キラリの恋は晴れのち晴れ!

CPM

文字の大きさ
上 下
12 / 80

第11話 意外にウブなキラリ

しおりを挟む
~翌日の朝~

翼「キラリ…キラリ起きろよ…なぁキラリ…」

翼はキラリを起こしにキラリのベッドで馬乗りになって揺さぶり起こそうとしていた。キラリは寝ぼけて翼を抱き寄せ、寝たままの状態で翼にハグした。

翼「ちょっとお前なに寝ぼけてんだよ!起きねぇと遅刻すんぞ!キラリ!」

キラリはボヤけた視界に翼の顔がすぐ目の前にあることに気付いて翼を跳ね飛ばした。

ドン!

翼「キラリ…お前何すんだよ!」

キラリはまだ身体が思うように動かないが、驚きのあまり頭は一気に覚めかけていた。

キラリ「え?え!?翼何すんだよ!」

翼「あっ!!?それはこっちのセリフ!」

キラリ「だっ…だって…お前今私にキスしようとしてただろ!」

翼「はぁ!?抱き寄せて来たのはそっち!お前が寝ぼけてるだけ!」

キラリ「い…いや…私…まだファ…ファーストキスとか…し…したこと無いんだから…かっ…勝手なことすんなよな!」

翼「え?お前…マジで!?まだキスもしたことねぇのかよ…」

キラリ「い…良いだろ別に…私のファーストキスは…イケメン王子様の為に取っておいてあるんだよ…」

翼「はははははははっ…ほんとお前は見かけによらず夢みる乙女だなぁ~」

キラリ「わ…笑うな!!!」

翼「とりあえず起きたな。すぐに着替えて支度しろよ!朝飯出来てんぞ!」

着替え…

そうだ!着替え!

あいつ…マジむかつく!きっとあいつはたくさんの女をこうやってもてあそんで来たんだ…

女の着替えを普通に見てるなんて…なんて汚らわしい…


キラリは嫉妬の鬼と化していた。


キラリは着替えて食卓テーブルに着いた。
薫はキラリの顔を見て、また翼と何かあったのだと悟っていた。

薫「キラリおはよう!」

キラリ「おはよう…」

薫「翼、今日はちょっと私とデートしよっか?」

翼「あ、いっすよ」

えぇ!?母ちゃんが翼とデート!?どういうこと!?

薫「今日、キラリの教材買いに行くんでしょ?沢山買うなら歩いて持って帰るの大変だろうし、私車出すから一緒に行こうか」

翼「あっ、それ助かるッスねぇ」

薫はキラリの顔をチラッと見た。キラリは更に不機嫌な表情に変わっている。

薫「キラリ?今日から楽しいマンツーマン家庭教師生活が始まるね?」

キラリ「別に…全然楽しくなんかないよ…」

翼もキラリの顔を覗きこむ。
キラリは朝ご飯を半分以上残して立ち上がり、何も言わずに洗面所へ向かった。

薫「キラリ~?食欲ないの~?」

キラリ「うーん…」

薫「じゃあごちそう様でしたでしょ?」

キラリ「お粗末さまでした…」

薫「チゲぇーだろが!!!」

キラリは薫の声色が変わったことに焦って

キラリ「あっ…ごちそう様でした…」

と可愛く言い直した。


キラリと凛花が一緒に登校中、凛花は昨夜のことが気になってキラリに聞いてみた。

凛花「キラリ、昨日はあれからどうだった?」

キラリ「昨日?…ハァ~…」

キラリは大きくため息をついた。

キラリ「なんかさぁ…翼とはどうも合わないっつーか…いつもくだらないことで喧嘩みたくなっちゃうんだよねぇ…」

凛花「くだらないこと?」

キラリ「うーん…あいつマジ空気読めないっつーかさぁ…女心わかんないつーか…イチイチ人の神経ぎゃく撫でするっつーか…」

凛花「多分…それ…さか撫で…」

キラリ「あいつけっこう女遊びしてんのかなぁ…」

凛花「どうして?そんな素振りあるの?」

キラリ「素振りも手振りも、女と一緒に寝るのが慣れてるだとか、いつも女が自分の前で着替えるから気にしないだとか…

そういうことばっか言われるとさぁ…こっちだっておもしろくないじゃん!」

凛花「まあねぇ、例えキラリが翼のこと好きじゃ無いにしても、やっぱりおもしろくは無いよねぇ…」

キラリ「そうなんだって!全然翼のことなんか好きでも何でもないけどさ…

〝私はまだキスだって未経験だっつーの〟!!!!!」

キラリは昨日の晩のことを思い出してつい大きな声を上げていた。

凛花「まあ、そう熱くならないで…みんな振り返って見てるから…」

キラリ「ハァァ~~~…」

キラリは再び大きく深いため息をついた。

凛花「今日から家庭教師スタートなんでしょ?」

キラリ「うーん…小学校一年の問題から全部やり直しだってさ…めんどくさ…」

凛花「それはさすがにめんどくさいね…」

キラリ「母ちゃんも私の成績が全く上がらなかったら翼追い出すっつーしさ…」

凛花「あらら…」

凛花はキラリの胸中を察した。

キラリ「私だってさぁ~、翼とは喧嘩なんかしたくないし、むしろ…ちょっと甘い関係で居たいんだけど…」

凛花「そっかそっか、キラリにとっては家庭教師は王子様みたいな存在だもんね。ずっと憧れて来たんだもんね!」

キラリ「うん…小学生の頃からずっと夢見てたのに…それがまさか翼みたいなヤツだとは…トホホ…」

凛花「翼は今彼女居るの?」

キラリ「わかんない…けっこうノラリクラリと逃げるから、いまいち掴めないんだよねぇ…」

凛花「直接聞いてみた?」

キラリ「聞いてない…」

凛花「どうして?」

キラリ「だ…だってさ…そんな事聞いたら…なんか私が翼のこと好きみたいに思われちゃうじゃん!私は絶対あんなヤツ好きになんかならないの!!!」

凛花「はいはい…わかったわかった…」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

やさしいキスの見つけ方

神室さち
恋愛
 諸々の事情から、天涯孤独の高校一年生、完璧な優等生である渡辺夏清(わたなべかすみ)は日々の糧を得るために年齢を偽って某所風俗店でバイトをしながら暮らしていた。  そこへ、現れたのは、天敵に近い存在の数学教師にしてクラス担任、井名里礼良(いなりあきら)。  辞めろ辞めないの押し問答の末に、井名里が持ち出した賭けとは?果たして夏清は平穏な日常を取り戻すことができるのか!?  何て言ってても、どこかにある幸せの結末を求めて突っ走ります。  こちらは2001年初出の自サイトに掲載していた小説です。完結済み。サイト閉鎖に伴い移行。若干の加筆修正は入りますがほぼそのままにしようと思っています。20年近く前に書いた作品なのでいろいろ文明の利器が古かったり常識が若干、今と異なったりしています。 20年くらい前の女子高生はこんな感じだったのかー くらいの視点で見ていただければ幸いです。今はこんなの通用しない! と思われる点も多々あるとは思いますが、大筋の変更はしない予定です。 フィクションなので。 多少不愉快な表現等ありますが、ネタバレになる事前の注意は行いません。この表現ついていけない…と思ったらそっとタグを閉じていただけると幸いです。 当時、だいぶ未来の話として書いていた部分がすでに現代なんで…そのあたりはもしかしたら現代に即した感じになるかもしれない。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

ルピナス

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。  そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。  物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。 ※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。  ※1日3話ずつ更新する予定です。

処理中です...