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第二章
【2】お客様(小さい)
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夕方、食堂でミートパイを一かけらもらって急いで食べてから、部屋で着替えて寮を出る。
抜け道を急ぎ、塀から路地に踏み出したところで、帽子ごと上からぐしゃっと軽く潰された。
「エル、もっと用心して出て来いよ。気が緩んでるぞ」
腕を組んで待っていたのは、同じく帽子を目深にかぶったアーノルド。ざっくばらんな口調で言って、唇を吊り上げて笑っている。
「失礼しましたっ。三日目だからかな。ここってやっぱりひとに目撃されるとまずいんですよね?」
エルトゥールは素直に謝ってから、帽子をかぶり直してアーノルドを見上げた。
一瞬、真顔になって目を見開いていたアーノルドであったが、すぐにいつもの笑みを浮かべる。
「エルは見た目に寄らず気が強いのに、反省するときは反省するし、潔いところがあるよな。ああ、そうだ、ここはあんまりひとに見られない方が良い。もっともそこまで心配はいらないが。じゃあ、行くか」
早足で歩き出したアーノルド。エルトゥールも、遅れまいとその背を追いかける。
(学校で顔を合わせるときと、少し違う。学校では「お姫様」扱いだけど、仕事では私が「男」のふりをしているから、そっちに合わせているのかな。男友達みたいに)
最初に「男」の姿で会って打ち解けたせいか、エルトゥールとしては、どちらかといえば仕事のときのアーノルドに親しみを覚えていた。
本当の友達や仲間みたいで、頼りになる先輩。
二日間一緒にフロアを走り回っていたせいで、その気持ちは強く。
しかし、その日はシェラザードに着くなり、いつもとは状況が違うことが明らかになった。
* * *
「厨房スタッフが足りないから、俺はそっちに入る。エルのフォローはできないけど、もう座席も頭に入ってるから大丈夫だな? わからないことは無理して手をだすな。困ったときは人を頼れ。お客様は新人の実験台じゃないから、失敗するよりはその方が良い」
「わかりました」
アーノルドに言い含められて、エルトゥールは三日目にして一人でフロアを動き回ることになった。
一日目、二日目は、フロアで呼び止められるたびにアーノルドが客の用件を聞き、エルトゥールに指示を出していた。厨房から出て来た料理も、オーダーと料理が合っていることを確認し、テーブルまで間違わないで運ぶところまで、アーノルドが一緒だった。
ピークの時間帯は息もつけないほどだったが、おかげでほとんどの料理を目にする機会があった。
テーブルまでの動線も、アーノルドを追いかけていたおかげで、なんとなく身に着いている。
(三日目だ。右も左もわからない状態じゃない。不測の事態さえなければ、乗り切れる。空気に飲まれるな。慌てない、焦らない)
自分に言い聞かせて、フロアに出る。
「店員さん、注文いいか。羊の胃袋煮込みスープ、茄子の冷製、串焼き肉と、ラビオリ」
「はい!」
オーダーシートにさらさら書きつけて厨房に戻ろうとすると、すかさず「こっちも!」と呼び止められる。聞いているそばから、背後のテーブルからドリンクのオーダーが叫ばれた。
(大丈夫大丈夫、慌てない、焦らない。焦るとミスする、冷静に)
注文が連続すると、顔が強張りそうになる。
そのたびに、アーノルドの笑顔を思い出して平常心を取り戻そうと努めた。
どれだけたてこんでも、アーノルドはそのすべてに笑顔で対応していた。動揺を顔に出すことなく、失敗することもなく。
客席が満席に近づくにつれ、周りのスタッフやエルトゥールの緊張は高まっていったが、厨房にいるアーノルドと目が合うと「大丈夫?」と素早く聞かれる。
そのたびに「問題ないです!」と答え続けた。
(慣れよう。この空気。この速さ。アーノルド様みたいに、優雅に動きたい)
初めて仕事を教わったアーノルドがそのまま憧れになっていて、そのイメージで乗り切ろうとする。
幸い、出入り口で客席に案内する係はベテランが対応していたので、そちらは気にしなくても大丈夫。
そう思っていた矢先、店先で新規の客に対応する店員の横を、何かがすり抜けてくるのが見えた。
一瞬の隙をつけいたのは、小柄な人影。一人だけ。
(子ども……!? 誰かの連れかな!?)
