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第49話 姉弟血は争えず
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キラリ「彼氏って………言えるのか言えないのか………よくわかんなくて………」
女性「あら、それはどうしてかしら?」
女性はその話しに興味津々といった様子で身を前に乗り出した。
キラリ「ハッキリと………付き合おうって言われたことが無いから………」
女性「それで?お相手の方はお嬢さんのことどう思っていると思うの?」
キラリ「うーん………わかんないけど………もしかしたら………私のこと好きだと想ってくれてるのかも………」
女性「何かそれらしいことを言われたのかしら?」
キラリ「それらしいことって言うか………お前は俺にとって特別な存在って………」
女性「へぇ!なんか青春って感じですね!それで?お嬢さんはお相手さんのことを?」
キラリ「………私は………出会ったその瞬間から………凄く好きだったよ………」
女性「どういう所が?」
キラリ「凄く背が高くて、テレビから飛び出して来たような超イケメンで、普段は私をからかってるけど、時々凄くマジな表情になって私を真っ直ぐ見つめる瞳とか………多分他の人には見せず、私だけに見せる優しい顔とか………ちょっと前まで私の家庭教師してくれてたんだけど、凄く優しく教えてくれるとことか………そういう全部が好き………」
キラリは初対面にもかかわらず、隠さず全て恥ずかしそうに語っている。
女性「あらそう!素敵なお話しねぇ!きっとお相手さんも、貴女のことを強く想われてるわよ!」
キラリ「そうかなぁ………」
女性「そのお相手さんは今どちらに?」
キラリ「……………」
キラリは急に悲しくなって目に涙が溜まっていた。
それを見た女性が心配そうに尋ねた。
女性「どうなされたの?」
キラリ「だって………だって………だって突然居なくなっちゃって……………何も言わずないきなり居なくなっちゃって……………」
キラリは涙声にそう言った。
すると女性がいきなりキラリを抱き締めていた。
え?なに?
キラリはその女性のハグに動揺している。
女性「大丈夫よ!何も心配要らない………必ず貴女を迎えに来るわ………だから信じて待って上げて………」
キラリの耳元で女性が優しく静かにそう語りかけてきた。
キラリ「お……お姉さん………あ………ありがとう………」
女性「あらやだ………ゴメンなさい………つい立ち入ったことをたくさん聞いちゃって………」
女性の目にも涙が溜まっていて、ハンカチでそれを拭っている。
キラリ「お姉さん?」
女性「ゴメンなさいね、キラリちゃん………キラリちゃんはほんとに良い娘ね………翼が惚れるのもわかる気がするわ………」
キラリ「え?翼?」
キラリはなぜこの女性が翼のことを知っているのか不思議に思い驚いた。
女性「あっ………あの………私………占いとかもやってて………それであの………キラリちゃんの好きな男の子が翼って名前かなぁ~って………」
女性はキラリに気付かれないようにしなくてはいけないのに、ついボロが出てしまったことに激しく動揺していた。
ま………まずい………翼にはこの娘には絶対バレないようにするって言ってきたのに、こんなにも早くバレてしまうとは………後で翼に怒られちゃうじゃない………
ところが
キラリ「えぇ!?マジで!?お姉さん占い出来るの?すご~い!!!じゃあ翼がまた私の元へ戻って来てくれるか占ってくれる?」
……………す………素晴らしいほどの天然ちゃん?
今のを本当に信じちゃったの?
きっと翼は今どき珍しい、こういう超純粋なところに惹かれたのかしら?
確かにあの子は昔から女の子にチヤホヤされてきたから、どこにでもいるミーハーな女の子には興味無いもんね。
きっとこの娘のことが新鮮で翼にとってはストライクだったのね。
女性「えぇ、いいわよ!占ってあげる!翼はねぇ………」
キラリ「うんうん!」
キラリは女性の言葉に真剣に耳を傾ける。
女性「翼は………」
キラリ「翼は?」
女性「今………他の女性と一緒に居るみたい………」
キラリはそれを聞いた瞬間、顔が真っ青になり後ろに倒れこみそうになった。
女性は驚いてすぐにキラリを支えた。
女性「キラリちゃん大丈夫!?」
キラリ「あ………はい………ギリギリセーフです………」
女性「ギ……ギリギリセーフって………」
この娘なんだか面白い………翼が夢中になるのもわかる気がする。いじったらその都度反応してくれそう!
女性はキラリが可愛いオモチャのように思えてワクワクしてしまった。
女性「キラリちゃん?でも大丈夫!それはどうやら母親みたい!」
キラリ「な………なんだ………ビックリした………」
女性「彼女の………」
キラリはまた目を見開き、今度は前に崩れ落ちそうになり、何とか手を着いて身体を支えた。
キャアー!この娘めっちゃ面白~い!
もっと虐めたくなっちゃう!
