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第四章
稲妻の如く
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お父様、お話があります。
ジュディからそう切り出したものの、時間が取れたのは翌日の晩餐の後、夜遅い時間だった。
応接間《ドローイングルーム》にて顔を合わせたときには、前日とは違い、並んで座るのではなく向き合う形となる。家族のことだからとメイドが立ち入るのは断り、ソファ・テーブル上には軽食も飲み物も並べていない。
他に誰も交えず真剣に向き合う二人の間で、白猫がのんびりと伯爵の足元に擦り寄り、にゃあと鳴いた。伯爵が猫を抱き上げたところで、ジュディが口火を切った。
「私の行動が招いた結果ではありますが、今後リンゼイ家はジュール侯爵の派閥に与《くみ》したと世間からみなされることになります。お父様は賛成なさっているように見えましたが、本当によろしいのでしょうか」
ガウェインと接近したのはジュディで、家に連れてきてリンゼイ伯爵との顔合わせまで仲立ちをした。
(もし不利益が勝つのならば、父はなんと言われても閣下とは会わず、屋敷の外に出て見送ることもしなかったはず。しかも……)
勘違いでなければ、まだぼんやりとしたところのあったジュディの背を、前へと押した。父親公認のもと、二人で夜会へ出席することが確定的となった。注目を集める事態になることは、予想に難《かた》くない。
リンゼイ伯爵は背もたれにゆったりと背を預けて、寛《くつろ》いだ様子で答えた。
「殿下の教育係の話を、お前に通したのは私だ。相手はあのジュール侯爵だ。何かあるとは思っていたよ。とはいえ、最初からすべて読めていたわけではない。その意味では、これまで出方を見ていた」
「どこで流れが変わりましたか? なぜ、“GO”と決断を?」
父の大きな手が白猫を撫でる動きを目で追いかけそうになり、ジュディは視線を父の目に合わせる。真面目な態度で尋ねる。
「一度は親の意向で意に染まぬ結婚をした娘が、久しぶりに楽しそうにしていたこと。あとは、やはり本人だな。普段はあまりあの顔を目立たせないようにしているが、はっきり見せたのは覚悟の現れかね」
娘が、楽しそうにしていたこと。
その言葉が胸にじわりとぬくもりをもたらすも、気になる一言のせいでジュディとしては質問を途切れさせることができず、重ねて尋ねた。
「閣下は、おいそれと他人にお顔を見せられぬ理由でもあるのですか?」
ふう、とリンゼイ伯爵は息をもらした。猫の頭を指先で撫でながら、慎重な口ぶりで話し出す。
「これはくだらぬ噂だが、実の父親によく似ているとは言われている。実際、私も本人を前にしてそう思った。前侯爵夫人、つまり閣下の母君は侯爵とは再婚で、その前は亡き王弟殿下と婚姻関係にあった。王弟殿下と前侯爵は従兄弟の間柄で、お顔立ちにも似通ったところがあり、閣下が侯爵にも王弟殿下にも似ているのは不思議な話ではない。しかも、侯爵が結婚したのは王弟殿下がお亡くなりになった一年以上後だ。閣下が、王弟殿下の忘れ形見であるはずはない。つまり、王弟殿下が実の父親であるはずがないんだ。だが、あまりにも似ているために、噂はいつまでも消えない」
んにゃ、と一声鳴いて、白猫がリンゼイ伯爵の膝から降りた。ジュディは固まったまま、いま耳にした内容を考えていた。
誰もが嘘だとわかっているのに、囁かれ続ける噂。ガウェインが亡き王弟殿下の実子であると。
(つまり、フィリップス殿下の血縁。言われてみれば、雰囲気はあるわ。あの二人、そりが合うようには見えないのに、どこか似ている)
お兄さんだよー、とガウェインが兄貴分としてフィリップスをにこにこと追い詰めている姿を思い浮かべて、そんな場合ではない、とジュディは気を引き締めた。
「噂が消えないのは、それを都合よく利用したいひとがいるからですね。閣下がお顔を見せないのは、その者たちには利用されたくない、というところでしょうか」
「そのへんだな。そういうわけで、ジュール侯爵は動向が注目されているし、女性関係もかなり慎重とは聞いていた。それがどういうわけか、当家の出戻り娘に声をかけてきたので、さてその真意は、と」
軽い口ぶりで俎上《そじょう》にのせられ、ジュディは淡く微笑んだ。
「オールド・フォートの買収にお父様の口添えが必要だからと仰っていたではありませんか。私はその足がかり……」
かなり前から計画が動いていて、父と近づくきっかけにされたのだとジュディは理解していた。腹が立たなかったのは、まぎれもなく「楽しかった」からで、裏があってジュディを引き込んだ策略があったとしても、それをガウェインの裏切りとは考えなかったからだ。
この上、父も賛成しているようだから、ガウェインと夜会に出席するのも自分にとっては良い思い出になりそうなものだと楽しみにしていたのだが。
「それだけなら、こうも簡単に話には乗らなかったんだがね。これで私も、損得勘定も腹のさぐりあいも日常茶飯事だ。だが、派閥に一石を投じることになっても、閣下に賭けても良いと確信したのはあの情熱だ。あれはかなり本気でお前に入れ込んでいる。気づかないのか?」
「何をですか?」
ん? とジュディは眉をひそめて聞き返す。
(なんだか、私いま、鈍い扱いを受けた気がするわ。気づかないって何を?)
白猫がジュディの足元に来た。ジュディはいそいそと抱き上げ、父の返事を待つ。やや間を置いて、伯爵が答えた。
「アリンガム子爵は、何か良からぬ件に首を突っ込んでいたようだが。侯爵閣下が失脚させたな。そちらが片付いて、いよいよ本気で動き出すつもりに見えた。さすがに電光石火、稲妻の如しだ。女性の噂が無くとも奥手どころか、何をやらせてもやり手というのはこういうものかと、いや感心したよ」
ひとりで、非常に納得した様子で話しているが、ヒースコートに関してはかなり正確な推測を述べているだけに「お父様ったら」と笑い飛ばすことができない。
さらに言えば、ガウェインがヒースコートの悪事の証拠を掴んで監獄塔送りにし、日を置かずにその足でまっすぐリンゼイ伯爵邸に来たのも、伯爵の指摘の通りだ。礼を失していると面会を拒絶される恐れもあるのに、ずいぶん急いでいるとジュディも感じたが、結果的に話がまとまったのでガウェインの目論見は的を射ていたと感服していたのだが。
「すべて、閣下の計画の内なのでは」
何やらすべてお見通しらしい伯爵は、ジュディの指摘に対して鷹揚に頷いて言う。
「あの才覚であれば、間にお前を挟まないでも計画は進められただろうし、必ずしも子爵の失脚を待つ必要もなかっただろう。確実に排除したのは目障りだったんじゃないか。子爵にまだ気持ちがあるか確認されなかったか?」
パレスでの一件を思い出し「あの方とは、元夫とはいえ当初からまったく友好的な関係ではないと、お伝えはしましたが……」とジュディは控えめに答えた。言葉よりも雄弁に語る現場をガウェインに押さえられている。
「なるほど。それで心置きなく潰したか。早速、閣下から手紙が来ているぞ」
ジャケットの内側から手紙を取り出し、差し出してくる。受け取ろうとジュディが身を乗り出すと、猫が膝から慌てて飛び降りた。非難がましくちらっと見上げられて、ごめんね、と目で謝りながら封書を手にする。
見覚えのある、美しく整った筆致。
“今度こそお茶の約束を果たさせてください。
ドレスの相談もしましょう。 ガウェイン・ジュール ”
記された日付は、返事をする猶予がせいぜいの翌々日であった。
ジュディからそう切り出したものの、時間が取れたのは翌日の晩餐の後、夜遅い時間だった。
応接間《ドローイングルーム》にて顔を合わせたときには、前日とは違い、並んで座るのではなく向き合う形となる。家族のことだからとメイドが立ち入るのは断り、ソファ・テーブル上には軽食も飲み物も並べていない。
他に誰も交えず真剣に向き合う二人の間で、白猫がのんびりと伯爵の足元に擦り寄り、にゃあと鳴いた。伯爵が猫を抱き上げたところで、ジュディが口火を切った。
「私の行動が招いた結果ではありますが、今後リンゼイ家はジュール侯爵の派閥に与《くみ》したと世間からみなされることになります。お父様は賛成なさっているように見えましたが、本当によろしいのでしょうか」
ガウェインと接近したのはジュディで、家に連れてきてリンゼイ伯爵との顔合わせまで仲立ちをした。
(もし不利益が勝つのならば、父はなんと言われても閣下とは会わず、屋敷の外に出て見送ることもしなかったはず。しかも……)
勘違いでなければ、まだぼんやりとしたところのあったジュディの背を、前へと押した。父親公認のもと、二人で夜会へ出席することが確定的となった。注目を集める事態になることは、予想に難《かた》くない。
リンゼイ伯爵は背もたれにゆったりと背を預けて、寛《くつろ》いだ様子で答えた。
「殿下の教育係の話を、お前に通したのは私だ。相手はあのジュール侯爵だ。何かあるとは思っていたよ。とはいえ、最初からすべて読めていたわけではない。その意味では、これまで出方を見ていた」
「どこで流れが変わりましたか? なぜ、“GO”と決断を?」
父の大きな手が白猫を撫でる動きを目で追いかけそうになり、ジュディは視線を父の目に合わせる。真面目な態度で尋ねる。
「一度は親の意向で意に染まぬ結婚をした娘が、久しぶりに楽しそうにしていたこと。あとは、やはり本人だな。普段はあまりあの顔を目立たせないようにしているが、はっきり見せたのは覚悟の現れかね」
娘が、楽しそうにしていたこと。
その言葉が胸にじわりとぬくもりをもたらすも、気になる一言のせいでジュディとしては質問を途切れさせることができず、重ねて尋ねた。
「閣下は、おいそれと他人にお顔を見せられぬ理由でもあるのですか?」
ふう、とリンゼイ伯爵は息をもらした。猫の頭を指先で撫でながら、慎重な口ぶりで話し出す。
「これはくだらぬ噂だが、実の父親によく似ているとは言われている。実際、私も本人を前にしてそう思った。前侯爵夫人、つまり閣下の母君は侯爵とは再婚で、その前は亡き王弟殿下と婚姻関係にあった。王弟殿下と前侯爵は従兄弟の間柄で、お顔立ちにも似通ったところがあり、閣下が侯爵にも王弟殿下にも似ているのは不思議な話ではない。しかも、侯爵が結婚したのは王弟殿下がお亡くなりになった一年以上後だ。閣下が、王弟殿下の忘れ形見であるはずはない。つまり、王弟殿下が実の父親であるはずがないんだ。だが、あまりにも似ているために、噂はいつまでも消えない」
んにゃ、と一声鳴いて、白猫がリンゼイ伯爵の膝から降りた。ジュディは固まったまま、いま耳にした内容を考えていた。
誰もが嘘だとわかっているのに、囁かれ続ける噂。ガウェインが亡き王弟殿下の実子であると。
(つまり、フィリップス殿下の血縁。言われてみれば、雰囲気はあるわ。あの二人、そりが合うようには見えないのに、どこか似ている)
お兄さんだよー、とガウェインが兄貴分としてフィリップスをにこにこと追い詰めている姿を思い浮かべて、そんな場合ではない、とジュディは気を引き締めた。
「噂が消えないのは、それを都合よく利用したいひとがいるからですね。閣下がお顔を見せないのは、その者たちには利用されたくない、というところでしょうか」
「そのへんだな。そういうわけで、ジュール侯爵は動向が注目されているし、女性関係もかなり慎重とは聞いていた。それがどういうわけか、当家の出戻り娘に声をかけてきたので、さてその真意は、と」
軽い口ぶりで俎上《そじょう》にのせられ、ジュディは淡く微笑んだ。
「オールド・フォートの買収にお父様の口添えが必要だからと仰っていたではありませんか。私はその足がかり……」
かなり前から計画が動いていて、父と近づくきっかけにされたのだとジュディは理解していた。腹が立たなかったのは、まぎれもなく「楽しかった」からで、裏があってジュディを引き込んだ策略があったとしても、それをガウェインの裏切りとは考えなかったからだ。
この上、父も賛成しているようだから、ガウェインと夜会に出席するのも自分にとっては良い思い出になりそうなものだと楽しみにしていたのだが。
「それだけなら、こうも簡単に話には乗らなかったんだがね。これで私も、損得勘定も腹のさぐりあいも日常茶飯事だ。だが、派閥に一石を投じることになっても、閣下に賭けても良いと確信したのはあの情熱だ。あれはかなり本気でお前に入れ込んでいる。気づかないのか?」
「何をですか?」
ん? とジュディは眉をひそめて聞き返す。
(なんだか、私いま、鈍い扱いを受けた気がするわ。気づかないって何を?)
白猫がジュディの足元に来た。ジュディはいそいそと抱き上げ、父の返事を待つ。やや間を置いて、伯爵が答えた。
「アリンガム子爵は、何か良からぬ件に首を突っ込んでいたようだが。侯爵閣下が失脚させたな。そちらが片付いて、いよいよ本気で動き出すつもりに見えた。さすがに電光石火、稲妻の如しだ。女性の噂が無くとも奥手どころか、何をやらせてもやり手というのはこういうものかと、いや感心したよ」
ひとりで、非常に納得した様子で話しているが、ヒースコートに関してはかなり正確な推測を述べているだけに「お父様ったら」と笑い飛ばすことができない。
さらに言えば、ガウェインがヒースコートの悪事の証拠を掴んで監獄塔送りにし、日を置かずにその足でまっすぐリンゼイ伯爵邸に来たのも、伯爵の指摘の通りだ。礼を失していると面会を拒絶される恐れもあるのに、ずいぶん急いでいるとジュディも感じたが、結果的に話がまとまったのでガウェインの目論見は的を射ていたと感服していたのだが。
「すべて、閣下の計画の内なのでは」
何やらすべてお見通しらしい伯爵は、ジュディの指摘に対して鷹揚に頷いて言う。
「あの才覚であれば、間にお前を挟まないでも計画は進められただろうし、必ずしも子爵の失脚を待つ必要もなかっただろう。確実に排除したのは目障りだったんじゃないか。子爵にまだ気持ちがあるか確認されなかったか?」
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