7 / 65
本編【完結】
第七話 侯爵令嬢のお茶会
しおりを挟む
一方その頃、エリアーナの所では……。
「エリアーナ様、私もう我慢なりません!」
「わたくしもですわ!!」
案の定、エルリックとサイモンの婚約者たちが、我慢の限界だ、とエリアーナに泣き付いていた。
時は遡ること数十分前――
今日は午後の予定が急に空いてしまったので、久しぶりに懇意にしている令嬢たちをお茶に誘ってみたのだが……。
――思ったよりカオスだわね、これ。
エリアーナは、香り高い紅茶を飲みながら胸中で冷や汗を流していた。
とりあえず適当に暇そうな方達に声をかけてみただけなのに、どういうわけかエミリアの取り巻き達の婚約者ばかりが揃ってしまった。
狙ってないのになんで?と、目の前に勢揃いした令嬢たちを見ながら困惑していると
「エリアーナ様、今日はお招き頂きありがとうございます。」
そう言って、一同揃い踏みの令嬢たちが一斉に頭を下げてきた。
――ちょっと待って、誘っていない人もいるみたいなんですけどー!?
明らかに誘った人数より多い顔ぶれに、エリアーナは青褪める。
「わ、わたくし、こんなにお招きしたかしら?」
震える声でそう言えば
「ほほほ、エリアーナ様が久しぶりに茶会を開いてくださるんですもの、参加したいご令嬢は沢山おりましてよ?」
「そうそう、皆様この日をずっと待っておりましたのよ、ねえ。」
「ええ、今日は存分に語らいましょう。」
おほほほほほ。
うふふふふふ。
令嬢たちはお上品に笑いながら、しかし目は笑っていなかった。
あ、これあかんやつや、とエリアーナは白目になる。
予想通りその後の茶会は、令嬢たちによる婚約者に対する愚痴大会が繰り広げられたのであった。
「エリアーナ様、私もう我慢なりません!」
「わたくしもですわ!!」
案の定、エルリックとサイモンの婚約者たちが、我慢の限界だ、とエリアーナに泣き付いていた。
時は遡ること数十分前――
今日は午後の予定が急に空いてしまったので、久しぶりに懇意にしている令嬢たちをお茶に誘ってみたのだが……。
――思ったよりカオスだわね、これ。
エリアーナは、香り高い紅茶を飲みながら胸中で冷や汗を流していた。
とりあえず適当に暇そうな方達に声をかけてみただけなのに、どういうわけかエミリアの取り巻き達の婚約者ばかりが揃ってしまった。
狙ってないのになんで?と、目の前に勢揃いした令嬢たちを見ながら困惑していると
「エリアーナ様、今日はお招き頂きありがとうございます。」
そう言って、一同揃い踏みの令嬢たちが一斉に頭を下げてきた。
――ちょっと待って、誘っていない人もいるみたいなんですけどー!?
明らかに誘った人数より多い顔ぶれに、エリアーナは青褪める。
「わ、わたくし、こんなにお招きしたかしら?」
震える声でそう言えば
「ほほほ、エリアーナ様が久しぶりに茶会を開いてくださるんですもの、参加したいご令嬢は沢山おりましてよ?」
「そうそう、皆様この日をずっと待っておりましたのよ、ねえ。」
「ええ、今日は存分に語らいましょう。」
おほほほほほ。
うふふふふふ。
令嬢たちはお上品に笑いながら、しかし目は笑っていなかった。
あ、これあかんやつや、とエリアーナは白目になる。
予想通りその後の茶会は、令嬢たちによる婚約者に対する愚痴大会が繰り広げられたのであった。
0
お気に入りに追加
420
あなたにおすすめの小説
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜
まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。
【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。
三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。
目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。
私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
騎士団長との淫らな秘めごと~箱入り王女は性的に目覚めてしまった~
二階堂まや
恋愛
リクスハーゲン王国の第三王女ルイーセは過保護な姉二人に囲まれて育った所謂''箱入り王女''であった。彼女は王立騎士団長のウェンデと結婚するが、獅子のように逞しく威風堂々とした風貌の彼とどう接したら良いか分からず、遠慮のある関係が続いていた。
そんなある日ルイーセはいつものように森に散歩に行くと、ウェンデが放尿している姿を偶然目撃してしまう。何故だかルイーセはその光景が忘れられず、それは彼女にとって性の目覚めのきっかけとなるのだった。さあ、官能的で楽しい夫婦生活の始まり始まり。
+性的に目覚めたヒロインを器の大きい旦那様(騎士団長)が受け入れて溺愛らぶえっちに至るというエロに振り切った作品なので、気軽にお楽しみいただければと思います。
+R18シーン有り→章名♡マーク
+関連作
「親友の断罪回避に奔走したら断罪されました~悪女の友人は旦那様の溺愛ルートに入ったようで~」
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる