94 / 96
久遠 14 ♯ルート:Sf
しおりを挟む~シファル視点~
奥歯を噛みしめる。
ギリギリッと自分の中から、歯が軋む音がするほどに。
遠巻きに見守っているひなの姿が、にじんで揺らいで見える。
ひなから話を聞いていたし、シューヤからも詳しい話は聞いていた。聞いていたからこそ、その背景を知っているがゆえに、胸が痛い。
もう帰りなよって、現段階で俺を知らないひなを誘うようにしてあの場所から連れ出してしまいたくなる。
ひなが待っている“友達”と思っている奴らは、用事が出来たってさって嘘を吐いて。
「……堪えて、シファル。魔力、多少残ってるんだから、感情に左右されたら同じことを繰り返すだけだよ」
シューヤは、時に残酷な言葉で俺の足を留める。
カルに嫉妬して、焦れて、無茶をしたことでかなりな魔力を失っていた俺。ひなと出会ったばかりの時の俺はそうだった。
その後、ナーヴやカルの協力もあってかなりな量まで戻せたけれど、元はといえば俺の心の問題が引き起こしたことだったわけで。
「…わかってる。…わかってるけど……でも、シューヤ………ひなが、寂しそうだ」
時間が経つごとにどこか不安げな表情になっていくひなは、足が痛いんだろうに同じ場所から決して離れない。
よく見れば、その時間をかなり過ぎた頃からひなの様子を俺たち以外にも見ている存在がある。
「あいつらなんだろ? ひなを苦しめたのは」
即死させていいなら、一瞬で土魔法で埋めてやりたい。二度と明るい場所で過ごせないように。ひなと同じ空気も吸えないように。
「ふ。…シファルは、物騒だなぁ」
俺の頭の中が見えたんだろうシューヤがそう笑うけれど、その視線の先は俺じゃなくてあいつらで。
その目はちっとも笑ってなんかなく、俺よりも速く、その命を刈り取られたことすら気づかせずに消してしまえそうな、そんな……。
俺がシューヤの頭の中を完全に把握することは出来ない。情報の共有をする時に開けてくれるか、念話の時に多少見るかどうかって程度。俺からは常に流れっぱなしみたいなもんだ。
だから怖くなった。もしも、今。シューヤの頭の中が全部見えていたら、どんな光景が見えていたのか…と。
「なぁんもしないよ? ……今はね」
ひなからひな自身に起きた話は聞いているけれど、ひなをこんな風に待たせたやつらのその後の話は聞いたことがない。
ひな自身は忘れたいことでもあるし、学校とかいうあいつらと嫌でも顔を合わせる場所には行かなくなったとも聞いていたから、情報を得ることもなかったんだろう。
でも、ふと思った。こんなシューヤを目の当たりにしてみて、シューヤが何もしないでいたはずがないとわかるだけに。
(たった今、目の前で聞いたもんな。今は何もしないって)
存在を消すのか別な意味で消すのか。シューヤなら、どうとでも出来るから、その先が気になるといえば気にはなる。
でも、きっと……後でひなが相手のことを気にかけた時に、悲しまない結末を選んでいる気はしているんだ。
「…あ。ひなが動いた」
シューヤのその声に、ひなの姿を目で追う。
するとひなと入れ替わるように、さっきまでひながいた場所にあいつらが集まって話し始めた。
そして、大したしないうちにひながさっきまでの場所に戻りかけて、奴らの会話を聞いてしまう。
ショックを受けながらも、あいつらを避けて移動してから、自分の兄貴への土産を買っている姿が見える。
「…ひな」
お祭りという場所では泣かないようにしているのか、顔色は酷く悪いのに、土産を買う時に相手に笑みを浮かべながら支払いをしている。
「シューヤ! ひなを追いかけなきゃ!」
すこし小高い河川敷とかいう場所で見守っていた俺が、駆け下りようとしたのに。
「ストップー!」
なんて言いながら、シューヤが俺の腕を思いきり後ろへと引っ張った。
ガクッと体が大きく揺れて、転びそうになる。
「追跡できるって言ってるだろ? それにまだタイミング的に早い。ひなが行く予定の場所まで、かなりゆっくり歩くから時間がかかるんだ。しかもここから離れた場所なんだ」
焦れったい気持ちのままに、今すぐ飛び出したくなる。
「っっっ…!!」
肩を抱いてこの腕の中に収めて、何も言わずに抱きしめてあげたい気持ちで胸がいっぱいになる。
「ダメだよ? 今はまだ、シファルはその場所には行かせてあげられない」
俺を止めようと、シューヤが俺の腕を強めにつかむ。
全てを見透かすその言葉に、無言で腕を振り払ってうつむいた。
「……そのままここにいて?」
そんな言葉をかけられたけど、動く気力もない。こぶしを思いきり握って、浮かびかけた涙をこらえる。
(本当に泣きたいのは、ひななんだから)
手のひらに爪が食い込み、チリッと痛みが走った。
こんな俺の姿を見たら、ひななら何も言わずにこのこぶしを解いてしまうんだろう。
「こんなことしたらダメだよ」
って言いながら、俺よりも痛そうな表情を浮かべて。
「お待たせ」
シューヤの声がして、と同時にいい匂いがした。
「はい、これ。とりあえずは、これを持って移動ね」
さっきひなが買っていたものと似ている?
「お好み焼きってやつね」
「…お好み焼き」
ひなと一緒似た時にこれに近いものを作ってくれたような、失敗してよくわからないものが出来たような。
「いい匂いがする」
そういいながら、袋をぶら下げながら並んで歩き出した。
歩きながら、この後の流れを簡単に説明される。
公園って場所でひなとシューヤは話をして、その後はシューヤの家=髪を切る店に向かうという。
あのあたりの地形はそこそこ覚えたので、もしもそこに戻れと言われたら何とかなる気はしている。
「…なんだけどね、シファル。俺とひなが俺んちに行ってる間、今から行く公園の方で待機。その間、それ食べてていいから。ただし、ひなと俺が話している間は、ひなから視認できないように阻害の魔法をかけるからさ。近くで話を聞くつもりなら、無言を貫くこと。それと、動かないこと。邪魔にならない場所にいること。それが出来ないんなら、公園から出た場所にいてよ。まあ、俺がひなに近づく時点でシファルに阻害の魔法はかけちゃうけど」
これからの話をされて、その状況を想像してみる。
正直、その時のひなのそばにいたい。何も出来なくても。その時のひなを救うのが、シューヤなんだとしても。
「……公園の外にいるよ、俺は」
それでも、俺はその流れの中にいない方がいいと思った。今の俺は、すこし離れた場所で見守るだけの存在。
再会するまで、近からず遠からずかかわる人間の一人でいる。
その気持ちを作っていくための、今日。
シューヤが俺をそばに置き、あえてひなのこの状況の中にいさせたのは俺のためだったんだな。
「ん。……じゃ、俺たちが公園を出て、100数えたあたりに阻害は解除になるようにしておくね。その後にお好み焼きを食べな?」
互いに無言で歩き続ける。俺はお好み焼きが入った袋を手に、ひなとシューヤの二人を見守る気持ちを整えていった。
っていっても、グラグラと揺れているけどな。公園に入らないと決めたのに、気にはなるし心配だから。
「…さ。着くよ、公園に。で…っと、ハイ。もう阻害かけたから、静かにね」
小声でそう告げながら、シューヤは公園の方へと足を速めて近づいていった。
俺はというと、公園という場所の入り口にある低めの囲いのような場所に腰かけて、公園の方に背を向ける格好になった。
二人の声がかすかに聞こえる。二人の会話とは違う場所から、公園のまわりにある家から楽しげな声が聞こえる。
この温度差はなんだろうな。
胸の中がギュッと痛む。
うつむく俺の横を、話が終わったらしい二人が通り過ぎていなくなる。
シューヤはこっちへ視線をよこしてから、微笑んで。そうして、またひなの方へ顔を向けて笑って。
ひなは、目の下がほんのり赤くなっていた気がする。泣いたんだよな? と思えるような顔だったのに、シューヤの横でシューヤにつられたみたいに笑ってて。
やがて二つの背中が見えなくなったあたりに、薄い膜が消えたようなパチンという音がした。
「阻害、解除になったか」
手のひらを何度も握っては開いてを繰り返し、息を長く長く吐き出した。
お好み焼きを手に、さっきまで二人が腰かけていたものの上に真似をして腰かける。
「さっきひながコッチにいたから、俺は…ここ」
ひなと並んで腰かけるような位置に、腰を下ろす。
「う…わ、なんだ…これ。グラグラする」
とっさに顔の両側にぶら下がっている鎖状のものに掴まる。
「お……おぉ……なんだこれ。不安定なイス?」
何とも言えない緊張感があるイスに腰かけたまま、お好み焼きを取り出して食べてみる。
箸の使い方は、シューヤに鍛えられていくらか使えるようにはなった。
「デカいままかじりつけばいいのか?」
けれど、箸で小さく分けるなんてワザは教えてもらっていないもんで、可能な方法で食べるしかない。
「あー……んぐ、んむ…っ! ん! んぐ…むぐ……なんかいろいろ入ってるな。野菜に…なんか麺? 玉子も入ってるか…」
かじりつきながら、すこしずつ消化していく。
ひなとの話が終わったら、シューヤが迎えに来るか何か知らせがあるだろう。
「さすがにほったらかしってことはないよな?」
なんて自分で言いながら、まさかな? とシューヤの性格を思い出してみて固まった。
「まさか……このまま放置なんてこと…」
まだ慣れていない場所。地理も把握しきっていない。正直なことを言えば、ここはどこだ? って感じだからな。
「勘弁してくれよ…シューヤ」
まだ確定していない未来を、何とか回避したい。どうせ聞こえてるんだろう? と思って、迎えを望む俺。
それでも結構な時間、ほったらかしにされた。
「本気でこのままここにいるしかないのか? あー…、ベッドで眠りたい。ここじゃない場所に行きたい」
遠い目をしながら、願いを順に呟く。
近くに水が出るところを見つけて、渇いた喉を潤す。
「…ぷは!」
勢いつけて飲んで、顔をあげてから口元をこぶしで拭った時だ。
(おまたせー。今からシファルの頭に方向指示が聞こえるようにするよ? 言われるがままに移動開始してぇー)
打ち合わせもない内容に、やれやれと思いながらも、帰れそうだとホッとする。
右だの左だの、本当に頭の中に方向を支持する声が聞こえ続ける。
歩いていくその途中から、どこか見慣れた道に入った気がして、首をかしげた。
おぼろげな記憶と案内を頼りに歩いていけば、次に警戒しながら左に曲がれという声がした。
(警戒しながら?)
謎の注意に、言われたようにそっと曲がる先の道を警戒した。
(…あ)
警戒して覗きこんだその先に見えたのは、ひながシューヤに送られて着いたんだろうひなの自宅で。
ひなの兄貴がシューヤを睨みつけながら、ひなから離そうとしているのが見て取れる。
ひなは今は兄貴の腕の中にいて、シューヤはひなに向けて「ひな、またね」と手を振っている。
そんなシューヤを追い払うようにしている自分の兄貴を腕の中から見上げ、それからシューヤの方へ顔を向け、ひながぎこちなくも微笑んで小さく手を振っていた。
シューヤがその場を去り、ひなが自分の兄貴の腕の中から解放された姿を見て目を瞠る。
(…髪、短く)
シューヤと一緒の時間で起きたことを思い出した。
(そういえば、髪を切ってもらったって)
出かける前の髪の長さを見ていただけに、その長さを切ったことへの驚きが隠せない。
貴族の令嬢は、基本的に髪の毛は長いことが多い。短いのは、男性だ。男性でもジークみたいに伸ばしているのもいたけど。
(かなり思い切った長さまで切っていたんだな)
髪を切った経緯と、その時の気持ち。それと、シューヤへの感謝を語っていたひなを思い出す。かなり昔の話だ。
「…似合ってるよ、ひな」
だからこそ、思う。
相手に言われたからじゃなく、自分で切ってもらうことを決めたひな。切るための勇気をシューヤに分けてもらったとも話していたひなを思えば、切った時の自分の姿は想像したくなかったのかもしれない。
それでも、あんな風に切ってみて、可愛く変身していた。
この後、人との関わりが減っていき、次の学校に入るまでにいろいろとひなの中でたくさん葛藤したと聞いている。
学ぶべき場所で学べなくなり、自分の兄貴を含めていろんな人に助けてもらった話も聞いている。
ひなとひなの兄貴が家の中に入っていったのを見て、ふぅ…と息を吐く。
これからが本当の意味で大変で、ひな自身との闘いの始まり…か。
「…あ」
そこで気づく。
「だから……俺?」
配信者について、シューヤから説明を受けた。そして、どうして勉強系の配信者なのかも。
後者の方はイマイチ納得いかない説明だったけど、この状況を見て、昔ひなから聞いた話を思い出していけば納得だ。
「俺……ひなを支えられる?」
直接じゃないけれど、ひなが頼れる場所を増やしてあげられるのかもしれない? その一端になれる?
「――――正解にたどり着くの、おっそ」
角を曲がらずに、結局は二人の姿を見送って、その後は考え事をして。
そうしている間に、シューヤが俺の近くまで来ていたなんて。
「あとは歩きながら話そうか、シファル」
そう言いながら先を歩き出したシューヤは、どこか満足そうに笑っていた。
「…あぁ。話してくれ、シューヤ」
ひなとの再会の前に、ひなを救う。支える。ひなの一部に…なりたい。
「じゃあ、まずは…この世界の勉強をしてもらわなきゃなんだけど、異空間にしばらく入っててもらおっかな」
意気込んだ俺の心を、シューヤの謎の発言がポキンと容易くへし折った気がする。
「え……? は? 異空間? 勉強?」
戸惑う俺に、シューヤは続けて告げる。
「時間の流れが違う場所で、ひなを支えるための勉強をするだけだよ。…ひなのためだもんね? 逃げたりなんかしないよね? シファル」
笑ってるけど笑ってないシューヤが「…出てきた」と思わずもらしてしまう圧をかけながらそこにいて、俺は黙ってうなずくほかなく。
「うん、シファルはイイコだねぇ」
ひなには優しい兄貴のような存在のシューヤは、俺にとってどんな存在だと表現していいのか迷っていた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――


我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

親友に裏切られ聖女の立場を乗っ取られたけど、私はただの聖女じゃないらしい
咲貴
ファンタジー
孤児院で暮らすニーナは、聖女が触れると光る、という聖女判定の石を光らせてしまった。
新しい聖女を捜しに来ていた捜索隊に報告しようとするが、同じ孤児院で姉妹同然に育った、親友イルザに聖女の立場を乗っ取られてしまう。
「私こそが聖女なの。惨めな孤児院生活とはおさらばして、私はお城で良い生活を送るのよ」
イルザは悪びれず私に言い放った。
でも私、どうやらただの聖女じゃないらしいよ?
※こちらの作品は『小説家になろう』にも投稿しています

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる