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「月夜に香る薔薇」
【2】
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引きこもりなので、ろくなドレスを持っていません。
「侯爵家の威信にかけて誂えましょう」
正直に告げたところ、レイは即座に手を打ってたくさんのお針子を集めて、ディアドラのドレスを仕立てるように依頼した。
あまり首や肩から胸が露出しないデザインで、裾は足がもつれないようにして欲しいという願いを伝えた以外はすべてお任せ。あっという間に晩餐会をはじめとしたお呼ばれ用のドレスが仕上がってくる。
女嫌いで偏屈と言われ続けたレイモンド・ランズバーンは、着々と自分のパートナーのお披露目の準備を進めていた。
彼は本気であり、冗談ではなく結婚するのだ、というのがディアドラにもよく伝わってきた。
何かとうまくいかなかった場合は王宮に帰る手筈だったが、侯爵家での滞在は続いている。
「最近少し忙しくしていまして。あまり時間を作れなくてすみません」
三日ほど顔を合わせていなかったある日の夜、いつも通り慌ただしく部屋を訪ねてきたレイは、開口一番そう言った。
言い終えてから、ディアドラがすでにシルクの寝間着姿であることに気付いて、動揺を露わにする。
「あの、よこしまな気持ちがあって来たわけではないんです。こんな時間に来ておいて、自分でもどうかと思うんですが。ああ……、しまったな。すみません」
片手で額をおさえて、前髪をぐしゃぐしゃにしながら詫びてきた。ドアの前に立ち尽くしたまま、固まってしまっている。
何をもってよこしまと言うかは婚約している間柄である以上難しいところであるが、ディアドラとレイはまだキスの一つもしたことがない。結婚すると盛り上がっている割に、接触をもったのは数えるほど。それも、足の悪いディアドラをレイがエスコートする形がほとんどで、肌に触れるようなものではない。
「お会いできてわたくしも良かったです。ドレスが仕上がってきています。どうもありがとうございます。そのお礼を早く言いたくて。まさかここまでして頂くことになるとは……」
暖炉の前に立って、瀟洒なガラス細工のオルゴールを眺めていたディアドラは、慎重にドアの方へと体ごと向き直る。
足のこともあり、政略の駒にすらならないと厄介者扱いを受けてきた身である。社交的でもない上に、格別若いわけでもなく、女性としての魅力があるとも思えない。そんな自分との結婚を侯爵が決断した以上、せめて王家から持参金の類があったと思いたいが、こうも派手にお金を使わせているのを目の当たりにすると、かえってマイナスになっているのではと心苦しい。
「そこはあなたが気にすることではありません。私の服も一緒に仕立てているんです。連れ立って出るときは、なるべく揃いの意匠でと考えていまして」
レイにはさらりと言われるが、ディアドラとしては返答に困る。
「わたくしも、何か返したいという気持ちでいっぱいなのですが。思いつきません。何をすればあなたの喜びになりますか。男の方がわたくしに何を望んでいるのか、よくわからなくて」
ほっそりとした杖を手に、ゆっくりと部屋を横切ってレイの元へ歩み寄ろうとすると、気付いたレイが大股に距離を詰めてディアドラの正面に立つ。
手を伸ばせば届く距離で見つめ合いながら、参ったな、と小さく呟いた。
「返したいとか、喜ばせたいとか、望んでいるものとか……。もちろん、何もないわけではありません。この期に及んで急いではいませんが、あなたと身も心も結ばれたいとは思っていますし、かなうことなら子どもも生んで欲しいと……」
言いかけて、はっとしたように口をつぐんだ。
杖を握る手に力を込めながら、ディアドラはしっかりと頷く。
「正当な要求であると思います。侯爵家に嫁ぐ以上、子どもを望まれるのは当然ですし、わたくしも出来ることならもちろん。そういった先々のことも考えた場合、社交の場に出て行くというのも覚悟は決まってきました。ただ、いまお伺いしているのはそれとは別です。ランズバーン侯爵として必要としているものというより、レイ、あなたがわたくしに願っていることを知りたいんです」
「私が……」
真意を探るように黒の瞳に見つめられて、ディアドラも見つめ返す。
「あなたの中では納得がいっているようですが、わたくしにはわからないのです。何がこの婚約の決め手なのか。この家に初めて来た日、あなたはご自分の育てた薔薇をわたくしに見せてくださいました。とてもうつくしい……。ですが、わたくし以外にも、あなたの薔薇をうつくしいと思う女性はいるはず。なぜわたくしなのでしょう。そんなに面白い反応ができていましたか?」
ここのところ抱き続けていた疑問を、堪りかねて口にする。レイは目を瞠って聞き返してきた。
「面白い反応?」
ええ、とディアドラは頷いた。
侯爵の身分にありながら、レイは庭師顔負けの技術を擁している。本人曰く「侯爵が副業」というほどに庭いじりに入れ込んでいて、特に薔薇の世話に余念がない。
ディアドラにも、真っ先に自分の薔薇園を案内してくれたほどだ。そして、日々の余白に時間が取れたときは必ずと言っていいほど、薔薇鑑賞の誘いをかけてくる。
どうも、薔薇が決め手らしい、とディアドラも気付きつつあった。
とにかく、レイは自分の手ずから育てた薔薇を見せたいようなのだ。
ディアドラとしても、見るたびに素敵だなと思い、その気持ちを伝えてはきたが、いまいち自分の語彙力や感情表現に懐疑的である。侯爵夫人が、実のところレイの専属薔薇褒め係なら、もっと詩心のある女性がいいのではないか、と気後れし始めた頃だった。
「わたくしなど、何を見ても『素敵』としか言いませんでしょう。最近詩集をたくさん読むようにしているのですけど、すぐには出てこないのです。美辞麗句が。これはレイにとっては予想外の事態ではないでしょうか。レイは、わたくしと薔薇を見て本当に楽しいですか?」
思いつめていて。
本気で思いつめていたせいで、妙な言いがかりになっている気もしたが、言わずにはいられない。
大きく目を見開いて、息も止めているのではないかというほど真剣に聞いている様子のレイであったが、ディアドラが言い終えると顔いっぱいに笑みを浮かべてみせた。
「そんなに努力をしてくださっていたなんて、嬉しい限りですよ……! 私はあなたに薔薇を見てもらえればそれで十分だったんですが。そうだ、今から行きますか? 月が出ているので明るいですよ」
「今から」
レイは即決したらしく、ベッドに歩み寄ると薄いベッドスプレッドをはぎ取って戻って来た。失礼、と声をかけてから、ディアドラをくるりとベッドスプレッドで包みこんで抱き上げる。
きょとんと目を見開いて見上げるディアドラを見下ろしながら、楽し気に言った。
「行きましょう、夜の庭へ。今晩は時間が許す限り、二人でお話をしましょう」
* * *
「侯爵家の威信にかけて誂えましょう」
正直に告げたところ、レイは即座に手を打ってたくさんのお針子を集めて、ディアドラのドレスを仕立てるように依頼した。
あまり首や肩から胸が露出しないデザインで、裾は足がもつれないようにして欲しいという願いを伝えた以外はすべてお任せ。あっという間に晩餐会をはじめとしたお呼ばれ用のドレスが仕上がってくる。
女嫌いで偏屈と言われ続けたレイモンド・ランズバーンは、着々と自分のパートナーのお披露目の準備を進めていた。
彼は本気であり、冗談ではなく結婚するのだ、というのがディアドラにもよく伝わってきた。
何かとうまくいかなかった場合は王宮に帰る手筈だったが、侯爵家での滞在は続いている。
「最近少し忙しくしていまして。あまり時間を作れなくてすみません」
三日ほど顔を合わせていなかったある日の夜、いつも通り慌ただしく部屋を訪ねてきたレイは、開口一番そう言った。
言い終えてから、ディアドラがすでにシルクの寝間着姿であることに気付いて、動揺を露わにする。
「あの、よこしまな気持ちがあって来たわけではないんです。こんな時間に来ておいて、自分でもどうかと思うんですが。ああ……、しまったな。すみません」
片手で額をおさえて、前髪をぐしゃぐしゃにしながら詫びてきた。ドアの前に立ち尽くしたまま、固まってしまっている。
何をもってよこしまと言うかは婚約している間柄である以上難しいところであるが、ディアドラとレイはまだキスの一つもしたことがない。結婚すると盛り上がっている割に、接触をもったのは数えるほど。それも、足の悪いディアドラをレイがエスコートする形がほとんどで、肌に触れるようなものではない。
「お会いできてわたくしも良かったです。ドレスが仕上がってきています。どうもありがとうございます。そのお礼を早く言いたくて。まさかここまでして頂くことになるとは……」
暖炉の前に立って、瀟洒なガラス細工のオルゴールを眺めていたディアドラは、慎重にドアの方へと体ごと向き直る。
足のこともあり、政略の駒にすらならないと厄介者扱いを受けてきた身である。社交的でもない上に、格別若いわけでもなく、女性としての魅力があるとも思えない。そんな自分との結婚を侯爵が決断した以上、せめて王家から持参金の類があったと思いたいが、こうも派手にお金を使わせているのを目の当たりにすると、かえってマイナスになっているのではと心苦しい。
「そこはあなたが気にすることではありません。私の服も一緒に仕立てているんです。連れ立って出るときは、なるべく揃いの意匠でと考えていまして」
レイにはさらりと言われるが、ディアドラとしては返答に困る。
「わたくしも、何か返したいという気持ちでいっぱいなのですが。思いつきません。何をすればあなたの喜びになりますか。男の方がわたくしに何を望んでいるのか、よくわからなくて」
ほっそりとした杖を手に、ゆっくりと部屋を横切ってレイの元へ歩み寄ろうとすると、気付いたレイが大股に距離を詰めてディアドラの正面に立つ。
手を伸ばせば届く距離で見つめ合いながら、参ったな、と小さく呟いた。
「返したいとか、喜ばせたいとか、望んでいるものとか……。もちろん、何もないわけではありません。この期に及んで急いではいませんが、あなたと身も心も結ばれたいとは思っていますし、かなうことなら子どもも生んで欲しいと……」
言いかけて、はっとしたように口をつぐんだ。
杖を握る手に力を込めながら、ディアドラはしっかりと頷く。
「正当な要求であると思います。侯爵家に嫁ぐ以上、子どもを望まれるのは当然ですし、わたくしも出来ることならもちろん。そういった先々のことも考えた場合、社交の場に出て行くというのも覚悟は決まってきました。ただ、いまお伺いしているのはそれとは別です。ランズバーン侯爵として必要としているものというより、レイ、あなたがわたくしに願っていることを知りたいんです」
「私が……」
真意を探るように黒の瞳に見つめられて、ディアドラも見つめ返す。
「あなたの中では納得がいっているようですが、わたくしにはわからないのです。何がこの婚約の決め手なのか。この家に初めて来た日、あなたはご自分の育てた薔薇をわたくしに見せてくださいました。とてもうつくしい……。ですが、わたくし以外にも、あなたの薔薇をうつくしいと思う女性はいるはず。なぜわたくしなのでしょう。そんなに面白い反応ができていましたか?」
ここのところ抱き続けていた疑問を、堪りかねて口にする。レイは目を瞠って聞き返してきた。
「面白い反応?」
ええ、とディアドラは頷いた。
侯爵の身分にありながら、レイは庭師顔負けの技術を擁している。本人曰く「侯爵が副業」というほどに庭いじりに入れ込んでいて、特に薔薇の世話に余念がない。
ディアドラにも、真っ先に自分の薔薇園を案内してくれたほどだ。そして、日々の余白に時間が取れたときは必ずと言っていいほど、薔薇鑑賞の誘いをかけてくる。
どうも、薔薇が決め手らしい、とディアドラも気付きつつあった。
とにかく、レイは自分の手ずから育てた薔薇を見せたいようなのだ。
ディアドラとしても、見るたびに素敵だなと思い、その気持ちを伝えてはきたが、いまいち自分の語彙力や感情表現に懐疑的である。侯爵夫人が、実のところレイの専属薔薇褒め係なら、もっと詩心のある女性がいいのではないか、と気後れし始めた頃だった。
「わたくしなど、何を見ても『素敵』としか言いませんでしょう。最近詩集をたくさん読むようにしているのですけど、すぐには出てこないのです。美辞麗句が。これはレイにとっては予想外の事態ではないでしょうか。レイは、わたくしと薔薇を見て本当に楽しいですか?」
思いつめていて。
本気で思いつめていたせいで、妙な言いがかりになっている気もしたが、言わずにはいられない。
大きく目を見開いて、息も止めているのではないかというほど真剣に聞いている様子のレイであったが、ディアドラが言い終えると顔いっぱいに笑みを浮かべてみせた。
「そんなに努力をしてくださっていたなんて、嬉しい限りですよ……! 私はあなたに薔薇を見てもらえればそれで十分だったんですが。そうだ、今から行きますか? 月が出ているので明るいですよ」
「今から」
レイは即決したらしく、ベッドに歩み寄ると薄いベッドスプレッドをはぎ取って戻って来た。失礼、と声をかけてから、ディアドラをくるりとベッドスプレッドで包みこんで抱き上げる。
きょとんと目を見開いて見上げるディアドラを見下ろしながら、楽し気に言った。
「行きましょう、夜の庭へ。今晩は時間が許す限り、二人でお話をしましょう」
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