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落ち着いてほしい ※微
しおりを挟む(いや朝ごはん食べたいんだけど…)
再び秀先輩の顔がゆっくりと近づけられ、俺が後ずさると背後から強い力で引っ張られる。
「あぶねっ…!」
「秀、土俵は同じにしてやったけどそれ以上は譲る気はねぇぞ」
「兄貴にしては珍しく嫉妬深いな?…その言葉、そのまま返す。」
俺が引っ張られた反動でヨロヨロとステップを踏んでいる間に、また兄弟同士で喧嘩を始めてしまった。
(もう付き合ってられん…)
先生に背後から腕を回されていた俺は、我慢ならんと身を捩る。
(ウッ…!がっしり掴まれてて身動きが取れない…!!!)
非力の代名詞とも言える引きこもりの俺は悔しいが脱出を諦めて、先生の腕をバシバシと叩き訴えた。
「あーもう…仲良いのは分かったから朝ごはん食べさせて下さい。」
「気が変わった」
「…へ?」
先生は素早く俺を横抱きにすると、何処かの部屋へ移動を始める。
「ちょ、先生…?!」
「兄貴、何するつもりだ」
「イイコトに決まってんだろ」
「「は?!」」
秀先輩とハモっちゃったよ!!!
何言ってんだこの担任…っ!
落とされても困るので、大人しくはしているが、心中では大荒れだ。
「兄貴頭おかしくなったのか…?流石に俺も擁護出来ないぞ。」
ちゃっかり先生の後についてきている秀先輩は、めちゃくちゃ引いた目で先生を見ている。
そりゃそうだろ…俺だって兄弟が急に"ヤる宣言"して部屋に後輩を連行しだしたら、驚く通り越して恐怖する。
「あ?なんだ秀…お前見学希望か?」
先生は小馬鹿にした笑みで秀先輩を焚き付ける煽りを始めた。
(いや、負けん気が強い先輩にそんなこと言ったら…っ!!)
「…は?俺がいつ見てるだけと言った?」
「ほ、ほらぁぁああ!!!」
「うるせぇ!」
「先生が変なこと言い出すから秀先輩まで影響されちゃってんじゃんか!!!」
「…その秀先輩ってのも気に食わねぇな。」
「話聞いて?!?!」
先生は目的地に着いたのか、俺をキングサイズの特大ベッドに軽く放った。
家もデカけりゃベッドもデカいんか!!
「ぎゃっ!」
「俺のことも名前で呼べよ、輝先生…ってな。」
「…呼ぶなよ、田中。俺だけにしておけ。」
秀先輩は投げられた俺を抱き起こしながら、先生に睨みを効かせる。
頭をゆっくり撫でられて、ザワついてた気持ちが落ち着いていく。
「兄貴、田中を雑に扱うな。」
「そーだそーだ!!!」
「…ハッ、いつまでその余裕が保つんだろうな。」
先生は素早くシャツを脱ぐと、無駄のない筋肉を晒す。
「ひぇ…っ!」
(に、肉体美!!)
秀先輩の腕に抱かれていた上半身ではなく足に乗り上げると、その茶金色の前髪を掻き上げた。
「…ソイツに、俺ので悦がる姿を見せつけてやれよ。」
秀先輩にチラリと視線を送り、俺にキスを降らせる。
「ンンッ…!」
「…オラ、舌出せ。」
首筋を撫でられ、ゾワッとした快感が背を走る。
もどかしい刺激に、無意識に口を開けてしまった。
「んむっ…ぁん…」
引っ込んでいた舌を甘噛みされ、引き摺り出される。
チロ、と裏筋を舐め上げられて、腰に痺れが溜まる。
「んっ…」
思わず顔を背けようとすると、身体が動かない。
秀先輩は拘束をやめず、俺の悶える顔を見ていた。
(先輩しっかりしてくれぇええ!!ストッパーになってくれるんじゃなかった?!!)
「せ、んぱ…ぁ…み、ないでぇ」
「…っ田中…俺の名を、呼んでくれ。」
「…?秀せんぱ…っああ?!!」
訳がわからず素直に先輩の名前を呼んだ瞬間、先輩の指が俺のモノを優しく握り込んだ。
俺は思わず腰を引いてしまうが、先輩と密着し過ぎているため、逃げ場がない。
「おい秀、邪魔すんなよ。」
「…田中にもっと可愛くなって欲しいだけだ。」
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