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ここはどこ、俺は誰?
発熱時の水分は、常温がいい
しおりを挟む「あ゛ーーーーー」
くっそ。ナニ熱だ、これ。
「知恵熱とか言われそうなタイミングだな…ったく」
ドーナツ屋→電気屋→自宅
の順で移動しただけなのに、玄関に転移しただけで自分の何らかの力を使ったとかでもないのに、腰が抜けたみたいに玄関に座り込んでた俺。
…いや。使ったったら使ったようなもんではあるけど、時差あるみたいな発熱されると、アレが原因なのか? どうなんだよ! って選択肢にしにくくなる。
「の゛どい゛でぇ゛」
いや。普通に風邪じゃないの? こんなに喉痛いとか、声枯れてるとか。
「う゛ぇ゛え゛え゛ーーー」
声を出したらどんな声になるのか、そのうち面白くなっちゃって、変な言葉を発してみたりする俺。多分、テンションが変。
そういえば、と思い出す。
(病院に行かなくても、診てもらえるやつがあったよな)
マニュアルを引っ張り出して、往診システムを使おうと思った俺の脳内にある言葉が響いた。
『データ同期完了いたしました。無詠唱で魔法が使用可能となりました。初期設定で、制御は自動調整がかかるようになっております。設定変更の際には、ステータス画面の設定の項目より変更可能。魔力総量は上限なしになっております。魔法を使用するたびに、自動で回復する設定を追加しました。創造魔法は、初回のみ登録が必須となっております。魔法名と内容の登録をお忘れなく。ステータス画面の設定画面の、登録の項目にて登録が可能です』
「……は?」
え? どういうこと?
フラフラしながら、なんとか思い出す。魔法について、俺の中での認識を。
魔法の使い方は頭の方に送ってあるとかは聞いてた気がするけどさ、日記の時に。
でも使い方ってとこまでは、いっくら考えても頭に答えが出てこなかった。道具だけあって、まだ使わないでね? っておあずけ喰らってるみたいな感じだった。
俺のステータス画面を出すと、ズラーーーーーーッと並んだ各属性の魔法の一覧には、ものすごく認識しにくい色合いで“済”の文字。
え? もしかして、頭に送って以降、ずっと使い方の方のデータでも脳内に認識させ続けていたってパターン?
スマホとかでもさ、表に出てないけど裏でアプリがガンガン動いてて、なんか動き鈍いなとか重いとかいうやつあるじゃん。
俺がその状態に気づけていなかっただけで、あれからずっと俺の脳内でそういう操作が行われていたってこと?
スマホとかパソコンとかで、一気にいろんな作業をし過ぎてると本体が熱くなるよな。
(……まさかだけど、本気である意味知恵熱って感じか? 頭ん中、フル稼働していたようなもんってことで?)
往診システムを使うのをためらう。
頭ん中の同期が終わったんなら、そのうちこの熱もおさまるんじゃないのか?
「っっっ…っめ゛ん゛どぐぜぇ゛」
ゴロンと寝転がって、天井を仰ぐ。今の今まで準備をしていたってことか、俺の頭の中の。※魔法についてのみ
まあ…あれだけの数の魔法があって、それの情報を全部ったら相当な量だろう。
(…にしても、時間かかり過ぎだろ。何日かかってんだよ)
普通の仕事だったら、怒鳴られているレベルの遅さ。データ量が多いとはいえ、その間、作業が進みませってことだからな。
よっこらせっと体を起こして、回復系はないもんかと頭の中を探る。
(…マジかー)
そこで回復系で見ちゃった文字は、見たくなかった現実。
(対象は魔法使用者以外です、か)
自分にはかけられないってことだ。
自分の体調不良その他諸々には、病院や投薬やで自力でどうにかせえってことね。
フウフウいいながら、元いた場所でのイオン飲料っぽいのを出す。レモンの味がほんのりして、体にしみる。
(それと……鎮痛解熱剤も出ねぇかな)
それは出てこなくて、ネットショッピングの方の扱いになったみたいで。
かんたんに操作すれば、どこぞから明細書と一緒に薬が届いた。ついでに冷えピタっぽいのも、ぽちり。
システム上なんだろうけど、玄関に荷物が届いてて、フラフラしながらそれを取りに行く。
こういう時の一人暮らしは、不便だ。
玄関に受け取りに行ったついで、寝室に着替えを取りに行く。
それを持って、今度はバスルームの方へ。
ぽんぽん脱いで、体をタオルで拭いて、それから着替える。
寒気がしていないから、今はそこまで熱が上がらないのかもしれない。叔母さんが寒気がしたらまだ上がるって言ってた気がする。
その辺の知識は、両親から学ぶ前に亡くなられたのもあってか、叔母さんからのものの方が多い。
さっき飲んでいたイオン飲料だって、熱が出てるから冷たいのを飲みたいところだったけど我慢した。
常温の方が吸収が早いとかなんとかっていうから、常温のを飲みなさいって口酸っぱく言われてた。
「…ははっ」
こんな時に思い出すのが両親じゃなく、叔母さんばっか。
着替えてすこしスッキリしたところで、有難いことに腹が減ってきた。ってことは、俺はまだ元気だ。…熱出てるけど。
掘りごたつの部屋で、何が食いたいかを考える。
(とりあえず、柿か梨が食いたいな)
果物に飢えている。あの時のみかんだけじゃ、物足りない。そう思ったのと、ここでもまた叔母さんの言葉が頭によぎる。
柿は体を冷やすから、食べ過ぎちゃダメよ? とかなんとか。
俺が熱を出すと、時期じゃない時にもどこからか仕入れては熟したのを食わせてくれた。食堂への仕入れついでだから、気にしないでね? とか言ってくれてたけど、旬じゃなかったら結構高かったんじゃないのかな。
(梨は、個人的には丸い方が好きなんだよなー)
ふへへへ…と謎の笑いがこみあげた俺の目の前に、丼ほどの大きさの容器に入った柿と梨が結構な勢いで現れた。
ドン! って。
「ふっふふふ」
(丼に入った柿と梨がドン! ぶふふ)←とか謎のギャグっぽいのが浮かんでるあたりが、結構熱でやられてるんだろうけど、俺が気づくはずもなく。
「…ん゛ま゛い゛」
果物いっぱいだけでテンションが上がりまくった俺は、ご機嫌なまま一気に食っていく。
甘さとジューシーさが、口の中に広がっていく。鼻からかすかに抜ける、果物独特の甘い匂い。いろんな意味で体にしみる。
それから鎮痛解熱剤を飲んで、冷えピタを貼りつけて。
デザートが先になったとはいえ、メインもちゃんと食うべきだ。多分。
食べやすいものがいいけど、初日の雑炊よりはしっかりしたものがいい。けど、食いやすいのがいいし、喉の調子がおかしいから食いやすいものがいい。
(なーんかねぇかな……。つるっと食えるもの…ったら、ゼリーとかそっち系。…でもそれは飯じゃない。その手のもので食事に含まれますってやつ……。んー…。かなり長いことまともな食事してなかったツケが、こんな形であらわれるとはな)
世の中にどんなご飯があるか…が浮かばなくなる。
よく食っていたものは比較的浮かびやすかった。白和えだって、そのうちの一つだった。
(えー…っと、あまり噛まなくていいやつ。つるっといけるやつ)
うんうん言いながら、両親や叔母さんとの食事を思い出してみる。会社の食事っても、まともに食ったことはない。
端っこの方で、居心地悪さを感じながらチビチビ飲んでただけだもんな。枝豆とか唐揚げをいくつかつまみながら。
(…枝豆。何かに入れてた。……黄色い………やつ、なんだっけ。えーっと…俺銀杏苦手ったら…枝豆を…)
「ぢゃ゛わ゛ん゛む゛じ!」
ダミ声のまま、思わず声に出た。
そうだ、茶わん蒸しだ。あれなら食えそうだ。
(…いや、待てよ? たしかもうちょっとデカい容器に入れて、蒸していたよな?)
中に何か入ってなかったか?
熱のせいで頭が働かない。潔く諦めて、検索をする。
(おだまき蒸し。うどんを入れた茶碗蒸しみたいなやつ…か)
多分これだろう。それの中に銀杏の代わりに、俺のだけ枝豆を入れてくれていた。黄色の中から現れる緑色した豆が、すごく色鮮やかに見えたのを思い出す。
なるべく鮮明にイメージをして、おだまき蒸しと冷たいほうじ茶を望む。
カタッと小さい音がして、ふわりと蒸し物独特の匂いが鼻をくすぐった。
無言で手をあわせて、まずは茶碗蒸しのとこを大きめのスプーンで掬う。
つるんと口にこぼれるように入って、ほとんど噛むこともなく崩れていく。出汁の香りが鼻から抜けた。
めちゃくちゃ美味い! 自分の体が欲しがっていたのはこれだ! って感じで、またテンションが上がっていく。
具合が悪い時にテンションが上がるタイプなんだと、後で知るパターンだ。
次にうどんを箸でつまむ。コレの時も丸いタイプのうどんだ。
重くもなく軽くもなく、それでもちゃんとした食事っぽいのがいい。
具材はかまぼこと鶏肉、しいたけも入ってる。三つ葉は……あ、入ってる入ってる。よしよし。
スプーンで掬っていくたびに、具材が見つかっちゃった(テヘ)みたいに出てくるのが、茶わん蒸しの好きなとこだったはず。
昔、母親に聞かれた時に、嬉々としてそう答えた記憶がある。
(かくれんぼみたいねって、母親が笑ってたっけ)
懐かしさを噛みしめながら食べ進めていくと、あっという間に丼の底が見えた。
冷たいほうじ茶でのどを潤し、ふう…と息を吐く。
何の気なしに窓の方に目を向けると、今日は俺が外に出ていないのに今にも泣きだしそうな空模様だ。
俺が来たことで雨の日が増えていたら、申し訳ないなぁ…とか思った。
ごちそうさまでしたと手をあわせて、また寝転がる。
食べている間に薬が効いてきたのか、熱っぽさはすこしずつなくなってきて。
すこしだけクリアーになってきた頭で、魔法のことを考えた。
寝転がったまま、ステータス画面を出す。魔法の方のページの方だけ。
アレコレありすぎて、何がどうとかよくわからない。
書かれている順番で、最初の方がきっと初級とかので、後の方のが魔力めちゃ使いますよーっていう威力ありそうなレベルのなんだろうな。
何の気なしに魔法の名前のところを、指先でなぞってみた。
(……お?)
それはまるで、範囲指定したよう。なぞったところだけ、色が変化した。
次の瞬間、宙に魔法の説明のウインドウがポコンと現れる。
試しに触れたのは、あの時の魔法。エアーカーテン。
『風属性・利用者を認識後、ごく弱い風によって対象のまわりに膜を張ります・雨避けに最適・対象物の移動にも対応・上位魔法は、エアーバリア』
あれで、ごく弱い風なんだ。たしかあの時って、魔方陣の真ん中に指先をあてて、俺を認識させてから使ったよな? そうすると、俺個人が移動しても一緒に移動してた。
エアーの流れの魔法がその下にも続く。最終形態は、エアードーム。広範囲魔法ってとっていいのかな。
何かのイベントの時とかに、雨が降ったら困るってなったら使うとか?
(この魔法があったら、運動会とかの時に雨男だなんだって言われずにすんだな)
些細な古傷を思い出して、苦笑い。
エアードームの説明を読みながら、強度はどれくらいなのかとふと思った。
なにかと元の場所に似たものが多い、この世界。天気も似たような感じなのだとしたら? と考えた。
いわゆる天災と言われるものの中の、台風などの雨や風のものすごいやつ。
広範囲でどうにか出来る魔法が存在していて、それが台風に負けないくらいの強度を保てたなら?
天候をいじくることなんか、神でもなきゃ出来ないはず。けど、その天災から守れる方法があったら使ってもいいんじゃないのか? それで結果的に自分の身を守れて、普段の暮らしが何もなかったように過ごせるなら。
窓から、コツコツ…と大きめの雨粒がぶつかる音が聞こえる。
結局、今日は雨らしい。さっきの空なら、降るかもなって思ってた。
ゆらっと立ち上がり、ゆっくりと窓の方へと向かう。
窓の外は雨で、道路にはあちこちに水たまりが出来ている。
急な雨に慌てて走って帰る人の姿が、すこし離れた場所にある道を横切っていった。
雨を止ませることは出来ない。けど、避けられたら?
(…あ。でも、その避けた雨がどこかに流れて、よそで洪水とか起きるのもよくないな)
そうなってくると、雨水をどっかにやるか蒸発させるとかすればいい? でも、雨水って農作物とかに利用したりもするんだろうし、川や海が同じようにあれば…多少は必要?
元の場所と大差ない設定だと想定して、考える。
消える雨と残す雨と、量を調節して、それをどこかにやればいいのか。
(この世界って、水不足とかあるのかな。それがあるなら、雨水をろ過して飲み水に使えるようにするシステムと、水をた溜めておく場所が必要…?)
