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運命の出会い
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「わぁ!!」
「あんまはしゃぐなよ、ハル。」
「わかってるよにいちゃん!」
天気は快晴、風も穏やか
そんな日に俺たち家族は野山へとピクニックへ来ていた
「あらあら元気ねぇ。」
「危ないところもあるから気をつけるんだぞー。」
この野山は緑に溢れ、傾斜も比較的緩やかでレジャースポットとしてそこそこ有名だ。
だが一部は渓谷や崖になっていて、落ちたら真っ逆さま…ということもありえる。
まぁ余程の緊急時でない限りそんな危ない道通らないし平気だろう。
「さて!頂上付近に着いたし、ご飯にしようか!」
「「「おー!!」」」
家族和気藹々と食事を取っていると天気が一転して雲行きが怪しく、風も強くなってきた。
「これは早めに下山した方がよさそうだな。」
「えーっ!?せっかくのピクニックはのに!」
「ハル。また来れるよ。」
「むーっ…」
はいはい、不機嫌にならないでよ。
何はともあれ早めに下山した方がいいだろう。
雨が降り始め、風は強くなる
俺たちは下山する準備を整え、元来た道を引き返していく。
だが道の先々で強風により大木が倒れ、道が塞がっており何度も迂回する羽目になった。
自然もこちらの事情は考えてくれないようで何度も迂回しているうちに雨風はさらに強く、加えて雷も鳴り始めた。
「仕方がない。崖の側の道を使おう。」
「あなた!?本気なの!?」
「ああ。このままでは天気は悪化する一方で下山はもっと困難になるだろう。それに…嫌な予感がするんだ。」
確かに何かを感じる
得体の知れない何かを…
「怖いよ…にいちゃん…」
「大丈夫。俺がついてるから。」
弟は俺を救ってくれたんだ。
今度は俺が弟を励ます番だ。
弟をぎゅっと抱きしめたながらそう誓った。
先ほどの舗装されたルートではない崖の道を下っていく。
崖の道とは言っても人2人分くらいは幅があるので少し安心した。
足場が雨で濡れているのでゆっくりゆっくりと進んでいく。
隣は崖。落ちたら終わりなのだから。
数分歩いていくと村が見えてきた。
「村だ!村が見えてきたよ!」
「おいおい、走って転ぶなよ。」
「にいちゃん達も早く来いよ!」
流石に1人で歩かせるのは危ないと思いハルについていく。
道の幅は広くなり、雨は弱まっていた。
だからみんな油断してしまった。
「えっ」
ハルが足を滑らしたその一瞬、急激に風が強くなりハルが崖へと吹き飛ばされる
「にいちゃん!」
そんな顔すんなよハル。
今度は俺が助ける番だ!
俺はハル目掛けて飛び、
ハルを父さんたち目掛けて投げ飛ばした
どうかうまくキャッチしてくれよ。
…もう少しだけみんなで一緒にいたかったなぁ。
そう思いながら俺は奈落の底へと落ちていった。
…痛い。
身体中が痛い。
けど死んではいないみたいだ。
ここは奈落の底。
生き物は存在せず、灯など無いーーはずだった。
目を開けてみるとうっすらと松明で灯があり、目の前には巨大な石像が座していた。
「お前を…待っていた。」
これが俺の人生の第2の起点
【錬金王】との出会いだった。
「あんまはしゃぐなよ、ハル。」
「わかってるよにいちゃん!」
天気は快晴、風も穏やか
そんな日に俺たち家族は野山へとピクニックへ来ていた
「あらあら元気ねぇ。」
「危ないところもあるから気をつけるんだぞー。」
この野山は緑に溢れ、傾斜も比較的緩やかでレジャースポットとしてそこそこ有名だ。
だが一部は渓谷や崖になっていて、落ちたら真っ逆さま…ということもありえる。
まぁ余程の緊急時でない限りそんな危ない道通らないし平気だろう。
「さて!頂上付近に着いたし、ご飯にしようか!」
「「「おー!!」」」
家族和気藹々と食事を取っていると天気が一転して雲行きが怪しく、風も強くなってきた。
「これは早めに下山した方がよさそうだな。」
「えーっ!?せっかくのピクニックはのに!」
「ハル。また来れるよ。」
「むーっ…」
はいはい、不機嫌にならないでよ。
何はともあれ早めに下山した方がいいだろう。
雨が降り始め、風は強くなる
俺たちは下山する準備を整え、元来た道を引き返していく。
だが道の先々で強風により大木が倒れ、道が塞がっており何度も迂回する羽目になった。
自然もこちらの事情は考えてくれないようで何度も迂回しているうちに雨風はさらに強く、加えて雷も鳴り始めた。
「仕方がない。崖の側の道を使おう。」
「あなた!?本気なの!?」
「ああ。このままでは天気は悪化する一方で下山はもっと困難になるだろう。それに…嫌な予感がするんだ。」
確かに何かを感じる
得体の知れない何かを…
「怖いよ…にいちゃん…」
「大丈夫。俺がついてるから。」
弟は俺を救ってくれたんだ。
今度は俺が弟を励ます番だ。
弟をぎゅっと抱きしめたながらそう誓った。
先ほどの舗装されたルートではない崖の道を下っていく。
崖の道とは言っても人2人分くらいは幅があるので少し安心した。
足場が雨で濡れているのでゆっくりゆっくりと進んでいく。
隣は崖。落ちたら終わりなのだから。
数分歩いていくと村が見えてきた。
「村だ!村が見えてきたよ!」
「おいおい、走って転ぶなよ。」
「にいちゃん達も早く来いよ!」
流石に1人で歩かせるのは危ないと思いハルについていく。
道の幅は広くなり、雨は弱まっていた。
だからみんな油断してしまった。
「えっ」
ハルが足を滑らしたその一瞬、急激に風が強くなりハルが崖へと吹き飛ばされる
「にいちゃん!」
そんな顔すんなよハル。
今度は俺が助ける番だ!
俺はハル目掛けて飛び、
ハルを父さんたち目掛けて投げ飛ばした
どうかうまくキャッチしてくれよ。
…もう少しだけみんなで一緒にいたかったなぁ。
そう思いながら俺は奈落の底へと落ちていった。
…痛い。
身体中が痛い。
けど死んではいないみたいだ。
ここは奈落の底。
生き物は存在せず、灯など無いーーはずだった。
目を開けてみるとうっすらと松明で灯があり、目の前には巨大な石像が座していた。
「お前を…待っていた。」
これが俺の人生の第2の起点
【錬金王】との出会いだった。
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