上 下
108 / 145
DLC本編

ツケ (※微)

しおりを挟む

⚠︎attention!

ここから先、年齢制限の必要な描写がございます。
苦手な方はパスしていただいても、ストーリー進行上問題ございません。

**********************

「ツケって何の?!」

「そりゃあ、こっちは相当な覚悟で送り出したんだ。数年は触れられないかも、なんて考えてた。」


先生はそこで一息つくと、急に隣のスペースに腰掛ける。


「それがどうだ?…なんの知らせもなく、1年でひょっこり帰ってきやがって」

「うわっ?!」


身を引く前に、驚くべき速度で両手を掴み上げられ拘束されてしまう。
ソファで引き倒され馬乗りになられているこの状況、どう考えても手遅れだ。


「どうなるか分かってて顔出したってことで…いいんだよな?」

「わ、わかんないデスゥ…」

「そうか、なら俺直々に教えてやろう。留年生への特別補習だ。」

「うぅ、悪魔も尻尾巻いて逃げる恐怖ワードォオオ!!…っ」


喚く俺の上半身と顔にずっしりとした重さがのし掛かった。
え、何かって?そりゃもう…約1年振りの“ベロチュー“ですよ。

(現実ではそんな関係の人、出来てないからね!!)

「んっ、」


現実逃避を続けようとする俺を見咎めた先生は、俺の弱いところを的確に舌で擦り上げて、脳を痺れさせていく。
この体勢では、追い詰められるようなキスも、重力に従って注がれる唾液も、ただ受け入れるしかない。

唾液と舌の混ざり合う音が、耳を刺激した。

(俺、先生とえっちなことしてる…)

1年間ですっかり感覚がリセットされていた俺は、濃いキスをされただけでも顔中に熱が集まるのを感じる。
前はもっと深い事までしたのに…なんて考えてしまった瞬間、猛烈な羞恥心が湧き上がったのを感じた。

先生はそんな俺を見て、驚きの表情で口を離す。


「顔赤くないか…初心かよ」

「…ぅ、うるさい変態教師」


先生は俺の顔をじっくりと観察しながら、おもむろにネクタイを外し始めた。


「え、待って先生。ここで脱ぐの?ていうか本当に何かするの?!」

「本番まではしねぇよ…あ、期待してたか?」

「してないしてない全くしてない」

「それも面白くないな」


本番まではない、と言われホッとしたのも束の間。
気を抜いていた俺は、あれよという間に手を上質そうなネクタイで緩く縛られてしまった。


「なん、ぇ」

「これはお前を繋ぎ止める、緩い鎖だ。本気を出せば解くことができるが…どうする?」


先生は冗談まじりに俺に問いかける。
その言葉の軽快さとは裏腹に、少しの身動ぎも許さないという目の温度差を感じ取り、思わず息を呑んだ。

今回のゲームクリアの条件はわかっていない。
だからこのイベントは、いわゆるストーリー進行外かもしれない。

先生を今この瞬間に受け入れる必要もないわけだ…けど。


「先生、俺は…「名前」っこう、先生」


先生はソファに広がった俺の髪を掬い、指で弄んでいる。
俺は、手首を縛る拘束は外さずに話し続ける。


「輝先生…会いたかった、です」

「…」

「少しの間しか居れなくて、ごめんなさい。でも…皆に」


『皆に会いたくて』と言いかけた瞬間、襟元を強く引かれ、息を喰われた。
同時に、熱を持ちそうになっていた箇所を撫で上げられる。


「んぅう!!」


ぼんやりとした頭で抵抗するが、先生の手も口も、止まる気配がない。

グチグチと湿り気のある音が鳴り始めた時にはもう、全身から力が抜けてしまっていた。
どこかに縋り付きたくて、拘束された手で、目の前の温度を手繰り寄せる。


「おい」

「…っぁ、あぅ」


キスをやめた先生の呼びかけにも気が回らず、俺は必死で快楽に耐えようと、縋り付く力を強めた。


「…気が変わった」

「ふっ、ぇ?」


先生が、突如動きを止めた。
つられて瞑ってしまっていた目を開くと、ドアップの美貌が。

(…ん?)

温かいからと縋ったのは輝先生の頭だったようで、意図せず俺は首元に手を回していたようだ。
…ってことは

(抱き寄せた感じになっちゃった、よな?)

状況を理解した俺は、恐る恐る先生の顔を窺おうとして、尻に押し付けられる硬いモノに気がつく。


「完全に勃った…忘れてた、お前がこういう奴だって」


“後の祭り“なんて良くある言葉が、音頭と共に頭の中で響き渡った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ゲームの悪役に転生してしまった!けどこの勇者、俺無しでは動きません!!

