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1章 ようこそ魔法の世界!
11 おやすみ
しおりを挟むログハウスに戻り、ベットへ直行し顔面からダイブ。
「あ"~疲れた…」
そんな様子を見てマーナは笑みを深めた。
尻尾がプラリとゆっくり揺れる。
「中々の視線の嵐だったな。」
「ちょっともう行きたくなくなってきたよ。」
「まあそう言うな。美味い飯が食べられるんだ。視線など気にしなければいい。」
「そうは言ってもなあ~」
「そんなことより。」
マーナは俺が寝転がるベットに片手をついて体を寄せてきた。
「撫でるんだろう?」
「え、人型のまま?てっきり元に戻るのかと…」
「得る感覚は人型をとっても一緒だ。
撫でやすいのはこちらだろう。」
「あー、まあ…」
ちょっと視覚的に異なると言うか。
一回りも上の人を撫で回すのもちょっとな…
「ホラ、早くしろ」
「何でそんな積極的なんだよ…」
マーナはそう言って頭を擦り寄せてきた。
へーへー分かりました。
これから数分心を無にします。
フワッ
まずは頭から。
やはり人型になっても毛はモフモフのまま。
髪を梳くように少し爪を立てて撫で付ける。
マーナを見ると上機嫌に撫でられていた。
ありゃ、昼間ほど気持ち良くなさそうだな。やっぱりツボがあるのか?
近所のタロ(柴犬)を撫でていた時を思い出す。
あ、そうか。顎と尻尾の付け根を撫でると喜んでたな。
「ッ、ん?」
右手で顎をクイッと持ち上げ、中指と人差し指で擽ったり、撫であげたりしてみる。
「あふ、」
お、犬っぽい鳴き声がした。
心なしかマーナの呼吸が早くなっている。
次はと…
マーナの体がデカいので、抱き込むようにのしかかり、尻尾の付け根をトントンと刺激する。
すると、ビクリと背が震え、深呼吸を始めた。
「フーッ!」
いやこれ警戒されてない?大丈夫??
手を引っ込めようとすると、辞めるな、と言わんばかりに体を寄せてきた。
あーハイハイ。撫でりゃ良いんでしょ。
尻尾の付け根、かなり抵抗があるが腰と尻の間あたりを少し力を込めてグルリと一周させる。
お、また体が強張った。
緊張を解すように、柔く揉み込むと、
「ッハア…」
力の抜けた様な声が聞こえた。
もう良いかな?
「マーナ?もう良い?」
「あと3回…」
「いや強欲かよ。」
「早く…!」
溜息を吐き、手の動きを再開させた。
もう大分眠い。
何なら今寝れるくらい眠い。
やっぱ無理…おやすみ…
「あ!オイ!寝るな!!」
ZZZ…
「全く、普通私を撫でながら寝るか?図太いと言うか、なんというか…」
入眠したカンザキの隣でグチグチとごちる。
「まあ良い。やはりカンザキの撫で技はここらで一番だ…明日からも楽しみだな」
嬉しそうに息を弾ませ
フルリと体を震わせながら寝る態勢をとった。
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