強制フラグは、いりません! ~今いる世界が、誰かの二次小説の中だなんて思うかよ! JKと禁断の恋愛するなら、自力でやらせてもらうからっ!~

ハル*

文字の大きさ
上 下
12 / 37

いつ、誰がこの恋をはじめた? 12

しおりを挟む


(ちょ…まて! それはさすがにマズいから!)

どうすりゃその映像が消えてくれるのかわからないのに、頭をぶんぶん振ってみる。

「……消えてくれって!」

まるで覗きでもしている気分になっちまうし、それになんか変な気分にも。

『あー…いやいやいやいや、違う、違う。ダメだ、こんなに早く体の関係になったら』

「そうそう!」

思わず、合いの手を入れてしまう俺。

まわりに誰もいなくてよかった。

パッと見、ただひとりごと言ってるだけのヤバイ教師だ。

『よし! 二択だ、二択にしよう。保健室は、もうちょっと関係が進んでから!』

関係が、進んでから…と言った。今。確かに。

『部室か、体育館か。話の展開的には、もうそろそろ彼女にあのセリフを。……うふふふ』

二択に落ち着いたらしいな、なんとか。

(って、あのセリフ?)

なんか、気になる言葉が飛び出した。

『…………さて、と。この恋を、はじめてもらいましょう…か』

間の隙に、何があったのか気になるところだが、問題はその後だ。

「恋を、はじめる…だと?」

俺の意思は無関係なのか。

どうすることも出来ないのか?

はあ…っと長く息を吐き出した俺。

作者は一時間後だと言った。

「だったら…」

この後の展開は、今はまだわからない。

「とりあえず、どうにかしてタバコ吸えねえかな」

冷静に考える時間が欲しくて、行きかけた職員室へ行かず、駐車場へと向かう。

そうして近くのコンビニの駐車場へ。

店内でなんの気なしに、小さな箱に入ったチョコを買う。

車内でタバコを吸って、煙と一緒にため息を吐き出して。

「……甘っ」

ビターじゃない、イチゴのチョコ。

口に放って、後悔した。

ちらっと時計をみて、ため息ついて…の繰り返し。

「このまま時間までここにいたら、話の展開はどうなっちまうんだろ」

とかなんとか、無駄なあがきをしようかとボヤく。

まもなく、あの声の通りだったら一時間後になるはずだ。

どうにかなればなと、心のどっかで軽く考えていた。

どこかに抜け道みたいな穴があったらとか思ってた。

――――けど。

「え…」

目の前の風景が、いきなり歪む。

こぶしで目を強めにこすってみて、目を開けた。

「マジ、かよ」

手品みたいだって思った。

茶色の床。

人気のない第二体育館。

さっきまでいた、コンビニの駐車場でも車の中でもない場所だ。

そこであの娘は、

「…えいっ」

一人、なぜかシュートを打っていたんだ。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...