1 / 37
いつ、誰がこの恋をはじめた? 1
しおりを挟む顧問をしている部活が休みの今日…のはずなのに、部室に明かりがついているのを遠巻きに確かめて、
「電気代かかるだろうが。また教頭に文句言われるの、俺なんだぞ。…ったく」
とかいいながら、部室へと向かう。
誰か中にいるのか、いないのに消し忘れか。
なんにしろ、今日はテスト前の部活中止期間。消し忘れなら、いつまでもつけっぱなしになる。
ドアノブに手をかけると、ひっかかりはない。
「まさかの鍵もかけ忘れとか」
そうぼやきながら、思いきりドアを開ける。
「……っと」
思いきり開けたドアが、あやうく近くにあるものにぶつかりかける。
開けたその場所ですぐさま視界に飛び込んできたものがあって、あわててドアを手元に引っ張った。
(あっぶな)
マネージャーの生徒。いわゆる、女子高生。
なんでか部室の机に突っ伏して、気持ちよさげに眠っている。
すぴーーーーとか言ってそうなほどに、気持ちよさそう。
テーブルの上には部で彼女が普段使っているノートと一緒に、テスト勉強でもしていたのか教科書やワークがこれでもかと積まれている。
図書館とかじゃなく、部室って。
夕暮れ。
すこしだけひんやりしてきた部室。
寝かしておきたいような、起こさなきゃいけないような。
どうしようかとあごに手をあてて、「ふむ…」とこぼす。
その次の瞬間、耳鳴りのように耳の中で音がした。
ピコン、と。
反射的に振り返る。どこから何の音がしたのかと思って。
何度かきょろきょろしてみても、それらしい気配がない。
(気のせい、か?)
そう思うことにして、さっきまで頭にあった問題にもう一度向き合う。
目の前にいる彼女をどうするか、だ。
と頭の中で考えた瞬間、さっきの音がする。
ピコンと。
さっき同様で、何から音がしているのかを探すものの、対象物が見つからない。
首をかしげていると、声がした。
『強制フラグを立てますか?』
と。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる