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主人公の悩み
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翌日。
俺は主人との待ち合わせ場所にオンタイムで到着した。
既にそこには主人がいて、煌びやかなオーラを放っている。
周囲のモブの視線も釘付けだ。
「早いな主人!待たせちゃった?」
「いや、全然。
…田中の私服、初めて見たな。」
あ、やっぱり昨日のジャージは私服にカウントされないのね。
逆に、主人の私服はもう見慣れた物だ。
今日は、シャツにジーパン、薄手のカーディガン。
言葉にすると普通に感じるが、色合いが薄いベージュなど茶系で纏まっており、統一感のあるコーディネートだ。
どこからどう見ても高校生には見えない。
対する俺は、綺麗系な主人の友人として遜色ない無地の黒パーカーとスキニーで来た。
いや、これでも頑張ったんだからな!
後の服なんて、何故か『USA』とか『California』やら謎プリントが施されたトレーナーやTシャツしかなかったんだから!!!
部屋のわりに用意する服が幼すぎるのやめて欲しい。
「あんまり服持ってなくてさ~地味でごめんなあ」
「いや、似合ってる。田中の良さを引き立ててると思う。」
さり気なく俺の手を取り、ニコリと笑いかけてくる。
ウッ、一つ一つの動作が、笑顔が…眩しい…!!
「それじゃあ行こうか。」
「そういや、本当に良いのか?俺に付き合ってもらっちゃって。」
「ああ、勿論だ。俺もゆっくり田中と話したかったんだ。」
そう、結局今日はノープランで2人で散歩がてら周辺を探索することにしたのだ。
この世界に来てから、周囲の散策が出来ていなかったので、一度やっておきたかったんだ。
(ゲーマーとしては、ここがオープンワールドなのかが気になるところっ!)
後でどこまで移動出来るか、そこら辺走ってみようかな!と馬鹿らしいアイデアを考えながら歩みを進める。
俺たちはコンビニに立ち寄ってから家の近くの並木道を通りかかった。
今年は桜が遅咲きで、まだ咲いていたので、花見でもしようかという話になったのだ。
適当なベンチを見つけ、お菓子を食べながら景色を眺める。
「そういや、最近仕事どうなの?学校も行きながらなんて忙しくないか?」
「ふふ、心配してくれるのか?…まあ、忙しい時もあるっちゃあるけど、そんなに大変ではないな。
学校に行けば、みんなに会えるから。」
そこで言葉を切り、笑みを深めてチラリとこちらを見る。
(まるで、俺がいるから…って言っているみたいだ。)
俺はなんでこんなに主人に好かれているのか、理解出来ていない。
(お互いにこの学校初のダチなんだけど、なんかそれ以上の好意を感じるんだよなあ…)
でも大したことはしてない。
ただクライスメイトのメンツで馬鹿話して、授業中は先生の目を盗んで変顔してみたり…
本当にこれだけなんだけどな。
あ、そういえば変顔は俺が1人でしてるわ。
「そっか。それならいいんだけどな。
疲れたら休んでもいいんじゃない?
仕事は次々にくるかもしれないけどさ、主人は人間なんだし。休むのも大事!!」
俺の周りには忙しくても休まないタイプのやつばかりで心配になってしまう。
俺は真逆を行く人間だからね!
「田中の言葉はいつも温かいな。
…これだから手放せなくなる。」
主人は突然俺の手首をそっと握り、
俺がチョコを食べる手を止めさせた。
ンン?
「大変では無いけど…最近困ってることはあるんだ。」
主人は眉を下げ、目元を少し赤らめながら視線を合わせてくる。
こういうなんでも無い場面で演技力を見せつけてくるのやめ…え?本気??
「え、なに?」
「田中、俺さ…お前が黒木や里田と仲が良さそうなのが辛い。」
…は?
俺は主人との待ち合わせ場所にオンタイムで到着した。
既にそこには主人がいて、煌びやかなオーラを放っている。
周囲のモブの視線も釘付けだ。
「早いな主人!待たせちゃった?」
「いや、全然。
…田中の私服、初めて見たな。」
あ、やっぱり昨日のジャージは私服にカウントされないのね。
逆に、主人の私服はもう見慣れた物だ。
今日は、シャツにジーパン、薄手のカーディガン。
言葉にすると普通に感じるが、色合いが薄いベージュなど茶系で纏まっており、統一感のあるコーディネートだ。
どこからどう見ても高校生には見えない。
対する俺は、綺麗系な主人の友人として遜色ない無地の黒パーカーとスキニーで来た。
いや、これでも頑張ったんだからな!
後の服なんて、何故か『USA』とか『California』やら謎プリントが施されたトレーナーやTシャツしかなかったんだから!!!
部屋のわりに用意する服が幼すぎるのやめて欲しい。
「あんまり服持ってなくてさ~地味でごめんなあ」
「いや、似合ってる。田中の良さを引き立ててると思う。」
さり気なく俺の手を取り、ニコリと笑いかけてくる。
ウッ、一つ一つの動作が、笑顔が…眩しい…!!
「それじゃあ行こうか。」
「そういや、本当に良いのか?俺に付き合ってもらっちゃって。」
「ああ、勿論だ。俺もゆっくり田中と話したかったんだ。」
そう、結局今日はノープランで2人で散歩がてら周辺を探索することにしたのだ。
この世界に来てから、周囲の散策が出来ていなかったので、一度やっておきたかったんだ。
(ゲーマーとしては、ここがオープンワールドなのかが気になるところっ!)
後でどこまで移動出来るか、そこら辺走ってみようかな!と馬鹿らしいアイデアを考えながら歩みを進める。
俺たちはコンビニに立ち寄ってから家の近くの並木道を通りかかった。
今年は桜が遅咲きで、まだ咲いていたので、花見でもしようかという話になったのだ。
適当なベンチを見つけ、お菓子を食べながら景色を眺める。
「そういや、最近仕事どうなの?学校も行きながらなんて忙しくないか?」
「ふふ、心配してくれるのか?…まあ、忙しい時もあるっちゃあるけど、そんなに大変ではないな。
学校に行けば、みんなに会えるから。」
そこで言葉を切り、笑みを深めてチラリとこちらを見る。
(まるで、俺がいるから…って言っているみたいだ。)
俺はなんでこんなに主人に好かれているのか、理解出来ていない。
(お互いにこの学校初のダチなんだけど、なんかそれ以上の好意を感じるんだよなあ…)
でも大したことはしてない。
ただクライスメイトのメンツで馬鹿話して、授業中は先生の目を盗んで変顔してみたり…
本当にこれだけなんだけどな。
あ、そういえば変顔は俺が1人でしてるわ。
「そっか。それならいいんだけどな。
疲れたら休んでもいいんじゃない?
仕事は次々にくるかもしれないけどさ、主人は人間なんだし。休むのも大事!!」
俺の周りには忙しくても休まないタイプのやつばかりで心配になってしまう。
俺は真逆を行く人間だからね!
「田中の言葉はいつも温かいな。
…これだから手放せなくなる。」
主人は突然俺の手首をそっと握り、
俺がチョコを食べる手を止めさせた。
ンン?
「大変では無いけど…最近困ってることはあるんだ。」
主人は眉を下げ、目元を少し赤らめながら視線を合わせてくる。
こういうなんでも無い場面で演技力を見せつけてくるのやめ…え?本気??
「え、なに?」
「田中、俺さ…お前が黒木や里田と仲が良さそうなのが辛い。」
…は?
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