この店で働き出して二日間、エルトゥールは子どもの客は目にしていなかったが、場合によっては連れてくるひともいるかもしれない。
子どもの周りに大人の姿はないようだが、はぐれて先に一人で入ってきたのだろうか。
たまたま料理を運んだ直後で手は空いており、誰にも呼び止められることもなく、ほんのわずかに余裕ができていた。
エルトゥールは、その子どもの方へと歩み寄った。
はぐれているなら、連れを見つけるなりしなければならない、その一心で。
何しろ、いかにもすぐに汚れてしまいそうな白いドレスを身に着けた小さな女の子で、すでに周囲の酔客から好奇の目を投げかけられている。
(近くに大人がいなくて、一人と知られれば、どんな冷やかしをされるかわからない。中には手を出すような客も)
そこまで客層が悪いお店のようには感じていなかったが、「港町特有の喧嘩っ早い空気はある」と言い含められているのだ。
弱い子どもは放っておけない。
「どうしたの? ひとり?」
きょろきょろと店内を見回している子どもの背後から、できるだけ優しい口調を心がけて声をかける。
子どもは、長い髪を靡かせて、ぱっと振り返った。
目鼻立ちの整った、きっぱりとした美人顔。強い光を放つ深緑の瞳。
「ひとりよ? あなた店員よね。席に案内しなさいよ。入口の男、いつまでも私に気付かないで、失礼な奴だったわ。まさかひとりの客はだめなんてことはないでしょ?」
子ども特有の甘さを帯びた、澄んだ声。
エルトゥールは、振り返ったその顔に目を奪われ、咄嗟に言葉を失っていた。
(聖女……、リーズロッテさん!?)
抜け道を急ぎ、塀から路地に踏み出したところで、帽子ごと上からぐしゃっと軽く潰された。
「エル、もっと用心して出て来いよ。気が緩んでるぞ」
腕を組んで待っていたのは、同じく帽子を目深にかぶったアーノルド。ざっくばらんな口調で言って、唇を吊り上げて笑っている。
「失礼しましたっ。三日目だからかな。ここってやっぱりひとに目撃されるとまずいんですよね?」
エルトゥールは素直に謝ってから、帽子をかぶり直してアーノルドを見上げた。
一瞬、真顔になって目を見開いていたアーノルドであったが、すぐにいつもの笑みを浮かべる。
「エルは見た目に寄らず気が強いのに、反省するときは反省するし、潔いところがあるよな。ああ、そうだ、ここはあんまりひとに見られない方が良い。もっともそこまで心配はいらないが。じゃあ、行くか」
早足で歩き出したアーノルド。エルトゥールも、遅れまいとその背を追いかける。
(学校で顔を合わせるときと、少し違う。学校では「お姫様」扱いだけど、仕事では私が「男」のふりをしているから、そっちに合わせているのかな。男友達みたいに)
最初に「男」の姿で会って打ち解けたせいか、エルトゥールとしては、どちらかといえば仕事のときのアーノルドに親しみを覚えていた。
本当の友達や仲間みたいで、頼りになる先輩。
二日間一緒にフロアを走り回っていたせいで、その気持ちは強く。
しかし、その日はシェラザードに着くなり、いつもとは状況が違うことが明らかになった。
* * *
「厨房スタッフが足りないから、俺はそっちに入る。エルのフォローはできないけど、もう座席も頭に入ってるから大丈夫だな? わからないことは無理して手をだすな。困ったときは人を頼れ。お客様は新人の実験台じゃないから、失敗するよりはその方が良い」
「わかりました」
アーノルドに言い含められて、エルトゥールは三日目にして一人でフロアを動き回ることになった。
一日目、二日目は、フロアで呼び止められるたびにアーノルドが客の用件を聞き、エルトゥールに指示を出していた。厨房から出て来た料理も、オーダーと料理が合っていることを確認し、テーブルまで間違わないで運ぶところまで、アーノルドが一緒だった。
ピークの時間帯は息もつけないほどだったが、おかげでほとんどの料理を目にする機会があった。
テーブルまでの動線も、アーノルドを追いかけていたおかげで、なんとなく身に着いている。
(三日目だ。右も左もわからない状態じゃない。不測の事態さえなければ、乗り切れる。空気に飲まれるな。慌てない、焦らない)
自分に言い聞かせて、フロアに出る。
「店員さん、注文いいか。羊の胃袋煮込みスープ、茄子の冷製、串焼き肉と、ラビオリ」
「はい!」
オーダーシートにさらさら書きつけて厨房に戻ろうとすると、すかさず「こっちも!」と呼び止められる。聞いているそばから、背後のテーブルからドリンクのオーダーが叫ばれた。
(大丈夫大丈夫、慌てない、焦らない。焦るとミスする、冷静に)
注文が連続すると、顔が強張りそうになる。
そのたびに、アーノルドの笑顔を思い出して平常心を取り戻そうと努めた。
どれだけたてこんでも、アーノルドはそのすべてに笑顔で対応していた。動揺を顔に出すことなく、失敗することもなく。
客席が満席に近づくにつれ、周りのスタッフやエルトゥールの緊張は高まっていったが、厨房にいるアーノルドと目が合うと「大丈夫?」と素早く聞かれる。
そのたびに「問題ないです!」と答え続けた。
(慣れよう。この空気。この速さ。アーノルド様みたいに、優雅に動きたい)
初めて仕事を教わったアーノルドがそのまま憧れになっていて、そのイメージで乗り切ろうとする。
幸い、出入り口で客席に案内する係はベテランが対応していたので、そちらは気にしなくても大丈夫。
そう思っていた矢先、店先で新規の客に対応する店員の横を、何かがすり抜けてくるのが見えた。
一瞬の隙をつけいたのは、小柄な人影。一人だけ。
(子ども……!? 誰かの連れかな!?)
この店で働き出して二日間、エルトゥールは子どもの客は目にしていなかったが、場合によっては連れてくるひともいるかもしれない。
子どもの周りに大人の姿はないようだが、はぐれて先に一人で入ってきたのだろうか。
たまたま料理を運んだ直後で手は空いており、誰にも呼び止められることもなく、ほんのわずかに余裕ができていた。
エルトゥールは、その子どもの方へと歩み寄った。
はぐれているなら、連れを見つけるなりしなければならない、その一心で。
何しろ、いかにもすぐに汚れてしまいそうな白いドレスを身に着けた小さな女の子で、すでに周囲の酔客から好奇の目を投げかけられている。
(近くに大人がいなくて、一人と知られれば、どんな冷やかしをされるかわからない。中には手を出すような客も)
そこまで客層が悪いお店のようには感じていなかったが、「港町特有の喧嘩っ早い空気はある」と言い含められているのだ。
弱い子どもは放っておけない。
「どうしたの? ひとり?」
きょろきょろと店内を見回している子どもの背後から、できるだけ優しい口調を心がけて声をかける。
子どもは、長い髪を靡かせて、ぱっと振り返った。
目鼻立ちの整った、きっぱりとした美人顔。強い光を放つ深緑の瞳。
「ひとりよ? あなた店員よね。席に案内しなさいよ。入口の男、いつまでも私に気付かないで、失礼な奴だったわ。まさかひとりの客はだめなんてことはないでしょ?」
子ども特有の甘さを帯びた、澄んだ声。
エルトゥールは、振り返ったその顔に目を奪われ、咄嗟に言葉を失っていた。
(聖女……、リーズロッテさん!?)
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