40 / 104
第三章
筋書きの登場人物
しおりを挟む
この一件が片付いたら、体を鍛えよう。ほどよく友達付き合いをして、世間ずれを修正しよう。簡単にからかわれないよう、年齢と経歴相応の威厳を取り戻そう。年下の王子様と、年上の同僚から、深窓の令嬢のような扱いを受けるなど言語道断。
離婚した出戻り女のふてぶてしさ、簡単に動じない逞しさで世渡りをしたい。
これまでの自分の至らなさを反省したり、未来への約束を思い浮かべてしまうのは、今日この場ですべてが終わる予感を拭い去るためだ。生きて先に進む、絶対に。
「見た顔だな。ベイリー侯爵の従者だ。アリンガム子爵の始末を命じられたか? 目撃者は全員殺せと言われていない限り、俺を殺すのは待った方が良い。一度殺した人間は生き返らないからな」
さすがにフィリップスは、堂々としている。
(どんな表情をしているのか、見なくても目に浮かぶわ)
足音が響いた。相手を見極めながら距離を詰めているらしい。顔を見てすぐに素性がわかるのは、今日一日来客名簿を頭に入れて、よく周囲を観察していたということなのだろう。
誰に指示をされたわけでなくとも、何が必要かを自分で考えて行動する、抜け目のなさ。
刻々と変わりゆく状況に対する、判断力。
躊躇わずにジュディをかばい、危険に身を晒す覚悟。
彼が誰であるか、思い知らされる。
こんなところで命を落として良いはずがないひとだ。
だが、ジュディは身動きもできずに固まったままだった。確実な死の気配に、先程までのような蛮勇を奮う気力は、根こそぎ奪われていた。足が恐怖に震えている。
「……ただの小間使いには見えない。何者だ?」
「フィリップス・エイリングだ。職業はそうだな、王子様だ。ところでお前、なぜ銃でとどめを刺した? 音を聞きつけて、ひとが集まってくるぞ。ここでゆっくり話していて良いのか? 侯爵の指示はどうなっている?」
彼らしい、シニカルな笑みを浮かべていることだろう。たたみかけられた相手の方が、判断に迷っている空気だ。
たとえ顔を知らずとも、目の前でフィリップスに「王子様だ」と言われたら、動揺するのは想像に難《かた》くない。どんな服を着ていても、彼は輝きをまとっている。
それは従わせる者の強さだ。命じられることに慣れた者ほど、抗うのは難しいことだろう。
「子爵は銃による自殺として処理される。ナイフで殺すわけにはいかない」
半信半疑の、迷いが感じられる声であった。ここで答えて良いのか? という気持ちと、ここまで事情を知っている相手でしかも自称王子様に逆らって良いのか? という葛藤が滲み出ている。
(王子様というカードは絶妙過ぎる。下手人に指示を出しているのが高位貴族で、下手人本人は全体像が見えていない場合「自分が知らないだけで主人の仲間かもしれない」と考えるわ。でも、相手が王子様だと、おいそれと自分からは「どうなんですか?」なんて聞けない……!)
一方のフィリップスは、まったく容赦がなく質問を繰り出していく。
「どういう筋書きだ? 夫人の浮気現場を目撃してバンッ! 激怒して夫人と相手の男を撃ち殺した。そして自分も、ということか?」
二発の銃声。そして、ほとんど間をおかずの三発め。
フィリップスの確認に、ジュディもなるほどと納得してしまった。
(夫婦の使用している貴賓室《ステイト・ルーム》で先に騒動が起きるとして、ひとが集まる前に事情を知る者が現場保全をたてに立ち入りを制限してしまえば、中の様子は知られない。銃声そのものは屋敷のどこで鳴ったか、よほど近くにいない限り特定は難しい。この夜三回の銃声があったことくらいは、なんとなく共有されるとしても……)
問題はこの場で、ヒースコートを撃ち殺したことだ。殺してから館内を移動して現場に運ぶということであれば、どう考えても公爵邸に手助けする側の人間がいる。
最悪、パレスの主であるラングフォード公爵そのひとが一枚噛んでいるおそれも。
そこまで考えて、ジュディは自分の頭の回転がかなり鈍っていたことに気づく。
(夫人の浮気現場って……相手は宰相閣下なのでは? ステファンさんと役割を代わったばかりに、宰相閣下が間男として撃たれているということ……!?)
えーっ、と声にならない悲鳴を上げつつ、両手で自分の口を押さえる。貧乏くじ引きすぎですよ、と言えば良いのか。しかし、それを言ったら撃たれるならステファンで、と思い描いていると白状するようなものである。さすがに仲間に対してそんなことは考えていない。そのつもりだ。
「なあ、あんた、王子殿下ってのは……」
いまにも「本当なのか? うちの主人と話が通じているのか?」と確認したそうに男が尋ねかけた。
その問いを無視して、「なるほどな」とフィリップスが呟く。
「大方、アリンガム子爵は事業で何かへまをして、ここで切り捨てられることになったんだな。筋書きがあったわけだ。旅先で、普段とは違う環境。夫人は羽目を外して間男と遊び……、夫人も協力者か? 行きずりの男を誘惑するように指示が出ていたのか。自分が殺されるとも知らずに。しかし、子爵はその間、どうして部屋を空けていたことになっている? 男同士の語らいの場にいなかったのは、すぐにばれるはずだ」
「それなら、子爵の元奥さんがここにいるって話があった。出会って気持ちが再燃して逢引を」
ええと、とジュディは痛む頭を手でおさえた。気の所為でなければ、自分まで登場人物になっている。
「夫婦ともに不倫しておきながら、子爵は夫人の浮気は許せなかったと? 説得力出るのか、それ」
「子爵がいまの夫人を溺愛しているのは誰でも知っている。別れた元妻が現れたところで、結局のところ子爵の心はあの美しい夫人のものだ」
「ああ、了解」
何が了解なのですか、殿下。
よほど言いたかった。
(勝手に筋書きに私を組み込んだあげく、著《いちじる》しく貶めていますよね? なんでそんなひどいこと思いつくんですか。ユーニスさんの方が圧倒的に美人だからですか。だから宰相閣下も……)
先程までの恐怖はなりをひそめ、ふつふつと怒りが湧いてきていた。しかし幸いにも、なんとか冷静さが勝った。ガウェインの顔を思い出したのだ。
少なくとも、ガウェインはユーニスに誘惑されたわけではない。ステファンから譲られただけだ。
その結果として、現在間男として撃たれているかもしれないのだが。
(子爵がここにいて、ユーニスさんの不貞を責められない以上、現場でユーニスさんと閣下を撃っているのは……撃っているのは、誰?)
おそらくこの件には、自分が思い描いている以上に多くの人間が関わっている。それこそ、パレスの中では誰が敵か味方かもわからないくらいに。
そのとき、フィリップスがのんびりとした声で言った。
「ところでなぁ、あんた惜しかったな。この場には気絶していた人間が二人いてね。もっとよく確かめれば良かったのに、あんたが殺したその男は、子爵ではない。子爵はこっちに寝てる」
「なんだって?」
フィリップスがわずかに動く音に、男の焦ったような声が重なる。床に転がっている人物を確かめようとしたのだろうか。
次の瞬間、鈍い音と呻き声が聞こえた。
(隙をついて攻撃をした……!?)
呼ばれていないけど、加勢した方が良い!? とジュディは浮足立った。フィリップスが格闘しているなら、武器になる鈍器でも探して自分もどうにかした方が良いかもしれない……!
そう思いながら乏しい灯りの中で目を凝らして、近くの棚に視線をすべらせた。
ごとん。
ひとが床に転がるような音がした。勝った? とジュディは気を緩めそうになる。フィリップスの強さに、絶大な信頼を寄せていたのだ。疑いもしないほどに。
ふぃー、と誰かが息をついた。
「王子様ってか。ずいぶん頭の回転の良い坊っちゃんで焦ったぜ。しかしごまかせるつもりだったのかね。この部屋に、男と女も一緒に入るのは見ていたんだ。男はさっき出て行ったが、女は……」
まるで、誰かが聞いているのをわかっているような、確信をもった口ぶり。
ぞっとして動きを止めたジュディを見透かすように、声が言った。
「そこにもう一人、いるな?」
離婚した出戻り女のふてぶてしさ、簡単に動じない逞しさで世渡りをしたい。
これまでの自分の至らなさを反省したり、未来への約束を思い浮かべてしまうのは、今日この場ですべてが終わる予感を拭い去るためだ。生きて先に進む、絶対に。
「見た顔だな。ベイリー侯爵の従者だ。アリンガム子爵の始末を命じられたか? 目撃者は全員殺せと言われていない限り、俺を殺すのは待った方が良い。一度殺した人間は生き返らないからな」
さすがにフィリップスは、堂々としている。
(どんな表情をしているのか、見なくても目に浮かぶわ)
足音が響いた。相手を見極めながら距離を詰めているらしい。顔を見てすぐに素性がわかるのは、今日一日来客名簿を頭に入れて、よく周囲を観察していたということなのだろう。
誰に指示をされたわけでなくとも、何が必要かを自分で考えて行動する、抜け目のなさ。
刻々と変わりゆく状況に対する、判断力。
躊躇わずにジュディをかばい、危険に身を晒す覚悟。
彼が誰であるか、思い知らされる。
こんなところで命を落として良いはずがないひとだ。
だが、ジュディは身動きもできずに固まったままだった。確実な死の気配に、先程までのような蛮勇を奮う気力は、根こそぎ奪われていた。足が恐怖に震えている。
「……ただの小間使いには見えない。何者だ?」
「フィリップス・エイリングだ。職業はそうだな、王子様だ。ところでお前、なぜ銃でとどめを刺した? 音を聞きつけて、ひとが集まってくるぞ。ここでゆっくり話していて良いのか? 侯爵の指示はどうなっている?」
彼らしい、シニカルな笑みを浮かべていることだろう。たたみかけられた相手の方が、判断に迷っている空気だ。
たとえ顔を知らずとも、目の前でフィリップスに「王子様だ」と言われたら、動揺するのは想像に難《かた》くない。どんな服を着ていても、彼は輝きをまとっている。
それは従わせる者の強さだ。命じられることに慣れた者ほど、抗うのは難しいことだろう。
「子爵は銃による自殺として処理される。ナイフで殺すわけにはいかない」
半信半疑の、迷いが感じられる声であった。ここで答えて良いのか? という気持ちと、ここまで事情を知っている相手でしかも自称王子様に逆らって良いのか? という葛藤が滲み出ている。
(王子様というカードは絶妙過ぎる。下手人に指示を出しているのが高位貴族で、下手人本人は全体像が見えていない場合「自分が知らないだけで主人の仲間かもしれない」と考えるわ。でも、相手が王子様だと、おいそれと自分からは「どうなんですか?」なんて聞けない……!)
一方のフィリップスは、まったく容赦がなく質問を繰り出していく。
「どういう筋書きだ? 夫人の浮気現場を目撃してバンッ! 激怒して夫人と相手の男を撃ち殺した。そして自分も、ということか?」
二発の銃声。そして、ほとんど間をおかずの三発め。
フィリップスの確認に、ジュディもなるほどと納得してしまった。
(夫婦の使用している貴賓室《ステイト・ルーム》で先に騒動が起きるとして、ひとが集まる前に事情を知る者が現場保全をたてに立ち入りを制限してしまえば、中の様子は知られない。銃声そのものは屋敷のどこで鳴ったか、よほど近くにいない限り特定は難しい。この夜三回の銃声があったことくらいは、なんとなく共有されるとしても……)
問題はこの場で、ヒースコートを撃ち殺したことだ。殺してから館内を移動して現場に運ぶということであれば、どう考えても公爵邸に手助けする側の人間がいる。
最悪、パレスの主であるラングフォード公爵そのひとが一枚噛んでいるおそれも。
そこまで考えて、ジュディは自分の頭の回転がかなり鈍っていたことに気づく。
(夫人の浮気現場って……相手は宰相閣下なのでは? ステファンさんと役割を代わったばかりに、宰相閣下が間男として撃たれているということ……!?)
えーっ、と声にならない悲鳴を上げつつ、両手で自分の口を押さえる。貧乏くじ引きすぎですよ、と言えば良いのか。しかし、それを言ったら撃たれるならステファンで、と思い描いていると白状するようなものである。さすがに仲間に対してそんなことは考えていない。そのつもりだ。
「なあ、あんた、王子殿下ってのは……」
いまにも「本当なのか? うちの主人と話が通じているのか?」と確認したそうに男が尋ねかけた。
その問いを無視して、「なるほどな」とフィリップスが呟く。
「大方、アリンガム子爵は事業で何かへまをして、ここで切り捨てられることになったんだな。筋書きがあったわけだ。旅先で、普段とは違う環境。夫人は羽目を外して間男と遊び……、夫人も協力者か? 行きずりの男を誘惑するように指示が出ていたのか。自分が殺されるとも知らずに。しかし、子爵はその間、どうして部屋を空けていたことになっている? 男同士の語らいの場にいなかったのは、すぐにばれるはずだ」
「それなら、子爵の元奥さんがここにいるって話があった。出会って気持ちが再燃して逢引を」
ええと、とジュディは痛む頭を手でおさえた。気の所為でなければ、自分まで登場人物になっている。
「夫婦ともに不倫しておきながら、子爵は夫人の浮気は許せなかったと? 説得力出るのか、それ」
「子爵がいまの夫人を溺愛しているのは誰でも知っている。別れた元妻が現れたところで、結局のところ子爵の心はあの美しい夫人のものだ」
「ああ、了解」
何が了解なのですか、殿下。
よほど言いたかった。
(勝手に筋書きに私を組み込んだあげく、著《いちじる》しく貶めていますよね? なんでそんなひどいこと思いつくんですか。ユーニスさんの方が圧倒的に美人だからですか。だから宰相閣下も……)
先程までの恐怖はなりをひそめ、ふつふつと怒りが湧いてきていた。しかし幸いにも、なんとか冷静さが勝った。ガウェインの顔を思い出したのだ。
少なくとも、ガウェインはユーニスに誘惑されたわけではない。ステファンから譲られただけだ。
その結果として、現在間男として撃たれているかもしれないのだが。
(子爵がここにいて、ユーニスさんの不貞を責められない以上、現場でユーニスさんと閣下を撃っているのは……撃っているのは、誰?)
