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第77話 やっとスタート地点
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菜松「キラリさん、私もあなたと同じように挫折しかけたことがあります。でも、あの時私を絶望の淵から助け出してくれた方がいました。今はその方のお陰で私は全く別人に生まれ変わり、今ではこの大企業グループで人材育成の一端を担うまでに押し上げて頂きました。
ここ“FutureTycoon”は多種多様な分野で人材育成を行う会社です。芸能界を目指す者、アーティスト、大企業の基礎教育、それこそありとあらゆる分野です。
なので生半可な覚悟では最終認定証は受け取れません。茶道、華道、舞踊はもちろん、幅広い知識教養、少なくとも英語も堪能でなければなりません。教育係の者は皆プロですから……
そしてそのプロの中でも一目置かれているお方がマニアさんなのです……」
キラリはそれを聞いて絶望する。
キラリ「じゃあ尚更私なんか合格させてもらえないじゃん!」
菜松「いいえ、それは違いますよ。あなたは今試されてるのです。本当にこの大企業グループのトップ……その頂点になる方の夫人に相応しいかどうか……
きっと翼様も人には計り知れない程のプレッシャーを感じていることでしょう………きっと………今ごろ辛く険しい道のりを歩んでおられるはずですよ……
そんな辛く苦しい人生を選んだのは何の為かキラリさんにはおわかりですか?」
キラリ「菜松さん……」
菜松「あなたは一人で悩み苦しんでおられるとお思いですか?」
キラリ「………………」
菜松「さぁ、お気づきになられたのなら一緒に行きましょう。まだ間に合います。」
キラリ「いや……だけど……」
菜松「キラリさん?何も心配要りませんよ!全部私に任せて」
菜松はキラリの手を引いて例の部屋へ戻っていく。
キラリ「菜松さん……やっぱ私自信無いよ……」
菜松「その弱音は翼様の前で言って下さい……きっとさぞかしガッカリされることでしょう……」
菜松は部屋のドアをノックしドアを開けた。
菜松「失礼します」
そう言ってキラリを部屋の中へと引きずり込む。
菜松はマニアの前まで移動し、深々と頭を下げて挨拶した。
菜松「マニアさん、キラリさんにもう一度機会をお与え下さい。キラリさんは必ず最後までやり遂げます!この菜松の席を賭けてお頼み申し上げます……」
マニア「菜松さん、それは本気?」
菜松「はい、もちろん二言はございません。キラリさんは翼様にとって絶対に必要な方でございます。もしここでキラリさんにチャンスを与えなければ、必ず私達にも多大な損害をもたらすことになるでしょう……」
マニアはしばらく考えて
マニア「良いでしょう……しかし、もう二度と口ごたえは許しません!キラリさん、あなたにその覚悟はおありで?」
キラリが何かを言いかけたそのとき、菜松が割って入って
菜松「私が責任を持って約束致します!」
キラリ「菜松さん……」
菜松「キラリさん、私の命運はあなたに掛かってます。言わば私とあなたは運命共同体なのです。必ずやり遂げて下さいね」
そ……そんなぁ……そんなの強迫じゃん!
トホホ……
その日キラリはマニアの厳しいレクチャーを受け、精神的にボロボロに疲れ果てていた。
部屋を退室してホッと息をつき、トボトボと廊下を歩いていると菜松がキラリを見つけ駆け寄ってきた。
菜松「キラリさんお疲れ様でした。どうでしたか?」
キラリ「………菜松さん……私ほんとに自信が無いよ……菜松さんが私に賭けてくれるのは凄く嬉しいんだけど、私……菜松さんの期待に応えられるかどうか……」
菜松「いいえ、あなたなら必ずやり遂げられるでしょう。何故ならその先に得るものがあまりにも大きいからです!」
キラリ「菜松さん……」
菜松「翼様も今のあなたと同様に一つの目的の為に人一倍苦労されてますよ……」
キラリ「うーん……」
~小山内家~
“ピンポーン”
美麗がインターホンを鳴らす。
薫はカメラで相手を確認してから玄関ドアを開けた。
薫「あら、いらっしゃい!」
美麗「突然押しかけて申し訳ございません。あの、少しよろしいですか?」
薫「えぇ、どうぞ!」
美麗は家の中へと通された。
美麗「あの、キラリちゃんはその後どうですか?元気にされてます?」
薫「うーん……色々と大変みたいだけど、何とか頑張ってるわね」
美麗「そうですか。実はキラリちゃんにサプライズをご用意したんです!」
薫「サプライズ?」
美麗「えぇ!きっと凄く喜んで頂けるかと」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
薫「えぇ!?それは凄いわねぇ!!!翼もなかなかやってくれるじゃないの!」
美麗「ですから必ずキラリちゃんを……」
薫「えぇ、任せておいて!わざわざありがとう!」
ここ“FutureTycoon”は多種多様な分野で人材育成を行う会社です。芸能界を目指す者、アーティスト、大企業の基礎教育、それこそありとあらゆる分野です。
なので生半可な覚悟では最終認定証は受け取れません。茶道、華道、舞踊はもちろん、幅広い知識教養、少なくとも英語も堪能でなければなりません。教育係の者は皆プロですから……
そしてそのプロの中でも一目置かれているお方がマニアさんなのです……」
キラリはそれを聞いて絶望する。
キラリ「じゃあ尚更私なんか合格させてもらえないじゃん!」
菜松「いいえ、それは違いますよ。あなたは今試されてるのです。本当にこの大企業グループのトップ……その頂点になる方の夫人に相応しいかどうか……
きっと翼様も人には計り知れない程のプレッシャーを感じていることでしょう………きっと………今ごろ辛く険しい道のりを歩んでおられるはずですよ……
そんな辛く苦しい人生を選んだのは何の為かキラリさんにはおわかりですか?」
キラリ「菜松さん……」
菜松「あなたは一人で悩み苦しんでおられるとお思いですか?」
キラリ「………………」
菜松「さぁ、お気づきになられたのなら一緒に行きましょう。まだ間に合います。」
キラリ「いや……だけど……」
菜松「キラリさん?何も心配要りませんよ!全部私に任せて」
菜松はキラリの手を引いて例の部屋へ戻っていく。
キラリ「菜松さん……やっぱ私自信無いよ……」
菜松「その弱音は翼様の前で言って下さい……きっとさぞかしガッカリされることでしょう……」
菜松は部屋のドアをノックしドアを開けた。
菜松「失礼します」
そう言ってキラリを部屋の中へと引きずり込む。
菜松はマニアの前まで移動し、深々と頭を下げて挨拶した。
菜松「マニアさん、キラリさんにもう一度機会をお与え下さい。キラリさんは必ず最後までやり遂げます!この菜松の席を賭けてお頼み申し上げます……」
マニア「菜松さん、それは本気?」
菜松「はい、もちろん二言はございません。キラリさんは翼様にとって絶対に必要な方でございます。もしここでキラリさんにチャンスを与えなければ、必ず私達にも多大な損害をもたらすことになるでしょう……」
マニアはしばらく考えて
マニア「良いでしょう……しかし、もう二度と口ごたえは許しません!キラリさん、あなたにその覚悟はおありで?」
キラリが何かを言いかけたそのとき、菜松が割って入って
菜松「私が責任を持って約束致します!」
キラリ「菜松さん……」
菜松「キラリさん、私の命運はあなたに掛かってます。言わば私とあなたは運命共同体なのです。必ずやり遂げて下さいね」
そ……そんなぁ……そんなの強迫じゃん!
トホホ……
その日キラリはマニアの厳しいレクチャーを受け、精神的にボロボロに疲れ果てていた。
部屋を退室してホッと息をつき、トボトボと廊下を歩いていると菜松がキラリを見つけ駆け寄ってきた。
菜松「キラリさんお疲れ様でした。どうでしたか?」
キラリ「………菜松さん……私ほんとに自信が無いよ……菜松さんが私に賭けてくれるのは凄く嬉しいんだけど、私……菜松さんの期待に応えられるかどうか……」
菜松「いいえ、あなたなら必ずやり遂げられるでしょう。何故ならその先に得るものがあまりにも大きいからです!」
キラリ「菜松さん……」
菜松「翼様も今のあなたと同様に一つの目的の為に人一倍苦労されてますよ……」
キラリ「うーん……」
~小山内家~
“ピンポーン”
美麗がインターホンを鳴らす。
薫はカメラで相手を確認してから玄関ドアを開けた。
薫「あら、いらっしゃい!」
美麗「突然押しかけて申し訳ございません。あの、少しよろしいですか?」
薫「えぇ、どうぞ!」
美麗は家の中へと通された。
美麗「あの、キラリちゃんはその後どうですか?元気にされてます?」
薫「うーん……色々と大変みたいだけど、何とか頑張ってるわね」
美麗「そうですか。実はキラリちゃんにサプライズをご用意したんです!」
薫「サプライズ?」
美麗「えぇ!きっと凄く喜んで頂けるかと」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
薫「えぇ!?それは凄いわねぇ!!!翼もなかなかやってくれるじゃないの!」
美麗「ですから必ずキラリちゃんを……」
薫「えぇ、任せておいて!わざわざありがとう!」
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