらっている置物に過ぎないのよ」と、暴言を吐いてきた。
その後彼女は解雇され、どうなったか知らない。
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