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【6】
異界への門(前編)
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猫の足で走り出す。
知らない道。知らない場所。
それでもここは、来たかった場所。
(「紗和子」さんの思いが、俺を駆り立てる)
体の自由がきかない。逸る気持ちに突き動かされて、足が前へ前へと進む。
キィッ……
蝶番のきしむような音が響き、開かれたままの木製の門扉が目に入った。
周囲は鬱蒼と木々が生い茂り、門柱から左右両側に竹垣が張り巡らせてあるが、終わりが見えない。
誘われるように、門へと近づいていく。
葉擦れの音がいやに耳についた。顔を上げて前を見る。片足が敷地に踏み入れた瞬間、「越えた」感覚が全身を駆け巡る。
二重写しの異界。
散る桜の花と色づいた紅葉が、同時に視界に映り込んでくる。四季を内包する異様さが、この世とは別の理、時の流れを思わせた。
かくりよ。
(これは、どこからどう見ても、あやかし屋敷だな……。祖父母の思い出があるから買い戻したいとか、もうそういう話じゃない。放っておけば、引きずり込まれる人間があとを絶たない魔境になるんじゃないか)
不動産業に携わっていると、ときどき妙な土地にかち合うことがある。何かある、という。
猫宮の一族はこれまで、そういった場所をうまく手中に収め、利用方法を見出し、活用をしてきた。運用さえ間違えなければ、人間に害をなすものではないのが大半なのだ。むしろパワースポットとして、多くの人をひきつけ、富をもたらす場合さえある。
それも、代々の猫宮家にそういった場所に飲まれず利用するためのノウハウがあるというだけのこと。使い方を知らない人間が手出しするのは、あまりにも危険過ぎる。
颯司が龍子の存在に気付いたのは、おそらく本人が自覚するよりずっと以前のことだった。
表向きの重要度は低いが、あやかし絡みなど要注意案件の集まる「第六営業部」で、かつて颯司が受け持っていた案件に適性を発揮し、うまく引き継いでいる新人がいる、という。
名前を知り、気にかけてその仕事ぶりを見るようになったのは比較的最近。
ちょうどその頃から、猫化が始まった。
龍子が関わっているのでは、という仮説は犬島と猫宮の間で共有されたものの、肝心の本人への接触については先延ばしにされてきた。
それが、十日ほど前の晩、突如として社長室と龍子の部屋の空間がつながるという事象によって、事態が動き出すことになった。
まずは龍子の身柄の確保。社内的にも異動させるにあたり、時機をうかがっていただけで、もともと手を回してはいた。実際に部署を異動しても同じ社内ということで、問い合わせに対応する形で本人も引き継ぎ業務をこなしている。会社的に、そこで問題は起きていない。
気にかかるといえば、猫宮家と龍子の先祖の関わりであった。
颯司が怪しいと踏んでいた通り、この屋敷が何らかの鍵になっているのはこれで確信に変わった。
(さて、鬼が出るか蛇が出るか……、俺はいま猫なんだが)
手は肉球。背は猫背。ちまい。
妖怪の類が現れても、とても対抗できる気はしないのだが、これでも神通力を授けられし猫宮の末裔なのである。いざとなったら戦えるはず。
「…………にゃあ」
ぷにっぷにのピンクの肉球を見てひとこえ鳴いてから、なるようになれと歩き出した。
水の流れる音がする。
進んだ先には、川が流れ池となっており、弁柄塗りの橋がかかっていた。
その橋の上に。
ひとがいた。
ひとのはずが、ない。
立ち止まって距離をとるべきだ。頭ではわかっているのに、足が止まらない。自分ではない別の誰かの意志によって、体を操られている。
背を向けていたそのひとが、振り返る。
灰色の着物に、羽織袴の、時代がかった和装。ざっくりと結わえた黒髪を気ままに背に流し、振り返った顔は、どことなく龍子と似通っていた。
切れ長の目元は優しげで、唇には淡く笑みを浮かべている。
「紗和子さん、来てくれたんですね」
目に見えている距離よりも、遥か遠くから聞こえてくるような声。
(これはもう、この世の人間じゃない)
鬼よりも蛇よりもたちが悪いものに出くわしたかもしれない。
対策をしようにも、猫の体は颯司の思いとは裏腹に、ふらりと前に進み出た。
「秋津さん……、あなたが行ったきりで帰って来ないから」
唇から、颯司のものではない声がもれだす。
「この地で暮らしていつかあなたを迎えに行きたかったけど、なかなか思うようにはいかなくて。冬を越せず、春を迎えられない年があって、それきり。あなたにどう伝わったのか、伝わらなかったのか」
「何も。私は忘れられたのだと思っていたわ」
ごう、と風の音が轟き、梢が激しく枝をすり合わせて鳴った。
ふみっ。
とっさに足を踏ん張ってその場に踏みとどまろうとするものの、強烈に橋のたもとへと引き寄せられる。
(くそ、肉球、仕事しろっ! あれは絶対にダメだ。ついていったら戻れなくなる!)
業火のような紅蓮の紅葉と、はらはらと舞い狂う花吹雪を背負って、男が音もなく滑るように近づいてきた。
「来てくれてありがとう。この景色をあなたに見せたかった。おいで」
目の前。
手を差し伸べられる。
三毛猫の颯司は、引き寄せられるように前に進みそうになる中、毛を逆立てて全力で抗っていた。
「止まってくれ紗和子さん、この世に未練を残し、罠を張り続けている妖怪だ。あんなものに囚われたら、二度と戻れなくなる!」
わめく三毛猫に、和装の男はにこりと笑いかけ、この上なく優しい猫撫で声で言った。
「猫は好きだ。逃さないよ」
* * *
走り出した猫を追いかけて来てみれば、行き着いた先はぴたっと門の固く閉じたかつての祖父母の屋敷。
人手に渡ってどうなったかと心配していたが、思ったほどに荒れた様子はない。
竹垣が崩れることもなく、雑草も刈っている様子はなかったが、伸び放題でもなく下生え程度。
それは龍子の記憶にあるかつての光景とさほど変わっておらず。
数年が経過していることを考えればいささか不自然なのだが、このときの龍子はその奇妙さに気づかなかった。
「あれ~~、一本道なんだけど、おかしいなぁ……。権利者でもないのに、迂闊に他人の敷地に入ると思えないんだけど。社長、猫だったからなぁ」
三毛猫の姿はどこにも見当たらない。
猫の侵入がどの程度の罪になるかは相手次第だなぁ……と龍子は難しい顔をして考え込みつつ、門に近づいてみた。
奥から、かすかに水の流れる音がする。
懐かしさに、ふっと顔がほころんだ。
(今でも庭の滝とか川はそのままなのかな。もしかして買い主さん、結構まめに手を入れてくれてる? なんだか、どこもかしこも時が止まっているみたいに、そのままだもんなぁ)
どうにか中の様子も見てみたいな、と門の周りをうろうろしてみたものの、上には身丈が届かない。ならばと、思い切ってしゃがんでみた。
門扉の下部分と地面の間に、猫なら通り抜けられそうな隙間がある。
(社長、ここから中へ入ったのかな?)
目の前に。
草履を履いた足が見えた。
位置的に顔は見えない。ただ、龍子の視線の先のごく近いところに、袴の裾と足袋を履いた草履の足元が見えたのだ。
知らない道。知らない場所。
それでもここは、来たかった場所。
(「紗和子」さんの思いが、俺を駆り立てる)
体の自由がきかない。逸る気持ちに突き動かされて、足が前へ前へと進む。
キィッ……
蝶番のきしむような音が響き、開かれたままの木製の門扉が目に入った。
周囲は鬱蒼と木々が生い茂り、門柱から左右両側に竹垣が張り巡らせてあるが、終わりが見えない。
誘われるように、門へと近づいていく。
葉擦れの音がいやに耳についた。顔を上げて前を見る。片足が敷地に踏み入れた瞬間、「越えた」感覚が全身を駆け巡る。
二重写しの異界。
散る桜の花と色づいた紅葉が、同時に視界に映り込んでくる。四季を内包する異様さが、この世とは別の理、時の流れを思わせた。
かくりよ。
(これは、どこからどう見ても、あやかし屋敷だな……。祖父母の思い出があるから買い戻したいとか、もうそういう話じゃない。放っておけば、引きずり込まれる人間があとを絶たない魔境になるんじゃないか)
不動産業に携わっていると、ときどき妙な土地にかち合うことがある。何かある、という。
猫宮の一族はこれまで、そういった場所をうまく手中に収め、利用方法を見出し、活用をしてきた。運用さえ間違えなければ、人間に害をなすものではないのが大半なのだ。むしろパワースポットとして、多くの人をひきつけ、富をもたらす場合さえある。
それも、代々の猫宮家にそういった場所に飲まれず利用するためのノウハウがあるというだけのこと。使い方を知らない人間が手出しするのは、あまりにも危険過ぎる。
颯司が龍子の存在に気付いたのは、おそらく本人が自覚するよりずっと以前のことだった。
表向きの重要度は低いが、あやかし絡みなど要注意案件の集まる「第六営業部」で、かつて颯司が受け持っていた案件に適性を発揮し、うまく引き継いでいる新人がいる、という。
名前を知り、気にかけてその仕事ぶりを見るようになったのは比較的最近。
ちょうどその頃から、猫化が始まった。
龍子が関わっているのでは、という仮説は犬島と猫宮の間で共有されたものの、肝心の本人への接触については先延ばしにされてきた。
それが、十日ほど前の晩、突如として社長室と龍子の部屋の空間がつながるという事象によって、事態が動き出すことになった。
