4 / 5
【錬金王】
しおりを挟む
「え…えぇ!?」
せ、石像が喋った?
そりゃ魔物とかいるけども…
思わず後ずさる
「いてっ!」
身体中が裂けるように痛い。
よく見てみると体のほとんどが包帯でぐるぐる巻きにされていた。
「あまり動かない方がいい。先ほどの治療したばかりだからな。じき治る。」
「あ、ありがとうございます。」
あ、案外優しい人なのかもしれない…
めちゃくちゃデカイけど。
「えっと…あなたは?」
「私か…私の名は【錬金王】。人はそう呼んだ。」
「れ、【錬金王】!?」
【錬金王】って言ったら昔のおとぎ話に出てくる超絶有名な人だぞ!
体のサイズも時によって巨人に匹敵するみたいなことも書いてあったけどまさか本当なのか?
でも何で石像なんだろうか
「ユキト。君のことはずっと見てきた。神に愛されぬとも優しき強き人よ。」
「強いだなんて…俺は弱いですよ。」
弟の助けがなかったら今頃クソみたいな人生を送ってたんだろう。
「そんなことより!ここから出る方法はないですか?」
「あることはある。だが私にはそれはできない。」
「どうしてですか?」
「錬金術を使うからだ。」
錬金術を使う?
なら尚更錬金王の得意分野ではないのだろうか…
「何故錬金王はできないのか、そう考えているな?」
「え、ええ。」
「それはな。私にはもう錬金術を使う余力が無いからだ。」
錬金王は俺にどういったことがあったのかを教えてくれた。
過去の戦いで世界を終末へと導く怪物を他の戦士たちとともに打ち倒した。
しかし、それでも消滅させるには至らずその怪物を戦士たちで6つの魔物へと分け、戦士達とともに各地に封印したことでその戦いは終わった。
だがこの500年で錬金王達の力も尽きかけており、つい先日六体のうち一体が封印から抜け出してしまったらしい。
「その魔物の復活が先ほどの暴雨を引き起こしたのだろう。」
「そうですか…」
頼みの綱である錬金術も錬金王は使えない。
ここで朽ちるしかないのか?
…いや、もう絶望はしない。徹底的にやってやる。
「いい顔をするようになったじゃないか。ユキトよ。そこで一つ提案があるのだ。」
「提案…ですか?」
「ああ。ユキトよ、私の弟子となり錬金術を覚える気はないか?」
「え?錬金術を?俺が?」
またまた~、ご冗談を…
「そうだ。ここから出る方法、それはお前が錬金術を習得し、その力を使うことなのだ。」
ここから奈落の底から脱出すべく、魔法適正ゼロの俺の奮闘が始まった。
せ、石像が喋った?
そりゃ魔物とかいるけども…
思わず後ずさる
「いてっ!」
身体中が裂けるように痛い。
よく見てみると体のほとんどが包帯でぐるぐる巻きにされていた。
「あまり動かない方がいい。先ほどの治療したばかりだからな。じき治る。」
「あ、ありがとうございます。」
あ、案外優しい人なのかもしれない…
めちゃくちゃデカイけど。
「えっと…あなたは?」
「私か…私の名は【錬金王】。人はそう呼んだ。」
「れ、【錬金王】!?」
【錬金王】って言ったら昔のおとぎ話に出てくる超絶有名な人だぞ!
体のサイズも時によって巨人に匹敵するみたいなことも書いてあったけどまさか本当なのか?
でも何で石像なんだろうか
「ユキト。君のことはずっと見てきた。神に愛されぬとも優しき強き人よ。」
「強いだなんて…俺は弱いですよ。」
弟の助けがなかったら今頃クソみたいな人生を送ってたんだろう。
「そんなことより!ここから出る方法はないですか?」
「あることはある。だが私にはそれはできない。」
「どうしてですか?」
「錬金術を使うからだ。」
錬金術を使う?
なら尚更錬金王の得意分野ではないのだろうか…
「何故錬金王はできないのか、そう考えているな?」
「え、ええ。」
「それはな。私にはもう錬金術を使う余力が無いからだ。」
錬金王は俺にどういったことがあったのかを教えてくれた。
過去の戦いで世界を終末へと導く怪物を他の戦士たちとともに打ち倒した。
しかし、それでも消滅させるには至らずその怪物を戦士たちで6つの魔物へと分け、戦士達とともに各地に封印したことでその戦いは終わった。
だがこの500年で錬金王達の力も尽きかけており、つい先日六体のうち一体が封印から抜け出してしまったらしい。
「その魔物の復活が先ほどの暴雨を引き起こしたのだろう。」
「そうですか…」
頼みの綱である錬金術も錬金王は使えない。
ここで朽ちるしかないのか?
…いや、もう絶望はしない。徹底的にやってやる。
「いい顔をするようになったじゃないか。ユキトよ。そこで一つ提案があるのだ。」
「提案…ですか?」
「ああ。ユキトよ、私の弟子となり錬金術を覚える気はないか?」
「え?錬金術を?俺が?」
またまた~、ご冗談を…
「そうだ。ここから出る方法、それはお前が錬金術を習得し、その力を使うことなのだ。」
ここから奈落の底から脱出すべく、魔法適正ゼロの俺の奮闘が始まった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。

超絶能力を夢見てたのに得たのは「身体強化」でした
suke
ファンタジー
今の地球よりも鎖国気味で、緑に溢れた様々な生き物が気ままに暮らす世界
そんな世界ではいわば超能力のようなものがごく普通に存在し、人々はその能力を使い生活していた
能力には勇者みたいなのから生活が便利になるものなど色々あり、伝説などが色々と残っている
勿論、そんな伝説を夢見る少年少女がいるわけで…
ある少年はそんな能力を夢見ていたが、得られたのはごく普通のものだった

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる