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ここはどこ、俺は誰?
やってみよう!
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洞窟をさらに奥へと歩いていく。二人旅になって出来た相方は、時々四足で跳ねて時々二足歩行になって。
その姿を見ているだけで、ほっこりする。旅に癒しは必要だなと思った。
(これ、あの日記の表紙のお題。もうクリアーしたっていってもいいんじゃない? 心と体を癒す旅ってやつ)
あの日記っぽいのは、気づけばインベントリに入っていて。ゲームじゃないけどどこまで癒されたらオッケーってことになるのかなと、ぼんやり考えていた。
「次の広い場所に出たら、俺がここだっていう壁を削れ。ボーッとしてる暇なんかねぇぞ」
「あ、うん。了解」
認識阻害を解いたままで、一緒に進んでいく。万が一誰か人の気配でもあったら…か、洞窟から出られる場所が見つけられれば魔法をかけなおそうってことにした。
カムイさんが俺の元の顔を憶えるのにも時間が欲しいからって、しばらくこの顔で過ごす。
ボーッとしていると、言葉づかいが安定しないな。
「…ね、カムイ」
もうすぐで広い場所に着くよってタイミングだけど、やっぱり聞きたい。
「なんだよ、もうすぐだってのに」
「俺、今…何色?」
素の自分ってことは、きっと髪色が変わってるはずで。
「あぁ? なんか知らねぇけど、二色だ。おかしな混ざり方してっから、センスを疑うな」
「センスって言われても」
「斑なんだよ、ベースの色にちょいちょい違う色が投げつけられたみたいな」
三毛猫みたいな感じか。
「ほんっと…どういうシステムなんだろな」
この髪色に関しては、ステータス画面にも出てこない。あの街にいたら、いつかはその情報がもらえたかもしれないけど、いつになればもらえたのかは不明だな。
そして、こうなっている意味はあったのかな。
俺の何に反応しているのかが、俺にはわからない。
「髪色が変化する時に気づいたことがあったら、教えてくれると嬉しい。なんでこんな髪なのか、理由を知らないから」
俺がそう伝えると「てっきり好きでやってるのかと思った」とか言う。
「ここまで派手好きじゃないよ」
「へえ」
「ほんとだよ」
「ふぅん」
「本当だって言ってるのに!」
食い気味に言い返すとボソッと呟くのが聞こえた。
「そう思ってるのは、本人だけってよくある話だな」
って。
「ひどい!」
思わず、大きな声でそう言い返す。
すると俺に聞こえないと思っていたのか、「あ…」としまったって感じで一瞬止まって、こっちを振り返り、一呼吸ほどの後に急に四足歩行で跳ねて行ってしまった。
気づけば、自分の行動や言動がどこか幼くなっている時がある。まるで、子どもの反応っていうか。なんでかな。単に気を許しているだけに過ぎないのかもしれないけど…。
「あ、逃げた!」
まあぁるい尻尾つきの後ろ姿を急いで追いかけていくと、話していた広い場所に出た。
「おっせぇ!」
広い場所の奥側から声がして、そっちへと小走りで向かう。
「上手いこと逃げたとか思わないでね?」
さっきの話をツッコもうとしたら、「なにがだよ」と知らんぷりだ。
「んなことより、ここだ。ここ」
二足で立って、壁をトントンと軽く叩いて示してくれる。
「ここ?」
「いや。ここから、まっすぐ上に上がれ。そこだと思う場所で、そこだって言うからよ」
カムイさんがいうそれに従い、叩いた場所からまっすぐ上へと壁をなぞるように手をあげていく。
「…うん。その辺だな。削ってみろ。ミスリルと他の石がくっついているはずだ。…問題は削って出た後に、ミスリルとそうじゃない石に分けなきゃいけないあたりだな。上手いこと分けられたらいいけどな」
どういう状態なんだろう。とりあえず削り出してみて、魔法かスキルでどうにか出来ないか考えよう。
さっきのエアーカッターをさらにコンパクトな魔方陣にして、コピーで複製。この範囲かな? ってあたりを削っていく。
思ったよりも土埃が舞うのをみて、手のひらサイズのつむじ風をおこして削ったことで出る土埃を他へと移動する。
初めてということもあって、思っていたよりも時間がかかった。
「…と…っ、取れた!」
真っ黒な石? の間に、きらっと光るものが挟まっているような形状。挟まっているというか、包みこまれていて。
「まるでこの石を守ってるみたい」
そんな訳ないのになと思うのに、思わず口からもれたそれ。また病気みたいに同じことを思ってしまったんだ。
「…いいなぁ」
俺には手に入らない存在みたいで、羨んでしまうんだ。
羨んだ言葉をもらした時って、無自覚なことが多いみたいで、カムイさんにそれを聞かれたことに気づけていない。
てっきり頭の中だけでボヤいているって思ってるからさ。
「…あぁ、たしかにこれは取り出しづらそうだな。どうにかして分けられたらいいが、なんかそれっぽい魔法はないのか?」
魔法かスキル。こういう状態の鉱物って、実際発掘とかする人たちはどうしているんだろう。
片方を犠牲にするつもりで、どっちかを削っていくのがベターなのかな。
「パカッと分けられるなにか…ないかな。分ける…分別…じゃないな、分断…ちょっと違うか。なんて言うんだろう」
地面に座って、手のひらにはその石を手にのせ陽に透かすじゃないけど、洞窟の明かりに透かしてみる。
一緒になっている黒い石、黒いっちゃ黒いけどかすかに透明感があるっていうか。半透明? 二つ一緒になっているからか、鑑定もハテナって出てる。
小学校の遠足で行った社会見学。そこで見た矢とか、槍の先? あそこについていた石に似てる。
「……あ! 分離! 分離って出来ないかな。分離だよ、分離!」
あの赤い本の中にあったものを思い出した。
あの本を手にして、ページをめくっていく。中ほどまでページをめくった先で、成分を分けるっていうのを見つける。
本の中には、海水をあげてて、水と塩に分けていた。
「これって、こういった鉱物にも適用できないかな」
円を描き、その中に文字を書いていく。間違うことなく何度も見返しながら。
「…よし。やってみよう!」
錬成の陣の中心に、石を置く。
円の一か所から線を伸ばして、導火線のようにした先に発動用の陣を描いたものへと魔力をそそぐ。
『分離』
そういった瞬間、黒い土埃が舞う。
「うっわ…ごほ…っ」
黒い石の方の影響かな。結界張ってやればよかった。
黒い石も素材だったらマズいので、つむじ風は起こせない。
「こほ…っ、けほ…」
少しすると、黒い砂山と銀色をした固まりが現れた。銀色の方が砂にならなかったのは、どうしてだろう。
その状態で鑑定をかけると、ミスリル銀とオブシディアンと書かれている。
「…噛みそうな名前」
見開きの左のページには、こんな風に粉状になったものをひとまとめにする錬成陣もある。
ミスリル銀を避けて、その黒い砂になったオブシディアンだけを…。
「固まれ!」
と、それ用の陣に魔力を通すと、いくつかの黒い丸い塊になったオブシディアン。
凝固でもないし、凝結でもないし。陣にも固める陣としか書かれていないだけに、カッコつかない。
「なにを難しい顔してんだか。固まったんなら、いいだろ」
陣の中から、黒い石を指先で摘まみ掲げる。
「これも、アイテムを作るのに使えそうだよ」
そういってから、インベントリに入れておく。
「そうか、偶然でも手に入ったものが使えるのはいいな」
「…だね」
と、うなずいてから思いきり息を吐く。
ふぅううううーーー…と。
「お? なんだなんだ。どうかしたのか」
とか言われた時には、土下座じゃないけど両手をついて地面を見つめながら固まってた。
(緊張してきた。…上手く、創れるかな)
まずは、自分のためのアイテム。それが終わったら、あの魔石で別のアイテムを創りたい。
「ものすごく、ものすっご…っく緊張してる。素材が揃ったから、予定していたものを錬成しようと思ってて」
「あー…。まあ、それが上手いこと機能してくれりゃー…これからどっかの街で過ごすんでも、いくらか気楽になっかねぇ」
「……ん。あんな人らに追いかけられるのも、捕まるのも…イヤだ」
「じゃ、がんばんな。初っ端の錬成で成功するとか思ってなかったけど、さっきのも初見で上手くいったんだろ? 自信もってやれ。あと、自分でこれからを切り開くって気合を入れるつもりで緊張するんなら、いーんじゃないのか? 失敗するかもっつー緊張は、足を引っ張るだけだから無駄だぞ? 気合の方で緊張しとけ」
うつむいていた俺の頭に、今度はカムイの手がぽふぽふと何度も触れる。これ、さっき言ってたやつか。
「アペル。お前ならやれるよ、大丈夫だ」
って言いながら、何回も何回も。
「…ふふ」
緊張がほどけていく。さっきまでとは、この場の空気が違う。
「俺様の角も使うんだからな。いい感じに創れ。いいか? いい感じに、だ」
「カムイが想像しているいい感じが想像出来ないんだけど」
「いい感じったら、いい感じだよ。なんつーか…こう…こういう感じでよ」
話しながら手ぶり身振りで伝えようとしているっぽいんだけど、ただバタバタと手を振って右へ左へ上へ下へって手を動かして運動している風にしか見えないんだよ。
「…うん。がんばるよ」
さっきまであった錬成陣は、錬成が終わると勝手になくなる。同じ場所に新しい錬成陣を描いていく。
ただ、文字を書きこみながら首をかしげる。
錬成陣も魔方陣も、こういう順に錬成してねとかこんな流れでこういう効果をって、いわゆるフローチャートみたいな一連の流れが書いてあるようで。
なんていうのか、無駄な前置きが必要なものも確かにあるんだけど、ここって省略してもよくない? って長ったらしいのが入っているのもあって。
そういうのが魔法の発動時間にも影響している気がするんだよね。
本を見ながら書いているけど、これ…改良してもいいかな。初手でそういうことはいかがなものかと自分で思うけど、無駄は省きたいっていうかなんていうか。もちろんベースの部分は残すけどさ。
あの会社で仕事をマニュアル化した時だって、元々の中途半端なマニュアルから削ってもいい作業工程は、削ったところで気づかれることもなく仕事は回ってた。
まあ、あれだよね。こっちがどんな流れで仕事をしていたのかを、前任者の時から把握していなかったのは目に見えていた話だし。なら、気づかれるはずがない。こっちに興味がないともいえる話なんで、ちょっと切ない話だ。
「んー……っと、こっちに溶解から合成までの流れを紐づけて…っと。それとデザインのイメージをこっちに書き加えて」
それと、さっきまでのを考えたら錬成の時にも陣のまわりにだけ結界を張ろう。また煙いことになったら、ちょっとね。
「ん、っと。あー……っと、これでいいかな」
書き終えて、手のひらをパンパンと鳴らしながら埃を叩く。
素材を陣の中心に置き、結界の大きさを考えてから錬成陣までの導火線の役割を果たす線とその先に発動陣を用意して。
「結界…展開。…で、んん…っ、錬成っ!」
魔力をそそぐと、結界の中で白い煙がふわりと舞った。
やっぱり結界を張って正解かも。
チェーンタイプのブレスレット型の認識阻害アイテム。指先で出来上がったそれを摘まみ、手首に装着した。
小さな輪が螺旋を描いているようにねじれながら、手首を一周している。指先で手首の横幅分なぞると、装着したはずのそれが見えなくなった。
「…うん。いい感じに出来た! ただ…本当に機能してるかどうかが、調べようがないっていうのがね」
手首につけたソレをまた同じようになぞると、見えなくなったものが現れた。
カムイさんはそれをそっと触れて、黙って撫でている。
「どうかな? いい感じだと思う? カムイ的に」
なんて聞いてみると、予想していた返しじゃないものがあった。
「どうにかなりゃいいな」
って、すごく真剣な重たい声色で。
てっきり「上手いことできたじゃねぇか」とか言ってくると思ってたのに。
「カムイ…?」
不思議に思ってカムイさんが手を乗せている上に、俺の手を重ねる。
「俺の角がお前を隠す役に立ちゃあいいな。…な?」
俺の話をした時、俺よりも泣いてくれたカムイさん。思ったよりも心配をしてくれているのかもしれない。その気持ちが嬉しいや。
「…ん」
そう返事をしながら、またそのブレスレットを指でなぞって隠した。
「さて、と。……やってみようかな、もう一つの方」
実はこっちの方が緊張する作業だったりする。
イチさんとナナさんへ、贈り物をしたくて。
そんな日が来るのがわからないけれど、二人が困るようなことがあったら助けられるアイテムを。もしくは…俺とつながれるアイテム…ともいうけど。
こっちはミスリル銀の色合いがはっきり出るアイテムで、こっちにもカムイさんの角の素材は使用する。
二人が俺からもらったこれを公に持てないだろう可能性が高そうだから、俺のと同じ手順で認識阻害できるように設定する。
銀色のプレートに、チェーンがついたブレスレット。
そのプレートには、二人の本名を書く予定。本名じゃなきゃ意味をなさない効果をつけるからね。
「……上手くいきますように」
デザインのイメージの部分をさっきとは変えて、錬成陣を描き直して発動の準備をして。
ただ、中心に置く青い魔石は初めての戦闘で手に入れたものを使用する。
赤と青の魔石は、連絡手段の方に使えるように設定する。この部分が俺が着けているのと少しだけ違う。
ミスリル銀で出来たプレートは、あの二人に困ったことがあった時に俺がどんなに離れていても二人の助けになる魔法が送れるようにするための媒体にもする。
短い期間でも俺のことを大事に思ってくれた。そう思いたいだけなんだ。もしもそうじゃなかったとして、このブレスレットを二人が悪用してきたとしても、俺は騙されていたって気づかずに二人への魔法を行使するだろう。
卑怯かもしれないけど、二人の気持ちを量るような真似を仕込む。これを付けてくれたらいいなと、願いを込める。
「…錬成……っっ」
二つをいっぺんに創る。結界をゆっくりと解除していくと、中の煙が少しずつ霧散していった。
「出来た! イメージ通り!」
出来上がった二本のブレスレットを指でつまみ、手のひらに乗せる。
それから、それぞれのプレートに光魔法でレーザーみたいに文字を掘っていった。
イチさんのには”Jan”と掘り、ナナさんのには”Sally”と掘る。
ナナさんの名前、あんなにコワモテな狼スタイルで力持ちなのに、可愛らしい名前だったんだな。
もしもあの名前が付いていなかったとしても、名前を明かしてくれたかな? 可愛い名前って言ったら、傷つくかな。
掘ったばかりの二人の名前を指先でなぞる。デコボコした感触と金属の冷たさに、何ともいえない寂しさを感じた。
やっと出来たものが無くなるのと、賭けのようなことをするだけに賭けに負けたら? と想像したからだ。
送り方はというと、あの時、所長らが俺に手紙を送ってきた魔法の応用編だ。
あれからやっとその魔法を見つけて、使い方をアレンジできないかとか試行錯誤して。あの二人に送る時にそれを試してみるんだ。
説明をボイスメッセージが脳内に響くようにしておけば、他の誰かに聞かれることはないよね。見られることもないし、証拠も残らない。
ただし、条件付きだ。それも魔法に組み込まなきゃ。
最初に受け取ったタイミングで、俺の声で『水兎です。無事を知らせたくて送りました』とだけ流す。
その時に二人からいくつかの言葉のうちのどれかが聞けたなら、続きが流れるように…。
条件にあたる言葉が、俺を心配したり想うような言葉が出たら…ってのがカッコ悪いけどね。
「俺って女々しい…」
二本のブレスレットをギュッとにぎって、反対の手で頭を掻く。
「カッコ悪い」
心配されたがってるって、自覚した。その途端、そういう感情に飢えていたんだって痛感してしまった。
親が亡くなって以降、せいぜい叔母さんくらいがその手の感情を向けてくれていた。
会社には俺が飯も食わずに作業していようが、サービス残業をしてクタクタになって帰路につこうが、気にする奴なんか一人だっていなかった。
俺のために、怒ってくれる奴だって…いやしなかった。
そっと手を開き、刻印したブレスレットを見下ろし、またこぶしの中に収める。
「今すぐは…送れないな。まだ……勇気が出ないや」
――もしもを考えてしまう。
”条件になる言葉が二人の口から出なかったら?”
