56 / 80
第55話 最悪の女
しおりを挟む
キラリは男に促されるままにホテルの中へ入る。
このドアの向こうには………本当に翼が居るの?
翼………
今度こそちゃんと伝えなきゃ………
私の気持ち………
私の想い………
やっぱり私は翼が居なきゃダメだよ………
キラリは翼に会える期待感で完全に周りが見えなくなってしまっていた。
男が先にドアを開けてキラリを先に部屋の中へ入れる。
そして男がキラリの後ろでドアを閉めて
謎の男「翼?翼?」
男が声をかけたが部屋の中は静まり返っている。
キラリ「翼は?翼は居ないの?」
謎の男「もしかしたら………少し遅かったのかも知れない………」
キラリ「それは………どういうこと?」
謎の男「俺がキラリちゃんを探しに行ってる間に………」
キラリは期待を裏切られた喪失感に打ちのめされる。
キラリ「そんな………そんな………やっと会えると思ったのに………今度こそ………ちゃんと………」
キラリはその場に泣き崩れてしまった。
どうして………どうしていつもこうなるの?
どうしていつも上手く行かないの?
神様はきっと翼を連れてきてくれると信じてたのに………
謎の男「キラリちゃん………行こうか………」
男は優しくキラリの肩を抱えて立ち上がらせ、肩を抱きながら部屋を出る。
そして男はこのホテルを出て
謎の男「送ってくよ………済まなかったね………翼に会わせてあげられなくて………」
キラリは泣きじゃくって男の言葉に反応しようとしない。
男はキラリを車に乗せて、そして運転席から助手席のキラリを抱き寄せ、そして無理矢理キスをしようとした。
キラリは驚いてとっさに男を突き飛ばし、そして身体を小さくして固まっている。
キラリ「何!?何でこんなことするの!?」
キラリは目を見開き正面を向いて助手席のドアに張り付くように男から距離を取る。
謎の男「ごめん………」
男はその一言だけ言って車のエンジンをかけ車を発進させた。
キラリはこの男に不信感を抱いて何も喋ろうとしない。
男も気まずさなのか、一言も発せず、ただ黙って顔をしかめながら運転していた。
キラリを乗せた車はキラリの家の前につけられた。
キラリは何も言わず車から降りて、慌てて家の中へ入っていった。
その後すぐに男は電話をかけた。
謎の男「もしもし?上手く撮れたか?」
男「あぁ、バッチリだ!」
謎の男「歩実もほんとに鬼畜な奴だな………あんな純粋な女の子にこんな酷い仕打ちをするなんて………」
男「歩実からあの女にどんなことしても構わないって言われてたんだろ?どうだったんだよ?」
謎の男「出来るわけないだろ!むしろ、見ててこっちが悲しくなっちまうぐらいだったよ………」
男「そうか………まぁこっちは金さえもらえばいいわけだが………」
謎の男「お前………変な気起こすなよ!あの娘は本当に純粋な女の子なんだ!」
男「何だよ、いやにあの女に感情移入しやがって。まさかお前………」
謎の男「いいからあの娘にはこれ以上関わってやるな!」
男「歩実の命令が出たらどうするかわからないぜ!」
謎の男「お前………」
~翼の実家~
翼の父が大きめの封筒を持って翼の部屋をノックする。
〝コンコン〟
翼の父「翼居るか?」
翼「この家に軟禁しといて居るかは無いだろうに………」
と返事をした。
翼の父はドアを開けて入って来た。
翼の父「翼………まだ例の女子高生のことを考えているのか?あの娘は止めておけ!あの娘はお前が思っているような清純な娘ではない!」
そう言って大きめの封筒を翼のテーブルの上に〝ポン〟と置いてそのまま立ち去った。
翼はその封筒の中身が気になり開けて取り出した。
翼「これは………またやってくれたな………」
翼は数枚の大きくプリントされた写真を見て怒りに満ちた目付きでドアの方を睨む。
親父は何もわかっちゃいない!こんな見え透いた手口でキラリのことを諦めさせようなんて、馬鹿にするのもいい加減にしろ!
しかし、このままこんな所でいつまでも捕まってる訳にはいかなそうだな………
親父のやり方がどんどんエスカレートして、本当にキラリの身に何か起きてしまってからでは………
翼はどうにかしてこの家から脱出する方法がないかと思案している。
~歩実~
謎の男「もしもし?成功の報酬はいったいいつ貰えるのかな?」
歩実「あんた、あの娘に何をしても構わないって言ったの覚えてる?」
謎の男「あぁ、もちろん………」
歩実「じゃあ何で何もせずに解放してやったの?」
謎の男「何をしても構わないとは言ったが、何かしろとは言われてない………」
歩実「あぁ呆れた……私の言葉の意味を理解出来なかったのね……そんなんじゃ満額報酬なんて払えないわ……今回は半分ね」
謎の男「そんな!お前、ちゃんと言われたことはやったのにそれは無いだろ!」
歩実「悪いけど、あんたの残りの報酬はもう一人のあんたのお友達に払うことにしたわ。そっちの人にある提案持ちかけたら喜んで引き受けてくれたもの!」
謎の男「お前………まさか………」
歩実は嘲笑う。
歩実「次の報告が楽しみで仕方ないわ!私に恥をかかせて、楽しそうにぬくぬくと生きてられると思ったら大間違い!地獄を見せてやらないと!」
謎の男はそれを聞いて絶望していた。
このドアの向こうには………本当に翼が居るの?
翼………
今度こそちゃんと伝えなきゃ………
私の気持ち………
私の想い………
やっぱり私は翼が居なきゃダメだよ………
キラリは翼に会える期待感で完全に周りが見えなくなってしまっていた。
男が先にドアを開けてキラリを先に部屋の中へ入れる。
そして男がキラリの後ろでドアを閉めて
謎の男「翼?翼?」
男が声をかけたが部屋の中は静まり返っている。
キラリ「翼は?翼は居ないの?」
謎の男「もしかしたら………少し遅かったのかも知れない………」
キラリ「それは………どういうこと?」
謎の男「俺がキラリちゃんを探しに行ってる間に………」
キラリは期待を裏切られた喪失感に打ちのめされる。
キラリ「そんな………そんな………やっと会えると思ったのに………今度こそ………ちゃんと………」
キラリはその場に泣き崩れてしまった。
どうして………どうしていつもこうなるの?
どうしていつも上手く行かないの?
神様はきっと翼を連れてきてくれると信じてたのに………
謎の男「キラリちゃん………行こうか………」
男は優しくキラリの肩を抱えて立ち上がらせ、肩を抱きながら部屋を出る。
そして男はこのホテルを出て
謎の男「送ってくよ………済まなかったね………翼に会わせてあげられなくて………」
キラリは泣きじゃくって男の言葉に反応しようとしない。
男はキラリを車に乗せて、そして運転席から助手席のキラリを抱き寄せ、そして無理矢理キスをしようとした。
キラリは驚いてとっさに男を突き飛ばし、そして身体を小さくして固まっている。
キラリ「何!?何でこんなことするの!?」
キラリは目を見開き正面を向いて助手席のドアに張り付くように男から距離を取る。
謎の男「ごめん………」
男はその一言だけ言って車のエンジンをかけ車を発進させた。
キラリはこの男に不信感を抱いて何も喋ろうとしない。
男も気まずさなのか、一言も発せず、ただ黙って顔をしかめながら運転していた。
キラリを乗せた車はキラリの家の前につけられた。
キラリは何も言わず車から降りて、慌てて家の中へ入っていった。
その後すぐに男は電話をかけた。
謎の男「もしもし?上手く撮れたか?」
男「あぁ、バッチリだ!」
謎の男「歩実もほんとに鬼畜な奴だな………あんな純粋な女の子にこんな酷い仕打ちをするなんて………」
男「歩実からあの女にどんなことしても構わないって言われてたんだろ?どうだったんだよ?」
謎の男「出来るわけないだろ!むしろ、見ててこっちが悲しくなっちまうぐらいだったよ………」
男「そうか………まぁこっちは金さえもらえばいいわけだが………」
謎の男「お前………変な気起こすなよ!あの娘は本当に純粋な女の子なんだ!」
男「何だよ、いやにあの女に感情移入しやがって。まさかお前………」
謎の男「いいからあの娘にはこれ以上関わってやるな!」
男「歩実の命令が出たらどうするかわからないぜ!」
謎の男「お前………」
~翼の実家~
翼の父が大きめの封筒を持って翼の部屋をノックする。
〝コンコン〟
翼の父「翼居るか?」
翼「この家に軟禁しといて居るかは無いだろうに………」
と返事をした。
翼の父はドアを開けて入って来た。
翼の父「翼………まだ例の女子高生のことを考えているのか?あの娘は止めておけ!あの娘はお前が思っているような清純な娘ではない!」
そう言って大きめの封筒を翼のテーブルの上に〝ポン〟と置いてそのまま立ち去った。
翼はその封筒の中身が気になり開けて取り出した。
翼「これは………またやってくれたな………」
翼は数枚の大きくプリントされた写真を見て怒りに満ちた目付きでドアの方を睨む。
親父は何もわかっちゃいない!こんな見え透いた手口でキラリのことを諦めさせようなんて、馬鹿にするのもいい加減にしろ!
しかし、このままこんな所でいつまでも捕まってる訳にはいかなそうだな………
親父のやり方がどんどんエスカレートして、本当にキラリの身に何か起きてしまってからでは………
翼はどうにかしてこの家から脱出する方法がないかと思案している。
~歩実~
謎の男「もしもし?成功の報酬はいったいいつ貰えるのかな?」
歩実「あんた、あの娘に何をしても構わないって言ったの覚えてる?」
謎の男「あぁ、もちろん………」
歩実「じゃあ何で何もせずに解放してやったの?」
謎の男「何をしても構わないとは言ったが、何かしろとは言われてない………」
歩実「あぁ呆れた……私の言葉の意味を理解出来なかったのね……そんなんじゃ満額報酬なんて払えないわ……今回は半分ね」
謎の男「そんな!お前、ちゃんと言われたことはやったのにそれは無いだろ!」
歩実「悪いけど、あんたの残りの報酬はもう一人のあんたのお友達に払うことにしたわ。そっちの人にある提案持ちかけたら喜んで引き受けてくれたもの!」
謎の男「お前………まさか………」
歩実は嘲笑う。
歩実「次の報告が楽しみで仕方ないわ!私に恥をかかせて、楽しそうにぬくぬくと生きてられると思ったら大間違い!地獄を見せてやらないと!」
謎の男はそれを聞いて絶望していた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

やさしいキスの見つけ方
神室さち
恋愛
諸々の事情から、天涯孤独の高校一年生、完璧な優等生である渡辺夏清(わたなべかすみ)は日々の糧を得るために年齢を偽って某所風俗店でバイトをしながら暮らしていた。
そこへ、現れたのは、天敵に近い存在の数学教師にしてクラス担任、井名里礼良(いなりあきら)。
辞めろ辞めないの押し問答の末に、井名里が持ち出した賭けとは?果たして夏清は平穏な日常を取り戻すことができるのか!?
何て言ってても、どこかにある幸せの結末を求めて突っ走ります。
こちらは2001年初出の自サイトに掲載していた小説です。完結済み。サイト閉鎖に伴い移行。若干の加筆修正は入りますがほぼそのままにしようと思っています。20年近く前に書いた作品なのでいろいろ文明の利器が古かったり常識が若干、今と異なったりしています。
20年くらい前の女子高生はこんな感じだったのかー くらいの視点で見ていただければ幸いです。今はこんなの通用しない! と思われる点も多々あるとは思いますが、大筋の変更はしない予定です。
フィクションなので。
多少不愉快な表現等ありますが、ネタバレになる事前の注意は行いません。この表現ついていけない…と思ったらそっとタグを閉じていただけると幸いです。
当時、だいぶ未来の話として書いていた部分がすでに現代なんで…そのあたりはもしかしたら現代に即した感じになるかもしれない。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。



マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる