短編集

有沢真尋

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「公爵令嬢のプライドと友情」

【9】

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「どうしましょう。本当に冗談だと思っていたんです……!」

 焦って公爵邸を訪れて打ち明けたララに対し、フランチェスカは不敵に笑って言った。

「わたくしのララに申し込むとは、なかなか良い度胸をしているわね。どんな相手か知るまでは迂闊に返事をするのはおよしなさい。まずは王宮に潜入捜査にいきましょう!」
「協力者を他に確保してあるんですか!?」「殿下よ殿下! そこは抜かりないわ」


 とても楽しそうに笑ういたずら好きの公爵令嬢が、やがて王太子妃となり、王妃となって添い遂げた伴侶と仲むつまじく王宮で暮らす長い日々の間。
 傍らには常に、侍女としてともに王宮にあがった少女時代からの親友の姿があった。

 王妃になってからも元公爵令嬢は親友その他(国王・宰相等)の協力を得て、何度となく侍女をはじめとした様々な使用人に扮して王宮内を歩き回り、事件とあらば首をつっこんでいた。王妃と気づかれないことも多々あり、「地味顔で良かったわ」と本人は満足そうにしていたという。
 

 
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