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第七章
招かれざる客
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招いていない客が来たという知らせを、ジュディはステファンから聞いた。
「『フィリップス殿下』ご一行がお忍びで見えたそうです。ぜひ領主代行である、前侯爵夫人にご挨拶をと、先触れもなく訪れたとのことで」
部屋に来てその件を話し始めたステファンは、笑顔だった。ジュディが何かを指摘する前に「一周回って爆笑しました。もう一回殴っていいですかねあのクソガキ」と、言葉遣いが乱れたときのガウェインのように言った。
「常識や良識といった、こちらが当然に期待してしまうものを一切持ち合わせていない方ですね……っ」
アルシアが部屋を去る間際に「最近ひとりになる機会少なかったんじゃない? ゆっくりしていたら良いわ」と勧められ、安楽椅子でぼんやりとしていたジュディだが、そんな場合ではなかったのだと思い知る。
「こちらの行動をわかった上で被せてきているのは、間違いありません。フィリップス様と顔を合わせないようにすることは、可能でしょうが……」
ステファンは、眉を寄せて難しい表情となった。何を考えているのか、ジュディには想像がつく。
「もしご一行がこのテラスハウス内に滞在をされる場合、顔を合わせないようにするには、フィリップス様の行動を制限する必要が出ますね」
まったく動向が読めない相手を警戒し、最大限接触を避けるとすれば、フィリップスには屋敷の中でさえ行動に気をつけるようにと言い含めて、部屋に閉じ込めておくことになる。
「こうなると、ラインハルトがいたのは良かったです。いつ何を仕掛けてくるかわかったものではないので」
ステファンは、苦りきった顔で呟いた。
(安心、安全、決して無理をしない。賭けをしない、危険を冒さない)
そうするのが無難だとわかっていたし、ステファンの考えもそちらに傾いているのを感じた。だが、ジュディはもうその案を選ぶことができない。
「行動を制限すべきではないと、私は考えます。私達は、知っていますでしょう。誰がフィリップス様を傷つけたのか。傷を負わせた側がお日様の下を堂々と歩き、傷つけられた側が部屋に閉じこもって過ごす、そんな世界であっていいはずがありません」
「それは、いじめた者勝ちの世界ですからね。安全を取るつもりで戦いを避けていると、いつか世界はすべて相手の都合よく書き換えられてしまっている。現実問題として『弱い人間に配慮せよ』といくら叫んだって、強い人間にはそれを聞き入れるメリットはないわけですから」
いまのフィリップスが、まさにそうだ。
取り替えられた子の噂から始まり、ジェラルドの出現によってその居場所を奪い取られた。このままその暴走を許して、向き合うことなく逃げ回っていれば、それだけこの世界からフィリップスの居場所は失われていく。
ジュディはステファンを見上げ、確固たる口ぶりで告げた。
「フィリップス様は弱くないです。周りの私たちが弱い弱いと言えば、その言葉が呪いとなり、縛ってしまいます。あの方が逃げ隠れする必要はありません。まずは、フィリップス様のご意思を確認しましょう。私は」
勢いに任せて言いかけて、ジュディは言葉を切る。ステファンは不思議そうな顔をして「私は、なんですか?」と尋ねてくる。
ふっと視線をさまよわせながら、ジュディはぼそぼそと続けた。
「一緒に温泉に入ってしまえば良いと思います」
さすがに苦言を呈されると覚悟したジュディであったが、ステファンは悩みの深い口調で答えただけであった。
「……そのときは俺も同じお湯を頂いて、お側でお守りすることになるかと。先生のことは見ていられないので、どこか安全なところにいてください」
「そうですね。一緒に入るわけにはいきませんからね。ラインハルトさんもついて行った方が良いでしょうから、私はアルシア様にくっついています」
「アルシア様でしたら、『その間に私たちもどう?』くらい言いそうですよね」
何気ない調子で言われて、ジュディも同じようなさりげなさで返す。
「そういえば、さっき再再婚の話のとき『どう?』って言われてましたけど、そんなことがあったらちょっとおもしろいですね。ステファンさんが、ガウェイン様のお義父様に」
ステファンが、噴き出した。笑ったというより、ごふ、と変なところに空気が入り込んだような、苦しげな息をもらしながら顔を背けられた。
げほげほ、とひとしきり咳き込んでから、ジュディを睨みつけてくる。
「おもしろいかどうかで、ひとの結婚に口を挟まないでください」
「ごめんなさい。反省しています。背中さすりましょうか?」
「結構です」
ジュディの申し出をすげなくかわして、ステファンはドアに向かって歩き出す。
「ひとまず、お伝えする件は以上です。先生も、ひとりで過ごすのはやめた方が良いです。アルシア様も気をつけてくださるとは思いますが、同じ館内にいるので。ご一行が」
立ち去るステファンを見送ろうと、その後に続いて歩きながらジュディもその可能性に思い当たり、ドアを見てしまう。いまにも、そこからフィリップスと名を偽る、ジェラルドが現れるのではないかと、
ガウェインと似通った顔立ちのその相手と、ジュディは接触したことこそあるが、満足に話したことはない。
「逃げ隠れしないと決めたのなら、話は簡単です。いっそこちらから挨拶に伺いまして、訪問の目的を確認しておきましょう。案外、正直に話してくれるかもしれません」
ステファンは肩越しに振り返り、苛立った様子で鋭い視線をぶつけてきた。
「だめです。先生は、誘拐されて危ない目に合っています。絶対にあいつと顔を合わせてはいけません」
「一度話しているからこそ、もう一度話してみたいと思うんです。東地区のこと、フローリー公のこと、生死不明の第一王子殿下のこと。せっかくだから、聞いてみるのはどうでしょう。アリンガム子爵が東地区でいったい何をしていたかも……。子爵の才覚で主犯が無理だとすれば、誰か他にまだ、捕まっていない相手がいますよね?」
消極的になってなるものかと、ジュディはやや意地になって主張した。
ステファンもそれを察したようで、不意に瞳に不穏な色を浮かべて、ジュディを見下ろす。
怒られる、と身構えたところで手首を掴まれた。ぎりっと力を込められると、涙が出そうなほど痛い。
「ほら。避けることも、抵抗することもできない。おとなしくしてろって俺が言っている意味、わからないわけないですよね」
「そうやって、余計なことはするなって圧力加えることで、私の行動も当然制限できると思わないでください!」
自分も、フィリップスのために、何かできるはずだと。
負けじと言ったところでステファンに腕を引かれて、その胸に倒れ込む形になった。
ジュディを力で押さえつけながら、ステファンはその耳元でひどく冷たい声で言った。
「あなたに何ができるんですか?」
「『フィリップス殿下』ご一行がお忍びで見えたそうです。ぜひ領主代行である、前侯爵夫人にご挨拶をと、先触れもなく訪れたとのことで」
部屋に来てその件を話し始めたステファンは、笑顔だった。ジュディが何かを指摘する前に「一周回って爆笑しました。もう一回殴っていいですかねあのクソガキ」と、言葉遣いが乱れたときのガウェインのように言った。
「常識や良識といった、こちらが当然に期待してしまうものを一切持ち合わせていない方ですね……っ」
アルシアが部屋を去る間際に「最近ひとりになる機会少なかったんじゃない? ゆっくりしていたら良いわ」と勧められ、安楽椅子でぼんやりとしていたジュディだが、そんな場合ではなかったのだと思い知る。
「こちらの行動をわかった上で被せてきているのは、間違いありません。フィリップス様と顔を合わせないようにすることは、可能でしょうが……」
ステファンは、眉を寄せて難しい表情となった。何を考えているのか、ジュディには想像がつく。
「もしご一行がこのテラスハウス内に滞在をされる場合、顔を合わせないようにするには、フィリップス様の行動を制限する必要が出ますね」
まったく動向が読めない相手を警戒し、最大限接触を避けるとすれば、フィリップスには屋敷の中でさえ行動に気をつけるようにと言い含めて、部屋に閉じ込めておくことになる。
「こうなると、ラインハルトがいたのは良かったです。いつ何を仕掛けてくるかわかったものではないので」
ステファンは、苦りきった顔で呟いた。
(安心、安全、決して無理をしない。賭けをしない、危険を冒さない)
そうするのが無難だとわかっていたし、ステファンの考えもそちらに傾いているのを感じた。だが、ジュディはもうその案を選ぶことができない。
「行動を制限すべきではないと、私は考えます。私達は、知っていますでしょう。誰がフィリップス様を傷つけたのか。傷を負わせた側がお日様の下を堂々と歩き、傷つけられた側が部屋に閉じこもって過ごす、そんな世界であっていいはずがありません」
「それは、いじめた者勝ちの世界ですからね。安全を取るつもりで戦いを避けていると、いつか世界はすべて相手の都合よく書き換えられてしまっている。現実問題として『弱い人間に配慮せよ』といくら叫んだって、強い人間にはそれを聞き入れるメリットはないわけですから」
いまのフィリップスが、まさにそうだ。
取り替えられた子の噂から始まり、ジェラルドの出現によってその居場所を奪い取られた。このままその暴走を許して、向き合うことなく逃げ回っていれば、それだけこの世界からフィリップスの居場所は失われていく。
ジュディはステファンを見上げ、確固たる口ぶりで告げた。
「フィリップス様は弱くないです。周りの私たちが弱い弱いと言えば、その言葉が呪いとなり、縛ってしまいます。あの方が逃げ隠れする必要はありません。まずは、フィリップス様のご意思を確認しましょう。私は」
勢いに任せて言いかけて、ジュディは言葉を切る。ステファンは不思議そうな顔をして「私は、なんですか?」と尋ねてくる。
ふっと視線をさまよわせながら、ジュディはぼそぼそと続けた。
「一緒に温泉に入ってしまえば良いと思います」
さすがに苦言を呈されると覚悟したジュディであったが、ステファンは悩みの深い口調で答えただけであった。
「……そのときは俺も同じお湯を頂いて、お側でお守りすることになるかと。先生のことは見ていられないので、どこか安全なところにいてください」
「そうですね。一緒に入るわけにはいきませんからね。ラインハルトさんもついて行った方が良いでしょうから、私はアルシア様にくっついています」
「アルシア様でしたら、『その間に私たちもどう?』くらい言いそうですよね」
何気ない調子で言われて、ジュディも同じようなさりげなさで返す。
「そういえば、さっき再再婚の話のとき『どう?』って言われてましたけど、そんなことがあったらちょっとおもしろいですね。ステファンさんが、ガウェイン様のお義父様に」
ステファンが、噴き出した。笑ったというより、ごふ、と変なところに空気が入り込んだような、苦しげな息をもらしながら顔を背けられた。
げほげほ、とひとしきり咳き込んでから、ジュディを睨みつけてくる。
「おもしろいかどうかで、ひとの結婚に口を挟まないでください」
「ごめんなさい。反省しています。背中さすりましょうか?」
「結構です」
ジュディの申し出をすげなくかわして、ステファンはドアに向かって歩き出す。
「ひとまず、お伝えする件は以上です。先生も、ひとりで過ごすのはやめた方が良いです。アルシア様も気をつけてくださるとは思いますが、同じ館内にいるので。ご一行が」
立ち去るステファンを見送ろうと、その後に続いて歩きながらジュディもその可能性に思い当たり、ドアを見てしまう。いまにも、そこからフィリップスと名を偽る、ジェラルドが現れるのではないかと、
ガウェインと似通った顔立ちのその相手と、ジュディは接触したことこそあるが、満足に話したことはない。
「逃げ隠れしないと決めたのなら、話は簡単です。いっそこちらから挨拶に伺いまして、訪問の目的を確認しておきましょう。案外、正直に話してくれるかもしれません」
ステファンは肩越しに振り返り、苛立った様子で鋭い視線をぶつけてきた。
「だめです。先生は、誘拐されて危ない目に合っています。絶対にあいつと顔を合わせてはいけません」
「一度話しているからこそ、もう一度話してみたいと思うんです。東地区のこと、フローリー公のこと、生死不明の第一王子殿下のこと。せっかくだから、聞いてみるのはどうでしょう。アリンガム子爵が東地区でいったい何をしていたかも……。子爵の才覚で主犯が無理だとすれば、誰か他にまだ、捕まっていない相手がいますよね?」
消極的になってなるものかと、ジュディはやや意地になって主張した。
ステファンもそれを察したようで、不意に瞳に不穏な色を浮かべて、ジュディを見下ろす。
怒られる、と身構えたところで手首を掴まれた。ぎりっと力を込められると、涙が出そうなほど痛い。
「ほら。避けることも、抵抗することもできない。おとなしくしてろって俺が言っている意味、わからないわけないですよね」
「そうやって、余計なことはするなって圧力加えることで、私の行動も当然制限できると思わないでください!」
自分も、フィリップスのために、何かできるはずだと。
負けじと言ったところでステファンに腕を引かれて、その胸に倒れ込む形になった。
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「あなたに何ができるんですか?」
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