口を引き結ぶ。ツツ…ッと涙がこぼれて、こぶしでグイグイ拭う俺。
錬成の間も、こうして出来上がったものへの付与とかいろいろやっている間も、ずっとずっとカムイさんは黙って俺を見ていた。
見守ってくれているって感じる視線があったからこそ、ここまでやれた。多分。
でも…最後の勇気だけが出せない。
「ね、カムイ」
創ることは出来たのに、届ける勇気だけが出せない。
「なんだ」
静かな声に、ホッとして小さく息を吐く。
ゴクッと唾を飲み「お願い、ある」と俺が言うと、何って言ってないのにこう言うんだ。
「それは俺の役目なんだろ?」
心を読む能力でもあるの? と思ったような言葉に、また涙がこぼれる。
「…うん。ごめん。…その時は、背中…押してよ」
何の時とも言ってないのに、また言うんだ。カムイさんは。
「いつでも言いな?」
なんて、胸をドンとあのふさふさの手で叩いて、まかせろって感じでさ。
その姿を見ているだけで、ほっこりする。旅に癒しは必要だなと思った。
(これ、あの日記の表紙のお題。もうクリアーしたっていってもいいんじゃない? 心と体を癒す旅ってやつ)
あの日記っぽいのは、気づけばインベントリに入っていて。ゲームじゃないけどどこまで癒されたらオッケーってことになるのかなと、ぼんやり考えていた。
「次の広い場所に出たら、俺がここだっていう壁を削れ。ボーッとしてる暇なんかねぇぞ」
「あ、うん。了解」
認識阻害を解いたままで、一緒に進んでいく。万が一誰か人の気配でもあったら…か、洞窟から出られる場所が見つけられれば魔法をかけなおそうってことにした。
カムイさんが俺の元の顔を憶えるのにも時間が欲しいからって、しばらくこの顔で過ごす。
ボーッとしていると、言葉づかいが安定しないな。
「…ね、カムイ」
もうすぐで広い場所に着くよってタイミングだけど、やっぱり聞きたい。
「なんだよ、もうすぐだってのに」
「俺、今…何色?」
素の自分ってことは、きっと髪色が変わってるはずで。
「あぁ? なんか知らねぇけど、二色だ。おかしな混ざり方してっから、センスを疑うな」
「センスって言われても」
「斑なんだよ、ベースの色にちょいちょい違う色が投げつけられたみたいな」
三毛猫みたいな感じか。
「ほんっと…どういうシステムなんだろな」
この髪色に関しては、ステータス画面にも出てこない。あの街にいたら、いつかはその情報がもらえたかもしれないけど、いつになればもらえたのかは不明だな。
そして、こうなっている意味はあったのかな。
俺の何に反応しているのかが、俺にはわからない。
「髪色が変化する時に気づいたことがあったら、教えてくれると嬉しい。なんでこんな髪なのか、理由を知らないから」
俺がそう伝えると「てっきり好きでやってるのかと思った」とか言う。
「ここまで派手好きじゃないよ」
「へえ」
「ほんとだよ」
「ふぅん」
「本当だって言ってるのに!」
食い気味に言い返すとボソッと呟くのが聞こえた。
「そう思ってるのは、本人だけってよくある話だな」
って。
「ひどい!」
思わず、大きな声でそう言い返す。
すると俺に聞こえないと思っていたのか、「あ…」としまったって感じで一瞬止まって、こっちを振り返り、一呼吸ほどの後に急に四足歩行で跳ねて行ってしまった。
気づけば、自分の行動や言動がどこか幼くなっている時がある。まるで、子どもの反応っていうか。なんでかな。単に気を許しているだけに過ぎないのかもしれないけど…。
「あ、逃げた!」
まあぁるい尻尾つきの後ろ姿を急いで追いかけていくと、話していた広い場所に出た。
「おっせぇ!」
広い場所の奥側から声がして、そっちへと小走りで向かう。
「上手いこと逃げたとか思わないでね?」
さっきの話をツッコもうとしたら、「なにがだよ」と知らんぷりだ。
「んなことより、ここだ。ここ」
二足で立って、壁をトントンと軽く叩いて示してくれる。
「ここ?」
「いや。ここから、まっすぐ上に上がれ。そこだと思う場所で、そこだって言うからよ」
カムイさんがいうそれに従い、叩いた場所からまっすぐ上へと壁をなぞるように手をあげていく。
「…うん。その辺だな。削ってみろ。ミスリルと他の石がくっついているはずだ。…問題は削って出た後に、ミスリルとそうじゃない石に分けなきゃいけないあたりだな。上手いこと分けられたらいいけどな」
どういう状態なんだろう。とりあえず削り出してみて、魔法かスキルでどうにか出来ないか考えよう。
さっきのエアーカッターをさらにコンパクトな魔方陣にして、コピーで複製。この範囲かな? ってあたりを削っていく。
思ったよりも土埃が舞うのをみて、手のひらサイズのつむじ風をおこして削ったことで出る土埃を他へと移動する。
初めてということもあって、思っていたよりも時間がかかった。
「…と…っ、取れた!」
真っ黒な石? の間に、きらっと光るものが挟まっているような形状。挟まっているというか、包みこまれていて。
「まるでこの石を守ってるみたい」
そんな訳ないのになと思うのに、思わず口からもれたそれ。また病気みたいに同じことを思ってしまったんだ。
「…いいなぁ」
俺には手に入らない存在みたいで、羨んでしまうんだ。
羨んだ言葉をもらした時って、無自覚なことが多いみたいで、カムイさんにそれを聞かれたことに気づけていない。
てっきり頭の中だけでボヤいているって思ってるからさ。
「…あぁ、たしかにこれは取り出しづらそうだな。どうにかして分けられたらいいが、なんかそれっぽい魔法はないのか?」
魔法かスキル。こういう状態の鉱物って、実際発掘とかする人たちはどうしているんだろう。
片方を犠牲にするつもりで、どっちかを削っていくのがベターなのかな。
「パカッと分けられるなにか…ないかな。分ける…分別…じゃないな、分断…ちょっと違うか。なんて言うんだろう」
地面に座って、手のひらにはその石を手にのせ陽に透かすじゃないけど、洞窟の明かりに透かしてみる。
一緒になっている黒い石、黒いっちゃ黒いけどかすかに透明感があるっていうか。半透明? 二つ一緒になっているからか、鑑定もハテナって出てる。
小学校の遠足で行った社会見学。そこで見た矢とか、槍の先? あそこについていた石に似てる。
「……あ! 分離! 分離って出来ないかな。分離だよ、分離!」
あの赤い本の中にあったものを思い出した。
あの本を手にして、ページをめくっていく。中ほどまでページをめくった先で、成分を分けるっていうのを見つける。
本の中には、海水をあげてて、水と塩に分けていた。
「これって、こういった鉱物にも適用できないかな」
円を描き、その中に文字を書いていく。間違うことなく何度も見返しながら。
「…よし。やってみよう!」
錬成の陣の中心に、石を置く。
円の一か所から線を伸ばして、導火線のようにした先に発動用の陣を描いたものへと魔力をそそぐ。
『分離』
そういった瞬間、黒い土埃が舞う。
「うっわ…ごほ…っ」
黒い石の方の影響かな。結界張ってやればよかった。
黒い石も素材だったらマズいので、つむじ風は起こせない。
「こほ…っ、けほ…」
少しすると、黒い砂山と銀色をした固まりが現れた。銀色の方が砂にならなかったのは、どうしてだろう。
その状態で鑑定をかけると、ミスリル銀とオブシディアンと書かれている。
「…噛みそうな名前」
見開きの左のページには、こんな風に粉状になったものをひとまとめにする錬成陣もある。
ミスリル銀を避けて、その黒い砂になったオブシディアンだけを…。
「固まれ!」
と、それ用の陣に魔力を通すと、いくつかの黒い丸い塊になったオブシディアン。
凝固でもないし、凝結でもないし。陣にも固める陣としか書かれていないだけに、カッコつかない。
「なにを難しい顔してんだか。固まったんなら、いいだろ」
陣の中から、黒い石を指先で摘まみ掲げる。
「これも、アイテムを作るのに使えそうだよ」
そういってから、インベントリに入れておく。
「そうか、偶然でも手に入ったものが使えるのはいいな」
「…だね」
と、うなずいてから思いきり息を吐く。
ふぅううううーーー…と。
「お? なんだなんだ。どうかしたのか」
とか言われた時には、土下座じゃないけど両手をついて地面を見つめながら固まってた。
(緊張してきた。…上手く、創れるかな)
まずは、自分のためのアイテム。それが終わったら、あの魔石で別のアイテムを創りたい。
「ものすごく、ものすっご…っく緊張してる。素材が揃ったから、予定していたものを錬成しようと思ってて」
「あー…。まあ、それが上手いこと機能してくれりゃー…これからどっかの街で過ごすんでも、いくらか気楽になっかねぇ」
「……ん。あんな人らに追いかけられるのも、捕まるのも…イヤだ」
「じゃ、がんばんな。初っ端の錬成で成功するとか思ってなかったけど、さっきのも初見で上手くいったんだろ? 自信もってやれ。あと、自分でこれからを切り開くって気合を入れるつもりで緊張するんなら、いーんじゃないのか? 失敗するかもっつー緊張は、足を引っ張るだけだから無駄だぞ? 気合の方で緊張しとけ」
うつむいていた俺の頭に、今度はカムイの手がぽふぽふと何度も触れる。これ、さっき言ってたやつか。
「アペル。お前ならやれるよ、大丈夫だ」
って言いながら、何回も何回も。
「…ふふ」
緊張がほどけていく。さっきまでとは、この場の空気が違う。
「俺様の角も使うんだからな。いい感じに創れ。いいか? いい感じに、だ」
「カムイが想像しているいい感じが想像出来ないんだけど」
「いい感じったら、いい感じだよ。なんつーか…こう…こういう感じでよ」
話しながら手ぶり身振りで伝えようとしているっぽいんだけど、ただバタバタと手を振って右へ左へ上へ下へって手を動かして運動している風にしか見えないんだよ。
「…うん。がんばるよ」
さっきまであった錬成陣は、錬成が終わると勝手になくなる。同じ場所に新しい錬成陣を描いていく。
ただ、文字を書きこみながら首をかしげる。
錬成陣も魔方陣も、こういう順に錬成してねとかこんな流れでこういう効果をって、いわゆるフローチャートみたいな一連の流れが書いてあるようで。
なんていうのか、無駄な前置きが必要なものも確かにあるんだけど、ここって省略してもよくない? って長ったらしいのが入っているのもあって。
そういうのが魔法の発動時間にも影響している気がするんだよね。
本を見ながら書いているけど、これ…改良してもいいかな。初手でそういうことはいかがなものかと自分で思うけど、無駄は省きたいっていうかなんていうか。もちろんベースの部分は残すけどさ。
あの会社で仕事をマニュアル化した時だって、元々の中途半端なマニュアルから削ってもいい作業工程は、削ったところで気づかれることもなく仕事は回ってた。
まあ、あれだよね。こっちがどんな流れで仕事をしていたのかを、前任者の時から把握していなかったのは目に見えていた話だし。なら、気づかれるはずがない。こっちに興味がないともいえる話なんで、ちょっと切ない話だ。
「んー……っと、こっちに溶解から合成までの流れを紐づけて…っと。それとデザインのイメージをこっちに書き加えて」
それと、さっきまでのを考えたら錬成の時にも陣のまわりにだけ結界を張ろう。また煙いことになったら、ちょっとね。
「ん、っと。あー……っと、これでいいかな」
書き終えて、手のひらをパンパンと鳴らしながら埃を叩く。
素材を陣の中心に置き、結界の大きさを考えてから錬成陣までの導火線の役割を果たす線とその先に発動陣を用意して。
「結界…展開。…で、んん…っ、錬成っ!」
魔力をそそぐと、結界の中で白い煙がふわりと舞った。
やっぱり結界を張って正解かも。
チェーンタイプのブレスレット型の認識阻害アイテム。指先で出来上がったそれを摘まみ、手首に装着した。
小さな輪が螺旋を描いているようにねじれながら、手首を一周している。指先で手首の横幅分なぞると、装着したはずのそれが見えなくなった。
「…うん。いい感じに出来た! ただ…本当に機能してるかどうかが、調べようがないっていうのがね」
手首につけたソレをまた同じようになぞると、見えなくなったものが現れた。
カムイさんはそれをそっと触れて、黙って撫でている。
「どうかな? いい感じだと思う? カムイ的に」
なんて聞いてみると、予想していた返しじゃないものがあった。
「どうにかなりゃいいな」
って、すごく真剣な重たい声色で。
てっきり「上手いことできたじゃねぇか」とか言ってくると思ってたのに。
「カムイ…?」
不思議に思ってカムイさんが手を乗せている上に、俺の手を重ねる。
「俺の角がお前を隠す役に立ちゃあいいな。…な?」
俺の話をした時、俺よりも泣いてくれたカムイさん。思ったよりも心配をしてくれているのかもしれない。その気持ちが嬉しいや。
「…ん」
そう返事をしながら、またそのブレスレットを指でなぞって隠した。
「さて、と。……やってみようかな、もう一つの方」
実はこっちの方が緊張する作業だったりする。
イチさんとナナさんへ、贈り物をしたくて。
そんな日が来るのがわからないけれど、二人が困るようなことがあったら助けられるアイテムを。もしくは…俺とつながれるアイテム…ともいうけど。
こっちはミスリル銀の色合いがはっきり出るアイテムで、こっちにもカムイさんの角の素材は使用する。
二人が俺からもらったこれを公に持てないだろう可能性が高そうだから、俺のと同じ手順で認識阻害できるように設定する。
銀色のプレートに、チェーンがついたブレスレット。
そのプレートには、二人の本名を書く予定。本名じゃなきゃ意味をなさない効果をつけるからね。
「……上手くいきますように」
デザインのイメージの部分をさっきとは変えて、錬成陣を描き直して発動の準備をして。
ただ、中心に置く青い魔石は初めての戦闘で手に入れたものを使用する。
赤と青の魔石は、連絡手段の方に使えるように設定する。この部分が俺が着けているのと少しだけ違う。
ミスリル銀で出来たプレートは、あの二人に困ったことがあった時に俺がどんなに離れていても二人の助けになる魔法が送れるようにするための媒体にもする。
短い期間でも俺のことを大事に思ってくれた。そう思いたいだけなんだ。もしもそうじゃなかったとして、このブレスレットを二人が悪用してきたとしても、俺は騙されていたって気づかずに二人への魔法を行使するだろう。
卑怯かもしれないけど、二人の気持ちを量るような真似を仕込む。これを付けてくれたらいいなと、願いを込める。
「…錬成……っっ」
二つをいっぺんに創る。結界をゆっくりと解除していくと、中の煙が少しずつ霧散していった。
「出来た! イメージ通り!」
出来上がった二本のブレスレットを指でつまみ、手のひらに乗せる。
それから、それぞれのプレートに光魔法でレーザーみたいに文字を掘っていった。
イチさんのには”Jan”と掘り、ナナさんのには”Sally”と掘る。
ナナさんの名前、あんなにコワモテな狼スタイルで力持ちなのに、可愛らしい名前だったんだな。
もしもあの名前が付いていなかったとしても、名前を明かしてくれたかな? 可愛い名前って言ったら、傷つくかな。
掘ったばかりの二人の名前を指先でなぞる。デコボコした感触と金属の冷たさに、何ともいえない寂しさを感じた。
やっと出来たものが無くなるのと、賭けのようなことをするだけに賭けに負けたら? と想像したからだ。
送り方はというと、あの時、所長らが俺に手紙を送ってきた魔法の応用編だ。
あれからやっとその魔法を見つけて、使い方をアレンジできないかとか試行錯誤して。あの二人に送る時にそれを試してみるんだ。
説明をボイスメッセージが脳内に響くようにしておけば、他の誰かに聞かれることはないよね。見られることもないし、証拠も残らない。
ただし、条件付きだ。それも魔法に組み込まなきゃ。
最初に受け取ったタイミングで、俺の声で『水兎です。無事を知らせたくて送りました』とだけ流す。
その時に二人からいくつかの言葉のうちのどれかが聞けたなら、続きが流れるように…。
条件にあたる言葉が、俺を心配したり想うような言葉が出たら…ってのがカッコ悪いけどね。
「俺って女々しい…」
二本のブレスレットをギュッとにぎって、反対の手で頭を掻く。
「カッコ悪い」
心配されたがってるって、自覚した。その途端、そういう感情に飢えていたんだって痛感してしまった。
親が亡くなって以降、せいぜい叔母さんくらいがその手の感情を向けてくれていた。
会社には俺が飯も食わずに作業していようが、サービス残業をしてクタクタになって帰路につこうが、気にする奴なんか一人だっていなかった。
俺のために、怒ってくれる奴だって…いやしなかった。
そっと手を開き、刻印したブレスレットを見下ろし、またこぶしの中に収める。
「今すぐは…送れないな。まだ……勇気が出ないや」
――もしもを考えてしまう。
”条件になる言葉が二人の口から出なかったら?”
口を引き結ぶ。ツツ…ッと涙がこぼれて、こぶしでグイグイ拭う俺。
錬成の間も、こうして出来上がったものへの付与とかいろいろやっている間も、ずっとずっとカムイさんは黙って俺を見ていた。
見守ってくれているって感じる視線があったからこそ、ここまでやれた。多分。
でも…最後の勇気だけが出せない。
「ね、カムイ」
創ることは出来たのに、届ける勇気だけが出せない。
「なんだ」
静かな声に、ホッとして小さく息を吐く。
ゴクッと唾を飲み「お願い、ある」と俺が言うと、何って言ってないのにこう言うんだ。
「それは俺の役目なんだろ?」
心を読む能力でもあるの? と思ったような言葉に、また涙がこぼれる。
「…うん。ごめん。…その時は、背中…押してよ」
何の時とも言ってないのに、また言うんだ。カムイさんは。
「いつでも言いな?」
なんて、胸をドンとあのふさふさの手で叩いて、まかせろって感じでさ。
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