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傷痕 2
しおりを挟む~小林side~
瑞と一緒に店を出ると、一葉が車の横に佇んでスマホを見ていた。
「お待たせ」
と、瑞がそう声をかけると先に瑞を見てから、俺の方へと視線を向けてうつむく。
「……態度悪くない?」
なんだかムッとして、正直にぼやく俺。
「なーに、妬いてるの? 悠有」
耳元でそんなことを囁く彼へと、一葉の視線が向いた。そっちもわかりやすく、面白くなさげな目つきをしていた。
「内緒話とか、やめてよね」
子どものような、わかりやすい拗ね方。口を尖らせて、頬をすこしふくらませて。
(本当に子どもみたいな子だよね、一葉って)
さっき瑞が一葉に対して口にしていたことを思い出す。
と、瑞が一葉の方へと一歩踏み出した。
「あのさ、悠有と一緒に先に買い出しに向かってくれない? 俺の方で別途、必要なものを持って合流するから」
そうして伝えたのは、さっき二人で話していたことだ。
「え? いいの? 俺が悠有にいと二人きりでも」
瑞からの提案に、一葉が戸惑いを見せる。
「こっちから提案しといて、ダメとか言うつもりないよ? あ。買い物リスト、これね? 悠有」
店内で渡すかどうかの話もあったけど、あえて義弟の前で渡そうということにした。
「結局、瑞が好きな鍋だね? ミルフィーユ鍋ったっけ? えー…っと、なになに」
メモを読み上げる俺の横に、遠慮がちに一葉が近づいてきた。
「ミルフィーユ鍋って、白菜……」
食べられないんだっけ? とチラッと横目で見ると、彼の目尻が困ったように下がっていた。
「あれ? 白菜、苦手? じゃあ別のにしようか」
すぐさま瑞が反応し、別の料理の提案を持ちかける。けれど、わずかな間の後の彼は首を振った。
「いい。白菜、嫌いじゃない。食べられなくもないし。……美味しいの作るんでしょ?」
質問のしかたが、微妙。美味しいの作るんでしょ? って、美味しいのが出来てもそう思ってくれなきゃだもん。
家の母親が作ったものでも、気分に合わなきゃ美味いともマズいとも言わずに黙々食べていたことがある。
それを見て母親は、遠慮がちに声をかけていたっけ。
次は一番好きな具材を教えてねとかなんとか。
「俺が作る料理に態度悪く出たら、その場で帰れって言うから」
ふん…とすこし偉そうに腕を組み彼を見下ろす瑞に、「そんな…じゃ」と更に目尻を下げる一葉。
「言っちゃ悪いけどね、悠有の胃袋鷲掴みしてる自負があるからさ。俺。マズいもの食わす気は、全くないよ。楽しみにしててって言いたいね」
とか言ったかと思えば、今度は一葉の頭に手のひらをのせて二度ほど上下させる。
「「……っっ!!」」
二人同時に息を飲む。
一葉は耳まで真っ赤になりながら、俺は瑞の顔をまっすぐ見ながら。
俺と視線を合わせたかと思えば、瑞は右の口角だけをあげて笑む。
「あー…もう、はいはい。悠有もね。二人で仲良く、いつものスーパー行ってて。のんびり買い物してくれてたら、店で合流するから」
と言ってから、「ね?」と頭に乗せていた手を耳へとするりと動かして、小さく撫でてから離す。
「も…う。そういうことするのやめなってば」
「して欲しかったくせに」
「…ふん」
「くっ…ははっ」
買い物メモを折りたたみ、ポケットに入れて一葉に声をかける。
「ってことだからさ、そっちの車に乗せてよ」
とか声をかけながら、わずかに声が震えた。それに手も。
本当はまだ怖いけど、それでも踏み出すのは今日だって決めたから。何よりも、一番の味方が迎えに来てくれるって信じてるからね。
さっきまでの表情が、切り替わったかのように違って見える。スッと目が細められ、今まで何度も見てきた少し意地の悪い顔を表に出される。
「…………いーの? 悠有にいも、本当に二人きりでさ」
内心は、嫌だ。
でも、今日でどうにかしたいんだ。
奥歯をグッと噛んで、嫌だと弱音を吐きそうな自分を叱咤する。立ってろよ、と。
「何もしないよね? 俺に」
背けたい視線をそのままに、目を細めて笑みを浮かべ、釘をさすように告げた。
「何もしない、よな? 悠有に」
わずかな間の後に、瑞が同じように釘をさす。
「……しなきゃ、一緒にいて……いーんだよね」
ためらいの後に、甘えた口調で瑞だけに向けられた声。
「何もしなきゃ、ね」
瑞からの念押しの言葉を受け、二人が見つめ合う。瑞は何度も見たことがある、後からが怖いんだよなと思う笑みを浮かべ。
店長や支店からの無茶ぶりの後に、機嫌が一気に悪くなりつつも、頼まれたことをこなしていく時に見せている笑みなんだよな。コレ。
(実はめちゃくちゃ腹を立ててるのかな)
笑っているようで笑っていない彼に気づかないふりをして、一葉の方へと顔を向ける。
「じゃ、行こうか」
一葉がもたれ掛かっていた車を指さして、乗ろうよと示す。
「あ、じゃ…じゃあ、その…こっちに」
瑞に見惚れていたのか、間があった。そして指さしてきたのは、助手席だ。
「思ったより早めに買い出しが終わりそうになったらさ、一旦連絡くれる? 悠有」
「ん、わかった。追加で買ってほしいものでも思い出したら、連絡ね?」
「ん、わかった。じゃ、後でね? …悠有のこと、預けたからね? 荷物持ちしなよ?」
助手席のドアを開けて乗りこもうとする俺に、瑞が普段やらないことをしてきた。
「…なに?」
小声で囁くと、瑞がまた口角をあげて囁き返してきた。
「べっつにー」
とだけ。
そして瑞がしてきたことといえば、助手席に腰かけた俺にシートベルトを締めてくれたこと。
初めてかもれないそれに、思わず目を見開きかけて顔をそむける。
(俺が動揺しているとこ見せたらダメ…かもだよな)
瑞が考えていることがわからないけれど、やろうとしている何かをダメにはしたくないし。
「…うん、オッケー。じゃあ、よろしくね。くれぐれも安全運転で」
瑞が助手席のドアを閉めてくれ、一葉にくっつきながら運転席の方へと回ってきたのが見えた。
「わーかったってば、もう! 邪魔だから、早く行きなよ。とにかく後で合流するんでしょ? いつまでも来なかったら、先に帰っちゃうからね」
ドアが開いたかと思えば、聞こえてきたのはそんな会話。
ワーワーギャーギャーみたいな感じの。
運転席に乗り込んだ一葉が、なかなかドアを閉めない。
「…サービスしてくれないの? こっちには」
俺が瑞にされたことを、同じようにしてくれと言ってるのかな? もしかして。
「…ぷ。なんで? え? もしかして自分で出来ない? そこまでお子ちゃま?」
さっきのイイコイイコを見た後だと、もしかしたらあってあげるのかと思ってたんだけど。
「え…ダメ、なの?」
もう一度甘えられても、ニッコリ微笑んだままでそっと運転席のドアを閉めてしまった瑞。
「も…もう! なんなの? あの人」
動揺を隠せずに、すこしどもりながら愚痴りだす彼。
「じゃあ、お兄ちゃんがやってあげようか?」
わざとらしくそう声をかけると、「いらない」と四文字で拒まれた。
「出来るもん。悠有にいみたいにお子ちゃまじゃないし」
とか言いつつ、口を尖らせて。
「そう? じゃあ、ちゃんと締めてね? シートベルト。で、行き先なんだけど」
と話を変えて、これから向かう予定のスーパーを教える。
そんな俺と義弟の様子を、すこし離れた場所で見守っている瑞の姿がある。
「わかった。それじゃ、行くよ?」
エンジンをかけ、車はゆっくりと動き出す。
「…あ」
瑞がヒラヒラと手を振って、車を見送っていた。
俺が小さく手を振り返していると、視界の端っこで一葉の手も左右に揺れている。
駐車場を出て、左へと進路を取る。すぐに左車線に入って、間もなくの信号で右折レーンへ。
普通に運転している姿は、新鮮だ。彼へのイメージが、車の運転とは無関係なものばかりだったから。
「……何?」
進路は、ややしばらく真っ直ぐ。二車線の右に位置取りし、信号二つ先にあるスーパーの駐車場に入っていく。
「別に?」
「なんか言いたげじゃん。言いたいことあったら言えば?」
「別にないけど、普通の運転だなって思っただけだよ」
「普通のって、どんなイメージさ」
「特になかったつもりなんだけど、本当になにもされずに店に着くと思っていなかったから」
「あ、そういう意味?」
「いや。違う意味でも、普通だったなとは感じてた」
「だから! 普通ってなんなの? もう」
「特にスピード出すわけでもなく、思いのほか安全運転だったから」
駐車場に停めるところを見ているけれど、普通に出来てるし。
「やっぱり器用なんだよね、なんだかんだ言いながらも」
「なんだかんだって何? 含みがある言い方しないでよ」
「いや…だって、いろいろ知識や経験だけはあるんだろ? 俺にはないものがさ。だから頭もいいし、経験もいろいろしてるし。そういう意味で、俺にはないものが多いから」
「ちょ…っ、やめてよ。そういう物言いは」
「そういうっていうけど、他に言いようがないじゃん」
「それもそうだけどさ。……なんていうか、ちょっとイメージ悪すぎてヤなんだけど」
「自業自得っていうんでしょ? こういうの」
「自ご…」
エンジンが止まったのを確かめて、俺は先にドアを開けて車から出た。
俺と同じように仕事帰りらしき人が、スーパーの真横に駐車してからあわてて店内に駆け込んでいるのが見える。
「スーパーの道路向かいの駐車場でよかったの? 遠くない?」
「ん? こっちでいいの。瑞とはいつもこっちに停めてるから」
「あ、そゆこと」
「うん」
いろいろ警戒しつつも、並んで信号を待つ。
「一緒に住んでるの? あの人と」
突如振られた会話。
顔を彼へと向けて、すぐに信号へと視線を戻す。
「まだだよ」
嘘でもなきゃ、事実でもない返し。
「そ、なの。……へぇ」
その”へぇ”は、どういう意味だろう。
(なんか、やだな)
ザワっとしたものを感じながら、青に変わった信号を渡る。
かごを手にして、いつものようにカートにポンと載せた。
入ってすぐは、野菜コーナー。ここで白菜を買わなきゃな。
「一葉」
不意に足を止めて、彼を呼ぶ。
「本当に白菜食べられる?」
まるで兄貴のように、声をかけた。
白菜を二分の一玉を手にして、どっちがいいかなという感じで比べながら。
「がん、ばるもん」
「苦手だっけ」
「率先して食べないだけで、食べられないわけじゃないっていう」
「…ふぅん」
かごに白菜を入れて、瑞から渡されたメモを見ながらカートを押して歩いていく。
「押すのやる」
「あ、そう? じゃあお願い」
急に耳を赤くしながら、俺の手から買い物カートを横取っていく義弟。
「最後にアイス買ってもいいよ。…いい? かごに入れるのは、最後ね」
「え、いいの? アイス」
「食べたいんでしょ? アイス」
まだ記憶の端っこにあったものを引っ張り出して、冷凍食品のコーナーに差し掛かったついでで話を出した。
わかりやすく表情が明るくなって、コクコクと何度も嬉しそうにうなずく姿。
(こんな風に普通のやりとりが出来るなら、何も悩む必要なんかないのにな)
問題が起きては、こういうやりとりがあって。そうして、こんなことを脳裏によぎらせて。何年も繰り返してきたくせに、とっくに諦めたはずなのに。どうしても考えてしまう自分が嫌だ。
完全に憎めたらいいのにと、心底自分に呆れてしまう。
もうやめなよって、数えるのをやめるほど思ってきただろ? って。
「今日はどんなアイスの気分?」
「え? え、っと、その……今日はノーマルのやつ。バニラ。高いやつじゃなく、普通のがいい」
「そうなんだ」
とか話していると、スマホが震えた。
(えーっと、コンロのガスは買わなくてもいいよ、か。家から持ってくるのかな。もしかして)
とか考えながら、雑貨コーナーに行きかけた足を戻す。
なるべく時間稼ぎしなきゃなと、割り引きの物とか新発売の物とか無駄に見て回る。
「次は?」
「えっとね、次のとこで左。そこに鶏がらスープの素っていうのがあるから。赤い袋のやつ。……ああ、そっちじゃないよ。そっちは中華だしって書いてある。こっちのがいい」
指をさして、どれにするかを教えてかごに入れさせる。
「次は、ポン酢か。ポン酢、大丈夫? 使うか使わないかは好みだって書いてあるけど」
「それは大丈夫」
「…そ?」
一歩先に出て、肉のコーナーへと向かう。その後ろから、ガラガラとカートのタイヤを鳴らしながら、義弟がくっついてくる。
ほんと、ヒヨコかなんかみたい。
(俺が小さい時に母親と買い出しに行った時も、きっとこんな感じだったんだろうな)
病院の帰りに立ち寄っては、何かにつけて『今日の頑張りましたで賞』を与えてくれたっけ。
3つ入りのプリンなんかを買って、一緒に食べたのも懐かしいな。
「えっと…バラ肉がー」
グラムを見て、白菜とのバランスを考えながら、かごに放る。
「ね、悠有にい」
「なに?」
鍋の材料以外のものを、何に使うのかわからないけど探していく。
「鍋って言い出したの、どっち」
「……どっちからの提案だったらいいの」
何の気なしに聞いたのかもと思う反面、義弟の瑞への態度に気づいていないわけじゃないからちょっと様子見。
「どっちでもいい、けど」
「なら聞く必要なくない?」
「そうだ……けど、さ」
きょろきょろして、どこか落ち着きがなくなってきたところに、今度はスマホが長く震える。
「…電話? ……はい、もしもし? どうしたの?」
『あ、悠有? 今さ、駐車場にいるんだよね。義弟くんよこしてよ。車に荷物積みたいんだよね』
「一葉だけ行かせればいいの?」
『うん、お願いね』
そう返してからすぐに、瑞の方から電話を切られた。静かになったスマホを見下ろし、奥歯を噛む。
ちょっと面白くないけど、買い物の途中でカートほったらかしに出来ないしな。
「一葉。車の方に行って? 荷物を積みたいから、開けてほしいんだって」
としか言わなかったのに、誰のことかすぐに分かったよう。
一葉にそう声をかけると顔が一瞬で明るくなって、すぐさま店外へと飛び出していった。
その後ろ姿を見送りながら、小さくため息を吐く。
一葉への気持ちがないと知っていても、あの義弟の態度からいけばどんな風に戻ってくるかなんて決まってる。
スマホを操作して、ある料理のレシピを検索して。それを見ながら、かごにいくつかの品物を追加していく。
「だーからさっ、今日のアイスはバニラだって悠有にいに言ったの! ねー、一緒に食べようよー」
「俺は鍋であたたまるって決めてるから、アイスは食わないよ」
「えー、いいじゃん。たまには違うことしてみたってさー」
「そういう冒険はしないの、俺」
「つまんないってばー。一口だけいいじゃん」
「いらないってば。しつこいと、飯食わさないけど」
「やだぁー。そんな冷たいこと言わないでよ」
瑞の腕にしっかりくっついて、体を寄せて。いわゆる、イチャイチャしながら入ってきたように見える二人に、レジそばにいる人たちからの視線が集まっている。
「……邪魔」
「つめたーい。邪魔とか言わないでよー」
「歩きにくい」
