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2章 新生活スタート

26 研究室にて

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【attention】バールさん回です。
過激な表現にご注意ください。
苦手な方は飛ばしても問題なくストーリーが繋がります。

*****



午後の授業を終えた俺は、早速帰り支度をしていた。



「カンザキ、一緒に帰る?」


「あ、すまん。実はこの後先生に呼ばれてて。」


「そうなのか。初日から大変だな…困ったことがあれば言ってな。」



本当そうだよな…初日から大変だよ。
ユージンを騙す様な形になってしまったが仕方ない。

余計な噂は広めたくないからな。


そう、俺が呼ばれているのは、担任のハイル先生のところではない。

研究の助手として、バールさんに呼ばれているのだ。


*****


俺が研究室に着いた時には既に、バールさんは準備万端だった。

ソファの前で床に跪いた姿勢のまま、手を後ろで固定したバールさんは
その中性的で美しい顔を紅潮させながら、期待の眼差しでこちらを見ている。

相当待ちわびたのか、赤い唇を舐めて濡らしていた。



「遅かったじゃないか、ご主人様?」


(ええええええ…待ってくれ、もう臨戦態勢?!)

ふと手を固定しているものに意識を向けると、さらに驚いた。


「バールさん…それ、縄ですよね?どうやって縛ったんですか。」


「無論魔法だ。そんなことはどうでも良いだろう。…さぁ、早くっ!」


「ハイハイ…」


何事も諦めが肝心。
嫌々ながらもソファに腰掛け、
その勢いのまま鳩尾に軽い蹴りを入れた。

途端、バールさんの身体が跳ね上がった。


「…ぅぐ…っ!」


短い刺激じゃ足りないだろうと、鳩尾部分に爪先を押し込み、力を入れる。

その度に、身体を揺らし、気持ち良さそうに声を漏らす。

あ、口から涎が落ちた。


「あう…あっ!もっと…」


あまりに嬉しそうなので、脇の部分の爪先で擦ってみた。

すると、擽ったいのか、すぐに身体がピクピクと痙攣を始め身を捩らせた。



「っぁん…擽ったい…」


「痛み以外でも喜ぶんですね。」


「ッ違う!痛みが欲しいんだ、もっと蹴ってくれ!!」



からかい半分で言ってみたが、
逆に蹴りの熱烈オファーを頂いてしまった。

怖い怖い…瞳孔開いてるよバールさん。


「良いですけど…バールさん、いつになったら錬金術について教えてくれるんです、かっ!」


「ぐっ…あ!!」


もう焦点は合っていない。

これはまたご満足頂けるまで教えてくれなさそうだ。
ということで、昨日よりも強めに脇を足で蹴り上げてみた。


「、がぁっ!…ぁぅ…」


バールさんの身体は小刻みに身体を震わせながら、身体を支えるのにも我慢ならないらしく、前のめりに伏せた。


「これでいいですか?」


「あ…はぁ…あと一回だけ…!」


快楽に溺れ、息も絶え絶えと言った感じだが、それでも欲望は尽きないらしい。

しっかりと要求を出してきた。

あと一回ね。マーナよりは控えめだな。
感覚が麻痺しつつある俺は、何ら疑問も持たず、何処なら満足してもらえるかと探ってみる。

指先で強く圧迫しながら、固定された手を避けて、首、背、腰と刺激していく。


「ひぁっ!」


あ、ここはまずいな。

マーナの尻尾の付け根の下を刺激している感覚で、バールさんの尻あたりを刺激してしまった。

獣でない限り、これはただの痴漢だ。

お縄につきたくないので慌てて手を退けようとすると、
そこを押せとばかりに下半身を手に押し付けてきた。

思わず顔を覗き込むと、顔を真っ赤にさせ、虚な表情のバールさんと目が合った。
相変わらず、口の端は唾液でてらてらと光り、顎まで線を引いていた。


「そこっ!そこにほしい…!」


ー ゾクリ


「…どうして欲しいですか?」


「ゆ、指先で…強く押してくれっ!」


「ダメですよ。そんなことしたら、ここの骨折れちゃいます。」

尾骶骨付近をトントンと指で突く。
その刺激でさえも良いのか、ビクリと身を強張らせる。


「いいからっ…!」


「ダメです。」


そう言いながら、いつもマーナにしているように、腰辺りで弧を描くように優しく触れる。


「ぁう…優しいのは、嫌いっ…だ!」


「我儘ですね。」



俺は根負けし、尾骶骨をわざと避け、柔らかい肉の部分に指を突き入れた。


「ぁっ…!そこぉ!!」


グッと押し込み刺激すると、ツボに入ったのか、気持ち良さそうな顔で気を失ってしまった。


…やべ、やり過ぎたな。


(サービスついでにチョーカーも引っ張ったのが仇になったかもしれない。)


仕方ないので、固く結ばれた縄を解いて、バールさんを抱き起こす。

真っ白な手首に残る縄の痕は、裂傷の痕と相まって痛々しさを増していた。


(なんでこんな痛みを求めるんだろう…)


年季が入っている傷もあれば、真新しい傷もある。

成人男性にしては軽い身体をソファに寝かせ、お茶を入れるためにその場を離れた。

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