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第24話 ダブルデートの誘い
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薄暗がりの中から人影がキラリの方へと近寄ってきた。
うっすらと蛍光灯の灯りが差してはいるものの、メンバー達は暗がりでそれが誰なのかはハッキリと見えていない。メンバー達が誰だ誰だと目を凝らして見ている。
そして徐々にその姿が明らかになってきた。
メンバーA「え?やたら身長高くない?」
メンバーE「え?ちょっと…なんか凄いイケメンっぽい……」
メンバー達はハッキリとは確信を得ないが、それがフラップ.フリーリーのヴォーカル、翼ではないかと感じ始める。が、しかし、キラリが連れて来る人がまさかあの翼だとは誰も思えず、ある一つの答えに到達する。
メンバーC「まさかと思ったら…フラップ.フリーリーの翼によく似たそっくりさんじゃね?」
メンバーB「だよねぇ~…暗いからよくわかんねーし、イケメンぽく見えるけど、案外明るい所で見たら全然似てなかったりして」
好き放題言ってるメンバー達に向かって翼が
翼「どうも初めまして、翼です」
その声を聞いた瞬間、メンバー達は凍りついた。
メンバーD「え?え?えぇ!?今の声は…確かに…」
メンバーF「やっぱり…本物の…」
メンバーG「総長!これ……どういうことすか!何で総長みたいな人があの翼を連れてこれるんすか!?」
キラリはメンバー達の反応に優越感を感じていた。
メンバーH「総長……私信じられません!だって…こんなに頭の悪い総長が…何でこんなイケメンを…いったい…どういう知り合いすか!」
メンバーA「おい、それはちょっと言い過ぎ…失礼だろ」
キラリ「いや…お前らさっきから失礼なことしか言ってねーよ…
ちょっとワケあって、いま翼は家で居候してんの。んで、その代わり私の家庭教師してくれてんの」
メンバー達はそれを聞いて更に驚いた。
メンバーC「はぁ!?家庭教師!?そ…総長…頭大丈夫すか?」
メンバーD「総長…人間諦めが肝心ってよく言いますよ?何で今さら…」
キラリ「別に今さらだって何だっていいだろ!!!私は……勉強に目覚めたんだよ…」
メンバー達は笑いの神様が降りてきたと大爆笑している。
メンバーA「あれ?ここの神社って笑いの神様の社だったっけ?」
メンバーB「総長冗談キツいって!」
キラリ「勝手に言ってろ!」
メンバーI「ところで……翼さんって……あり得ないとは思うんすけど……まさか……総長と……」
メンバー達はある疑念を抱いている。
それは翼とキラリが友達以上なのか、それともそれ以下なのかということだ。
キラリが
キラリ「んなわけ……」
そう言いかけたとき、翼はキッパリとこう答えた。
翼「付き合ってるよ。俺、キラリの彼氏だから」
メンバー達は絶句した。
正か自分達の憧れの存在が、よりにもよってこんな身近な存在と…しかも唯一自分達が優越感に浸ることの出来たはずのキラリと付き合っているなど、到底受け入れることは出来ずにいた。
その後もメンバー達はショックを隠しきれず、落胆のため息の嵐が吹いた。
集会後、キラリと翼が公園のベンチに並んで座った。
キラリ「ねぇ…翼…」
翼「ん?」
キラリ「さっき………どうしてあんなこと言ったの?」
翼「あんなこと?」
キラリ「私達が付き合ってるなんて……」
翼「あぁ……別に良いんじゃねえの?だってよ、あいつらお前が総長だってのに、皆してお前を下に見てる気がしたから。だからお前に彼氏が居るって言えばお前に花を持たせてやれるかなって…」
キラリ「………………」
翼「どうして?ダメだったか?」
キラリ「私達……付き合って無いじゃん………」
翼「まぁ、そうだな…」
キラリ「なのに……勝手なこと言うなよな!」
そう言ってキラリは立ち上がり、走り去ってしまった。
キラリ………
翼は一人取り残され、しばらくそのままベンチから動かなかった。
翼のバカやろう!どうしていつもいつもそうやって……女心をもてあそぶようなことばかりするんだよ…そういうのが返って傷付くって………どうしてわかってくれないんだよ………
キラリは切なさのあまり目から涙がこぼれ、そのしずくは風に乗って虚しく宙に舞う。
それからキラリは、翼の言葉を思い出す度に切なくなっていた。
あれが…あの言葉が現実だったらなぁ…
〝付き合ってるよ。俺、キラリの彼氏だから〟
凛花「キラリ?ねぇキラリ?」
キラリ「え?どしたの?」
凛花「それはこっちのセリフ!最近全然心ここに在らず状態でさぁ…また翼と何かあったの?」
キラリは黙っている。
凛花「ねぇキラリ………実はさぁ………私最近……二年の転校してきた男の子に告られちゃって……」
キラリ「え?」
凛花「付き合って欲しいって言われてるんだけど……まだ返事してなくてさぁ…」
キラリはそれを聞いて羨(うらや)ましくなった。
キラリ「それで?どうする気?」
凛花「うーん…その子から今度デートのお誘いがあって…それで…キラリ達とダブルデートってどうかな?って…」
キラリ「ダブルデートって…私相手居ないじゃん…」
凛花「だからぁ、キラリは翼誘ってくれないかな?って…」
うっすらと蛍光灯の灯りが差してはいるものの、メンバー達は暗がりでそれが誰なのかはハッキリと見えていない。メンバー達が誰だ誰だと目を凝らして見ている。
そして徐々にその姿が明らかになってきた。
メンバーA「え?やたら身長高くない?」
メンバーE「え?ちょっと…なんか凄いイケメンっぽい……」
メンバー達はハッキリとは確信を得ないが、それがフラップ.フリーリーのヴォーカル、翼ではないかと感じ始める。が、しかし、キラリが連れて来る人がまさかあの翼だとは誰も思えず、ある一つの答えに到達する。
メンバーC「まさかと思ったら…フラップ.フリーリーの翼によく似たそっくりさんじゃね?」
メンバーB「だよねぇ~…暗いからよくわかんねーし、イケメンぽく見えるけど、案外明るい所で見たら全然似てなかったりして」
好き放題言ってるメンバー達に向かって翼が
翼「どうも初めまして、翼です」
その声を聞いた瞬間、メンバー達は凍りついた。
メンバーD「え?え?えぇ!?今の声は…確かに…」
メンバーF「やっぱり…本物の…」
メンバーG「総長!これ……どういうことすか!何で総長みたいな人があの翼を連れてこれるんすか!?」
キラリはメンバー達の反応に優越感を感じていた。
メンバーH「総長……私信じられません!だって…こんなに頭の悪い総長が…何でこんなイケメンを…いったい…どういう知り合いすか!」
メンバーA「おい、それはちょっと言い過ぎ…失礼だろ」
キラリ「いや…お前らさっきから失礼なことしか言ってねーよ…
ちょっとワケあって、いま翼は家で居候してんの。んで、その代わり私の家庭教師してくれてんの」
メンバー達はそれを聞いて更に驚いた。
メンバーC「はぁ!?家庭教師!?そ…総長…頭大丈夫すか?」
メンバーD「総長…人間諦めが肝心ってよく言いますよ?何で今さら…」
キラリ「別に今さらだって何だっていいだろ!!!私は……勉強に目覚めたんだよ…」
メンバー達は笑いの神様が降りてきたと大爆笑している。
メンバーA「あれ?ここの神社って笑いの神様の社だったっけ?」
メンバーB「総長冗談キツいって!」
キラリ「勝手に言ってろ!」
メンバーI「ところで……翼さんって……あり得ないとは思うんすけど……まさか……総長と……」
メンバー達はある疑念を抱いている。
それは翼とキラリが友達以上なのか、それともそれ以下なのかということだ。
キラリが
キラリ「んなわけ……」
そう言いかけたとき、翼はキッパリとこう答えた。
翼「付き合ってるよ。俺、キラリの彼氏だから」
メンバー達は絶句した。
正か自分達の憧れの存在が、よりにもよってこんな身近な存在と…しかも唯一自分達が優越感に浸ることの出来たはずのキラリと付き合っているなど、到底受け入れることは出来ずにいた。
その後もメンバー達はショックを隠しきれず、落胆のため息の嵐が吹いた。
集会後、キラリと翼が公園のベンチに並んで座った。
キラリ「ねぇ…翼…」
翼「ん?」
キラリ「さっき………どうしてあんなこと言ったの?」
翼「あんなこと?」
キラリ「私達が付き合ってるなんて……」
翼「あぁ……別に良いんじゃねえの?だってよ、あいつらお前が総長だってのに、皆してお前を下に見てる気がしたから。だからお前に彼氏が居るって言えばお前に花を持たせてやれるかなって…」
キラリ「………………」
翼「どうして?ダメだったか?」
キラリ「私達……付き合って無いじゃん………」
翼「まぁ、そうだな…」
キラリ「なのに……勝手なこと言うなよな!」
そう言ってキラリは立ち上がり、走り去ってしまった。
キラリ………
翼は一人取り残され、しばらくそのままベンチから動かなかった。
翼のバカやろう!どうしていつもいつもそうやって……女心をもてあそぶようなことばかりするんだよ…そういうのが返って傷付くって………どうしてわかってくれないんだよ………
キラリは切なさのあまり目から涙がこぼれ、そのしずくは風に乗って虚しく宙に舞う。
それからキラリは、翼の言葉を思い出す度に切なくなっていた。
あれが…あの言葉が現実だったらなぁ…
〝付き合ってるよ。俺、キラリの彼氏だから〟
凛花「キラリ?ねぇキラリ?」
キラリ「え?どしたの?」
凛花「それはこっちのセリフ!最近全然心ここに在らず状態でさぁ…また翼と何かあったの?」
キラリは黙っている。
凛花「ねぇキラリ………実はさぁ………私最近……二年の転校してきた男の子に告られちゃって……」
キラリ「え?」
凛花「付き合って欲しいって言われてるんだけど……まだ返事してなくてさぁ…」
キラリはそれを聞いて羨(うらや)ましくなった。
キラリ「それで?どうする気?」
凛花「うーん…その子から今度デートのお誘いがあって…それで…キラリ達とダブルデートってどうかな?って…」
キラリ「ダブルデートって…私相手居ないじゃん…」
凛花「だからぁ、キラリは翼誘ってくれないかな?って…」
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