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第七章
一緒に歩むために
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また夜にでも話しましょうとアルシアが終わりを告げたことにより、応接室《ドローイングルーム》での対面は一度切り上げる形になった。
ジュディは滞在用の部屋に案内されると、侍女の助けは丁重に断り、先に送ってあった荷物をほどいて晩餐用のドレスの準備を始める。
とにかく休まずに、手を動かしていたかった。
(フィリップス様のこと、王都での結婚式。考えることがたくさんあるのに、最近の私は、実にたるんでいました)
ジュディ自身、つい最近ジェラルドによって誘拐され、身の危険を感じる出来事があり、住まいを移すなど生活に大きく変化があった。
その忙《せわ》しなさを言い訳に、環境に慣れるまでは無理をしないようにと、甘えてしまっていたのだ。
アルシアのようなスピード感のある相手を前にすると、自分の歩みが遅すぎる気がして、ぞっとする。
もっと努力をしなければ。視野を広く持たねば。立ち止まらないで、前に進み続けていなければ。離婚を見据えて行動をしていたときの自分のように、全方位に意識を張り巡らせていなければ。
当たり前のように優秀なひとが周囲を固めている。ジュディは、いつお役御免になるかわかったものではない。王子様の教育係にしても、ガウェインの婚約者にしても。その焦りが強い。
そのとき、コンコン、とノックの音が響いた。
「ねえ、ジュディさん。少し良いかしら」
「はいっ。少しでもたくさんでもどうぞ!」
ジュディは飛び上がって、ドアまで走り込んだ。
焦って開けばそこに立っていたのは先ほど別れたばかりのアルシアで、ジュディを見るとにこりと笑った。
「二人で話してみたかったの。お邪魔するわね」
壁紙もカーテンも青を基調として、水底の景色のように整えられた部屋である。新品のクルミ材の家具や、復刻品を思わせる古風なデザインの椅子などがバランスよく配置されていた。
目が覚めるような緋色《スカーレット》のドレスのアルシアは、美しい魚が泳ぐように部屋を横切り、クッションのきいたラブ・チェアに優雅に腰掛けた。
「ずいぶんお顔が強張《こわば》っていてよ。何か思い悩むことがある? 無理をしているなら、遠慮なく言いたいことを言って頂戴」
アルシアの瞳が炯々とした輝きを放ち、口角がきゅっと上がる。
(本当にお美しい方。内面の光が溢れていて、つい目で追ってしまう)
ブルー・ヘヴンの女主人としてこの地に必要な人物なのだと得心する一方で、王都にいたらまた情勢が違ったのだろうか、と思ってしまう。
それこそ、フィリップスのそばにこのひとがいれば、彼の心をすぐに安らかにすることができたのではないだろうか、と。
すべては仮定の話。
「先ほど、アルシア様がお声がけしてくださったことで、フィリップス様のお心がずいぶん救われたように感じました。とてもありがたく思っています。私には、どうにもできなかったことです」
まずは、一番感じ入ったことを率直に伝える。
アルシアは、ぱちっと目を瞬いて「わかったかも」と呟いた。その目は射抜くほどまっすぐに、ジュディを見ていた。
「あなた少し、内向的になっているみたいね。自分で気づかない? 安全策にばかり気を取られている。それって、ガウェインの影響なのかしら。無理してほしくないとか、自分の目の届かないところに行ってほしくないとか。そういう束縛を感じて、あなたも応えなければと構えているんじゃなくて?」
「ガウェイン様は、私に対してそんなことは言いません。私はいつも自由にさせて頂いています……」
答えてはみたものの、段々と声が小さくなる。嘘ではないが、本当のことも言っていない、と自覚したせいだ。
(ガウェイン様に抑圧されているわけではなくとも、私が彼に従順であろうとして、自分で自分の行動を縛っている面がある)
心配をかけてはいけないと屋敷から出ないようにしたり、帰りが遅くても起きて待っていたり。合わせろと言われたわけではないのに、合わせようとしていた。
行動が変わると、気持ちも引きずられて性格に出る。
内向的というのは、ガウェインに気を使ってひきこもる、いまのジュディをよく言い当てた表現だった。
「彼も、どうしても男だから、そうなるんでしょうね。弱い者を守りたくなるのよ。家に受け入れたのなら、もうどこにも行かせたくないというのが本音でしょう。あなただけではなく、フィリップス様にもそういった支配の影響を感じるわ。とても守りに入っている。あなたもフィリップス様も、ここまで来れたのだから、決して弱い人間ではないのよ」
流れるようにガウェインへの苦言を呈され、ジュディは心理的に大いに反発を覚えた。彼はそんなひとではありません、と言い返したい気持ちが強い。
その一方で、誰にも悪気がなく、ただ互いを思い合っているだけだというのに、どこにも行けない閉塞感を抱えていた事実は、アルシアの指摘通りとも感じた。
「ガウェイン様が、私たちを守ろうとしてくださっているのは感じます。私も、フィリップス様のことをお守りしたいのです。アルシア様は、偽物殿下の立太子を邪魔すべきと言いますが、その先には当然フィリップス様の復帰がありますよね。いまのあの方に耐えられるか」
実の母に陥れられ、慕っていた相手であるジェラルドにも嵌められたのだ。
王宮は裏切りと策略が渦巻いている。そんな場所に、彼を帰しても良いのか、と。
ジュディは危惧としてそう述べたが、アルシアは傲然と胸を逸らして「平気よ」と言い切った。
「あの方が、これまでどれだけのことを乗り越えてきたと思うの。とても強い人間だわ。それを、周りが心配し不安を煽り『頑張らなくていい』と真綿でくるんでどうするつもり? 可能性を閉ざした先に何があるのよ。あの方に必要なのはただ一言」
アルシアは美しく張り詰めた表情で言葉を切り、「GO」と口にした。
「戦場へ戻せという意味でしょうか」
「自分だったらって考えてみたことがある? 玉座に一番近いあの場所にいるのが当然として生きてきて、突然奪われて、『もういいんだよ』と言われて、納得できる? 人生はただの一度きり、傍観者になりさがってはいけないわ。優しいふりをしてあの方の足を引っ張るのもだめよ、絶対に。いまは『辛くても行きなさい』と背中を蹴飛ばす場面なの。『無理をしなくていいと言われて、無理をしなかった人生』ほど最低なものってないんだから。あなたは、あの方の何?」
私は。
王子様の教育係です。
(背中を蹴飛ばす、無理をさせる。恐ろしいことを言っているようだけど、真理かもしれない。無理をしなければ手に入らないものが、人生には必ずある)
黙って待っていても、それは手に入らない。まして奪うつもりの相手に奪われたのなら、二度と取り戻せない。そんな人生を、自分はフィリップスに選ばせるのか?
「周りが『無理するな』ばかり言うと、本当は無理をしたくても、無理できないですね。私が言うべきことは『無理をするなら命がけで支える』だったのかもしれません」
深い後悔を噛み締めて、ジュディは絞り出すように懺悔をした。
あら、とアルシアはごく軽い調子で片眉を跳ね上げる。
「いまからでも全然遅くないわ。大丈夫よ、そんなに死にそうな顔をしないで。あなたやガウェインがこれまであの方にどういう態度を取っていたのだとしても、屋敷に閉じ込めていないで、ここまで連れてきたでしょう? それは信頼の証であり、あの方の可能性を信じているからに他ならないわ。何が必要なのか、しっかり判断できていたということよ。それで良いわ、よくやっていると思います」
突き放すほど冷たくなく、馴れ合うほどの隙も見せず。
それでも、アルシアが語る言葉はジュディの抱く漠然とした不安の霧を力強く払っていく。
「自分では、自分に対して『よくやっている』と甘い採点はできませんが、ありがとうございます。大切なことに気づかないまま、フィリップス様の可能性を閉ざすところでした。教育係として反省しています」
ジュディが切々とそう言うと、アルシアは破顔一笑して「大げさねぇ」と言った。
「元人妻で再婚と聞いたときには、どんなやり手のお嬢さんが現れるかと思ったけど、ずいぶん真面目ね。心配になってきちゃう。私が若い頃は……ああ、やめておくわ。おばさんの武勇伝なんて聞かせられない。老害って言うのよね、知ってる」
砕けた口調で話すアルシアを前に、ジュディはほっと息を吐き出して、心からの笑みを浮かべた。
ジュディは滞在用の部屋に案内されると、侍女の助けは丁重に断り、先に送ってあった荷物をほどいて晩餐用のドレスの準備を始める。
とにかく休まずに、手を動かしていたかった。
(フィリップス様のこと、王都での結婚式。考えることがたくさんあるのに、最近の私は、実にたるんでいました)
ジュディ自身、つい最近ジェラルドによって誘拐され、身の危険を感じる出来事があり、住まいを移すなど生活に大きく変化があった。
その忙《せわ》しなさを言い訳に、環境に慣れるまでは無理をしないようにと、甘えてしまっていたのだ。
アルシアのようなスピード感のある相手を前にすると、自分の歩みが遅すぎる気がして、ぞっとする。
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当たり前のように優秀なひとが周囲を固めている。ジュディは、いつお役御免になるかわかったものではない。王子様の教育係にしても、ガウェインの婚約者にしても。その焦りが強い。
そのとき、コンコン、とノックの音が響いた。
「ねえ、ジュディさん。少し良いかしら」
「はいっ。少しでもたくさんでもどうぞ!」
ジュディは飛び上がって、ドアまで走り込んだ。
焦って開けばそこに立っていたのは先ほど別れたばかりのアルシアで、ジュディを見るとにこりと笑った。
「二人で話してみたかったの。お邪魔するわね」
壁紙もカーテンも青を基調として、水底の景色のように整えられた部屋である。新品のクルミ材の家具や、復刻品を思わせる古風なデザインの椅子などがバランスよく配置されていた。
目が覚めるような緋色《スカーレット》のドレスのアルシアは、美しい魚が泳ぐように部屋を横切り、クッションのきいたラブ・チェアに優雅に腰掛けた。
「ずいぶんお顔が強張《こわば》っていてよ。何か思い悩むことがある? 無理をしているなら、遠慮なく言いたいことを言って頂戴」
アルシアの瞳が炯々とした輝きを放ち、口角がきゅっと上がる。
(本当にお美しい方。内面の光が溢れていて、つい目で追ってしまう)
ブルー・ヘヴンの女主人としてこの地に必要な人物なのだと得心する一方で、王都にいたらまた情勢が違ったのだろうか、と思ってしまう。
それこそ、フィリップスのそばにこのひとがいれば、彼の心をすぐに安らかにすることができたのではないだろうか、と。
すべては仮定の話。
「先ほど、アルシア様がお声がけしてくださったことで、フィリップス様のお心がずいぶん救われたように感じました。とてもありがたく思っています。私には、どうにもできなかったことです」
まずは、一番感じ入ったことを率直に伝える。
アルシアは、ぱちっと目を瞬いて「わかったかも」と呟いた。その目は射抜くほどまっすぐに、ジュディを見ていた。
「あなた少し、内向的になっているみたいね。自分で気づかない? 安全策にばかり気を取られている。それって、ガウェインの影響なのかしら。無理してほしくないとか、自分の目の届かないところに行ってほしくないとか。そういう束縛を感じて、あなたも応えなければと構えているんじゃなくて?」
「ガウェイン様は、私に対してそんなことは言いません。私はいつも自由にさせて頂いています……」
答えてはみたものの、段々と声が小さくなる。嘘ではないが、本当のことも言っていない、と自覚したせいだ。
(ガウェイン様に抑圧されているわけではなくとも、私が彼に従順であろうとして、自分で自分の行動を縛っている面がある)
心配をかけてはいけないと屋敷から出ないようにしたり、帰りが遅くても起きて待っていたり。合わせろと言われたわけではないのに、合わせようとしていた。
行動が変わると、気持ちも引きずられて性格に出る。
内向的というのは、ガウェインに気を使ってひきこもる、いまのジュディをよく言い当てた表現だった。
「彼も、どうしても男だから、そうなるんでしょうね。弱い者を守りたくなるのよ。家に受け入れたのなら、もうどこにも行かせたくないというのが本音でしょう。あなただけではなく、フィリップス様にもそういった支配の影響を感じるわ。とても守りに入っている。あなたもフィリップス様も、ここまで来れたのだから、決して弱い人間ではないのよ」
流れるようにガウェインへの苦言を呈され、ジュディは心理的に大いに反発を覚えた。彼はそんなひとではありません、と言い返したい気持ちが強い。
その一方で、誰にも悪気がなく、ただ互いを思い合っているだけだというのに、どこにも行けない閉塞感を抱えていた事実は、アルシアの指摘通りとも感じた。
「ガウェイン様が、私たちを守ろうとしてくださっているのは感じます。私も、フィリップス様のことをお守りしたいのです。アルシア様は、偽物殿下の立太子を邪魔すべきと言いますが、その先には当然フィリップス様の復帰がありますよね。いまのあの方に耐えられるか」
実の母に陥れられ、慕っていた相手であるジェラルドにも嵌められたのだ。
王宮は裏切りと策略が渦巻いている。そんな場所に、彼を帰しても良いのか、と。
ジュディは危惧としてそう述べたが、アルシアは傲然と胸を逸らして「平気よ」と言い切った。
「あの方が、これまでどれだけのことを乗り越えてきたと思うの。とても強い人間だわ。それを、周りが心配し不安を煽り『頑張らなくていい』と真綿でくるんでどうするつもり? 可能性を閉ざした先に何があるのよ。あの方に必要なのはただ一言」
アルシアは美しく張り詰めた表情で言葉を切り、「GO」と口にした。
「戦場へ戻せという意味でしょうか」
「自分だったらって考えてみたことがある? 玉座に一番近いあの場所にいるのが当然として生きてきて、突然奪われて、『もういいんだよ』と言われて、納得できる? 人生はただの一度きり、傍観者になりさがってはいけないわ。優しいふりをしてあの方の足を引っ張るのもだめよ、絶対に。いまは『辛くても行きなさい』と背中を蹴飛ばす場面なの。『無理をしなくていいと言われて、無理をしなかった人生』ほど最低なものってないんだから。あなたは、あの方の何?」
私は。
王子様の教育係です。
(背中を蹴飛ばす、無理をさせる。恐ろしいことを言っているようだけど、真理かもしれない。無理をしなければ手に入らないものが、人生には必ずある)
黙って待っていても、それは手に入らない。まして奪うつもりの相手に奪われたのなら、二度と取り戻せない。そんな人生を、自分はフィリップスに選ばせるのか?
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あら、とアルシアはごく軽い調子で片眉を跳ね上げる。
「いまからでも全然遅くないわ。大丈夫よ、そんなに死にそうな顔をしないで。あなたやガウェインがこれまであの方にどういう態度を取っていたのだとしても、屋敷に閉じ込めていないで、ここまで連れてきたでしょう? それは信頼の証であり、あの方の可能性を信じているからに他ならないわ。何が必要なのか、しっかり判断できていたということよ。それで良いわ、よくやっていると思います」
突き放すほど冷たくなく、馴れ合うほどの隙も見せず。
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