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第六章
不穏な気配
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その夜、王宮内で最大の広さを誇る「花の広間」は、次々と会場入りをする夜会の招待客で混雑し、賑わっていた。
襲撃の日以降、ジュディはジュール侯爵家に身を寄せていたが、朝が早く夜が遅いガウェインと一緒に過ごす時間は、相変わらずほとんどなかった。
かろうじて深夜になってようやくガウェインがジュディの元を訪れてはいたものの、ジュディの打撲の痛みが長引いたこともあり、ガウェインはジュディに対してとても紳士的に接していた。具体的に言うと、ベッドで大変大人しく寝ていた。服も身につけていた。
用事で顔を合わせたステファンに、二人の仲の進展については「まだ何も!?」と驚愕されたが、繊細な問題だけにそれ以上は言及されなかった。
そして、迎えたこの日。
ジュディは、ガウェインに用立ててもらった真珠色のドレスに身を包んでいた。
この国ではデビュタントの際に若い令嬢が白いドレスを着る慣例があり、ジュディの年齢ではいささか人目を引いてしまうのだが、構わない、と割り切っている。
ほとんど社交界を経験しないまま結婚し、夫となった相手にはどこにも連れられていくこともなく三年間が過ぎて離縁され、以降は誰からも誘われないことを理由に引っ込みがちに過ごしていた。
実質、ジュディの中でこの日はデビュタントのやり直しのようなもの。笑われても陰口を叩かれても、自分の着たいドレスを着ようと思った。
隣には、燕尾服姿のガウェイン。髪をきれいに撫でつけて結んでおり、眼鏡はしていない。
すらりとした長身で姿勢が良く、凛々しく端正な顔立ちには気品が漂っている。黄金色の瞳は穏やかで優しげであり、自分がエスコートをしているジュディに絶えず向けられていた。やや薄く、引き締まった唇には、甘やかな微笑が浮かんでいる。
「俺はあまり社交に熱心ではなく、相手もいないので今までこういう場にはろくに顔を出していなかったんですが。まさかその自分が、こんな美しい女性と連れ立って歩く日が来るとは、考えたこともありませんでした」
口を開けば、讃辞《のろけ》ばかり。
屋敷でお互い身支度を整えて顔を合わせたときから、馬車に乗っている間もずっと飽きずにジュディを見つめて、何かと褒めちぎっていたというのに、まだ尽きないらしい。
(御本人さえその気になれば、お相手はいくらでもいたでしょうに)
ことさらに卑下するつもりはなかったが、さすがにガウェインは手放しに褒めすぎではないかと、ジュディわずかに肩を寄せて彼にだけ聞こえるように囁いた。
「皆さんが注目しているのは、閣下ですよ。こんな悪目立ちのする女を連れてきて、どうしたことかと思われているのでは」
肩が触れただけでガウェインは相好を崩しかけていたが、一瞬で立て直すといつもの飄々とした口ぶりで答えた。
「たしかに、視線を感じますね。あなたの可憐さに今頃気付いた相手には、もう遅い彼女は俺のだと言いたいところですが、俺が注目を集めるのはそれだけじゃないです。顔が」
混雑する広間の人の波をかきわけて前に進みながら、ガウェインが側壁に目を向けた。
高い天井から降り注ぐシャンデリアの光。壁は二段に仕切られており、下段は華やかな緋色の壁紙で彩られ、天井付近の上段はクリーム色を背景色として王家の威光を伝える歴代王族の肖像画がずらりと何枚も並んでいた。見上げる高さにあるそれは、ひとつひとつがどれも大きい。
(あるのは知っていたけど、きちんと見ようとしたことはなかったわ……)
一枚ずつじっくり見ながら視線を移動していると、身をかがめたガウェインに「あれを」と耳のそばで囁かれた。
絵にはどれも名前などは添えられていない。だが、ガウェインが示したその一枚は、見た瞬間に「誰を描いたものであるか」がすぐにわかった。
「亡き王弟殿下、フローリー公……ですか」
面影は、完全にガウェイン。ひどく似通っている。これが、三十年以上前に本人を前に描かれたものだというのなら、いつまでもガウェインとの親子説が出てしまうのも頷けるものはある。
ガウェインだけではなく、あの日監獄塔に送られたジェラルドもまた。
「花の顔《かんばせ》、繊細優美な外見と武芸に秀でた貴公子として、当時はずいぶん浮名も流したのだとか。最後は川に落ちて死体は上がらなかった。その後、この絵は長いこと外されていたそうなんですが、最近になって倉庫から引っ張り出してきたひとがいるみたいです。こんな目立つところに飾ったとあらば、穏当ならざる理由があるのでしょう」
実は今も生きているのでは、と三十年の長きに渡って囁かれ続けたかのひとに、再び日の目を当てるような行為は、いったい何を目的としているのか。
「どなたがそんな指示を?」
「王妃様です」
ガウェインの声が、一段と低くなった。
そのとき、やはり正装して燕尾服姿のステファンが、ひとりで近づいてくるのが見えた。
正面まで来ると、ジュディに抜群の笑顔を向けて言う。
「先生、よくお似合いですね、あの日俺と一緒にオーダーしたドレスが」
「その節はどうもありがとうございました」「自分の手柄みたいに言うな」
お礼を言うジュディの声に、ガウェインの軽い叱責が重なる。
二人の反応を微笑みで受け止めてから、不意にステファンは表情を引き締めた。
がらりと、空気が張り詰めたものに変わったのが、ジュディにも感じられた。
ステファンは周囲に視線を滑らせ、すぐ近くにはひとがいないことを確認してから、ガウェインに対して小声で告げた。
「監獄塔からジェラルドが消えたと、連絡がありました。脱獄ではありません、許可を出したひとがいて、正面玄関から出て行ったのです」
「いつだ」
「今朝です。情報はしばらく伏せられていました。口止めをされていて、塔から知らせを出せなかったとのことです。上からの圧力、というものです」
捕まえたはずのジェラルドが、何者かの口添えで消えてしまった。
その事実に、三人は表情を固くする。
ダメ押しのように、ステファンが続けた。
「王妃様ですよ、ジェラルドを連れ去ったのは。今日の夜会で仕掛けてきます。閣下、ご用心を」
「わかった。お前も離れるな」
二人がすばやく方針を話し合ったところで、夜会の開始を告げる声が広間に響き渡った。
襲撃の日以降、ジュディはジュール侯爵家に身を寄せていたが、朝が早く夜が遅いガウェインと一緒に過ごす時間は、相変わらずほとんどなかった。
かろうじて深夜になってようやくガウェインがジュディの元を訪れてはいたものの、ジュディの打撲の痛みが長引いたこともあり、ガウェインはジュディに対してとても紳士的に接していた。具体的に言うと、ベッドで大変大人しく寝ていた。服も身につけていた。
用事で顔を合わせたステファンに、二人の仲の進展については「まだ何も!?」と驚愕されたが、繊細な問題だけにそれ以上は言及されなかった。
そして、迎えたこの日。
ジュディは、ガウェインに用立ててもらった真珠色のドレスに身を包んでいた。
この国ではデビュタントの際に若い令嬢が白いドレスを着る慣例があり、ジュディの年齢ではいささか人目を引いてしまうのだが、構わない、と割り切っている。
ほとんど社交界を経験しないまま結婚し、夫となった相手にはどこにも連れられていくこともなく三年間が過ぎて離縁され、以降は誰からも誘われないことを理由に引っ込みがちに過ごしていた。
実質、ジュディの中でこの日はデビュタントのやり直しのようなもの。笑われても陰口を叩かれても、自分の着たいドレスを着ようと思った。
隣には、燕尾服姿のガウェイン。髪をきれいに撫でつけて結んでおり、眼鏡はしていない。
すらりとした長身で姿勢が良く、凛々しく端正な顔立ちには気品が漂っている。黄金色の瞳は穏やかで優しげであり、自分がエスコートをしているジュディに絶えず向けられていた。やや薄く、引き締まった唇には、甘やかな微笑が浮かんでいる。
「俺はあまり社交に熱心ではなく、相手もいないので今までこういう場にはろくに顔を出していなかったんですが。まさかその自分が、こんな美しい女性と連れ立って歩く日が来るとは、考えたこともありませんでした」
口を開けば、讃辞《のろけ》ばかり。
屋敷でお互い身支度を整えて顔を合わせたときから、馬車に乗っている間もずっと飽きずにジュディを見つめて、何かと褒めちぎっていたというのに、まだ尽きないらしい。
(御本人さえその気になれば、お相手はいくらでもいたでしょうに)
ことさらに卑下するつもりはなかったが、さすがにガウェインは手放しに褒めすぎではないかと、ジュディわずかに肩を寄せて彼にだけ聞こえるように囁いた。
「皆さんが注目しているのは、閣下ですよ。こんな悪目立ちのする女を連れてきて、どうしたことかと思われているのでは」
肩が触れただけでガウェインは相好を崩しかけていたが、一瞬で立て直すといつもの飄々とした口ぶりで答えた。
「たしかに、視線を感じますね。あなたの可憐さに今頃気付いた相手には、もう遅い彼女は俺のだと言いたいところですが、俺が注目を集めるのはそれだけじゃないです。顔が」
混雑する広間の人の波をかきわけて前に進みながら、ガウェインが側壁に目を向けた。
高い天井から降り注ぐシャンデリアの光。壁は二段に仕切られており、下段は華やかな緋色の壁紙で彩られ、天井付近の上段はクリーム色を背景色として王家の威光を伝える歴代王族の肖像画がずらりと何枚も並んでいた。見上げる高さにあるそれは、ひとつひとつがどれも大きい。
(あるのは知っていたけど、きちんと見ようとしたことはなかったわ……)
一枚ずつじっくり見ながら視線を移動していると、身をかがめたガウェインに「あれを」と耳のそばで囁かれた。
絵にはどれも名前などは添えられていない。だが、ガウェインが示したその一枚は、見た瞬間に「誰を描いたものであるか」がすぐにわかった。
「亡き王弟殿下、フローリー公……ですか」
面影は、完全にガウェイン。ひどく似通っている。これが、三十年以上前に本人を前に描かれたものだというのなら、いつまでもガウェインとの親子説が出てしまうのも頷けるものはある。
ガウェインだけではなく、あの日監獄塔に送られたジェラルドもまた。
「花の顔《かんばせ》、繊細優美な外見と武芸に秀でた貴公子として、当時はずいぶん浮名も流したのだとか。最後は川に落ちて死体は上がらなかった。その後、この絵は長いこと外されていたそうなんですが、最近になって倉庫から引っ張り出してきたひとがいるみたいです。こんな目立つところに飾ったとあらば、穏当ならざる理由があるのでしょう」
実は今も生きているのでは、と三十年の長きに渡って囁かれ続けたかのひとに、再び日の目を当てるような行為は、いったい何を目的としているのか。
「どなたがそんな指示を?」
「王妃様です」
ガウェインの声が、一段と低くなった。
そのとき、やはり正装して燕尾服姿のステファンが、ひとりで近づいてくるのが見えた。
正面まで来ると、ジュディに抜群の笑顔を向けて言う。
「先生、よくお似合いですね、あの日俺と一緒にオーダーしたドレスが」
「その節はどうもありがとうございました」「自分の手柄みたいに言うな」
お礼を言うジュディの声に、ガウェインの軽い叱責が重なる。
二人の反応を微笑みで受け止めてから、不意にステファンは表情を引き締めた。
がらりと、空気が張り詰めたものに変わったのが、ジュディにも感じられた。
ステファンは周囲に視線を滑らせ、すぐ近くにはひとがいないことを確認してから、ガウェインに対して小声で告げた。
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