キラリの恋は晴れのち晴れ!

CPM

文字の大きさ
上 下
51 / 80

第50話 平行線

しおりを挟む
キラリは美麗にさんざんもてあそばれてすっかり疲れてしまった。

いったいあの人何だったんだろう………
あんな凄い占い出来るなんて、超能力としか思えない………
でも………翼は元気にしてるって言ってたし………それが聞けただけでも良かった………

翼………

会いたい………

きっといつか………

また会えるよね……………




~翼の実家~


美麗は実家に戻って翼の元へやって来た。

美麗「翼~!会ってきたわよ!キラリちゃんに」

美麗は愉しそうにそう言った。

そこへ母も現れた。

翼「はぁ!?本当に会って来たのか?ちゃんとバレないようにしてくれたの?」

美麗「もちろん!全然大丈夫!」

翼「それで?キラリは元気だったの?」

美麗「それがさぁ~………」

美麗はキラリとのやり取りを面白おかしく話して聞かせた。

美麗「いやぁ、翼~………あの娘マジで良い娘じゃん!私もあの娘気に入っちゃったよ!あんなイジり甲斐のある娘初めて見た!一つ一つに私の思った通りに反応してくれて、すっごく愉しかった!あんな可愛い妹が欲しい!」

翼「おいおい………どんだけ苛めて来たんだよ………」

美麗「でね、翼のことどう思ってるかも聞いてきたよ。キラリちゃん………ほんと純粋………健気で小さな子供みたいだわ。翼のことが凄く好きなんだって!翼のこと語ってる時も、涙ぐんだりなんかしちゃって………もうこっちが切なくなってきちゃう………」

母「あらぁ、それは私も是非お会いしてみたいわ!」

美麗「翼、早く迎えに行ってあげなきゃキラリちゃん可哀想だよ?」

翼「姉貴………どうやって接触して来たんだよ?よく初対面でそこまで話せたな………」

翼はいったいキラリと美麗の間にどんなやり取りが行われていたのか、少々不安を覚えた。

美麗「でも………確かに翼の言う通り、お父さんがキラリちゃんのことを受け入れられる可能性としては厳しいかも知れない………」

翼「だろ?そこが一番難しいところなんだよ………」

母「あら、それはどうして?」

美麗「あのね、お父さんて堅物でしょ?で、キラリちゃんはどっちかって言うと可愛いんだけど少し素行が良くないっていうか………」

翼「そうなんだよ………体裁気にする親父にとってそこが致命傷なんだよな………」



一方翼の父も、おかかえの探偵にキラリの身辺調査に当たらせていた。

そして、その調査結果の途中報告が翼の父の元へ届けられた。

翼の父はその書類に目を通して思い悩んでいる。


うーん………お相手はまだ女子高生かぁ………それに………両親はちょっと色々と問題がありそうだなぁ~………
これは少し難しい問題が山積みだぞぉ……………
我が社を背負う翼の相手としては………認める訳にはいかんなぁ………
はて、翼をどう説得したものか………



~翼の部屋~



〝コンコン〟

母「翼?ちょっと良いかしら?」

翼「いいよ、入って」

翼の母はお菓子とジュースを持って翼の部屋に入った。

母「ねえ………翼………」

翼の母は何か言いにくそうに切り出した。

翼「うん………」

母「先ほどお父さんからお話しがあって………」

翼「うん………」

母「私の方から何とか翼に上手く説得するように言われたんだけど………」

翼「だろうね………あの親父がそう簡単には納得してくれないことぐらいわかってたさ。でも、それならそれで俺も強行手段に出るしかないってだけだよ………」

母「翼………そう慌てず………もう少しお父さんを説得する手段を一緒に考えましょうよ………」

翼「お母さん………今こうしている間にも、キラリはきっと色々悩んでいると思うんだ……俺はキラリに何も言えずにここに連れ戻されたんだからさ………だから……キラリに早く何かしらの答えを出して上げなくちゃ………」

母「えぇ………それはわかっているんだけど……」

そのとき翼の父がここへやって来た。

〝コンコン〟

父「翼……少し話せるか?」

翼が返事をしないので、父は黙ってドアを開けた。

父「翼………お前の気になるお相手のことは今調査中だ………だが………やっぱり俺はお前に考え直してもらいたい!もちろんお前の気持ちは俺にも痛いほどわかってるつもりだ。だが、お前もお相手のお嬢さんもまだ若い!将来を考えるには少し時期尚早だ。若い時というのは誰だって突っ走って道を踏み外すこともある。だがな、ウチの嫁にはもっと相応しい女性が現れるはずだ。だから………」

翼「結局親父はいつもそうやって俺の話しなんか少しも聞いてくれようとはしないんだよな!俺は言ったはずだよ?これは譲れない条件で、親父が俺の条件をのんでくれないのなら、俺も今回ばかりは絶対に譲る気は無い!親父も偏見の目でキラリのことを決めつけ無いで、一度キラリのことをちゃんと見てくれよ!一度会ってちゃんとアイツのことを見てくれれば、親父もきっと認めてくれると思うんだよ!それに、俺は家の為に結婚相手を選ぶつもりは無いからな!」

父「だがな翼………お前はこれから我が社を………」

翼「親父は息子の幸せ以上に会社のことの方が心配なんだろ?だったらもう話す余地は無いな!」

翼は啖呵(たんか)切って部屋を飛び出してしまった。

母「翼~!」

父「困ったものだな翼は………」

母「ねぇ、あなた………一度お相手のお嬢さんにお会いしてみたらいかがかしら?」

父「お前まで………」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

やさしいキスの見つけ方

神室さち
恋愛
 諸々の事情から、天涯孤独の高校一年生、完璧な優等生である渡辺夏清(わたなべかすみ)は日々の糧を得るために年齢を偽って某所風俗店でバイトをしながら暮らしていた。  そこへ、現れたのは、天敵に近い存在の数学教師にしてクラス担任、井名里礼良(いなりあきら)。  辞めろ辞めないの押し問答の末に、井名里が持ち出した賭けとは?果たして夏清は平穏な日常を取り戻すことができるのか!?  何て言ってても、どこかにある幸せの結末を求めて突っ走ります。  こちらは2001年初出の自サイトに掲載していた小説です。完結済み。サイト閉鎖に伴い移行。若干の加筆修正は入りますがほぼそのままにしようと思っています。20年近く前に書いた作品なのでいろいろ文明の利器が古かったり常識が若干、今と異なったりしています。 20年くらい前の女子高生はこんな感じだったのかー くらいの視点で見ていただければ幸いです。今はこんなの通用しない! と思われる点も多々あるとは思いますが、大筋の変更はしない予定です。 フィクションなので。 多少不愉快な表現等ありますが、ネタバレになる事前の注意は行いません。この表現ついていけない…と思ったらそっとタグを閉じていただけると幸いです。 当時、だいぶ未来の話として書いていた部分がすでに現代なんで…そのあたりはもしかしたら現代に即した感じになるかもしれない。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

ルピナス

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。  そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。  物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。 ※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。  ※1日3話ずつ更新する予定です。

処理中です...