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運命
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あの儀式からどれだけ日数が経っただろう。
あの穏やかな天気の日から、今では雨が降り風が強く吹いて家が震えている。
俺は自室にずっとふさぎ込んでいた。
適正無しとわかった途端の周りが俺を見る目、人間では無いものを見るような目
そんな目な耐えられず俺は教会を飛び出した。
あの後家族や近所の人、司祭様も直接俺の家に来てくれて慰めてくれたが、俺は少しも顔を合わせなかった。
合わせることなんて出来なかった。
親身に接してくれる彼らも同じ目をしているのではないか
そんな現実を見たくはなかった
そんなものを見るぐらいなら一生このまま…
「えいっ!」
「うぉっ!?」
そう思っていると暗い部屋の隅から何かが突撃してきた
「っててて…」
「にいちゃん。」
「ッ…ハル。」
すぐさま目線を外す
こいつはハル
4人家族の一員で俺の弟だ
よく慕ってくれていつも森や野原に冒険しにいってよく怒られたっけ
でもそんな弟だからこそ目を見たくない
教会の子たちみたいに見られているとわかってしまったら俺はもう…
俺がそうふさぎ込んでいると弟はハァーとため息ついて無理やり顔を向けさせた
「いつまでそうやってふさぎ込んでるつもりなんだよ!みんな心配してんだよ!」
そこで初めて弟の目を見た
恐れていた
奴らと同じ目で俺を見てるんじゃないかって
けど違ったんだ
いつもと変わらぬ優しい目を、俺に向けていてくれた
「父さんも母さんも待ってるから…いこうよ。」
「っ…ごめんなぁ、こんなにいちゃんで…」
変わらぬ弟がいること
それがたまらなく嬉しかった
その後親や村の仲間とも俺はもう一度顔を合わせることができた。
みんな俺を歓迎してくれたけれど、あの日のことだけは忘れることは出来なかった。
そして一ヶ月後俺の体調も万全になり家族揃ってピクニックに行くことになった。
天気も快晴、穏やかな風が吹いている。
だからこそ俺は少し不安を感じていた。
あの日と同じ天気…何かあるのではないか
そしてその不安は見事的中してしまった
ただのピックニックで…あんなことになるとは
あの穏やかな天気の日から、今では雨が降り風が強く吹いて家が震えている。
俺は自室にずっとふさぎ込んでいた。
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合わせることなんて出来なかった。
親身に接してくれる彼らも同じ目をしているのではないか
そんな現実を見たくはなかった
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「うぉっ!?」
そう思っていると暗い部屋の隅から何かが突撃してきた
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でもそんな弟だからこそ目を見たくない
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俺がそうふさぎ込んでいると弟はハァーとため息ついて無理やり顔を向けさせた
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恐れていた
奴らと同じ目で俺を見てるんじゃないかって
けど違ったんだ
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「っ…ごめんなぁ、こんなにいちゃんで…」
変わらぬ弟がいること
それがたまらなく嬉しかった
その後親や村の仲間とも俺はもう一度顔を合わせることができた。
みんな俺を歓迎してくれたけれど、あの日のことだけは忘れることは出来なかった。
そして一ヶ月後俺の体調も万全になり家族揃ってピクニックに行くことになった。
天気も快晴、穏やかな風が吹いている。
だからこそ俺は少し不安を感じていた。
あの日と同じ天気…何かあるのではないか
そしてその不安は見事的中してしまった
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