異世界に飛ばされたBA(男)の受難

 外資系コスメブランドのビューティーアドバイザー、いわゆるBAとして働く 鴇藤 蓮(ときとう れん)24歳、彼女なし。
 彼は、帰宅途中に突然発光した女子高生を目撃する。
明らかな異常事態に固まっていると、助けを求めた女子高生に腕を掴まれてーーーーーー、
気が付けばローマ神殿の様な建物の中に居た。

「え〜っと、ここ何処…でしょうか。あ、サプライズ? ドッキリ的な。カメラどこ」

「ようこそ、おいで下さいました! 聖女様っ」

「あれ、聞いてます? ねえ、お願い、無視しないで。置いてくの? 嘘だろ、美少女JKにしか興味ないってか!撮れ高か、フツメンはお呼びじゃないってか⁉︎ 」


 聖女召喚の儀式に巻き込まれた彼には、仕事道具と財布、ガラクタと化したスマホが入った鞄だけが残された。


「どうするんだ、これ。とりあえず衣食住を確保しないと」
「レンさん、冒険者だと手っ取り早く稼げますよ」
「無理です。戦闘力ゼロなんで」
「では、得意な事とか、スキルとかは」
「化粧が得意です」
「え゛」
「え? あ、人にね!俺じゃないですよっ 」
「あっああ〜、そうですか、へ、へえ〜」


 何故か自動で補充される仕事道具を手に、異世界で居場所を求めて、彼は模索するーーーー。
 

 そして、彼と関わった者達にも徐々に変化が訪れる。


「ありがとう。あなたに会えて良かった」
「すまない。あの子を頼む」




*誤字や文字化けがありましたら、教えて頂けると嬉しいです。
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