「歩きやすいよ、めちゃくちゃ」
「…どこが」
「うーん……全部」
“そういう”態度をとってるのが、一葉だけだってわかってるはずなのに。
「ねえ、一口だけ食べてよ」
「押しつけする人間、大嫌い」
「ハッキリ言ってくれるとこ、好きだなぁ」
「俺は嫌い」
恋愛感情が混じってないって思ってたって、面白くはない。
顔がどんどん無表情になっていく。胸の奥が冷えてくのを感じる。頭はどこか熱さすら感じるのに。
「…ちっ」
その違和感を持てあましながら、二人に近づくこともせずにカートを押して奥のコーナーへと向かうようにして離れた。
「悠有っ、待てって」
遠くから彼の声が聞こえてるって知ってても、振り向かずに。
「……メモにないもの入ってるけど」
とか言いながら、前に回り込んでカートを無理矢理とめた瑞。
「作ってほしいものあるから、入れた」
ボソボソと呟くと、一葉に組まれている腕を振りほどいてかごの中身を確かめはじめた。
「んー……あ、あぁ! あれ? 白和え? もしかして。今回の鍋には、豆腐は入らないしね?」
「…はあ。正解。さすがというか、よくわかったね。さっき見つけたこの…レシピで」
そう説明しつつ、スマホを操作してさっき調べたレシピを見せる。
「ふん…んー…うん、これなら出来るよ? これ作るなら、ついでに入れたいものがあるな。ちょっとアレンジしてもいい?」
「瑞が好きなように作っていいよ。ただ食べたくなっただけだから、白和え」
「豆腐の気分だった?」
「さあ、どうだろ」
素っ気なくなっちゃったなぁと思うのに、瑞へ顔を向けられない。顔を見ながら話したいのにさ。
「悠有が食べたい物なら、なんだって作るって言ってるよね? 俺。胃袋つかみっぱなしにしてなきゃ、不安だからねー」
とか瑞が言ったのを、三人で並んで歩くのはさすがにやめたらしい一葉が、瑞の後ろから「ねえねえ」と声をかけてくる。
「食べたいって言った物、何でも作れるの?」
って。
チラッと流し見て、視線をすぐに前へと向ける。
俺が返事をするもんじゃないし、今その質問に返事をすれば拗ねた言葉しか出てこない気がするから。
「まあ、レシピがあるものなら何とかね。……ってもね、おとーとくん。悠有にしかない権利だから、自分が食べたい物を言ってこないようにね」
拗ねたことを考えていた俺の耳に聞こえたのは、俺がそうだったらいいのにと思っていたこと。
どうしてわかったの? と頭に浮かべながら、瑞を横目で見ると。
「え? なに、その反応。いい加減、自分は特別扱いされてるって自覚しなよね」
すこしふざけて、右手で人差し指と中指を揃えてからチュッと投げキッスを飛ばしてきた。
「ど…っ、ここ、人目…っ! スーパーで何やって」
多分、今の俺は耳まで赤いはず。
「いつになっても初心な反応で可愛いよね。……クックックッ」
「こういう場所でからかうのやめなってば、もう」
プイッとそっぽを向いて、カートをグイッと押して通路を左へ曲がる俺。
可愛くない性格だってわかってる。素直じゃないって。一葉に妬いたってことも自覚してる。だから尚更、そこにいずらくなってるってことも。
「可愛いでしょ? 俺の彼氏」
通路を曲がるギリギリで聞こえた、瑞が義弟に呟いたそれ。
曲がった先の通路に入ってしまった俺には、その会話の先を聞くことは出来ず。
「…いろんな意味で面白くないんだけど」
一葉がそう言い返し、「そう?」と返した瑞が彼の頭に手を置いてイイコイイコしてから微笑みを見せたことなんか知るはずもなく。
追いついてきた瑞が「これもかごに入れてよ」と背後から追いついてきて、肩に乗せられた手にホッとしていた。
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