メシウマ
BL
大学受験に失敗した俺、仲野大地(なかのだいち)は開き直って趣味のゲームに没頭しようと意気込むが、実家の階段で足を滑らせそのまま帰らぬ人となってしまう そして、気付くとどハマリしている大好きなゲームの中の超小物悪役に転生していた! 「何で魔王の手下で、しかも序盤で死ぬコイツなんだ!?死んで早々また死ぬ運命だなんて嫌だ!!」 前世のやり込んだこのゲームの知識を駆使して、何とか死亡ルートを避けつつ憧れの勇者ラシエルの勇姿を生で見てみたい!とやる気に満ち溢れるが……主人公の勇者が動きません!!文字通り、俺無しでは動きません!! そんな勇者を手助けしながら物語を進めていくが、自分が関与することでことごとくストーリーが拗れていき、そしてその先に待ち受ける衝撃な事実に、俺の運命は一体どうなるーー!? R18には※

BLゲーの悪役に転生したら予想外の展開でした。

たら
BL
はぁぁん??意味わからない。 【主人公】 前世→腐男子くん 前世は普通に平凡なオタクの腐男子。 周りには萌え系が好きと言っているが腐男子の事は墓場まで秘密にしている。 何故かめちゃくちゃハマってたBLゲームの大嫌いな悪役キャラに転生しててショック。 死んだ訳では無いのに意味わからん状態。 西園寺光輝 (さいおんじ こうき)悪役 超大金持ち西園寺財閥、西園寺家の御曹司。 我儘で俺様でありながら何でも完璧にこなす天才。 そのカリスマ性に憧れて取り巻きが沢山居る。 容姿は美しく髪は濡羽色で瞳は宝石のアメトリン。 ヒロインが攻略キャラ達と仲が良いのが気に食わなくて上手こと裏で虐めていた。 最終的には攻略キャラと攻略キャラ達に卒業パーティーで断罪されて学園を追放される。 ついでに西園寺財閥も悪事を暴かれて倒産した。 【君と僕とのLove学園】(君ラブ) ストーリーとキャラデザ&設定が神すぎる上にボイスキャストも豪華でかなり話題になった大人気BLゲーム。 〜あらすじ〜 可愛い容姿をした超貧乏学生のヒロイン( ♂)がひょんな事から、道端で周りの人間に見て見ぬふりをされて心臓発作で蹲ってたLove学園の学園長を助けてお礼はいらないと言って立ち去った。 優しいヒロインの事が気になり勝手に調査したが、貧乏すぎて高校に行ってない事が分かり編入させるという形で恩返しをした。 そこから攻略キャラ達とラブストーリーが始まる!!

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

俺は薄幸の青年じゃない!勘違いしないでくれ!

bull
BL
異世界に転生した主人公。 気づいたら森で眠っていた。 ……ん?俺、服着てなくね? こんな肌白かったっけ……? ********** 「なんて可哀想なんだ!そんな美しく愛らしい見た目で裸で捨てられたのか?あぁ!可哀想に!もう大丈夫だ!これからは俺が守ってやるからな?」 ………………は?

病んでる愛はゲームの世界で充分です!

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
ヤンデレゲームが好きな平凡男子高校生、田山直也。 幼馴染の一条翔に呆れられながらも、今日もゲームに勤しんでいた。 席替えで隣になった大人しい目隠れ生徒との交流を始め、周りの生徒たちから重い愛を現実でも向けられるようになってしまう。 田山の明日はどっちだ!! ヤンデレ大好き普通の男子高校生、田山直也がなんやかんやあってヤンデレ男子たちに執着される話です。 BL大賞参加作品です。よろしくお願いします。 11/21 本編一旦完結になります。小話ができ次第追加していきます。

悪役王子の幼少期が天使なのですが

しらはね
BL
何日にも渡る高熱で苦しめられている間に前世を思い出した主人公。前世では男子高校生をしていて、いつもの学校の帰り道に自動車が正面から向かってきたところで記憶が途切れている。記憶が戻ってからは今いる世界が前世で妹としていた乙女ゲームの世界に類似していることに気づく。一つだけ違うのは自分の名前がゲーム内になかったことだ。名前のないモブかもしれないと思ったが、自分の家は王族に次ぎ身分のある公爵家で幼馴染は第一王子である。そんな人物が描かれないことがあるのかと不思議に思っていたが・・・

処理中です...