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第73話 不協和音
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~翌日放課後~
シルバーの高級車が校門の前に停まっており、キラリを迎えに来ていた。
キラリは友達想いな凜花に見送られ車に乗り込み、そしていつも通り高層ビルの一室、壁が鏡張りの部屋へ通され長テーブルの椅子に腰を下ろして待っていた。
キラリは密かに菜松に会えることを楽しみにしていた。
恋心とはまた違う感情だが、何故か一緒に居る時間は胸がときめいてしまう。それがどうしてなのかキラリ自身不思議であった。
ドキドキしながら待っていると、
“コンコン”
と部屋をノックする音が聞こえキラリの胸の高鳴りがピークを迎えた。
菜松さん……
しかしキラリの目の前には、中年を少し上回るぐらいの年齢の女性が立って礼儀正しくお辞儀をしてカツカツとキラリに近付いてきた。
それを見たキラリはヒューーーーーッとまるでジェットコースターが急降下するかのような錯覚に陥る。
中年女性はオールバックで眼鏡をかけており、少し長めの黒髪を後ろで縛り、顔立ちは鼻筋が通って高く彫りが少し深い。目には優しさなど欠片も感じさせぬ冷たさを感じる。菜松以上に知的な感じはするが、しかし菜松以上にクール……いや、冷徹という表現の方が正しく、まるで何かに対して怒っているかのような不機嫌そうな面持ちでキラリをジロジロと見つめている。
中年女性「どうも初めましてマニア・ル・ドーリーです。よろしく…」
えっ!?日本人じゃないの!?
大丈夫!?私全然英語とかわかんないよ!!
キラリ「あ……え~っと……ハ……ハァイ……」
マニアは目を見開き眉根を吊り上げて、フーンッと鼻息を荒くしてキラリを睨み付けるように見てから
マニア「今日から!!!あなたの語彙力をしっかり身に付けるべく担当になりましたマニアです!!!よろしく!!!」
マニアの物凄い剣幕と威圧感に圧倒されキラリは後ろにのけぞりそうになる。
キラリ「あっ……ごめんなさい……あの……てっきり日本語が……その……」
マニア「ご配慮下さってどうもありがとう!!!ですがご心配なく!!!」
キラリとマニアの互いの第一印象は最悪のものとなった。
なんだよこいつ……はなからケンカ腰で……絶対こいつとは仲良くなれる気がしねぇ……
どうして菜松さんじゃないの?
キラリ「あ……あの……菜松さんは?」
マニア「何ですか!ここからの担当はこのマニアが承っておりますが、何かご不満でも!?」
キラリ「あっ……いや……不満?……ていうか……」
マニア「これは遊びではありませんので!!!」
いったい何怒ってんだよ……訳わかんねぇよ……
マニアは探偵がまとめたキラリの情報の資料をペラペラめくりながら
マニア「あなたは……いったいなぜ翼坊っちゃんの夫人候補としてあげられたんでしょう……全く持って理解出来ない……この件がどれ程大きな意味を持っているのか、あなたが理解出来ているとは到底思えません!!!」
そう言って立ち上がり、キラリをねめ回すように見ながら一周した。
んな事私だって知らねぇよ!何なんだよこの人!
マニア「まぁ、良いでしょう……私は決して甘い採点は致しません!私が合格基準に達していないと判断すればあなたは翼坊っちゃんの夫人にはなれません!そこを肝に銘じておくように!」
ちょっ……はぁ!?なに!?全部あんたが決める事なの!?そんなの聞いてねぇって!
マニア「何ですかその顔は!!何か不満でもおありで!?」
キラリ「いや……別に……」
マニア「そうですか。ではお時間の無駄なのでさっそく本題に入らせて頂きます。先ず社長夫人たるもの常に気を引き締め一瞬たりとも油断してはいけません!まして大企業の夫人なのです!品位、品性、品格……これからあなたは常にそれらを問われることになるのです!全く別人に生まれ変わるということなのです!もし覚悟がお有りで無いのなら今すぐ辞めて頂いてけっこうです!私も暇ではありません。途中で簡単に投げ出すぐらいでしたら早く決断して頂いた方が私としては有り難いお話しですから……」
キラリ「やるよ!やってやろうじゃない!」
キラリはつい売られたケンカを買ってしまうような言動に走ってしまった。
マニア「まあ!!!なんてお下品な口の聞き方なんでしょう!最初からこれでは先が思いやられてしまうわ……」
マニアはおでこに手を当て首を振っている。
キラリ「そっちだって言葉は綺麗だけど言ってることは私とそう変わらないじゃん!」
マニア「ハァ……あなたは先程私が言った言葉をまるで理解してないようですね……生殺与奪の権利は私の方にあるのですよ!?そうやって私に対して口ごたえをするのは全てマイナスにしかなりません!」
そう言って腕時計に目をやる。
マニア「あ~時間が勿体ない!もう既に10分無駄に浪費してしまいました!ま、どうせすぐに投げ出すんでしょうけど、とりあえずこれも私のお仕事ですから一応やってみましょう……はぁあ……」
キラリは散々コケにされて怒り心頭に発したが、不意に翼の言葉が頭を過ぎった。
キラリ……お前は俺にとって特別な存在なんだ……
翼……翼……また翼に会いたい……
またずっと一緒に居たいよ……
シルバーの高級車が校門の前に停まっており、キラリを迎えに来ていた。
キラリは友達想いな凜花に見送られ車に乗り込み、そしていつも通り高層ビルの一室、壁が鏡張りの部屋へ通され長テーブルの椅子に腰を下ろして待っていた。
キラリは密かに菜松に会えることを楽しみにしていた。
恋心とはまた違う感情だが、何故か一緒に居る時間は胸がときめいてしまう。それがどうしてなのかキラリ自身不思議であった。
ドキドキしながら待っていると、
“コンコン”
と部屋をノックする音が聞こえキラリの胸の高鳴りがピークを迎えた。
菜松さん……
しかしキラリの目の前には、中年を少し上回るぐらいの年齢の女性が立って礼儀正しくお辞儀をしてカツカツとキラリに近付いてきた。
それを見たキラリはヒューーーーーッとまるでジェットコースターが急降下するかのような錯覚に陥る。
中年女性はオールバックで眼鏡をかけており、少し長めの黒髪を後ろで縛り、顔立ちは鼻筋が通って高く彫りが少し深い。目には優しさなど欠片も感じさせぬ冷たさを感じる。菜松以上に知的な感じはするが、しかし菜松以上にクール……いや、冷徹という表現の方が正しく、まるで何かに対して怒っているかのような不機嫌そうな面持ちでキラリをジロジロと見つめている。
中年女性「どうも初めましてマニア・ル・ドーリーです。よろしく…」
えっ!?日本人じゃないの!?
大丈夫!?私全然英語とかわかんないよ!!
キラリ「あ……え~っと……ハ……ハァイ……」
マニアは目を見開き眉根を吊り上げて、フーンッと鼻息を荒くしてキラリを睨み付けるように見てから
マニア「今日から!!!あなたの語彙力をしっかり身に付けるべく担当になりましたマニアです!!!よろしく!!!」
マニアの物凄い剣幕と威圧感に圧倒されキラリは後ろにのけぞりそうになる。
キラリ「あっ……ごめんなさい……あの……てっきり日本語が……その……」
マニア「ご配慮下さってどうもありがとう!!!ですがご心配なく!!!」
キラリとマニアの互いの第一印象は最悪のものとなった。
なんだよこいつ……はなからケンカ腰で……絶対こいつとは仲良くなれる気がしねぇ……
どうして菜松さんじゃないの?
キラリ「あ……あの……菜松さんは?」
マニア「何ですか!ここからの担当はこのマニアが承っておりますが、何かご不満でも!?」
キラリ「あっ……いや……不満?……ていうか……」
マニア「これは遊びではありませんので!!!」
いったい何怒ってんだよ……訳わかんねぇよ……
マニアは探偵がまとめたキラリの情報の資料をペラペラめくりながら
マニア「あなたは……いったいなぜ翼坊っちゃんの夫人候補としてあげられたんでしょう……全く持って理解出来ない……この件がどれ程大きな意味を持っているのか、あなたが理解出来ているとは到底思えません!!!」
そう言って立ち上がり、キラリをねめ回すように見ながら一周した。
んな事私だって知らねぇよ!何なんだよこの人!
マニア「まぁ、良いでしょう……私は決して甘い採点は致しません!私が合格基準に達していないと判断すればあなたは翼坊っちゃんの夫人にはなれません!そこを肝に銘じておくように!」
ちょっ……はぁ!?なに!?全部あんたが決める事なの!?そんなの聞いてねぇって!
マニア「何ですかその顔は!!何か不満でもおありで!?」
キラリ「いや……別に……」
マニア「そうですか。ではお時間の無駄なのでさっそく本題に入らせて頂きます。先ず社長夫人たるもの常に気を引き締め一瞬たりとも油断してはいけません!まして大企業の夫人なのです!品位、品性、品格……これからあなたは常にそれらを問われることになるのです!全く別人に生まれ変わるということなのです!もし覚悟がお有りで無いのなら今すぐ辞めて頂いてけっこうです!私も暇ではありません。途中で簡単に投げ出すぐらいでしたら早く決断して頂いた方が私としては有り難いお話しですから……」
キラリ「やるよ!やってやろうじゃない!」
キラリはつい売られたケンカを買ってしまうような言動に走ってしまった。
マニア「まあ!!!なんてお下品な口の聞き方なんでしょう!最初からこれでは先が思いやられてしまうわ……」
マニアはおでこに手を当て首を振っている。
キラリ「そっちだって言葉は綺麗だけど言ってることは私とそう変わらないじゃん!」
マニア「ハァ……あなたは先程私が言った言葉をまるで理解してないようですね……生殺与奪の権利は私の方にあるのですよ!?そうやって私に対して口ごたえをするのは全てマイナスにしかなりません!」
そう言って腕時計に目をやる。
マニア「あ~時間が勿体ない!もう既に10分無駄に浪費してしまいました!ま、どうせすぐに投げ出すんでしょうけど、とりあえずこれも私のお仕事ですから一応やってみましょう……はぁあ……」
キラリは散々コケにされて怒り心頭に発したが、不意に翼の言葉が頭を過ぎった。
キラリ……お前は俺にとって特別な存在なんだ……
翼……翼……また翼に会いたい……
またずっと一緒に居たいよ……
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