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第四章
ミイラは得意
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気が弱いご令嬢だったら、自死してしまいかねない。
“結婚初夜の晩に、夫となった相手から「お前を愛することはない」と言われたら?”
離婚の後、生家に戻ってから母親の代理で父と出席したどこかの夜会で、たまたまそんな仮定の話を耳にしたことがある。
そのとき誰かが言っていたのだ。「そんな恐ろしいことを言われたら、とても生きてなどいけない」「自死しかねないわ」と。
初夜に「お前を愛することがない」といえば、自分のあの話かな? どこから漏れたのだろう? と、気になって耳をそばだてていたジュディであるが、女性たちの間で生死に関わる、死んでしまう、と盛り上がっているのを見届けて「私のことじゃないわね!」と胸をなでおろしたものだ。
実際、ジュディはヒースコートに同様のことを言われていたものの、死ぬことなんて考えもしなかったし、全然元気だった。気が弱くないからと言えば、そこまでなのだが。
このとき世の女性達の見解に触れたことで、「世間的には生き死にレベルの問題」を乗り越えた自分は、もう多少のことでは動じないに違いない、と自信を持った。
それこそ、私の心臓は鋼鉄製かもしれないわ、と自負していた。
しかし、今朝の目覚めはさすがに、さすがに動じた。状況に気づいて、心臓が破裂するかと思った。
何しろ、朝起きたら裸だったのだ。
つまり、服を着ていなかった。
そして、ベッドの傍《かたわ》らには椅子に座って足と腕を組んだまま眠りに落ちている宰相閣下・ジュール侯爵・ガウェイン様の姿があったのである。
上着を脱いでシャツ一枚になり、髪はほどいて肩に流していた。
朝の光の中で見るその横顔は荘厳さすら漂い、非常に美しく完成された彫刻のようであった。
(死……んでしまうかもしれない)
かつて夫から愛されなくても死ななかったジュディであるが、無防備な男性、しかも敬慕《けいぼ》している相手が目の前で寝ているというのは、かなりの衝撃だった。
息を止めて、見つめてしまう。声も出なかった。そのおかげで、結果的には大騒ぎしないで済んだので、良かったのかもしれない。
記憶をたどれば、前夜湯浴みをしていたところでぷっつりと途絶えている。
おそらく疲労の頂点で、寝落ちしたのだ。
出てくるのが遅いとか、不審な物音がして声をかけたが返事がなかったとか、何かしらの理由でガウェインが様子を見に来て、ジュディを溺死から救ったに違いない。ありがたいことである。
ジュディが死んでガウェインが残された場合、ガウェインが何をどう言おうと立場が悪くなるのは目に見えている。
それこそ、ジュディの父も兄もここぞとばかりに血道を上げて責め立てるだろう。そういったことに、あまり手を抜かない人たちなのだ。ヒースコートも、離婚後は遠慮なく父に叩かれていた恐れもある。その点は少し同情しないでもなかった。
(どうしてこうなったか、だいたい想像はつくのだけれど……、昨日念入りに休むよう伝えて帰したせいで、メイドが呼んでも来なかったのかもしれないわ。それで、ガウェイン様だけでは私に服を着せることができず……)
感覚的に、裸なのは間違いない。だが、確認しにくい。なぜなら、シーツできっちりすまきにされているのだ。端から見たら人間型の棺桶みたいなものだろう。身動きもとれない。
ジュディは、意を決してガウェインに声をかけた。
「ガウェイン様、おはようございます」
それまで、軽くうつむいていたガウェインであるが、まるでただ下を向いて蟻の行列を見ていただけ、という自然さで顔を上げた。
寝ぼけた素振りも見せず、にこりと微笑みかけてくる。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
素晴らしい反応の良さだった。たとえ会議で寝てしまっても、これだけ寝起きが良いなら問題なく挽回できるだろう。
(さっきまでつつましい寝息が聞こえていたのに、嘘みたい……)
閣下はさすがです、とほれぼれとしながら、ジュディは返事をした。
「夢も見ないくらい上質な眠りでした。目覚めもとても良いです。ただ……」
「ん?」
「動けません」
ああ、とガウェインは何度か頷いて、言った。
「動いてシーツがずれてはいけないと思ったので、硬めに巻いておきました」
やり遂げました、とばかりに厳《おごそ》かに言われたので、ジュディも反発することなく「そうでしたか」と深く頷いてみせた。
ここでジュディが寝乱れて肌を露出させていたら、お互い大変気まずいことになったのは間違いない。これは必要な処置だったのだ。
いまの発言からして、裸のジュディにすまきの手を下したのはガウェインで間違いないだろうが、不埒なことなど一切考えていないのは明白な態度で、何かしら疑うのもバカバカしくなってくる。
「ありがとうございます。ところでこれ、自分ではどうにもできないので、少し剥《む》いて頂けますか。完全にミイラです」
「そうですね。俺もちょっとそう思っていました。ミイラ作ったのは初めてなんですが、意外といけるなって」
本気か冗談かわからない口ぶりで言いながら、立ち上がってベッドの側に立ち、ミイラ状のジュディの背に腕を差し入れてくる。抱き起こし、もう一方の手で巻き付けたシーツをくるくる剥《は》がしながら、ジュディの頭上で穏やかに話し始めた。
「昨日、あまりにもバスルームが静かだったので、声をかけてみたんです。返事がなかったので、後で怒られるつもりで中に入りましたところ、あなたは寝ていました。お声がけしたのですが、起きなかったので、ベッドまでタオルにくるんで運び、その後シーツも巻き付けました」
二、三周ほどかれたところで、ジュディは大きく息を吐き出した。苦しかったわけではないが、解放感が心地よかった。
「怒るどころか、感謝しかありません。溺死したら『公爵邸血の惨劇の夜』の犠牲者が増えるところでした。私は完全に事故でおまけですけど」
「怒るべきですよ。見ました、裸」
位置的に、どうしても顔が近くなる。耳元で囁かれるような体勢でそう告げられて、ジュディはかあっと頬に血が上ってくるのを自覚した。
(そんなことわざわざ言わなくてもいいのに! どう返事をしろと!?)
ミイラトークの方が断然いけるわ、と思いながらジュディは緩んだシーツに包まれた状態で、ガウェインを見上げる。
金色の瞳が、見返してきた。からかって終わりにしてくれればいいのに、真剣な顔をしているせいでますます返答に悩む。
思い余って、ジュディは顔を逸らしながら「悪女気取り」路線をとってみた。
「緊急時ですもの、そんなことでいちいち目くじらを立てたりしませんわ。私、離婚出戻りですし。未婚のお嬢さんのように、大騒ぎはしませんのよ」
だから心配無用です、と続けるつもりだった。
すっと顎に手を手を添えられて、視線がぶつかる位置で固定される。
「どうしていま、目を逸らしました?」
吐息を感じるほどに、近い。片腕を背に回して支えられているせいで、まるで抱きしめられているかのように錯覚しそうになる。
「どうしてと、言われましても……」
普段こんなにぶしつけに、触れてくることなどないひとなのに。何か気に障ったのだろうか? とジュディは落ち着かなくなり、声も小さくなる。
ガウェインは、低い声で呟いた。
「あなたはそうやって、ときどき離婚出戻りを強調されますが。どこか、無理があるように感じるんです。たとえば」
言いかけたところで、ドアがノックをされた。
ガウェインはジュディの顎から手を離し、「起きてます」と返事をする。「開けますよ」と響いたのはステファンの声であった。
ガチャ、とドアを開けて数秒。
位置関係的に、天蓋付きベッドの上までは見えなかっただろうが、ガウェインの姿勢とジュディの姿がないことで、何を思ったのか。
「出直します」
「そうだな。彼女の着替えが済むまでしばし待つように」
ステファンはすみやかに退室を告げ、ガウェインが返事をする。
(誤解が……誤解が生まれる瞬間!)
焦ったジュディは、寝台の上から叫んだ。
「ただのミイラですから! 誤解しないでください!」
それに対し、ステファンは非常に冷たい声で答えた。
「一晩で枯れ果てるほど励んだという意味ですか?」
「違うってわかってるくせに! 絶対わかってるくせに! 私と閣下でそんなことあるわけないのに!」
すぐさま言い返すと、妙にしんみりとした調子で返される。
「ええ、まあ、そうですね……。閣下と先生ですからね、何もあるわけがありませんね。間違いありません。俺が悪かったです。心よりお詫び申し上げます」
そこまで丁寧にしなくても、というくらい真摯に謝られた。
“結婚初夜の晩に、夫となった相手から「お前を愛することはない」と言われたら?”
離婚の後、生家に戻ってから母親の代理で父と出席したどこかの夜会で、たまたまそんな仮定の話を耳にしたことがある。
そのとき誰かが言っていたのだ。「そんな恐ろしいことを言われたら、とても生きてなどいけない」「自死しかねないわ」と。
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このとき世の女性達の見解に触れたことで、「世間的には生き死にレベルの問題」を乗り越えた自分は、もう多少のことでは動じないに違いない、と自信を持った。
それこそ、私の心臓は鋼鉄製かもしれないわ、と自負していた。
しかし、今朝の目覚めはさすがに、さすがに動じた。状況に気づいて、心臓が破裂するかと思った。
何しろ、朝起きたら裸だったのだ。
つまり、服を着ていなかった。
そして、ベッドの傍《かたわ》らには椅子に座って足と腕を組んだまま眠りに落ちている宰相閣下・ジュール侯爵・ガウェイン様の姿があったのである。
上着を脱いでシャツ一枚になり、髪はほどいて肩に流していた。
朝の光の中で見るその横顔は荘厳さすら漂い、非常に美しく完成された彫刻のようであった。
(死……んでしまうかもしれない)
かつて夫から愛されなくても死ななかったジュディであるが、無防備な男性、しかも敬慕《けいぼ》している相手が目の前で寝ているというのは、かなりの衝撃だった。
息を止めて、見つめてしまう。声も出なかった。そのおかげで、結果的には大騒ぎしないで済んだので、良かったのかもしれない。
記憶をたどれば、前夜湯浴みをしていたところでぷっつりと途絶えている。
おそらく疲労の頂点で、寝落ちしたのだ。
出てくるのが遅いとか、不審な物音がして声をかけたが返事がなかったとか、何かしらの理由でガウェインが様子を見に来て、ジュディを溺死から救ったに違いない。ありがたいことである。
ジュディが死んでガウェインが残された場合、ガウェインが何をどう言おうと立場が悪くなるのは目に見えている。
それこそ、ジュディの父も兄もここぞとばかりに血道を上げて責め立てるだろう。そういったことに、あまり手を抜かない人たちなのだ。ヒースコートも、離婚後は遠慮なく父に叩かれていた恐れもある。その点は少し同情しないでもなかった。
(どうしてこうなったか、だいたい想像はつくのだけれど……、昨日念入りに休むよう伝えて帰したせいで、メイドが呼んでも来なかったのかもしれないわ。それで、ガウェイン様だけでは私に服を着せることができず……)
感覚的に、裸なのは間違いない。だが、確認しにくい。なぜなら、シーツできっちりすまきにされているのだ。端から見たら人間型の棺桶みたいなものだろう。身動きもとれない。
ジュディは、意を決してガウェインに声をかけた。
「ガウェイン様、おはようございます」
それまで、軽くうつむいていたガウェインであるが、まるでただ下を向いて蟻の行列を見ていただけ、という自然さで顔を上げた。
寝ぼけた素振りも見せず、にこりと微笑みかけてくる。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
素晴らしい反応の良さだった。たとえ会議で寝てしまっても、これだけ寝起きが良いなら問題なく挽回できるだろう。
(さっきまでつつましい寝息が聞こえていたのに、嘘みたい……)
閣下はさすがです、とほれぼれとしながら、ジュディは返事をした。
「夢も見ないくらい上質な眠りでした。目覚めもとても良いです。ただ……」
「ん?」
「動けません」
ああ、とガウェインは何度か頷いて、言った。