でも、この辺にしとかないと心臓に悪いわよね………
女性「キラリちゃん大丈夫?」
そう言って女性はキラリを支え、抱き締めた。
そして、そのときいきなり玄関のドアが開いて、父清が入ってきた。
清「うわぁ!!!ビックリした!え!?キラリ!?」
清はキラリが女性に抱かれているのを見て信じがたいといった表情で見つめている。
清「え?翼の次は………彼女?」
女性「あら、それはどうしてかしら?」
女性はその話しに興味津々といった様子で身を前に乗り出した。
キラリ「ハッキリと………付き合おうって言われたことが無いから………」
女性「それで?お相手の方はお嬢さんのことどう思っていると思うの?」
キラリ「うーん………わかんないけど………もしかしたら………私のこと好きだと想ってくれてるのかも………」
女性「何かそれらしいことを言われたのかしら?」
キラリ「それらしいことって言うか………お前は俺にとって特別な存在って………」
女性「へぇ!なんか青春って感じですね!それで?お嬢さんはお相手さんのことを?」
キラリ「………私は………出会ったその瞬間から………凄く好きだったよ………」
女性「どういう所が?」
キラリ「凄く背が高くて、テレビから飛び出して来たような超イケメンで、普段は私をからかってるけど、時々凄くマジな表情になって私を真っ直ぐ見つめる瞳とか………多分他の人には見せず、私だけに見せる優しい顔とか………ちょっと前まで私の家庭教師してくれてたんだけど、凄く優しく教えてくれるとことか………そういう全部が好き………」
キラリは初対面にもかかわらず、隠さず全て恥ずかしそうに語っている。
女性「あらそう!素敵なお話しねぇ!きっとお相手さんも、貴女のことを強く想われてるわよ!」
キラリ「そうかなぁ………」
女性「そのお相手さんは今どちらに?」
キラリ「……………」
キラリは急に悲しくなって目に涙が溜まっていた。
それを見た女性が心配そうに尋ねた。
女性「どうなされたの?」
キラリ「だって………だって………だって突然居なくなっちゃって……………何も言わずないきなり居なくなっちゃって……………」
キラリは涙声にそう言った。
すると女性がいきなりキラリを抱き締めていた。
え?なに?
キラリはその女性のハグに動揺している。
女性「大丈夫よ!何も心配要らない………必ず貴女を迎えに来るわ………だから信じて待って上げて………」
キラリの耳元で女性が優しく静かにそう語りかけてきた。
キラリ「お……お姉さん………あ………ありがとう………」
女性「あらやだ………ゴメンなさい………つい立ち入ったことをたくさん聞いちゃって………」
女性の目にも涙が溜まっていて、ハンカチでそれを拭っている。
キラリ「お姉さん?」
女性「ゴメンなさいね、キラリちゃん………キラリちゃんはほんとに良い娘ね………翼が惚れるのもわかる気がするわ………」
キラリ「え?翼?」
キラリはなぜこの女性が翼のことを知っているのか不思議に思い驚いた。
女性「あっ………あの………私………占いとかもやってて………それであの………キラリちゃんの好きな男の子が翼って名前かなぁ~って………」
女性はキラリに気付かれないようにしなくてはいけないのに、ついボロが出てしまったことに激しく動揺していた。
ま………まずい………翼にはこの娘には絶対バレないようにするって言ってきたのに、こんなにも早くバレてしまうとは………後で翼に怒られちゃうじゃない………
ところが
キラリ「えぇ!?マジで!?お姉さん占い出来るの?すご~い!!!じゃあ翼がまた私の元へ戻って来てくれるか占ってくれる?」
……………す………素晴らしいほどの天然ちゃん?
今のを本当に信じちゃったの?
きっと翼は今どき珍しい、こういう超純粋なところに惹かれたのかしら?
確かにあの子は昔から女の子にチヤホヤされてきたから、どこにでもいるミーハーな女の子には興味無いもんね。
きっとこの娘のことが新鮮で翼にとってはストライクだったのね。
女性「えぇ、いいわよ!占ってあげる!翼はねぇ………」
キラリ「うんうん!」
キラリは女性の言葉に真剣に耳を傾ける。
女性「翼は………」
キラリ「翼は?」
女性「今………他の女性と一緒に居るみたい………」
キラリはそれを聞いた瞬間、顔が真っ青になり後ろに倒れこみそうになった。
女性は驚いてすぐにキラリを支えた。
女性「キラリちゃん大丈夫!?」
キラリ「あ………はい………ギリギリセーフです………」
女性「ギ……ギリギリセーフって………」
この娘なんだか面白い………翼が夢中になるのもわかる気がする。いじったらその都度反応してくれそう!
女性はキラリが可愛いオモチャのように思えてワクワクしてしまった。
女性「キラリちゃん?でも大丈夫!それはどうやら母親みたい!」
キラリ「な………なんだ………ビックリした………」
女性「彼女の………」
キラリはまた目を見開き、今度は前に崩れ落ちそうになり、何とか手を着いて身体を支えた。
キャアー!この娘めっちゃ面白~い!
もっと虐めたくなっちゃう!
でも、この辺にしとかないと心臓に悪いわよね………
女性「キラリちゃん大丈夫?」
そう言って女性はキラリを支え、抱き締めた。
そして、そのときいきなり玄関のドアが開いて、父清が入ってきた。
清「うわぁ!!!ビックリした!え!?キラリ!?」
清はキラリが女性に抱かれているのを見て信じがたいといった表情で見つめている。
清「え?翼の次は………彼女?」
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