それが恋だっていうなら…××××

ハル*

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~水無瀬side~


昨日の今日。

悠有を病院まで送ってから書店に向かい、内心では悠有を気にしつつもいつも通りに仕事をこなしていく。

本の入荷がないというだけの話で、実際やることがないわけじゃない。むしろ、そういう時にこなせることは多い。

時々レジカウンターの壁にかかっている時計を気にしては、昼休憩の時にでもメールを確認しなきゃと思ったりしつつ、時間になれば中間のレジ上げをして。

「水無瀬さん、支店の方から問い合わせあるんだけど」

「ん? どれ?」

支店同士でお客様からの問い合わせの本の在庫があれば、互いに協力し合って移動をかけるための連絡をしあって。

「あ…、これだったら明日にでも持って行けるよ。電話代わろうか?」

「お願いしていいです?」

「ん。じゃ、移動予定の本をレジに持ってきた後でいいから、一番のレジの中締め終わったから、三番の方を先に中締めしてもらってもいい?」

「了解です」

「……お電話代わりました。お疲れさまです。水無瀬ですが、さっき問い合わせがあった本なんですけど」

なんて感じで話を進めた後に、他に明日回るところがないかとかチェックして……っと。

(そういえば、あの店に行くのって久々かも)

ついさっき出来た予定の、支店への在庫移動。そこの店長は、大学の時の先輩にあたる人だ。

(甘い物が好きなのは変わらないのかな。明日、行く前にでもどっかで差し入れ買ってこうかなぁ)

悠有のことを気にしながらも、それでも仕事をしていれば頭の中はちゃんと仕事モードになっている。ぱちりとスイッチが切り替わるかのように。

そういうところがあるからだったのかな。職場で彼氏だ彼女だって結構いたけど、仕事に影響が出ない範囲だった気がしたのって。

上の人間からその辺のことで文句を言われたことはなかった…はず。

(そうじゃなきゃ、社内恋愛みたいなもんはやってられないよな)

その辺のことばっかり器用に育ってしまったのかもしれないな、俺って。

(いいんだから、悪いんだか)

そのうち時間になって、昼の休憩時間になる。

パートさんに声をかけて、遅めの休憩に入ってロッカールームへと急ぐ。

スマホを操作して、悠有の名前のメールを開く。

『病院終わった。悪いんだけど、瑞んちで寝させて』

内容にすこしホッとしてから返信を打つ。

『いいよ。終わったら買い出しして、急いで帰るよ。食べたいものあったらメールしといて』

なんてメールを送ってから、短い休憩時間で急いで昼飯を食う。

昨日はあの後あのレシピでゆで玉子を追加で茹でて、それを使った玉子サンドを作って持参した。

二度目には悠有にレシピを聞くこともなく、玉子を茹でられた。

(あのやり方、楽だったな。タイマーだけちゃんとどうにかしとけばいいし)

昨日のことを思い出しながら、玉子サンドを食んではペットボトルのコーヒーで流し込む。

(――――あの後、悠有のあの言葉の意味を聞けずに終わったっけ)

『これっぽっちしか食べられなくっても…それでよかったのにな』

一緒に食べたゆで玉子。懐かしげな声に聞こえたのに、表情は泣いているのを堪えているようにすら見えた。

悠有? と声をかけた俺にすぐに反応せず、ふた呼吸ほどの間の後に「どうかした?」と逆に聞いてきたほど。

なんとなくそのことを聞きにくくなって、ごまかすように病院まで送っていくことについての話なんかをしていた。

ささやかすぎるほどのお願いを、悠有が眠るまでいくつかきいてあげ。そのたびに浮かべた微笑みが、やっぱりどこか泣くのを我慢しているみたいで。

その間にも時々自分のことを”ボク”と呼ぶ悠有の姿を見つつも、そうなる条件を絞り込むことも出来ず。

どこかモヤっとしながら眠りについて、眠りがかなり浅かったみたいで早朝に目を覚ました俺。

その時間は確か…5時前。悠有はベッドの上で上半身を起こして、寝起きだからかボーッとしたまま座っていた。

声をかけてもすぐには気づかず、まだ夢の中だったのかなと感じながらウトウトしてたような…。

ゆで玉子のこと。”ボク”と自分を呼ぶ悠有の状態。これからの話。いろんなことを話さなきゃと思っていても、たった一言が喉の奥の方で詰まっているみたいだった。

(あの場にいたのが俺なんだから、唯一どうしたのかをきけたはずだったのに。どうしても……どうしても、聞けなかった)

昨日の悠有の悲しみを、苦しさを、切なさを……あれ以上増やすわけにはいかないと思っていたのもあったからではある。

(後悔先に立たずってやつだな。日にちが経てば経つほど、聞きにくくなるってわかってるのにな)

玉子サンドの最後の一口を口へと放り込むと、咀嚼しながら鏡の方へ。口元に何もついていないのを確かめてから、コーヒーをもう一口飲んだ後にロッカーに入れておく。

時計を見て、もう一度スマホをチェックしてから…と思ってスマホをいじったものの、触れなきゃよかったかもしれないと思った。

(悠有から返信が来てる。…そっちは後にしよう)

読んで気分が下がりそうなものは、出来れば先に読んでしまいたい俺。

電話番号で送信できる系統のメールの方に、一通のメールがきていた。

『小林だ。仕事が終わってからでいい。悠有くんに伝言を頼みたい。連絡をくれないか』

いたずらでもフィッシングでもなさそうだ。なんで俺の番号知ってるかな。気持ちが悪い。

(まあ、あの義弟くんの父親なんだから、何らかの手段は持っていそうだけどな)

あの義弟くんの父親であるけど、もう一人の義父でもある。…そうだ。

「悠有の…父親、なんだよな」

ふう…と短くため息をつき『遅くなるかもしれませんが、必ず連絡を入れます』と返信をしてから、次に悠有のメールを開く。

『瑞のパジャマ、貸して』

たった今見た、嫌なメールとの対比というか落差がエグすぎないか? 

その文面に、思わず頬がゆるむ。手のひらで口元を抑えていないと、声が出そうになった。

なんだ。

なんなんだ。

(俺の彼氏が可愛いことしか言ってこない)

悠有が言う俺のパジャマというと、多分…今朝脱いでベッドにほったらかしているやつのことだ。

それを着るのか抱いて寝るのかわからないけれど、そんなの可愛い以外になんて表現したらいい?

内緒で着るか抱いて寝るってことも出来ただろうけど、俺が帰宅するあたりに寝ているかもしれないとか思ったのか? どうせバレるなら…とかなんとか。

「あぁ…もう、こんなんで、誰かと付き合うの初めてとか…なんなんだよ」

うちの彼氏は、いろいろ抱えていたり複雑でデリケートな部分が多いけど、そんなの気にもならないほどに俺を惹きつけて離さないモノを持っている。…けど、当人は無自覚なんで当然気づきもしてない。

(絶対に他のやつには渡さないし、そういうところがあるってことを知られたくないな)

やっぱり悠有のメールを後にしておいて正解だったなと思いつつ、『好きにしていいよ』と返信をしてロッカールームを出る。

さっき思い出したように、悠有もかなり早い時間帯に起きていたんだ。そりゃ眠くなるだろう。ましてや病院に行ってきて、いろいろ疲れたりもしたってのもあるかもな。

短い時間でもいいから、とにかくちゃんと質のいい睡眠をとってほしい。

夜明けまで悠有に抱かれた時、俺がもっともっととせがんだばっかりに、寝不足すぎて仕事が終わった後は飯を食いながらウトウトしていた悠有。

俺が上に乗ったりもしていたって、朝まで起こしていたのは事実で。

(あれから、朝までコースは控えるようになったっけな)

さすがにマズいと思った俺は、悠有が今までの相手とはいろんな意味で考え方を変えて接しなきゃと真剣に考えるようになった。そのキッカケの出来事だ。

何度も肌を重ねていけば、互いにどこをどうすると気持ちがいいとかわかるようになってきたのが面白かったのも、朝まで二人で盛り上がった原因でもある。

ベッドの上だと、普段以上に素直で口が滑らかになる悠有。

抱かれているのに抱いているような錯覚をする時があるっていうのも、今までとは違っていいんだろうな。

(…早く帰りたい)

通院日。昨日から心身ともに疲れている悠有に、無体を強いるようなことをするつもりはない。

(けど、今日も泊まっていくなら、くっついて悠有を感じながら眠れるよな?)

“側にいるだけでもいい”

そう思える相手が出来るとか、これまで思ったことがない。

悠有には何もかもが初めてばかりで、どことなく引け目を感じている様子なのは知っている。

(――けど、俺にだって悠有からいろんな初めてを感じさせてもらっているんだよな)

悠有を思い出すと、胸の奥の深いところがあたたかくなって、時には痛みを感じて、愛おしくなって、抱きしめて頭を撫でてやりたくなって。

瑞と呼ばれると嬉しくて顔が自然とほころんで、肌を重ねていた方が気持ちもいいしいろんなマイナスの感情がなくなって心地いい。

ただただ、安心できてしまう。

その延長線に、快楽があるのと同時に、優秀な生徒は覚えがいいもんでいろいろ仕込みたくもなる。

その光景を誰かが見ていたら、きっとただイチャイチャしているだけだろ? と言われてオシマイのはず。

けど、たったそれだけのことがこんなにも俺を変えていった。

(誰かを変えることはこれまであったけど、変えられたことはなかったかもしれない)

思い出せば思い出すほど、悠有という彼氏との出会いは俺ばかりがいい思いをしている錯覚をしてしまうほど…幸せを感じさせてもらっている。

(だから、ってだけじゃないけど)

悠有にも、普通に幸せだなって思わせたい。感じさせたい。もう、悲しいことで満たしたくない。

恋愛をするっていうことは、誰かの幸せを祈ること。いつか悠有に勧められて読んだBLのセリフにあったっけ。

それがたとえ異性だの同性だのって括りなんかなく、人同士が好意を寄せあうってことはもっと単純なことでいいんだと思い知らされた。

結果的に俺たちが男同士だってだけの話であって、まわりが何か言ってきてもだからどうしたって言い返せばいいだけの話でもあって。

まわりの目や評価を気にしなきゃ、話はいたって簡単なんだとつくづく思う。

休憩が終わって事務所の方に行けば、店長が俺を待っていて、新しくバイトを二人ほど追加するとかでまた面接についての相談があった。

送られてきていた履歴書と、ウェブから応募されてきた履歴書と同等のものの情報を店長とみて、あれやこれやと話し合う。

「それじゃ、木曜から順次面接の方していきたいんだけど、面接可能時間がこうなってて」

面接予定者の方から送られてきた面接可能時間と、こっちの空き時間の調整をしながら横目で店長と一緒に面接予定の相手から書き込まれてきた相談したいことなどの内容について検討したり。

「この方のお子さんの保育園が、うちの店に近いとこなんですね…。だったら…」

「それじゃ、こっちの学生くんの時間帯は…」

店長と話を煮詰めながら、悠有が面接に来る前もこんな感じだったなと懐かしんでいた。

「…それじゃ、俺の方で書いておきますね」

「じゃ、よろしくね。水無瀬くん」

面接の時間帯とどこの誰かとか、ざっくりとした注釈付きの面接対象者の情報を表にして、店長がちょっとしたことを書きこめるように出来るシート状のものを作る。履歴書の情報とは別で。

