43 / 80
第42話 嵐の前ぶれ
しおりを挟む
キラリは動揺しながらリビングに降りてきた。
この日は珍しく父、清も早起きして薫とコーヒーを飲んでいた。
キラリ「母ちゃん………」
キラリは落ち込んでいるかのような表情で薫に言った。
薫「おはよう!どうした?」
キラリ「母ちゃん……またやられちゃった………」
それを聞いた清が、飲みかけていたコーヒーを吹き出した。
ブフォッ!
清「キ………キラリ………またって………まさかお前………もう何回もヤラれちゃったのか!?」
キラリ「えぇ?うん………まぁ………」
清「うん、まぁって………お……お前……そ……そんなまさか………」
清は口に手を当てて目を丸くしている。
薫は悪のりして
薫「パパ、キラリだってもう年頃なんだから!」
キラリはそんな年頃があるのかと頭を傾げている。
清「マ……ママ!キラリはまだ高校生なんだよ?な……なのに……そんな………」
薫「パパだって昔、まだ私が高校生だった頃に何をした?」
清「え………そ………それは………」
キラリ「えぇ!?父ちゃんも母ちゃんにそんな酷いことをしたの!?」
清「えぇ!?いや………」
キラリ「父ちゃん酷い!!!女の子からしたらけっこうショック大きいんだよ!」
清「えぇ!?ショ………ショック?」
キラリ「母ちゃんに謝れ!!!」
清「あ……あの……もう随分と昔の話しだし……」
キラリ「母ちゃん………どうすればいい?」
清「キ………キラリ………ま……まさか………取り返しの付かないことに?」
キラリ「は?」
と、そのとき翼があくびをしながら階段を降りてきた。
清「キラリ!俺に任せろ!俺がちゃんときつく言ってやる!」
清は恐い顔をして翼を睨み付ける。
翼「あ………皆さんお揃いで………おはようございます」
薫「おはよう!」
清「ママ、ちょっと黙っててくれ!」
清はそう言って翼の方を向いて
清「翼!ちょっとそこへ座りなさい!」
翼は訳がわからず、清の機嫌が悪そうなので黙って食卓テーブルの椅子を引いて座った。
清「翼………ウチのキラリはまだ高校生なんだ!」
翼「まぁ、そうっすね………」
清「なのに何をしてくれてんだ!!!」
翼「え?何をって………まぁ、勉強教えたり………」
清「ちがーう!ウチのキラリにちょっかいかけて!しかも………責任取れるのか!」
翼「ちょっかい?あぁ………いや………ちょっとキラリいじったら面白くてつい………」
そのとき薫が割って入った。
薫「パパ!!!あんたこそ何を勘違いして翼を責めてんのよ!
清「え?」
キラリ「父ちゃんさっきから何をそんなに怒ってるの?」
清「え?だって………」
清は娘が大変なことになってるにもかかわらず、皆が意外にも呑気に構えてることに対して困惑していた。
キラリ「母ちゃん!翼がまた私をもてあそんで来たんだよ!」
清「や……やっぱりもてあそんでいたのか!」
翼「いや……もてあそぶっていうか……キラリの方が寝込みを襲って来たんで………」
清「キ…キ…キキキ……キラリから!?はぁ!?」
キラリ「別に寝込みを襲ったわけじゃ無いよ!いつもやられてる仕返ししてやろうと思ったんだけど……逆にまたやられちゃったっていうか……」
清「ね………寝込みを!?ヤラれちゃった!?」
薫「結局翼の方が上手(うわて)だったってことだね」
清「ママ!いったいこの二人はどうなってるんだ!」
そのとき薫とキラリが同時に
薫・キラリ「うるさい!!!」
と怒鳴った。
キラリと翼は、朝食を終えてからキラリの部屋へ戻った。
翼「なぁ、キラリの父ちゃん何か勘違いしてなかったか?」
キラリ「うーん……何であんなに怒ってたんだろうね……」
翼「それよりさぁ………お前………さっき耳元で何か言ってたよなぁ?」
キラリ「だっ………だから翼は覚えてないって言ったじゃん!」
翼「あぁ……言った」
キラリ「じゃあ良いじゃん!」
翼「お前が入ってくる前のことは全く覚えてないんだよな………」
キラリ「じゃあやっぱり全部知ってんじゃん!!!あぁ恥ずかしい………」
キラリは顔を真っ赤にして怒った振りをする。
翼「キラリ………お前………」
キラリは翼が何を言い出すのかとドキドキして待つ。
翼「もし……………俺が……………お前を……………」
キラリは目を震わせながら翼の目を見つめる。
翼もクールを装ってはいるが、緊張の色は隠せない。
翼「お前を………俺の……………」
そのとき翼のスマホにまた陽気なメロディーが流れ出した。
翼「チッ………またかよ………」
翼は大事なところを邪魔されたと言わんばかりに舌打ちをしてズボンのポケットからスマホを取り出し、その画面を見て
翼「今度は姉貴からだよ………」
キラリも、翼の口からどんな言葉が飛び出して来るのかと期待していただけに、落胆の表情を隠すことは出来なかった。
翼「もしもし?どうした?」
翼の姉「もしもし?翼!!!」
翼は姉から聞かされた言葉に絶句し、思わずスマホを床に落としてしまった。
この日は珍しく父、清も早起きして薫とコーヒーを飲んでいた。
キラリ「母ちゃん………」
キラリは落ち込んでいるかのような表情で薫に言った。
薫「おはよう!どうした?」
キラリ「母ちゃん……またやられちゃった………」
それを聞いた清が、飲みかけていたコーヒーを吹き出した。
ブフォッ!
清「キ………キラリ………またって………まさかお前………もう何回もヤラれちゃったのか!?」
キラリ「えぇ?うん………まぁ………」
清「うん、まぁって………お……お前……そ……そんなまさか………」
清は口に手を当てて目を丸くしている。
薫は悪のりして
薫「パパ、キラリだってもう年頃なんだから!」
キラリはそんな年頃があるのかと頭を傾げている。
清「マ……ママ!キラリはまだ高校生なんだよ?な……なのに……そんな………」
薫「パパだって昔、まだ私が高校生だった頃に何をした?」
清「え………そ………それは………」
キラリ「えぇ!?父ちゃんも母ちゃんにそんな酷いことをしたの!?」
清「えぇ!?いや………」
キラリ「父ちゃん酷い!!!女の子からしたらけっこうショック大きいんだよ!」
清「えぇ!?ショ………ショック?」
キラリ「母ちゃんに謝れ!!!」
清「あ……あの……もう随分と昔の話しだし……」
キラリ「母ちゃん………どうすればいい?」
清「キ………キラリ………ま……まさか………取り返しの付かないことに?」
キラリ「は?」
と、そのとき翼があくびをしながら階段を降りてきた。
清「キラリ!俺に任せろ!俺がちゃんときつく言ってやる!」
清は恐い顔をして翼を睨み付ける。
翼「あ………皆さんお揃いで………おはようございます」
薫「おはよう!」
清「ママ、ちょっと黙っててくれ!」
清はそう言って翼の方を向いて
清「翼!ちょっとそこへ座りなさい!」
翼は訳がわからず、清の機嫌が悪そうなので黙って食卓テーブルの椅子を引いて座った。
清「翼………ウチのキラリはまだ高校生なんだ!」
翼「まぁ、そうっすね………」
清「なのに何をしてくれてんだ!!!」
翼「え?何をって………まぁ、勉強教えたり………」
清「ちがーう!ウチのキラリにちょっかいかけて!しかも………責任取れるのか!」
翼「ちょっかい?あぁ………いや………ちょっとキラリいじったら面白くてつい………」
そのとき薫が割って入った。
薫「パパ!!!あんたこそ何を勘違いして翼を責めてんのよ!
清「え?」
キラリ「父ちゃんさっきから何をそんなに怒ってるの?」
清「え?だって………」
清は娘が大変なことになってるにもかかわらず、皆が意外にも呑気に構えてることに対して困惑していた。
キラリ「母ちゃん!翼がまた私をもてあそんで来たんだよ!」
清「や……やっぱりもてあそんでいたのか!」
翼「いや……もてあそぶっていうか……キラリの方が寝込みを襲って来たんで………」
清「キ…キ…キキキ……キラリから!?はぁ!?」
キラリ「別に寝込みを襲ったわけじゃ無いよ!いつもやられてる仕返ししてやろうと思ったんだけど……逆にまたやられちゃったっていうか……」
清「ね………寝込みを!?ヤラれちゃった!?」
薫「結局翼の方が上手(うわて)だったってことだね」
清「ママ!いったいこの二人はどうなってるんだ!」
そのとき薫とキラリが同時に
薫・キラリ「うるさい!!!」
と怒鳴った。
キラリと翼は、朝食を終えてからキラリの部屋へ戻った。
翼「なぁ、キラリの父ちゃん何か勘違いしてなかったか?」
キラリ「うーん……何であんなに怒ってたんだろうね……」
翼「それよりさぁ………お前………さっき耳元で何か言ってたよなぁ?」
キラリ「だっ………だから翼は覚えてないって言ったじゃん!」
翼「あぁ……言った」
キラリ「じゃあ良いじゃん!」
翼「お前が入ってくる前のことは全く覚えてないんだよな………」
キラリ「じゃあやっぱり全部知ってんじゃん!!!あぁ恥ずかしい………」
キラリは顔を真っ赤にして怒った振りをする。
翼「キラリ………お前………」
キラリは翼が何を言い出すのかとドキドキして待つ。
翼「もし……………俺が……………お前を……………」
キラリは目を震わせながら翼の目を見つめる。
翼もクールを装ってはいるが、緊張の色は隠せない。
翼「お前を………俺の……………」
そのとき翼のスマホにまた陽気なメロディーが流れ出した。
翼「チッ………またかよ………」
翼は大事なところを邪魔されたと言わんばかりに舌打ちをしてズボンのポケットからスマホを取り出し、その画面を見て
翼「今度は姉貴からだよ………」
キラリも、翼の口からどんな言葉が飛び出して来るのかと期待していただけに、落胆の表情を隠すことは出来なかった。
翼「もしもし?どうした?」
翼の姉「もしもし?翼!!!」
翼は姉から聞かされた言葉に絶句し、思わずスマホを床に落としてしまった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる