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第四章
隠しても、無いことにならない
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取るものもとりあえずで、ジュディたち四人は午後の早い時間に駅に向かい、鉄道で王都まで帰ることになった。
前夜、公爵邸マクテブルク・パレスで起きた事件で被害者が出たのは、貯蔵室での一件のみ。犯人も捕まっている。
アリンガム子爵夫妻の部屋での発砲騒動に関しては、関係者で口裏を合わせて「貯蔵庫での銃声」と誤魔化した上で、警察に報告をしたとのことだった。逃げたままの下手人がいるのを、伏せた形となる。
ヒースコートは詐欺の取り調べの関係で、公爵とガウェインの手配により、直接王都の「監獄塔」送りにされるという。子爵夫妻が出先から戻らぬことに関しては「夫婦で共犯であり、夫人を屋敷に帰して証拠を隠されるのを防ぐため」という内容で、夫婦で監獄塔送りになっていると屋敷に通達するとのこと。実際にはユーニスは行方不明なのだが、当面それを公表するメリットはないので、というのがガウェインの話だった。
こういった詳しい事情は、屋敷に滞在していた他のゲストには知らせない。ただ、「屋敷で使用人同士のいざこざがあり、銃が使われて死者が出た」と「アリンガム子爵夫妻は、昨日から引き続きの夫人の体調不良で人前には出てこない」程度の説明が朝食の席で公爵からされたという。疑いを持つ者もいるかもしれないが、子爵逮捕の件がひとの噂になるのは、これより少し先になるだろう、とガウェインは結んだ。
「ただでさえ亡霊が出るという噂の貯蔵庫だったのに、殺人事件の現場になるとはな。ますますひとが近寄らなくなるだろうさ」
特別車両のゆったりとしたソファに腰を落ち着けて、フィリップスが皮肉っぽく言った。
車内の揺れをものともせず、テーブルそばに立って手酌でグラスにワインを注ぎ、ひとりで飲んでいたステファンが、横から口を挟む。
「格好の肝試しの現場になりそうですね。あと、逢引き。ひとりで行くのが怖いって言い出すメイドに、親切なふりをした若い男が同行するんですよ」
「なるほど、そこでよろしくやるわけか」
行儀悪く、丸ごとのりんごにシャリッとかぶりついて、フィリップスがすかさず言い返す。油紙に包んだサンドウィッチを食べていたジュディは、危うくふきだしそうになり、気合で堪《こら》えて口の中のものを飲み下した。続けて白ワインをひとくち飲んでから、「なんの話をしているんですか」と諭すように割り込む。
「ステファンさんは、変なことを殿下にふきこまないでください。殿下も、そういったことに興味を持つ前に、まずはご婚約ですとか、正しい道筋で女性とのお付き合いをじっくり学ぶべきでして」
教育係なので。
(こんな品のない男同士の会話から、男女のことを興味本位で学ぶのはあまりよくないわ。私だって、結婚前にそんな機会なかったもの)
信念にかけて言ったのに、ガウェインも含めた男性三人からの返事は一分以上にわたる無言だった。
ゴトン、ゴトン、と車輪がレールを擦る音だけが車内に響く。
「……何か言ったらどうなんです?」
耐えかねてジュディが言うと、切れ長の目を細めたステファンが「何かと言われましても」と答えながら、椅子に座っているジュディに視線をくれる。
「何を言っても、先生の立場がなくなります」
「それこそ何を言うつもりなんです!? 良いですよ、受けて立ちますわよ。私、こう見えて閣下に教育係のお役目を頂いて、殿下を教え導く立場ですからね。甘く見られては沽券に関わります」
手の中で油紙を畳み、片手を胸にあてて自信に満ちた表情でステファンを見つめ返す。「さぁどうぞ」と促して、背筋を伸ばし、居住まいを正してみせた。
……はぁ。
沈黙の後、疲れを覚えたように息を吐き出された。大変納得のいかない返答であり、ジュディはキッときつい目つきになって早口に言った。
「言いたいことをあまり溜め込むと、体に悪いですよ」
すると、ステファンは「はい」と速やかに実に良い返事をして、滑《なめ》らかに続けた。
「では溜めません、言います。先程のような会話は、男同士で集まった場では日常的になされる部類です。先生の前でしてしまったのは俺の落ち度です。申し訳ありませんでした」
「謝って頂く必要はございませんわ。ただ、女性の前ではできない話という自覚があるのなら、殿下の前でなさるのも適切とは思いませんの。殿下を一流の紳士にお育て申し上げるのは、私たち大人の責務でありますからして」
力説しているのに、どうも反応が鈍い。
ステファンはジュディに対して何度か頷いてから、「閣下」とソファに座っているガウェインを指名した。
「少年の成長には、ある種こういった男同士の会話も必要であると、閣下から先生にお伝え頂けますでしょうか。身の回りから、ただ濁りや汚れを取り除いてばかりいても、不自然でしかありません。なぜなら世の中には、綺麗ではない部分もたくさんあるからです。現にあるものを無いように見せても、無知な人間が育つだけ。必要なのは、あるものはあると教え、そこから正しく選ぶ方法を学んで頂くことです」
あら饒舌、とジュディは目を丸くする。
(ステファンさんは、私に対してずいぶんずけずけ言うようになってきたと思っていたけど、あれでも遠慮しているのかもしれないわ。閣下に対しては手加減なしみたいだけど)
そのガウェインは、優雅に口元まで運んでいたティーカップを下ろし、微笑んで言った。
「どちらの言い分ももっともだと思う。あるものを無いように見せてばかりでいては、教育にはならない。だが一方で、会話には節度があるべきで」
常識人のように話し始めたのを、フィリップスが遮った。
「上品ぶった貴族連中だって、結局のところ一皮むけば薄汚く下品な欲望に満ちた豚ばかりだ」
「豚に何か恨みが?」
かつて出会い頭にフィリップスから何度か豚扱いをされたことにより、最近では豚にシンパシーを覚えかけていたジュディは、眉をひそめて呟く。
フィリップスは煩《わずら》わしそうな視線をジュディに向けて、投げやりに答えた。
「先生の元旦那が何をしていたか、あのときの会話を聞いていたなら察しはついているんだろう? 東地区《スラム》における人攫い行為及び、人身売買だ。若く美しい女や子どもを真っ先に買い漁っているのは、この国の富裕層だぞ、笑えるだろ。売れ残りは安価で他国に売り飛ばしているみたいだがな。かくて、世界は汚く欺瞞に満ちている。見せかけだけ綺麗にしてなんになる。俺は、汚れこそ見つめるべきじゃないのか?」
ですが、あなたはこの国でもっとも高貴な者、王になるべき方。ご自身が汚れをまといすぎては……
(とは、言えない。すべてをご自身で経験なさる必要はないと思うけれど、民の痛みを知りたいという殿下を、止めることなど)
迷いながら、ジュディはそれでも自分の考えを伝える。
「尊いお心ばえだと思います。ですが、その気持ちが先走ったために、今回のように危険に身を晒すことになるのなら、少し思いとどまって頂きたいのです。あなたの代わりはいません。ご自身を大切になさって初めて、他の方に手を差し伸べられるものとお考えください」
ふん、と鼻を鳴らしてフィリップスはソファの背もたれに深く沈み込んだ。そして、ジュディでも他の誰でもなく、どこか遠くを見るまなざしになって言った。
「俺がどうしてああいった事情に通じているのか、気になっているんだろう。いいぜ、言っても。公式記録にはない、公開されていないことだが、俺はいまより幼い頃、誘拐されて行方不明になっていた時期がある。結構長く、半年とか一年とか、そのくらいだ。自分でもはっきり覚えていない。その頃俺は、東地区にいたんだ。この国の吹き溜まり、すべての汚れの寄せ集め、見捨てられた貧民街。あの場所に」
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こういった詳しい事情は、屋敷に滞在していた他のゲストには知らせない。ただ、「屋敷で使用人同士のいざこざがあり、銃が使われて死者が出た」と「アリンガム子爵夫妻は、昨日から引き続きの夫人の体調不良で人前には出てこない」程度の説明が朝食の席で公爵からされたという。疑いを持つ者もいるかもしれないが、子爵逮捕の件がひとの噂になるのは、これより少し先になるだろう、とガウェインは結んだ。
「ただでさえ亡霊が出るという噂の貯蔵庫だったのに、殺人事件の現場になるとはな。ますますひとが近寄らなくなるだろうさ」
特別車両のゆったりとしたソファに腰を落ち着けて、フィリップスが皮肉っぽく言った。
車内の揺れをものともせず、テーブルそばに立って手酌でグラスにワインを注ぎ、ひとりで飲んでいたステファンが、横から口を挟む。
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教育係なので。
(こんな品のない男同士の会話から、男女のことを興味本位で学ぶのはあまりよくないわ。私だって、結婚前にそんな機会なかったもの)
信念にかけて言ったのに、ガウェインも含めた男性三人からの返事は一分以上にわたる無言だった。
ゴトン、ゴトン、と車輪がレールを擦る音だけが車内に響く。
「……何か言ったらどうなんです?」
耐えかねてジュディが言うと、切れ長の目を細めたステファンが「何かと言われましても」と答えながら、椅子に座っているジュディに視線をくれる。
「何を言っても、先生の立場がなくなります」
「それこそ何を言うつもりなんです!? 良いですよ、受けて立ちますわよ。私、こう見えて閣下に教育係のお役目を頂いて、殿下を教え導く立場ですからね。甘く見られては沽券に関わります」
手の中で油紙を畳み、片手を胸にあてて自信に満ちた表情でステファンを見つめ返す。「さぁどうぞ」と促して、背筋を伸ばし、居住まいを正してみせた。
……はぁ。
沈黙の後、疲れを覚えたように息を吐き出された。大変納得のいかない返答であり、ジュディはキッときつい目つきになって早口に言った。
「言いたいことをあまり溜め込むと、体に悪いですよ」
すると、ステファンは「はい」と速やかに実に良い返事をして、滑《なめ》らかに続けた。
「では溜めません、言います。先程のような会話は、男同士で集まった場では日常的になされる部類です。先生の前でしてしまったのは俺の落ち度です。申し訳ありませんでした」
「謝って頂く必要はございませんわ。ただ、女性の前ではできない話という自覚があるのなら、殿下の前でなさるのも適切とは思いませんの。殿下を一流の紳士にお育て申し上げるのは、私たち大人の責務でありますからして」
力説しているのに、どうも反応が鈍い。
ステファンはジュディに対して何度か頷いてから、「閣下」とソファに座っているガウェインを指名した。
「少年の成長には、ある種こういった男同士の会話も必要であると、閣下から先生にお伝え頂けますでしょうか。身の回りから、ただ濁りや汚れを取り除いてばかりいても、不自然でしかありません。なぜなら世の中には、綺麗ではない部分もたくさんあるからです。現にあるものを無いように見せても、無知な人間が育つだけ。必要なのは、あるものはあると教え、そこから正しく選ぶ方法を学んで頂くことです」
あら饒舌、とジュディは目を丸くする。
(ステファンさんは、私に対してずいぶんずけずけ言うようになってきたと思っていたけど、あれでも遠慮しているのかもしれないわ。閣下に対しては手加減なしみたいだけど)
そのガウェインは、優雅に口元まで運んでいたティーカップを下ろし、微笑んで言った。
「どちらの言い分ももっともだと思う。あるものを無いように見せてばかりでいては、教育にはならない。だが一方で、会話には節度があるべきで」
常識人のように話し始めたのを、フィリップスが遮った。
「上品ぶった貴族連中だって、結局のところ一皮むけば薄汚く下品な欲望に満ちた豚ばかりだ」
「豚に何か恨みが?」
かつて出会い頭にフィリップスから何度か豚扱いをされたことにより、最近では豚にシンパシーを覚えかけていたジュディは、眉をひそめて呟く。
フィリップスは煩《わずら》わしそうな視線をジュディに向けて、投げやりに答えた。
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