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カレノコト 5※R18若干含みます
しおりを挟む~水無瀬side~
感じすぎて心臓がどうにかなりそうなのとは、すこし違う”それ”が俺を困惑させる。
わき出した泉のように、ぶわりとその想いだけが俺の中にあふれてくる。
「俺も…好き。悠有のこと…大好きだよ」
あふれてきたものを吐き出さないと、胸の中だけじゃなくて体中にあふれてしまいそうになる。
こんなにもやわらかく、あたたかな笑みを浮かべて、俺を抱く時は激しくて。
でも、どこか寂しげでもあって。
その笑みを表現するならば、どこぞのマリア様みたいな慈しみ深い笑みに感じられてしまう。
この状態でどうしてそんな風に笑うの? と。
「…嬉しい」
ホッとしたように笑った悠有のソレが、そのタイミングでグンッと質量を増してきた。
横向きで抱き合いながら、小さなキスを繰り返しつつ、俺の片足だけ抱えた格好で早い抽挿を繰り返してく。
もう待てないよとでも言ってるみたいに……。
「ン、あ…っ! は…ッ、んんんっ!!」
息があがってるとこに、噛みつくようなキスを繰り返される。酸素が回らない。どうにかなる。
「瑞! みず…きっっ!!」
普段とは違う角度で抉るように擦られて、意識が保てなくなる。
悠有が支えている片足も、弛緩しちゃってただプラプラしているようにしかならない。
「瑞…ぃいっっ!」
奥のそのまだ奥へ…ゴツッ! と隙間に入ったと感じた瞬間。
「…あ」
力なくあげられた声はそれだけ。
あっという間に極上の快感に侵されて、意識を刈り取られてしまう。
(話…しなきゃ、なのに)
くにゃりと脱力した俺を、悠有がギュウッと抱きしめてきた。
「…ありがと、瑞」
いつもならこの後は悠有が俺の中からいなくなるはずなのに、俺を抱きしめたままで悠有が俺の中からいなくならなくて。
「悠…有?」
朦朧としつつもなんとか、彼の名を呼ぶ俺。
「…………」
けれど、黙って俺を見つめてくるだけで、うんともすんとも返してくれない。
「悠、有?」
呼吸がちょっと整ってきて、ちゃんと悠有を呼べる。
「……」
悠有はそんな俺を、目を細めて眩しそうな顔つきで見てるだけ。
「…悠有」
今度は語尾を上げず、呟くように呼ぶ。
「……」
「ね、悠有も…呼んで? 俺のこと」
そして、おねだりするように呟いてみた。
(…え?)
その途端、コトがすんでも入れっぱなしだった俺の中の悠有が、じわりと固くなってくる。
「…やだ」
そして、なぜか顔を赤らめて俺の名前を呼ぶことを拒むんだ。
「???」
首をかしげる俺を見つめてきては、どんどん顔を赤らめていく悠有。例えるならば、初めて俺を瑞と呼んだ時みたいに。
そして比例するかのように、さらに固さを増していく熱さ。
「悠有?」
首をかしげて、もう一度名前を呼ぶと。
「…………いいよね?」
と、まるで決定事項みたいに囁いてくる。
呼吸さえ整えば、今日は意外と頭がクリアーで、悠有に確かめずにはいられない。
「大丈夫なの? …いろいろ」
言葉を濁して聞けば、中からズルッと自身を引き抜く。
さっき吐き出したままだったゴムを外して軽く縛ったかと思えば、次のゴムのパッケージを無言で開封する。
「余計なこといいから…抱かせてよ」
とか言いつつゴムを根元までクルクルと下ろす頃には、悠有自身はすっかり起き上がっていた。
(こりゃ、俺も悠有も明日は使い物にならないかも)
不安や心配はいろいろあれど、それでも悠有が願うことを叶えてやりたいのも本当で。
「…いいよ」
そう言ってから、今度はうつ伏せて腰を高く上げて突き出した。
背中から抱きつくようにして覆いかぶさってきた悠有が、後孔にゆっくりと侵入してくる。そっとそーっと、ゆっくり…と。
じわりと時間をかけて体が開かれていくみたいで、焦れったい。
そこはとっくに開いてしまってるのに、悠有の熱い杭の形をソコに憶えこませられるようでドキドキする。
心よりも先に体の方が、その先の展開を期待してるんだ。きっと。
「腰、揺れてるよ?」
自分でもわかってるくらいに、早くもっと挿れてと体が伝えてる。
俺自身も熱を帯び始めて、また先端から先走ったぬるっとした体液がこぷりとあふれ出してきた。
悠有の左手が前に回り、先走ったものを手のひらに馴染ませるみたいに大きく上下して俺を扱く。
グチグチッと濁った水音が、耳にやたらと響く。徐々に手の動きが早まり、動きそのままに煽られたくなる。
「…アッ、ん」
腰が勝手に後ろへとさらに突き出されて、ゆっくり入り込んでいたはずの悠有の熱を迎え入れていく。
勝手に中が収縮して、悠有を締めつけてしまう。
俺を抱きしめたままの右手が、さらに抱き寄せるように力がこもったと思った瞬間。
ズンッ! と最奥まで一気に挿し込まれ、思わずくぐもった声が出た。
「ぐ…ぅっっ」
中に入ってからカリの傘の部分が膨れたみたいに、触れないで欲しいところばかり擦っていく。何度も、強く。
ギュウギュウと抱きつきながら、悠有が囁く。
「…ごめんね? 瑞」
って、なんだか余裕ぶった声で。
「え…」
一瞬で頭がくらんだ俺とは対照的な声に、それしか返せない。
「ごめん…」
また謝る悠有。
やりすぎてるから? と思うのに、違うとも俺の中の誰かが言ってる気がして、なんとか正気を保てと顔を歪めた。
「大好き…」
ごめんねの次は、大好き、か。
「…んっ……ぁ、お…れも、好…ぃ」
頭がくらんだまま何とか伝えようとするのに、好きと伝えきれない。
「ん…。嬉しい…よっ」
俺の言葉へのお返しは、言葉と俺の中を激しくかき混ぜ続ける熱とで。
「……ご、めん…っ」
そしてまた、何かへの謝罪だ。
「…な、に?」
かろうじて言えたのが、たった二文字。
『何でさっきから謝ってるの?』
そう聞きたいのに、言葉にならないのと、声にならないのと、多分…まともな状態でも聞けたかわかんないのと。
ごめんねと言いながら、さっき同様にどこか余裕そうに笑む悠有の表情。噛みあっていない感じがして、なんて声をかければいいのか難しい。
(って、そんなことを考える余裕なんか、ホントはどっこにもないってのに)
獣同士の交尾のように、背中から覆いかぶさるようにして重なって、腰だけを打ちつけて。
――何度も。
――――何度でも。
肌が当たる音。ぐちゅぐちゅとはしたなく響く俺の中をかき混ぜる音。
鈍く体内で鳴る骨同士がぶつかるような音。
でも、なにより一番俺に響いてくるのは、背中から聴こえる気がする悠有の心音。
ドクドクドクドクと何度も速く、激しく、強く鳴り続けて、俺の背中から悠有の鼓動を知らせてる。
生きてる、と。
悠有は、ココニイルヨと。
頭がくらむと意識がどこかに飛びそうになって、頭の中の端っこの本当の端っこで違う何かを思い出してしまう。
そんな余裕、1mmもないのに。
こんな体調やメンタルの時なのに、本当にいいの? と俺は思ってた。
のに、悠有はそれを是とした。悠有の中では、正解だと。
逆にどうして? ダメ? と言わんばかりだった。この俺も認めてよと言われた気がした。ほんの一瞬だけど。
まるで悠有の叫びみたいで、臆した俺。
俺を自分のだって感じたいと言い、自分にだって性欲ってものがあると訴え、胸の内はその辺の男と一緒だと。好きな相手を抱きたいだけだって。そういう感情があるって。
(俺、過保護だったのかな。それとも、それとは別のところで悠有が今まで向き合ってきた体のことやいろんなことを、勝手に大げさに考えてしまってたのかな。それで、悠有は傷ついていた? 俺って男と同じようなものなんだって…。当たり前のことを、悠有に言葉にさせてしまっていたのか?)
触れてくる体は、ぶつけられる感情は、どこまでもただひたすらに真っ直ぐなだけだ。
(悠有が何に対して謝ってるのかわからないけど、今は悠有が伝えようとしていることをちゃんと聞いていよう)
聞き流さないで、悠有の叫びかもしれないソレを忘れないように……。
「ごめ…、も、イく…っ」
声にならないほどに揺らされ抉られ、それでも心も体も気持ちよくて。
「い…よ。イッ…って?」
覆いかぶさったままの悠有の耳元へ、顔を少しだけナナメ後ろへと向けて囁いた。
「…クッッ!!!!」
掠れた声で囁いた刹那、俺の中で悠有が震えた。
さっき吐き出したばかりなのに、なかなか射精が終わらない。ゴム越しにでも、ビクビクと震えているのを感じる。
俺の中で気持ちよくなってくれた。それがひどく切なく、そして嬉しい。
複雑な感情を抱きながら、肩の上に乗せてきた悠有の顔に小さくキスを落とす。
悠有の左頬に、かすかなリップ音をたててしたはずのキスなのに、お返しのキスのリップ音の数がおかしい。
「ちょ…っと、悠……有」
右頬に、右耳に、こめかみに…と行ったところで、今度は首をクルッと伝っていくように反対側へと触れるだけのキスをしながらズレていった彼。
左のこめかみにキスをしながら、ペロッと顔を舐めてから「しょっぱ…っ」と汗の感想をつけて。
「…バカ」
そう囁き、今度は右の頬へキスをお返しする俺。
「…重いでしょ? …ごめん。すぐ動け、な…」
俺に乗っかったままで、小声で囁いた悠有。
「悠有…?」
左腕を何とか動かして、悠有の腕をタップするみたいに軽く叩いてみた俺の耳に聞こえたのは。
「…すー……すー…」
寝息だ。
(完全に脱力しちゃうと重いな、いつもながら)
事後にはどっちかが起き上がれない、動けない、即・寝落ちする。
(今日は、悠有の方だったか)
俺の体も結構キツイ方だけど、悠有は体調とメンタルのどっちもがブレッブレな状態からのコレだったわけで。
「ん、しょ…っと」
悠有を背中に乗せた格好で、左腕を体に寄せて折りたたんでから、ググググーッと腕をベッドに突っ張って伸ばす。
すると左半身が少し起き上がり、背中を伝って悠有が俺の右側へずるずるとズレていく。
横向きで寝るほどまで体を起こせば、その時には悠有はベッドにゴロッと転がって仰向けになって口を開けて眠っていた。
大差ない身長、体重もそこまでは重くもない。多分、俺よりは軽かったはず。ただ、力が抜けきると、不思議なもんで普段よりも重く感じてしまうだけの話。
今日は俺がうつ伏せの格好から悠有を退かせなきゃいけない状態だったもんで、なおのことで重たさを感じた。その重たさは、妙な安心感を与えてくれたんだけどね。
俺にその身を預けてくれているんだっていう、他の誰にも譲れない場所を俺が持っているっていう…ね。
眠りについた悠有の寝顔は、いつになく穏やかで。
けれど、目の下にはひどい隈が出来ている。なかなか消えない。
近くにあったタオルで顔から順に、悠有がかいた汗を拭っていく。このままじゃ、風邪をひきかねない。また熱が出るかもしれない。
本当はあたたかいタオルでちゃんと拭いてやりたいが、俺も結構限界だ。単純に頭が回らないし、眠いし、疲れたし。
拭ける範囲内を何とか拭いて、自分も拭き、悠有にくっつくように横になってから薄手の布団を掛ける。
(明日の朝、仕事に行ける状態だといいけど)
悠有の手を取って、指の間に自分の指を挿しこむようにつなぎ。
「…元気に仕事に行けますように」
つないだ状態で口元へと近づけてから、彼の手の甲に口づけた。
さっきまでの悠有を思い出す。かなりボンヤリとした記憶ではあるけれど、悠有にしては珍しく自分の意見や願望めいた言葉を口にしてくれてた。
さっき言われた言葉を思い出して、よく考えてみれば、思ったよりもストレートな物言いだったことに気づいた瞬間、顔が熱くなった。
(悠有は俺のことが、本当に好き…なんだ、な)
疑っていたわけじゃなかったんだ、きっと。
でも、本当によかったのか? と、たった一回もよぎらなかったわけじゃなかったんだと自覚させられた。
飲み会の夜を経て、俺から体を開き、受け入れ、そのままそういう関係になった俺たち。
悠有の性格上、丸々流されたとも言えなくもない気がすると同時に、上手く甘えられない性格の悠有が、こっちにおいでと手を差し出す俺の方へと逃げ込んできたんじゃないか? と思わなくもなかったし。
心と体だけじゃなく、身内のことでも悩みを抱えていた悠有。
そこに都合よく俺って男がいて、ヘラヘラ笑って何のためらいもなく同じ職場の後輩に体を差し出すような上司でさ。
一緒にいる時間や空間は、俺にしてはらしくなくドキドキもしてきたし、他の誰にも感じたことがない複雑な感情も抱いたりもした。
それは、今まで寝てきた誰にも感じ得なかった感情。肌を重ねてきた相手から言われてきた言葉たちが、自分の中によみがえる。
”友達のラインを越えてほしかった”
”ちゃんと好きになって欲しかった”
”恋人になりたかった”
一方的にぶつけられてきた感情に、へらりと笑っていただけだった俺。
悠有とは、結果だけでいえば、あの夜だけで終わらせたくなかった。漠然としたあいまいな輪郭しか知らなかった感情につく名前を教えてくれたのは、悠有だ。
庇護欲なんてものは、自分には無縁かもしれないとどこかで思っていたはずなのに。
初めての夜の後に、義弟くんからの電話騒動があって。事情を確かめて、その後にセフレじゃなくて恋人になりたいと言い出したのは俺。
漠然と守りたくなったのは、この時が最初か。その後はその欲がどんどん加速していってしまうんだけど、それすらも悠有が相手だとウザくもなきゃ、重たくも感じなくて。
それまでの相手たちからクレームが出そうなほど、悠有だけを守りたいし、なんなら俺のことだけ信じてほしいと思うくらい。
(その感情にも名前をつけるなら、執着とかいうのかな)
なんて馬鹿なことを考えたりもしつつ、その行為の最中はむしろ逆に感じちゃいそうになる時があることを思い出す。
気持ちよさげに眠る彼のひたいに、もう一度手のひらを当ててみてほっと息を吐く。
少し時間が経ったけど、まだ熱っぽさはないよう。
(悠有が俺に執着してくれるとか、俺的には嬉しいかもしれない。…けど、きっとそこまで愛されるとか過去にもなかったから、そんな機会は訪れないかもな)
誰にもその手の感情を抱こうとすらしなかった俺に、そんなプレゼントみたいなことがあるわけない。
すこし汗で濡れている前髪を、指先で掬いとる。…と、まぶたがピクンと動いて一瞬息を飲んだ。
「…起き、なかった?」
まだ眠らせてあげたい。出来れば朝まで、ずっと。悠有が望みのままに、仕事ができる体調に戻せるよう。
今は閉じられている瞳は、ほんのちょっとだけ色素が薄めの茶色で。
ゆるくパーマのかかった髪が、その最中の時にはふわふわと揺れて、長めの前髪の隙間からのぞく瞳が薄く細められていると、そういう嗜好じゃないのに蔑まれているみたいで心臓が跳ねる。
キッカケは、この悠有のカラダを逃したくないなってところだったはずなのにな。たしか。
この彼のことを知れば知るほど、深みに嵌っていってるのは…俺の方、だよね。色事に慣れているはずの、俺の方。
楽しいこと。嬉しいこと。面白いこと。…だけを一緒に味わいたいわけじゃなく。
悲しいこと。苦しいこと。ツラいこと。…ばかりで、彼がうつむかないように、手を差し出せる場所にいたくて。
横で眠る彼が、寝て起きて、笑って「おはよう」と普通に言える日々に連れて行きたくて。
(――とか考えれば考えるだけ、俺がどれほど悠有をどう想っているのかを思い知る…な)
その感情を愛情というのなら、さっきのようにああいう感情を悠有が俺だけに見せてくれるのなら、受け止められる唯一でいたいと思った。
どうしてか本人にもわかってないようだけど、体調がこんな感じの時だって、普通に性欲に流されたくなる時もあるってことだろ?
「そういうのも、悠有…ってことだ。…そうだろ? 悠有」
他の誰でもない、俺がどの悠有も悠有なんだって認めてくしかない。
自分を”ボク”と呼ぶのも、悠有。さっき、わずかに違う誰かを感じたのだって、悠有の中の悠有の一部かもしれない。
シャワーを浴びながらも、悠有のことばかり考えて似たような話を思い浮かべてたっけ。
悠有と、これからがあるならば。
きっともっとずっと…悠有を想って、悠有のことばかりで悩んで、悠有だけに愛されたがって。そうして同じ答えにたどり着くんだろ?
悠有の方へともっと身を寄せて鼻先をくっつける様は、まるでキスみたいだ。
「どんな悠有でも…いいよ? 俺は」
聞こえてるはずがない。そう思ってても、伝えたかった。
「明日は、久々にホットサンドもいいかもな。冷蔵庫にあるものでテキトーに作れるしね」
最初に食べさせたのは、それだったはず。
初心に返る。
あの日の二人を思い出したいから、出してみよう。
(悠有、喜んでくれるかな)
かすかに残る汗のにおいに混じった、雄の匂い。
匂いに誘惑されないように、目をぎゅっとつぶった。
目をつぶったところで、呼吸をしてりゃ匂いが体に入り込むってわかってるくせに。
無駄な抵抗だと知ってても、体がじわりと反応してるって気づいてたって、今はただ悠有の寝息を一番近くで聞ける場所から離れたくなかった。
(矛盾なこと、してんのな…俺)
失笑しつつ、悠有の寝息を子守歌にして眠りに落ちていった。
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