おそらくこの件には、自分が思い描いている以上に多くの人間が関わっている。それこそ、パレスの中では誰が敵か味方かもわからないくらいに。
そのとき、フィリップスがのんびりとした声で言った。
「ところでなぁ、あんた惜しかったな。この場には気絶していた人間が二人いてね。もっとよく確かめれば良かったのに、あんたが殺したその男は、子爵ではない。子爵はこっちに寝てる」
「なんだって?」
フィリップスがわずかに動く音に、男の焦ったような声が重なる。床に転がっている人物を確かめようとしたのだろうか。
次の瞬間、鈍い音と呻き声が聞こえた。
(隙をついて攻撃をした……!?)
呼ばれていないけど、加勢した方が良い!? とジュディは浮足立った。フィリップスが格闘しているなら、武器になる鈍器でも探して自分もどうにかした方が良いかもしれない……!
そう思いながら乏しい灯りの中で目を凝らして、近くの棚に視線をすべらせた。
ごとん。
ひとが床に転がるような音がした。勝った? とジュディは気を緩めそうになる。フィリップスの強さに、絶大な信頼を寄せていたのだ。疑いもしないほどに。
ふぃー、と誰かが息をついた。
「王子様ってか。ずいぶん頭の回転の良い坊っちゃんで焦ったぜ。しかしごまかせるつもりだったのかね。この部屋に、男と女も一緒に入るのは見ていたんだ。男はさっき出て行ったが、女は……」
まるで、誰かが聞いているのをわかっているような、確信をもった口ぶり。
ぞっとして動きを止めたジュディを見透かすように、声が言った。
「そこにもう一人、いるな?」
1
お気に入りに追加
420
あなたにおすすめの小説
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結済】結婚式の夜、突然豹変した夫に白い結婚を言い渡されました
鳴宮野々花@軍神騎士団長1月15日発売
恋愛
オールディス侯爵家の娘ティファナは、王太子の婚約者となるべく厳しい教育を耐え抜いてきたが、残念ながら王太子は別の令嬢との婚約が決まってしまった。
その後ティファナは、ヘイワード公爵家のラウルと婚約する。
しかし幼い頃からの顔見知りであるにも関わらず、馬が合わずになかなか親しくなれない二人。いつまでもよそよそしいラウルではあったが、それでもティファナは努力し、どうにかラウルとの距離を縮めていった。
ようやく婚約者らしくなれたと思ったものの、結婚式当日のラウルの様子がおかしい。ティファナに対して突然冷たい態度をとるそっけない彼に疑問を抱きつつも、式は滞りなく終了。しかしその夜、初夜を迎えるはずの寝室で、ラウルはティファナを冷たい目で睨みつけ、こう言った。「この結婚は白い結婚だ。私が君と寝室を共にすることはない。互いの両親が他界するまでの辛抱だと思って、この表面上の結婚生活を乗り切るつもりでいる。時が来れば、離縁しよう」
一体なぜラウルが豹変してしまったのか分からず、悩み続けるティファナ。そんなティファナを心配するそぶりを見せる義妹のサリア。やがてティファナはサリアから衝撃的な事実を知らされることになる──────
※※腹立つ登場人物だらけになっております。溺愛ハッピーエンドを迎えますが、それまでがドロドロ愛憎劇風です。心に優しい物語では決してありませんので、苦手な方はご遠慮ください。
※※不貞行為の描写があります※※
※この作品はカクヨム、小説家になろうにも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した
基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。
その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。
王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる