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部屋とYシャツのあなた※
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ワンルームの狭い部屋、似合わない大きさのベッド…それ以外はまだ何もない、俺たち以外は。
*******
窓から少し冷たい風が吹き込んで俺は目を覚ます…閉め忘れてたのか。
「ごめん、起こした?」
「ん…大丈夫。風が気になった。」
「あはっ…じゃあ声、漏れてたかもね?」
「…言うなし。」
薄いレースのカーテンの隙間から、月の明かりが部屋にチラチラと差し込んで、ベッドの縁に座る棗の薄く細い髪を煌めかせている。
「?どうした?」
「いや…綺麗だなって思って。」
見惚れてた。
一瞬キョトンとした表情を見せた棗だったけど、普段あまり言わないことを俺が言ったもんだから棗は嬉しそうにニッコリと笑っておでこにキスをして、額をすり合わせながら…
「もっと言ってくれていいよ?そしたら倍にして返したる。」
「な、つめの言うそれはエロいことの方だろ!」
「バレたか。」
額を離した棗はぺろりと舌を出してふざけたように笑った後、タバコに火を着けようとした。
「こぉら…部屋じゃ吸わない約束だろ?」
「はいはい…響はもう少し寝なよ?」
俺の頭を優しくぽんぽんして、ベランダに出ていった。
温かみの残る棗が寝ていた場所を手で這わせながら…やっと2人の時間が始まったんだと少しずつ実感していく。
けど、もしかしたら夢なのかも…とも思う。
このまま眠って、朝目が覚めたら、棗はいないんじゃないかなと不安になる。
「一緒にいられるよな…?」
口にするつもりのないはずの言葉が不意に漏れる。
ふわりと、タバコと棗のシャンプーの混ざった香りが風と共に流れてくる、俺の好きな匂いを感じて少し安堵した。
「んっ!はっ…?!」
突然耳たぶに、吐息と柔らかい唇の感触が触れて驚いた。
「ちょ…そこはダメだってっ…っぅ!」
「勝手にネガティブになってるからお仕置き…もう言わないって約束できるならやめるけど?」
耳たぶを甘噛し、首筋に向かって舌を這わせてゆっくりと味わうように舐めてくる。
「わかった、ごめん!もう言わないからぁ…!」
「ん、いい子。そんないい子の響にご褒美あげようね?んっ…。」
「んんっ…ふぅ…あっ…あぅっ!」
俺の上に馬乗りになった棗は俺の唇に噛み付いて…ちゅぷちゅぷとわざと音を立てながら舌を絡ませ、乳首を擦るように、くすぐるように愛撫してくる。
「はぁ…あはっ、やっぱりここ弱いねぇ、響?」
「誰のせいだと…思って…あぁんっ!」
「強くするより、やさしーくされるのが良いんだよねぇ…可愛いよ響…。」
こうなったらもう止められないし、俺も止まらない。全身が棗を求めているのがわかる…棗がベランダに出る時に着ただろうYシャツを、俺は無理やり脱がし始める。
「俺だってやられっぱなしじゃないから…!」
「お手並み拝見?っ…ん!」
棗を組み敷き、体制を変え、脱ぎかけのYシャツで両腕を背中で軽く拘束するような形を取って下半身を突き上げるように…
「もうこんなになってるじゃん…棗のスケベ。」
「そ、れは響が可愛いから…?あ、でも、こ、の体制、ちょっとキツイかも…はぁ…はっ。」
「それぐらいが好き…でしょ…!」
さっきもしてたから、潤滑剤はいらない…な。棗は俺のペニスをすんなり受け入れた。
ただ貪るように棗に俺を打ち付ける、激しく、グチュっグチっと擦れ合う音が…もっと俺を、昂ぶらせていった。
「あっ…ぁゔ!す、好き…!あっ!あっ!あっぁぁ!」
「ほ、ら…やっぱ好きじゃん…!はぁ…ぅっ!」
「好きは…ひ、びき、のこと…ら、からぁ!」
「っ!棗…っ!!」
棗が俺のものだとマーキングするかのように、棗の中でドクドクと脈を打ちながら果てる。
「ちょっ、と…響、やり過ぎ…。」
「ごめ…これ解くよ。んっ…ちゅ…。」
「ふはっ!くすぐったい…ははっ!」
しっとりと汗をかいている棗の背中にチュッチュッと軽くキスをしてあげる。毎回笑うのが楽しいんだ。
それから、お互いに仰向けになって天井を見つめる。少し火照りが冷めたところで…
「響って…俺よりやっぱスケベだと思うんだ。」
「…そんなことないし。強いて言うなら若さ?」
「なんだと~?俺が若くないってか?このぉ!」
「わーひゃぁ?!くすぐるなってばっ!」
なんて戯れて、くっついて…いつの間にか寝てた。
こんな幸せな日々が続けばって…棗に聞かれたらまた怒られそうだけど、そう思うのにはそれなりの事情はある。
だって俺と棗はー…。
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窓から少し冷たい風が吹き込んで俺は目を覚ます…閉め忘れてたのか。
「ごめん、起こした?」
「ん…大丈夫。風が気になった。」
「あはっ…じゃあ声、漏れてたかもね?」
「…言うなし。」
薄いレースのカーテンの隙間から、月の明かりが部屋にチラチラと差し込んで、ベッドの縁に座る棗の薄く細い髪を煌めかせている。
「?どうした?」
「いや…綺麗だなって思って。」
見惚れてた。
一瞬キョトンとした表情を見せた棗だったけど、普段あまり言わないことを俺が言ったもんだから棗は嬉しそうにニッコリと笑っておでこにキスをして、額をすり合わせながら…
「もっと言ってくれていいよ?そしたら倍にして返したる。」
「な、つめの言うそれはエロいことの方だろ!」
「バレたか。」
額を離した棗はぺろりと舌を出してふざけたように笑った後、タバコに火を着けようとした。
「こぉら…部屋じゃ吸わない約束だろ?」
「はいはい…響はもう少し寝なよ?」
俺の頭を優しくぽんぽんして、ベランダに出ていった。
温かみの残る棗が寝ていた場所を手で這わせながら…やっと2人の時間が始まったんだと少しずつ実感していく。
けど、もしかしたら夢なのかも…とも思う。
このまま眠って、朝目が覚めたら、棗はいないんじゃないかなと不安になる。
「一緒にいられるよな…?」
口にするつもりのないはずの言葉が不意に漏れる。
ふわりと、タバコと棗のシャンプーの混ざった香りが風と共に流れてくる、俺の好きな匂いを感じて少し安堵した。
「んっ!はっ…?!」
突然耳たぶに、吐息と柔らかい唇の感触が触れて驚いた。
「ちょ…そこはダメだってっ…っぅ!」
「勝手にネガティブになってるからお仕置き…もう言わないって約束できるならやめるけど?」
耳たぶを甘噛し、首筋に向かって舌を這わせてゆっくりと味わうように舐めてくる。
「わかった、ごめん!もう言わないからぁ…!」
「ん、いい子。そんないい子の響にご褒美あげようね?んっ…。」
「んんっ…ふぅ…あっ…あぅっ!」
俺の上に馬乗りになった棗は俺の唇に噛み付いて…ちゅぷちゅぷとわざと音を立てながら舌を絡ませ、乳首を擦るように、くすぐるように愛撫してくる。
「はぁ…あはっ、やっぱりここ弱いねぇ、響?」
「誰のせいだと…思って…あぁんっ!」
「強くするより、やさしーくされるのが良いんだよねぇ…可愛いよ響…。」
こうなったらもう止められないし、俺も止まらない。全身が棗を求めているのがわかる…棗がベランダに出る時に着ただろうYシャツを、俺は無理やり脱がし始める。
「俺だってやられっぱなしじゃないから…!」
「お手並み拝見?っ…ん!」
棗を組み敷き、体制を変え、脱ぎかけのYシャツで両腕を背中で軽く拘束するような形を取って下半身を突き上げるように…
「もうこんなになってるじゃん…棗のスケベ。」
「そ、れは響が可愛いから…?あ、でも、こ、の体制、ちょっとキツイかも…はぁ…はっ。」
「それぐらいが好き…でしょ…!」
さっきもしてたから、潤滑剤はいらない…な。棗は俺のペニスをすんなり受け入れた。
ただ貪るように棗に俺を打ち付ける、激しく、グチュっグチっと擦れ合う音が…もっと俺を、昂ぶらせていった。
「あっ…ぁゔ!す、好き…!あっ!あっ!あっぁぁ!」
「ほ、ら…やっぱ好きじゃん…!はぁ…ぅっ!」
「好きは…ひ、びき、のこと…ら、からぁ!」
「っ!棗…っ!!」
棗が俺のものだとマーキングするかのように、棗の中でドクドクと脈を打ちながら果てる。
「ちょっ、と…響、やり過ぎ…。」
「ごめ…これ解くよ。んっ…ちゅ…。」
「ふはっ!くすぐったい…ははっ!」
しっとりと汗をかいている棗の背中にチュッチュッと軽くキスをしてあげる。毎回笑うのが楽しいんだ。
それから、お互いに仰向けになって天井を見つめる。少し火照りが冷めたところで…
「響って…俺よりやっぱスケベだと思うんだ。」
「…そんなことないし。強いて言うなら若さ?」
「なんだと~?俺が若くないってか?このぉ!」
「わーひゃぁ?!くすぐるなってばっ!」
なんて戯れて、くっついて…いつの間にか寝てた。
こんな幸せな日々が続けばって…棗に聞かれたらまた怒られそうだけど、そう思うのにはそれなりの事情はある。
だって俺と棗はー…。
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