面接がある時には大抵こっちに話が来るもんだから、書式は残してある。

後は情報を打ち込めばいいだけだから、そんなに時間もかからない。

「レジの方には、水無瀬くんがこっちにいるって言っとくね」

「お願いしますね、店長」

事務所のパソコンで順に打ち込んでいく。情報を簡単にし過ぎず、書き込みすぎず。その辺のバランスが難しい。

元々は俺がやっていた仕事じゃなく、明日向かう支店の方に移動になった先輩の仕事だった。

淡々と打鍵していき、その合間に声がかかればカウンターの方に顔を出して。

面接予定に日付で分けたものと、面接予定者が入りたいシフトで分けたものと、二つの表を作っていくつかの付箋を貼りつけて。

「あとは……っと」

面接用のファイルにそれらを挟んで、おしまい。

「こうしてやってみると、慣れたもんだな」

他の会社や店が面接時にここまでやるのかは知らないけど、これも順番に持ち回りのようにやることになる。

今の店長になってからやるようになったって聞いたけど、悠有もそのうち順番が回ってくるのかな。

「それともやっぱ……辞める、のか?」

昨日のことを思い出して、今日こそ話をしなきゃいけないなと頭の端に引っ掛けておく。

何気なく視界に入った時計は、まもなく夕方5時になろうとしている。

一昨日のこの時間には、あのバカ義弟がここに来ていたっけ。

悠有の義父が、義弟のことなんだろうけど何とかするような話をしていたのを思い出す。

(どうにかするって、どういう意味でなんだろうな。頭がよさそうに見えて、視野が狭そうなオッサンだったな)

悠有の母親を相当気に入っていたんだろう。義弟の話を鵜呑みにすれば、他にも再婚相手はいたかもしれないのに、義父が悉く潰していったっていうしな。

(恋は盲目、ってか)

親子二人して好きになった相手の感情を置き去りに、自分がしたいことだけに突っ走って成就しようとしてきた。

義父は悠有の母親に、義弟は悠有に。義弟の方は成就っていっても、したことになってなさそうだったけどな。

悠有の母親が義父が自分の知らないところでされていたことを知ったとしたら、どう思うんだろう。

(とはいえ、義弟みたいにひどく傷つけるような関係には見えなかった。一応大事にはしているのか…? いや、見えない部分に何があるのかなんて、当人以外にはなにもわからないってことを、一昨日知らされただろう?)

悠有と義弟。義弟と義父。悠有と義父。

互いに言葉をきちんと交わさないと伝わらないし、見えるはずもない感情がいくつもすれ違っていた。

義父が義弟をどうにかしたとしても、悠有はやっぱり一昨日告げたように、あの家にはもう…戻らないのか?

寂しがり屋で甘えん坊の悠有に、きっと本人が望んでいないだろうこれからの現実は…重くて寂しいものになるのかな。

(そういう感情ばかりにならないように、俺が…悠有を…)

カウンターに入って、夕方のレジ上げの報告を受けてから、遅番の今日のシフトリーダーに連絡事項を伝えて。

「で、これに関しては相手に連絡がついていないから、また時間見て電話一本入れてほしいんだよね。昨日、一回入れてるけど、夕方以降で改めて入れてほしいんだ」

定期購読のお客様で、最終的に全巻揃えると昔懐かしい車を組み立てることが出来るっていうやつだ。

現段階で、14巻まで取ってあって、結構なボリュームだ。

それをお客様がなかなか受け取りに来なくて、カウンターの裏にある棚の一部をかなり陣取っているのを指さしつつ、頼みごとを一つした。

「あー…やっぱり来てないんですね。受け取り。このシリーズって、めちゃくちゃ場所取るから、早めに来てくれるといいなぁ」

「まあねぇ。ただ、あれだよね。車ででも来なきゃ、今までの分を受け取りとか…厳しくない? 持って帰るの、無理だよね」

なんて、ちょっと笑いながら話もして。

「途中で受け取りに来ていたら、きっと楽だったんでしょうけど。…どうしたんでしょうね。最近、見かけてないからなー。どの時間帯にも顔出していたお客様だから、どの時間帯かに顔出ししていたら、誰かしら気づくだろうけど」

「ま、もしも来てても、持って帰ります? って聞きにくい案件ではあるよね? 物は多いし、まとめたら結構な金額になるし。…って、俺、そろそろあがるから。後はよろしくね」

「はい。おつかれさまでした!」

ロッカールームに急ぎ、約束した通りに悠有の父親に連絡をして。

「もしもし、水無瀬ですが」

淡々とした口調で電話を入れた俺に、悠有の義父が告げたのは事後報告。

「あのバカは、家から出した。いつ帰ってきてもいい」

「……は?」

思わずそう返した俺に「なにか不満か」と若干のイラつきを隠しもせず、言葉に乗せてきた。

「家から出したってだけじゃ、よくわかりませんよ。そんなことだけ伝えたって、彼の不安が解消されるはずがないでしょう」

自分よりもかなり年齢が上のくせに、やることが意味不明だ。

「言葉のままだ。それとも、たったそれっぽっちの内容ですら、悠有くんに説明が出来ないのかな? 君は」

自分がしたことだけが正しいとでも思っているような口調に、呆れた気持ちそのままにため息がもれた。

「それっぽっちだから、彼に言えないと言っているんです。逆にそれだけの情報で、なにをどうすれば彼が安心できると思っているのか……。扱いが雑過ぎませんか? それと、彼を…悠有を……バカにしてるんですか?」

俺がそう返せば「バカにしたことなどないが」と同じように呆れた感じの返事が来る。

(これは、本当に何が悪いのかわかっていないパターンだな。…さすが親子とでもいうか)

数回しか顔を合わせていない義弟の顔を思い出し、わずかばかりの同情をする。

「彼の義弟をどうしたんですか」

彼にだって生活があっただろう。

まったくの他人の俺ですら、チラッとよぎる。当たり前のことを。

「どうもしないさ。……語学勉強のために、留学させることにしただけだ」

物理的に距離を取らせたってことか。

でもそれで本当に何もかもが解決できたのかといえば、そういうことじゃないだろう。

ふう…と短く息を吐いてから、俺は悠有の義父に告げた。

「彼に伝言はします。ですが、それで彼が家に帰るかどうかは彼次第です。なにかを強制や強要させないでください。特に強制はしないでいただきたいですね」

悠有の心に、これ以上の傷を増やしたくはない。俺はそれを願うだけだ。

「……そう、か」

YESともNOとも取れない返事。

「彼の母親が悲しむのは、彼だけじゃなくご自身も見たくはないでしょう?」

他人の俺が言えるのは、この程度だ。

「…ああ」

結局返事らしい返事をもらうこともなく、義父の方から通話は切られた。

悠有に伝えると言いはしたものの、正直、言っていいのか…わからない。迷う。

ひとまず通話を終えて、後回しにしていた悠有からのメールを確かめた。

『雑炊食べたい。作れる?』

それだけのメールが来ていたのが、今から一時間前だ。

『今から買い出しして帰るよ。雑炊作れるよ』

とか返信したものの、店で俺が買うのはきっと雑炊の素だろうな。

一昨日みた、悠有の母親の姿。見栄を張らず、気取らず、グラタンのソースの素を使っていた。

どこぞの病院の医師の妻だなんて、俺の勝手なイメージだとさぞかしものすごい手が込んだ料理でも作っていそうなもんだ。それか、家政婦あたりがいるとか。

けど、悠有の母親にはそういった姿は見られなかった。

(無理をして出来ないことをして、失敗したものを食わせたくないのもあるけど、背伸びするとしたら一緒に背伸びして成功も失敗も共有したい)

悠有の母親から学んだ、自然な…あるがままの姿を思い出し、それを真似ることにしたんだ。

「さて…と、具材…何入れようかな」

ロッカーのドアを閉じて、車の鍵を手に…店を後にする。

帰宅して、悠有が自分のパジャマを着ているのか抱いているのかを確かめるのを楽しみにしながら。





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