俺だけを見て俺だけを甘やかして!

パワフル6世

文字の大きさ
上 下
1 / 1

俺ってぽめがだったのーっ?!

しおりを挟む
ジリリリリリというけたたましい音で目が覚める。いつもなら朝日が眩しいのに、今日はなんだか暗い。
というか、むしろ真っ暗だ。

設定時間を間違えたか?いや、そんなことよりも早く止めなければ。

スマホがあるはずの方向に手を伸ばすが、見つからない。
もう少し上の方にあるだろうと思い、モゾモゾと這うが、やはりスマホを触った感覚は無い。いくら手を伸ばしても触れるのはふわふわの布団だけ。ヘッドボードにすら触れない。

そんなに下の方に寝たっけ?

そうこうしているうちに音が止まる。多分遥斗が止めてくれたのだろう。

「んー」なんて言いながら遥斗が布団をボスボスと叩く、5回ほど叩いただろうか、ガバッと起き上がったようだ。真っ暗で見えないからよく分からん。

「ひなちゃん?…雛汰?!」
どうやら俺を探しているらしい。俺はここにいるぞー

「キャンっ」

は?

「は?犬?」

犬?なんで犬の声がすんの?遥斗が連れてきた?にしては遥斗も驚いてるようだし、てか、どこから声が?

遥斗?どうなってんの?
「キャンっ、キャンっ」


「布団の中からか?」

ガバッと布団が剥がれ視界が一気に明るくなる。眩しくてしばらく目をシパシパさせる。やっと視界が戻ってきたと同時に遥斗と目が合う。おはよう遥斗!今日も可愛いな!ところで、犬の声がするんだけど、お前知らない?

「キャンキャンっ、キャン、クゥン?」


「は?なんで、ひなちゃんの服の中に犬がいんの?」

え?俺の服犬に取られてんの?!まじで?!

てか、今日めっちゃ目線が低い気がするんだけど。いつも遥斗を見上げてるっちゃ見上げてるんだけど、今日は異様に距離がある気がする。
 
遥斗が俺の方に両腕を伸ばす。おはようのハグか?いいぞ!ドンと来い!

ひょいっ

え?なんか持ち上げられたんですけど?俺そんなに軽くないはずなんだけど。下を見るとめっちゃ距離がある。ここから落ちたら…。確実にごーあうぇいだ。

はなせー!という思いを込めてじたばたする。

ん?視界に茶色いものがめっちゃ映り込んでんな。

「ちょっ、まっ、暴れんなってっ!…って急に大人しくなるじゃん…」


試しにみぎてをあげてみる。どう見ても茶色いし、毛深い。下を向くとモフモフのお腹と垂れたしっぽ。

…てことは、


俺が犬の正体?!

俺って人間だったよな?犬じゃなかったよな?

「キャンキャンっ!キャウン!」

「もしかして、ひなちゃんなの?」

おっ、さすが頭の回転が早いな!俺の遥斗はやっぱり天才だな!

「キャンっ」

肯定の意味を込めて返事する。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

yuki
2024.12.13 yuki

ポメガバースってなんですか?初めて聞いたんですが

解除

あなたにおすすめの小説

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目

カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

【幼馴染DK】至って、普通。

りつ
BL
天才型×平凡くん。「別れよっか、僕達」――才能溢れる幼馴染みに、平凡な自分では釣り合わない。そう思って別れを切り出したのだけれど……?ハッピーバカップルラブコメ短編です。

俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ
BL
☆完結済みです☆ 番外編として短い話を追加しました。 男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ) 中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。 一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ) ……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。 て、お前何考えてんの? 何しようとしてんの? ……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。 美形策士×純情平凡♪

総長の彼氏が俺にだけ優しい

桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、 関東で最強の暴走族の総長。 みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。 そんな日常を描いた話である。

罰ゲームで告白したら、一生添い遂げることになった話

雷尾
BL
タイトルの通りです。 高校生たちの罰ゲーム告白から始まるお話。 受け:藤岡 賢治(ふじおかけんじ)野球部員。結構ガタイが良い 攻め:東 海斗(あずまかいと)校内一の引くほどの美形

6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

あめ
BL
何度も殺されては人生のやり直しをする第二王子がボロボロの状態で今までと大きく変わった7回目の人生を過ごす話 基本シリアス多めで第二王子(受け)が可哀想 からの周りに愛されまくってのハッピーエンド予定

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。