「動いてシーツがずれてはいけないと思ったので、硬めに巻いておきました」
やり遂げました、とばかりに厳《おごそ》かに言われたので、ジュディも反発することなく「そうでしたか」と深く頷いてみせた。
ここでジュディが寝乱れて肌を露出させていたら、お互い大変気まずいことになったのは間違いない。これは必要な処置だったのだ。
いまの発言からして、裸のジュディにすまきの手を下したのはガウェインで間違いないだろうが、不埒なことなど一切考えていないのは明白な態度で、何かしら疑うのもバカバカしくなってくる。
「ありがとうございます。ところでこれ、自分ではどうにもできないので、少し剥《む》いて頂けますか。完全にミイラです」
「そうですね。俺もちょっとそう思っていました。ミイラ作ったのは初めてなんですが、意外といけるなって」
本気か冗談かわからない口ぶりで言いながら、立ち上がってベッドの側に立ち、ミイラ状のジュディの背に腕を差し入れてくる。抱き起こし、もう一方の手で巻き付けたシーツをくるくる剥《は》がしながら、ジュディの頭上で穏やかに話し始めた。
「昨日、あまりにもバスルームが静かだったので、声をかけてみたんです。返事がなかったので、後で怒られるつもりで中に入りましたところ、あなたは寝ていました。お声がけしたのですが、起きなかったので、ベッドまでタオルにくるんで運び、その後シーツも巻き付けました」
二、三周ほどかれたところで、ジュディは大きく息を吐き出した。苦しかったわけではないが、解放感が心地よかった。
「怒るどころか、感謝しかありません。溺死したら『公爵邸血の惨劇の夜』の犠牲者が増えるところでした。私は完全に事故でおまけですけど」
「怒るべきですよ。見ました、裸」
位置的に、どうしても顔が近くなる。耳元で囁かれるような体勢でそう告げられて、ジュディはかあっと頬に血が上ってくるのを自覚した。
(そんなことわざわざ言わなくてもいいのに! どう返事をしろと!?)
ミイラトークの方が断然いけるわ、と思いながらジュディは緩んだシーツに包まれた状態で、ガウェインを見上げる。
金色の瞳が、見返してきた。からかって終わりにしてくれればいいのに、真剣な顔をしているせいでますます返答に悩む。
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だから心配無用です、と続けるつもりだった。
すっと顎に手を手を添えられて、視線がぶつかる位置で固定される。
「どうしていま、目を逸らしました?」
吐息を感じるほどに、近い。片腕を背に回して支えられているせいで、まるで抱きしめられているかのように錯覚しそうになる。
「どうしてと、言われましても……」
普段こんなにぶしつけに、触れてくることなどないひとなのに。何か気に障ったのだろうか? とジュディは落ち着かなくなり、声も小さくなる。
ガウェインは、低い声で呟いた。
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言いかけたところで、ドアがノックをされた。
ガウェインはジュディの顎から手を離し、「起きてます」と返事をする。「開けますよ」と響いたのはステファンの声であった。
ガチャ、とドアを開けて数秒。
位置関係的に、天蓋付きベッドの上までは見えなかっただろうが、ガウェインの姿勢とジュディの姿がないことで、何を思ったのか。
「出直します」
「そうだな。彼女の着替えが済むまでしばし待つように」
ステファンはすみやかに退室を告げ、ガウェインが返事をする。
(誤解が……誤解が生まれる瞬間!)
焦ったジュディは、寝台の上から叫んだ。
「ただのミイラですから! 誤解しないでください!」
それに対し、ステファンは非常に冷たい声で答えた。
「一晩で枯れ果てるほど励んだという意味ですか?」
「違うってわかってるくせに! 絶対わかってるくせに! 私と閣下でそんなことあるわけないのに!」
すぐさま言い返すと、妙にしんみりとした調子で返される。
「ええ、まあ、そうですね……。閣下と先生ですからね、何もあるわけがありませんね。間違いありません。俺が悪かったです。心よりお詫び申し上げます」
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