まずは龍子の身柄の確保。社内的にも異動させるにあたり、時機をうかがっていただけで、もともと手を回してはいた。実際に部署を異動しても同じ社内ということで、問い合わせに対応する形で本人も引き継ぎ業務をこなしている。会社的に、そこで問題は起きていない。
気にかかるといえば、猫宮家と龍子の先祖の関わりであった。
颯司が怪しいと踏んでいた通り、この屋敷が何らかの鍵になっているのはこれで確信に変わった。
(さて、鬼が出るか蛇が出るか……、俺はいま猫なんだが)
手は肉球。背は猫背。ちまい。
妖怪の類が現れても、とても対抗できる気はしないのだが、これでも神通力を授けられし猫宮の末裔なのである。いざとなったら戦えるはず。
「…………にゃあ」
ぷにっぷにのピンクの肉球を見てひとこえ鳴いてから、なるようになれと歩き出した。
水の流れる音がする。
進んだ先には、川が流れ池となっており、弁柄塗りの橋がかかっていた。
その橋の上に。
ひとがいた。
ひとのはずが、ない。
立ち止まって距離をとるべきだ。頭ではわかっているのに、足が止まらない。自分ではない別の誰かの意志によって、体を操られている。
背を向けていたそのひとが、振り返る。
灰色の着物に、羽織袴の、時代がかった和装。ざっくりと結わえた黒髪を気ままに背に流し、振り返った顔は、どことなく龍子と似通っていた。
切れ長の目元は優しげで、唇には淡く笑みを浮かべている。
「紗和子さん、来てくれたんですね」
目に見えている距離よりも、遥か遠くから聞こえてくるような声。
(これはもう、この世の人間じゃない)
鬼よりも蛇よりもたちが悪いものに出くわしたかもしれない。
対策をしようにも、猫の体は颯司の思いとは裏腹に、ふらりと前に進み出た。
「秋津さん……、あなたが行ったきりで帰って来ないから」
唇から、颯司のものではない声がもれだす。
「この地で暮らしていつかあなたを迎えに行きたかったけど、なかなか思うようにはいかなくて。冬を越せず、春を迎えられない年があって、それきり。あなたにどう伝わったのか、伝わらなかったのか」
「何も。私は忘れられたのだと思っていたわ」
ごう、と風の音が轟き、梢が激しく枝をすり合わせて鳴った。
ふみっ。
とっさに足を踏ん張ってその場に踏みとどまろうとするものの、強烈に橋のたもとへと引き寄せられる。
(くそ、肉球、仕事しろっ! あれは絶対にダメだ。ついていったら戻れなくなる!)
業火のような紅蓮の紅葉と、はらはらと舞い狂う花吹雪を背負って、男が音もなく滑るように近づいてきた。
「来てくれてありがとう。この景色をあなたに見せたかった。おいで」
目の前。
手を差し伸べられる。
三毛猫の颯司は、引き寄せられるように前に進みそうになる中、毛を逆立てて全力で抗っていた。
「止まってくれ紗和子さん、この世に未練を残し、罠を張り続けている妖怪だ。あんなものに囚われたら、二度と戻れなくなる!」
わめく三毛猫に、和装の男はにこりと笑いかけ、この上なく優しい猫撫で声で言った。
「猫は好きだ。逃さないよ」
* * *
走り出した猫を追いかけて来てみれば、行き着いた先はぴたっと門の固く閉じたかつての祖父母の屋敷。
人手に渡ってどうなったかと心配していたが、思ったほどに荒れた様子はない。
竹垣が崩れることもなく、雑草も刈っている様子はなかったが、伸び放題でもなく下生え程度。
それは龍子の記憶にあるかつての光景とさほど変わっておらず。
数年が経過していることを考えればいささか不自然なのだが、このときの龍子はその奇妙さに気づかなかった。
「あれ~~、一本道なんだけど、おかしいなぁ……。権利者でもないのに、迂闊に他人の敷地に入ると思えないんだけど。社長、猫だったからなぁ」
三毛猫の姿はどこにも見当たらない。
猫の侵入がどの程度の罪になるかは相手次第だなぁ……と龍子は難しい顔をして考え込みつつ、門に近づいてみた。
奥から、かすかに水の流れる音がする。
懐かしさに、ふっと顔がほころんだ。
(今でも庭の滝とか川はそのままなのかな。もしかして買い主さん、結構まめに手を入れてくれてる? なんだか、どこもかしこも時が止まっているみたいに、そのままだもんなぁ)
どうにか中の様子も見てみたいな、と門の周りをうろうろしてみたものの、上には身丈が届かない。ならばと、思い切ってしゃがんでみた。
門扉の下部分と地面の間に、猫なら通り抜けられそうな隙間がある。
(社長、ここから中へ入ったのかな?)
目の前に。
草履を履いた足が見えた。
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