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普通にバレてました
しおりを挟む「あれ…っ、先生?!」
俺の予想を裏切り、そこには隣人ではなく先生が立っていた。
…って"浮気者"?!
「どうしたんですか、急に…」
「立ち話も何だろ?入れてくれよ。」
「いやそれ、家主が言うセリフ…」
先生は俺と肩を組むと、するりと部屋に入ってきた。
な、慣れてやがる…っ!
俺は仕方なく鍵を閉め、ソファまで誘導する。
「家庭訪問ですか?あいにく親は…」
「ちげぇよ。お前の様子を見にきたんだよ、ダーリン?」
「…へ?」
先生は笑みを深めて、俺の肩に両腕を軽く乗せた。
こてん、と首を傾げるが、里田のような純真さは皆無だ。
むしろ…怒ってる?
「さっき教室で会ったじゃねえか…何してたのか、気になってなァ?」
教室なんていつも…ハッ?!
「せ、せんせ…まさか…」
「ロッカーに入るなんて、お前も探検したい盛りなのか?」
"さぁぁぁぁとぉぉぉぉだぁぁあああ!!!!!!"
俺は声にならない叫びを上げる。
「あのぉ、あれは…咄嗟というか。」
「咄嗟?俺が来たから咄嗟にロッカーで盛ったのか?」
「いやいやいや、そんな訳ないでしょ…結果的にはそうなりましたけど!」
「なってんじゃねぇか。」
先生は両肩に乗せた腕に力を入れ、俺を上から抑えつける。
いでで…
「お前はフラフラと…俺だけじゃ満足出来ないのか?」
「いや別に先生と何か約束した訳じゃ…っ!」
ない、と言いかけた俺を、先生はそのままソファに押し倒した。
「雰囲気で察しろ、って言うのも不十分だったか。
文章読解が得意なお前にはピッタリだと思ったが…」
先生はニヤついた笑みをそのままに、グイッとネクタイを緩める。
「えっ、えっ?!」
「物分かりが悪い生徒には、お仕置きが必要かな?」
「ェェ~…何このエロゲ展開…」
「お前そんなのやんのか…必要ないだろ、俺がいるんだ。」
自信満々に言うと、先生は解いたネクタイで俺の手を縛り上げてしまう。
縛ると言っても、本気で力を入れれば解けてしまいそうな程度だ。
(これは…試されているぞ…!)
本気で抵抗すれば、先生はやめるだろう。
このまま縛られていれば、俺がOKしたとみなす。
きっと、そう言う事だ。
「なあ、田中…」
「ひぇっ…なんすか?」
先生は俺の脇腹を軽く撫でながら、声を掛けてくる。
「俺も教師だからな。卒業まで待つ…それまでの行動は見ないフリをしよう。
だが、必ず俺の元に戻ってこい。
約束するなら、このまま受け入れろ。」
先生は少し甘えるように、俺に唇を寄せてくる。
首元、鎖骨、下腹部…
チュッ、チュッ
と言う可愛らしいリップ音が俺の緊張を解していく。
(でも、駄目だ。)
俺は縛られた腕を出来る限り広げ、下腹部に口付ける先生の頭を優しく捉える。
「先生、無理だよ。約束できない。」
「…は?」
訝しげな先生の表情に、ついにこの時が来たかと重い息を吐いた。
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