鈴ノ宮恋愛奇譚

麻竹

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小話

とある文化祭の風景

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「ふっふっふ~~撮ったど~~~♪」

文化祭終了後。
後片付けで忙しく動き回る生徒達を横目に、一人ほくそ笑む青年がいた。
不適に微笑むその青年の手には一眼レフカメラ。
写真部から強引に借りてきたものだ。

「くっくっくっく~~~いくらで売れるかな~♪」

カメラを手にしながら口角を上げて高笑いを上げるのは、学園内一お調子者の黒崎光一であった。
光一は借りもののカメラを大事そうになでながら一通り笑った後、この後の展開を想像してまた笑い出す。

「兇の悔しそうな顔が目に浮かぶわ~♪」

あれは本当にスクープだった。

まさか
まさか
あの兇が……

那々瀬にキスするなんて!

光一は撮った画像の確認をしながらほくそ笑む。

ばっちり
はっきり
撮れている。

「いや~兇の王子姿撮ってファンの子に売ろうとしてたけど、こりゃすごい得ダネゲットしちゃったよなぁ~♪」

ふははははは!と夕焼け空に高笑いを響かせる光一は知らなかった。
一週間後
親友によって自分が半殺しの目に合う事になるなんてことは・・・。
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