BLゲームのモブ(俺)は誰にも見つからないはずだった

反省会

「先生、俺が言いたい事分かります？？」


「…はい」


「寝ながら人に手を出すってどういう事ですか？？まだ起きてる奴にどうこうされた方がマシでしたよ！」


「は？マシなのか？…なんでもないです。」


俺はベッドの上で正座をしている担任に、
生活習慣の改善指導をしていた。

このゲームの仕様上、突然R18イベントが起きてしまうと知っているので、やった事についてはとやかく言わない。

が、寝ながらと言うのは如何なものか。

寝床に入ってれば誰でも襲ってしまうこのエロ担任には灸を据えておこう。

次の被害者が出ないためにもね！！！


「この事は誰にも言いません。勿論先生も心に留めて置いてくださいね。」


そう宣言すると、先生は悲壮感漂う顔で俺を見上げてくる。


「…いいのか？俺は罰を受けて然るべきだと思うが…」


「そんな事は望んでないですよ。俺、先生のこと良い教師だって思ってるので。」


それに、これは寝相の問題とも言って良い。


「俺は、先生の寝相が悪かったと思っておきますので。」


「いや、その後も…」


そうだ。実はその後、何かのきっかけで火が付いた担任にペロッと美味しくいただかれてしまったのだ。

自制心のない大人駄目絶対！

でも俺はこう言うゲームだと知っていた上で部屋に上げているわけだ。同意があったも同然。

しかも俺は学生のフリをしているが、実はとっくに20代後半だ。

以上のことから、不問に付す！！！


「じゃ、次俺が何かに困ってたら助けて下さい。それでチャラです。」


「勿論だ、約束する。」


先生はホッと胸を撫で下ろしている。


「にしても大変な癖ですね。どこでついたか聞いても良いですか？」


「…実は、酔った時の寝込みを女に襲われることが多くて、反射的にああやって追っ払ってたんだ。」


「…は？」


「本来は自己防衛みたいなもんなんだが…今回は加害だな…」


今後気を付ける、といいつつため息を吐く担任を横目に、イケメンはイケメンで大変なんだな…とちょっと同情していた。

物凄くイラッとしたけど。


「じゃ、帰りますか？もう昼ですよ。」


「ああ…そうだな」


先生がスーツのジャケットに手を掛けた瞬間。


カチャッ！と何かが落ちた。


「あ」


「え？先生、ソレ…」


先生はポリポリと頬を掻きながら、
手に取ったものを見せてくる。


「鍵、あった」


「っっっっお茶目か！！！！！」


渾身のツッコミが炸裂したのは言うまでもない。




※ペロッと美味しくいただかれた話は、別途掲載します。