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おわりは突然に ②

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ズププ…


ゆっくりと肉を分け入ってくる教授のものを、咥え込むように締め付けてしまっているのがわかる。

それに…


(薬が切れてるはずなのに、気持ち良いい…っ!)


「あぁ…んっ!」


「はぁ…、キツイな。」


昨日兄貴に時間をかけて解された穴は、少しの刺激で綻んだようで、痛みもなく奥へ奥へと進んでいく。

しかし、教授はただ自身を押し入れているわけではなかった。
途中で壁を擦り上げるように腰を振られ、何も考えられないほど頭が真っ白になってしまう。


「っんぁ…!!」


「はは、良さそうだな。」


そういうと、既にクタクタな俺の腰下にクッションが敷かれ、
尻を完全に教授に明け渡してまっている状況になる。


「この格好、はずかしい…」


「桜井の身体の事を慮ったんだよ、我慢しろ。」


俺の中に入ったままだった自身を引き抜くような動作をしつつ、
余裕の表情で俺を気遣った、などと宣う。

突然の行為の終了の気配に、俺は動揺する。
何か粗相でもしたんだろうか、こんな状況どう収束させるんだ。

…が、それは全くの杞憂だった。


バチュンッ!!


「ひぃ"ぅ…っあ"、あっ!」


突然強く腰を打ち付けられ、昨日散々耳を犯した、肌のぶつかり合う音がする。

刺激に腰が引けてしまい、ズルズルと逃げるように後ずさりするが、
見咎めた教授は、俺の身体を掴み、一層激しく強い律動を開始される。


「逃げんじゃねぇぞ?」


「、む、むりぃ…っああ!!」


内側の弱いところを教授ので思いっきり突かれ、前に触れていないのに勝手に精が逃げていく。


「桜井、今お前どんな状態か分かるか?」


考えさせる時間を作るためか、教授の動きが一瞬停止する。


「…っはあ…ふっ…」


俺はというと、激しい突きの衝撃がまだ身体を支配している感覚に陥っていた。
外に晒された精が、テラテラと白色蛍光灯の光を反射している。

ビクリと反応する俺自身からは、少ないながらもに透明なものが流れ落ちていた。

そこで漸く思考が正常化してきた俺は、目の前で起きている事象を理解する。


「い、イッてる…?!」


「そうだ。良かったな、体の相性がいいらしい。」


「何も良くない…ッ!」


グジュッ、と音を立てて腰をグラインドされる。
突如として再開した攻めに、既に限界を迎えている俺は抵抗もできず、なされるがまま突かれる。


「すまないが、もう少し付き合ってくれ。」


********


スッキリとした顔つきになった教授は、にこやかな表情で俺に話し掛けてくる。


「良かっただろ?」


「良いとか悪いとかじゃないんですよ…!なんで薬切れてるのにあんなことしたんですか!」


俺は何処かやり切った表情をした教授の脇腹を足でつつく。

行儀が悪いって?上体が持ち上げられないんだから仕方なじゃん…。


「好きだから」


「…ん?」


「分かりやすく言ってやろうか。

俺の後ろをついて回る桜井を、性的な目で見ていた。」


「いや、露骨に言い直すのやめません?!」


俺は頭を抱えたくなってしまった。
昨日の立木や兄貴なら納得できる。薬に当てられていたんだから。

でも今はいわば素面だ。


「勘違いじゃないんですか?俺、こんな凡人ですし、好かれる要素ないんですけど…」


「お前は自分を卑下しすぎるのが欠点だな。桜井は十分魅力的だよ。」


「だ、だって俺、好きって言われたこともないし…!」


「は?あの同級生は…いや、なんでもない。

それなら好都合だろ、お試しで俺に身を任せてみろよ。
これ以上無い程甘やかして、側から離れられないくらい俺のことを好きにさせてやる。」


(いやいや教授、心の声漏れちゃってるよ…)


教授の突飛な発言も、どこか納得してしまう自分がいる。

前々から感じていたんだ…俺は少々、いやかなり教授に甘やかされていた。

ラボの出入りだって自由だし、お昼を奢ってもらうことも頻繁にあったし、休日に学会のための研究と称して貴重な資料が保管されている図書館に二人で出向いたりもした。


(これって…デート、だったのでは…?)


今更ながら、めちゃくちゃ重要なことに気がついた俺は、
恐る恐る教授の様子を窺ってみる。

乱れた服を正し、ネクタイを締める姿に少し鼓動が早まる。


「…で?返事は。」


「いや、そんな急に…」


「嫌か嫌じゃ無いかで答えろ。その後どうするかは俺が決める。」


教授は何て事ないような顔で、俺に答えを促す。


「嫌、ではないです。」


「…そうか、まあ精々悩んでくれ。」


教授は俺の頭をポンッと軽く叩き、紅茶を淹れるために席を外した。


「お試しかぁ…まあ、減るもんではないのか?」


体裁なんかより、今後教授から距離を取られてしまう方が怖かった。
あんなに楽しく過ごしていたのに、それが突然消えてしまうのは、どうしてか耐え切れそうになかった。


「…よし。」


俺は散らかされた服を着込んで、教授の帰りを待った。

なんか釈然としないし、驚かせてみたい。

だから、帰ってきた教授が両手に持ったマグカップをテーブルに置く寸前に言ってみよう。


『まずはお試しから、よろしくお願いします』…って。




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