ステータス画面の魔法の項目を流し読んでいく。
あごに手を置き、ふぅ…ん、とうなずいた。
『収納魔法』
水のストックはここでいいや。時間は止まってるし、容量は制限なし。問題はナシ。
エアードームを使用するとして、その魔法に他の魔法を重ね掛けとか…可能…か。脳内で、『可』とだけ出たから大丈夫だろ。
試しにエアーカーテンで、それっぽいのやってみるか。
俺は無詠唱でもいけるみたいだけど、なんかつまんないのであえて『エアーカーテン』と呟いた。
ほわんと魔方陣が現れて、あの時みたいに指先で触れて俺を認識させる。
それから、火魔法だな。蒸発させるったら、熱で蒸発? 温風? どっちの方がいい? 効率も考えなきゃ。たしか、クッソ暑い真夏とか、道路に蜃気楼みたいなアレが出るよな? 陽炎だっけ。それっくらいの熱さがあれば、蒸発する?
魔方陣にまんべんなく弱めの火魔法を混ぜ込んでいく。『ウォーマー』とかいう、寒い日の布団を温めるのに最適とか書かれている魔法。これで弱すぎたら、別の魔法にしたらいいかな。これ、火魔法じゃなく生活魔法の方に入れたらいいと思うんだけどね。
緑色をした魔方陣に、赤が混じっていく。……あ。まんま、絵具みたいなことが起きた。
「黄色?」
魔方陣の色が変化した。
安定してるといいなと思いつつ、そこにもう一つの魔法を仕込む。
収納魔法。そっちに水を移動させて溜めておく。触れた何割をそっちに移動させるかを計算して、七割を移動させてみることにして。
魔方陣に指先をあてて、イメージを送り込む。収納魔法を使いながら。水を入れておくんだから、タンクっぽいイメージで収納魔法を使う。そのタンクの中で、ろ過できればいいなって。一旦そこでろ過して、飲み水は別枠…みたいな。…上手く出来るといいな。
この魔法は無色なのか、魔方陣は一瞬かすかに光っただけで、色の変化はなかった。
「……出てみるか、ちょうど雨だし」
熱が下がったばっかなのに、こういう体調の時って自分の扱いが結構…雑な時ってないか? いわゆる、なんも考えてないってやつ。
玄関に向かい、ドアを開けるとさっきよりも粒が小さくなった雨が降っている。
ごく…と唾を飲み、一歩踏み出す。
「…お。雨、当たらない! 濡れない!!」
まず、そこに感動。ガキみたいに、さらに雨の中へと飛びこんでいく。
くるくる回ってみても、体にまとったようなエアーカーテンが俺を濡らさない。
「…すっげぇ」
ダミ声がよくなってる。熱が下がったから? え? そんなに早く? んなバカな…と思いながらも、声がよくなったことでテンションはまた上がる。
手を伸ばして、雨を受け取るような格好をしてみて、触れられない雨に顔がニヤついた。
すこしの間そうしてて、ポソッと呟く。
『インベントリ・ステータス』
あぁ…本当に頭に勝手に浮かぶし、魔法が使えるし。ものすごい楽。
開いたステータス画面に、雨水という項目と飲み水という項目が並んでいる。項目の下にバーがあって、雨水の方が減っていくと、飲み水の方が増えていく。ろ過していってるのが、見て分かる仕組みだ。
「上手くいった!!!」
まだ雨の中にいたかったけど、まだ熱の余波でもあるのか、すこし体がだるい。
そもそもで、初めて魔法を使ったわけで。何らかの疲労感は出るもんだろうな。
多分、今の俺を見ていたら、いかにも渋々って感じで家に入ってるように見えるんだろうな。とか思いながら、玄関へと向かう。
魔法を解除しても、体は一切濡れていない。
ベッドにドサッと勢いつけて腰かけて、そのまま仰向けに寝転がって。
「…使えた!!」
久しぶりの満足感で胸をいっぱいにする。
ホッとしたと同時に、思い出す。
(こんな風に問題なく使えるようになるなら、わざわざあんな場所に出向かなくてもよかったんだよな? 嫌な思いもしないですんだはずなのに)
満たされたはずの胸が、ずきりと嫌な痛みを思い出させる。
写真が配られているなら、下手な場所には行けない。行けるのかもしれないけど、人の視線が気になるだろう。
「…………あれってないのかな」
ふと、魔法でどうにかならないもんかと思いつく。
俺はいたって普通の暮らしがしたい。なんせ、心と体を癒せっていう話なんだし。
とか、日記のせいにしつつ、また呟いた。
『ステータスオープン』
と。
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