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「月夜に香る薔薇」
【1】
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*あらすじ*
偏屈で庭いじりが趣味と悪評高い侯爵と、引きこもりの姫君の物語。
※「時の薔薇」のif設定です。
_________________________________
「ディアドラ! グレース王女主催の晩餐会の招待状が来ています。出席で良いですか!?」
入室、即用件。
黒髪黒瞳に長身で、凛々しい眉に涼やかな目元、すんなりした鼻筋にかたちのよい唇。衆目を惹きつける容姿に侯爵の肩書まであるレイモンド・ランズバーンは、黙って立っていれば掛け値なしの美丈夫である。
黙っていれば。
(こう……。忙しない方なんですよね……)
今日は実に紳士らしいジャケットにシルクのシャツ、ベストと「侯爵風」の身なりで現れたが、いつも以上に慌ただしい。
花柄の布張りカウチソファに腰かけて本を開いていたディアドラは、柘榴石の瞳で目の前に迫ってきた侯爵を見上げる。
「レイはご存知だと思うのですが、わたくしそういった催しものに、これまで縁がありませんでした。ですので、何かとわからないことも多いかと思いますし、あなたに恥をかかせてしまうのではないかと……」
王国の末の姫というやんごとなき身分にありながら、ディアドラはあまり人前に出たことがない。幼少時に足を痛めて以来、十年以上の長きに渡ってひきこもり生活をしてきた。
そんな自分と、国の要である侯爵が婚約に至ったのは、何かの間違いではないかと今でも思っている。
とにもかくにも顔合わせをと言われて侯爵家を訪ねてきて以来、早三日。友好的な態度で手厚くもてなされているが、まだ油断はしていない。
夫婦のように揃って人前に出て、お披露目をした後の婚約破棄ともなれば、互いに無傷では済まない。
自分は元のひきこもりに戻ればいいだけだが、レイはそういうわけにはいかないのではないか、と。
しかし、黒い瞳を少年のように輝かせたレイは、ディアドラの戸惑いも心配も吹き飛ばすかのように底抜けに明るく言った。
「恥なら一緒にかきましょう! 大丈夫、ディアドラひとりに辛い思いはさせません。こう見えて私はひとに後ろ指さされるような逸話をたくさん持っているんです。まあ、言ってみれは『変人』という類ですね。その方面ではもう落としようがないほど評判落としているので怖いものなんかありませんよ」
ふふっ、となぜか不敵な笑みまで添えて。
ディアドラは得意満面のレイを、少しだけ緊張した面持ちで見つめた。
(困ったわ……。わたくし、あまり男性と接したことがないせいかもしれないけれど、こういう時なんて言えばいいのかわからない……)
評判が地の底というのは、どう控え目に考えても不名誉な告白のような気がするのだが、レイを見ていると何故だかその確信が揺らぐ。もしかして、自分には想像もつかないレトリックをもって、気の利いたことを言っているのだろうか。
そうなのかも、しれない。
「たしかに、わたくしがあなたに会う前に聞いた噂話のようなものは……。『女嫌い』『偏屈』『頑固』という。ええ、そうですね。『変人』の類だったと思います」
瞬きをしながら、切々と言うと、レイは大仰に頷いていた。
「わかります。そうでしょう、私の噂なんか散々です。世間では言いたい放題ですが、それもまた仕方ないことです。正直言えばどうでもいいというか」
ぼそっと呟いた瞬間、珍しく眉を寄せて難しい険しい表情をしていたが、それも一瞬のこと。
すぐににこっと笑みを浮かべる。
「いまみたいな表情でずーっとやり過ごしてきたんですよ。人付き合い。主に縁談」
「二十九歳ですものね、その年齢までかわし続けるのはさぞや苦労だったとは。侯爵ですし」
個人の裁量で「絶対に結婚なんかしない!」と言える身分ではないはず。跳ね除けるには並大抵の変人ぶりでは無理だったと想像はつく。
レイはこほん、と軽く咳ばらいをしてから「もしよろしければ、隣に座ってもよろしいでしょうか」と申し出てきた。
ディアドラの隣は、ひと一人が座るには十分な空きがある。
「どうぞ。わたくしからすすめるべきでした。気が利かなくて申し訳ありません」
「いえいえいえいえ、謝らないで。ありがとう」
ジャケットの裾を払って腰を下ろし、改めてディアドラを見つめてくる。
どことなく照れたような笑顔。十一歳も上の男性に照れられる覚えはなくて、ディアドラとしても反応に困る。
ええと……と気後れしながら声をかけたところで、はあ、と溜息をつかれてしまった。
レイはそのまま目を閉ざし、感極まった様子で呟く。
「今でも夢みたいです。こうしてあなたが私の隣にいるなんて。幸せです……」
噛みしめられている。
(どうしましょう、本当に困る……。そこまで好かれるようなこと、何一つしていないのに)
出会い頭から、レイはまっすぐに好意をぶつけてきた。
人違いではないかと、危ぶむほど。
この出会いが何かの間違い・勘違いだと判明したあと、このひとはどれほどがっかりするのだろうと、心の底からハラハラした。
今でもそのハラハラは続いているのに、レイのディアドラを見る目に変化はない。それどころか、顔を合わせるたびに愛が増し増しに加算されていく気配があって、対応に苦慮している。
あなたが好きなのは、わたくしではないのではないでしょうか?
変人と名高いと本人は言うが、それでも、これまで彼に近づいた女性は多いだろう。身分や財産だけではなく、低い美声も魅力的な容姿もさることながら、何より彼を彼たらしめるこの表情。忙しなさを感じさせるほどくるくると変わって、瞳がきらきらと輝く。
――とにかく優秀な男だし、性格も良い。本人にその気があればもう五百回は結婚している。
ディアドラの兄のエドワードは、レイと寄宿学校時代からの友人同士。
今回の婚約には一役買っているらしいが、その兄が力強く断言していた。
(五百回は盛り過ぎだと思いますけど、「モテ」たのは確実ですよね)
その、国きっての「独身貴族」が満を持して妻にと望んだのが、血筋こそ申し分ないとはいえ、婚約時点では顔も合わせたことがない、十歳以上年の離れたひきこもり姫。
社交界という、噂話が盛大な尾ひれをつけて稲妻のように駆け巡る場においては、いま沸騰中の話題であるのは間違いない。
そんな時勢がわかっていながら、わざわざ出かけるなど、餌食になりに行くようなものではないだろうか。
(しかもよりにもよってグレース王女)
姉である。他国に嫁いでいたが、色々あってこの度出戻ってきた、ディアドラとはたいそう折り合いの悪い姉である。
「晩餐会、本当に、自信がなくて」
どうにか逃げられないものかと、小声で言ってみたが、レイは唇の端を吊り上げてにっと笑い、ディアドラの顔を覗き込んできた。
「自信なんか放っておいても増えません。場数をこなしましょう。大丈夫、私がついている」
「こんな見栄えのしない年下の小娘で、その、本当に良いのでしょうか」
卑屈だな、という自覚はあるが、とても目の前の相手と釣り合う気がしない。膝の上で指を組み合わせてもぞもぞとしていると、レイに穏やかに声をかけられた。
「あなたを妻にと望んだのは私です。王宮から引きずり出したのは申し訳ないのですが、今後は侯爵夫人として振舞って頂くことになるわけです。残念ながら、『私の横で笑っていてくれればそれで』と言うわけにはいきません。であるならば、早めに人付き合いにも慣れてしまいましょう」
微笑みはいつも通りの優しさに溢れていたが。
(何一つ譲歩はしてくれていませんね……!)
婚約を決めたときの強引さはそのままに、彼はどんどんディアドラを今までとは違った世界に連れて行こうとしている。
荒療治にもほどがあると言いたい。けれど、その確信に満ちた笑顔を見ていると、自分にも何かできそうな気がしてくるから不思議だ。
何故彼が選んだのが自分なのだろうと、謎は謎のまま依然としてあるのだが。
* * *
偏屈で庭いじりが趣味と悪評高い侯爵と、引きこもりの姫君の物語。
※「時の薔薇」のif設定です。
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「ディアドラ! グレース王女主催の晩餐会の招待状が来ています。出席で良いですか!?」
入室、即用件。
黒髪黒瞳に長身で、凛々しい眉に涼やかな目元、すんなりした鼻筋にかたちのよい唇。衆目を惹きつける容姿に侯爵の肩書まであるレイモンド・ランズバーンは、黙って立っていれば掛け値なしの美丈夫である。
黙っていれば。
(こう……。忙しない方なんですよね……)
今日は実に紳士らしいジャケットにシルクのシャツ、ベストと「侯爵風」の身なりで現れたが、いつも以上に慌ただしい。
花柄の布張りカウチソファに腰かけて本を開いていたディアドラは、柘榴石の瞳で目の前に迫ってきた侯爵を見上げる。
「レイはご存知だと思うのですが、わたくしそういった催しものに、これまで縁がありませんでした。ですので、何かとわからないことも多いかと思いますし、あなたに恥をかかせてしまうのではないかと……」
王国の末の姫というやんごとなき身分にありながら、ディアドラはあまり人前に出たことがない。幼少時に足を痛めて以来、十年以上の長きに渡ってひきこもり生活をしてきた。
そんな自分と、国の要である侯爵が婚約に至ったのは、何かの間違いではないかと今でも思っている。
とにもかくにも顔合わせをと言われて侯爵家を訪ねてきて以来、早三日。友好的な態度で手厚くもてなされているが、まだ油断はしていない。
夫婦のように揃って人前に出て、お披露目をした後の婚約破棄ともなれば、互いに無傷では済まない。
自分は元のひきこもりに戻ればいいだけだが、レイはそういうわけにはいかないのではないか、と。
しかし、黒い瞳を少年のように輝かせたレイは、ディアドラの戸惑いも心配も吹き飛ばすかのように底抜けに明るく言った。
「恥なら一緒にかきましょう! 大丈夫、ディアドラひとりに辛い思いはさせません。こう見えて私はひとに後ろ指さされるような逸話をたくさん持っているんです。まあ、言ってみれは『変人』という類ですね。その方面ではもう落としようがないほど評判落としているので怖いものなんかありませんよ」
ふふっ、となぜか不敵な笑みまで添えて。
ディアドラは得意満面のレイを、少しだけ緊張した面持ちで見つめた。
(困ったわ……。わたくし、あまり男性と接したことがないせいかもしれないけれど、こういう時なんて言えばいいのかわからない……)
評判が地の底というのは、どう控え目に考えても不名誉な告白のような気がするのだが、レイを見ていると何故だかその確信が揺らぐ。もしかして、自分には想像もつかないレトリックをもって、気の利いたことを言っているのだろうか。
そうなのかも、しれない。
「たしかに、わたくしがあなたに会う前に聞いた噂話のようなものは……。『女嫌い』『偏屈』『頑固』という。ええ、そうですね。『変人』の類だったと思います」
瞬きをしながら、切々と言うと、レイは大仰に頷いていた。
「わかります。そうでしょう、私の噂なんか散々です。世間では言いたい放題ですが、それもまた仕方ないことです。正直言えばどうでもいいというか」
ぼそっと呟いた瞬間、珍しく眉を寄せて難しい険しい表情をしていたが、それも一瞬のこと。
すぐににこっと笑みを浮かべる。
「いまみたいな表情でずーっとやり過ごしてきたんですよ。人付き合い。主に縁談」
「二十九歳ですものね、その年齢までかわし続けるのはさぞや苦労だったとは。侯爵ですし」
個人の裁量で「絶対に結婚なんかしない!」と言える身分ではないはず。跳ね除けるには並大抵の変人ぶりでは無理だったと想像はつく。
レイはこほん、と軽く咳ばらいをしてから「もしよろしければ、隣に座ってもよろしいでしょうか」と申し出てきた。
ディアドラの隣は、ひと一人が座るには十分な空きがある。
「どうぞ。わたくしからすすめるべきでした。気が利かなくて申し訳ありません」
「いえいえいえいえ、謝らないで。ありがとう」
ジャケットの裾を払って腰を下ろし、改めてディアドラを見つめてくる。
どことなく照れたような笑顔。十一歳も上の男性に照れられる覚えはなくて、ディアドラとしても反応に困る。
ええと……と気後れしながら声をかけたところで、はあ、と溜息をつかれてしまった。
レイはそのまま目を閉ざし、感極まった様子で呟く。
「今でも夢みたいです。こうしてあなたが私の隣にいるなんて。幸せです……」
噛みしめられている。
(どうしましょう、本当に困る……。そこまで好かれるようなこと、何一つしていないのに)
出会い頭から、レイはまっすぐに好意をぶつけてきた。
人違いではないかと、危ぶむほど。
この出会いが何かの間違い・勘違いだと判明したあと、このひとはどれほどがっかりするのだろうと、心の底からハラハラした。
今でもそのハラハラは続いているのに、レイのディアドラを見る目に変化はない。それどころか、顔を合わせるたびに愛が増し増しに加算されていく気配があって、対応に苦慮している。
あなたが好きなのは、わたくしではないのではないでしょうか?
変人と名高いと本人は言うが、それでも、これまで彼に近づいた女性は多いだろう。身分や財産だけではなく、低い美声も魅力的な容姿もさることながら、何より彼を彼たらしめるこの表情。忙しなさを感じさせるほどくるくると変わって、瞳がきらきらと輝く。
――とにかく優秀な男だし、性格も良い。本人にその気があればもう五百回は結婚している。
ディアドラの兄のエドワードは、レイと寄宿学校時代からの友人同士。
今回の婚約には一役買っているらしいが、その兄が力強く断言していた。
(五百回は盛り過ぎだと思いますけど、「モテ」たのは確実ですよね)
その、国きっての「独身貴族」が満を持して妻にと望んだのが、血筋こそ申し分ないとはいえ、婚約時点では顔も合わせたことがない、十歳以上年の離れたひきこもり姫。
社交界という、噂話が盛大な尾ひれをつけて稲妻のように駆け巡る場においては、いま沸騰中の話題であるのは間違いない。
そんな時勢がわかっていながら、わざわざ出かけるなど、餌食になりに行くようなものではないだろうか。
(しかもよりにもよってグレース王女)
姉である。他国に嫁いでいたが、色々あってこの度出戻ってきた、ディアドラとはたいそう折り合いの悪い姉である。
「晩餐会、本当に、自信がなくて」
どうにか逃げられないものかと、小声で言ってみたが、レイは唇の端を吊り上げてにっと笑い、ディアドラの顔を覗き込んできた。
「自信なんか放っておいても増えません。場数をこなしましょう。大丈夫、私がついている」
「こんな見栄えのしない年下の小娘で、その、本当に良いのでしょうか」
卑屈だな、という自覚はあるが、とても目の前の相手と釣り合う気がしない。膝の上で指を組み合わせてもぞもぞとしていると、レイに穏やかに声をかけられた。
「あなたを妻にと望んだのは私です。王宮から引きずり出したのは申し訳ないのですが、今後は侯爵夫人として振舞って頂くことになるわけです。残念ながら、『私の横で笑っていてくれればそれで』と言うわけにはいきません。であるならば、早めに人付き合いにも慣れてしまいましょう」
微笑みはいつも通りの優しさに溢れていたが。
(何一つ譲歩はしてくれていませんね……!)
婚約を決めたときの強引さはそのままに、彼はどんどんディアドラを今までとは違った世界に連れて行こうとしている。
荒療治にもほどがあると言いたい。けれど、その確信に満ちた笑顔を見ていると、自分にも何かできそうな気がしてくるから不思議だ。
何故彼が選んだのが自分なのだろうと、謎は謎のまま依然としてあるのだが。
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